え!?恩返しが結婚!?エルフの掟では普通なんですか!? 作:hapihapi
しかし……
(うーん……でも夢のような生活とは言え……ずっとこの部屋にいるのもそろそろ飽きてきたわね……)
そうなのだ。本当に夢のような生活なのだが、流石にずっと同じ部屋に閉じ込められていればどうしたって飽きが来てしまう。それに私をここに監禁した肝心のディルさんもずっとこの部屋にいるわけでもなく私の世話が一通り済むと、この部屋を出てどこかに行ってしまうから一日の大半はこの何の娯楽もない部屋でただ寝るかぼーっとしているかしか時間が潰せなくて……
「うーん…せめて話し相手がいてくれたらなあ…」
そう呟き、足を拘束する頑丈な足枷を見つめてハアとため息を吐いた。その時だった。不意に扉のノブがガチャリと回される音が聞こえてきたのは。
(ん?ディルさん帰ってきたのかな?でもさっきお世話して出て行ったばかりなのにおかしいな……?)
いつもと違うディルさんの行動に首を傾げながらも私は扉が開くのを待った。そして、扉を開けて現れたのはーー……
「……シ、信ジラレナイ!!本当二人間ガイルナンテ……!」
「え?」
そこにいたのはディルさんと同じ髪色でこれまたディルさんに負けず劣らず整った顔立ちをした青年だった。
(だ、誰だろう……?)
突然現れた青年に私は戸惑うが、青年はそんなこと構わずズカズカと私の元まで歩いてくるとガシッと私の手を掴み、興奮した様子で捲し立てるように言う。
「ひっ!」
「間違イナイ!ソノ我々エルフト違ウ髪色!我々エルフデハ考エラレナイ魔素ノ少ナイ体!ソシテ何ヨリ決定的ナノハ……ソノ丸イ小サナ耳!!間違イナイ!正シク『人間』ノ特徴ダ!!」
「え?え?」
「アノ他種族ヲ忌ミ嫌ッテイル、伯母上ノ世話役ガ『人間』を連レテ帰ッタト聞イタ時ハ何ノ冗談カト思ッタガ……ヘエ、コレガ本物ノ『人間族』カ……」
「ちょ、ほっぺをむにむにしないで下さい!……ってそうじゃなくて!あなたは一体誰ですか!?」
「オオ、自己紹介ガマダダッタナ。僕ノ名前ハ、レト・ローゼリア。……君ト同ジ『人間』だ」
「え?人間?え?」
「ソウダ。ト言ッテモ『人間』ナノハ半分ダケダケド……ソレヨリモ!ココニ人間ガイルナンテコンナ機会滅多ニ無イ!オ願イダ!人間ニツイテ色々教エテクレナイカ!?」
「え?」
「君ガ知ッテイル事ダケデ良イ!『人間』ノ文化トカ食事トカ流行トカ色々ト教エテ欲シイ!!」
「ちょっ、ちょっと待って下さい!そ、そんなこといきなり言われても……!それにほら私一応ディルさんの伴侶で、異性と二人っきりでいるのは良くないと言うか……」