お兄ちゃんと一緒!   作:かりん2022

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お兄ちゃん、発進!

俺は転生者である。

もう転生は二回目だ。

一回目は怪獣8号の世界に転生した。

怪獣15号として、イレギュラーとして転生した。

本来の15号は16号へ。

いやもう、めちゃくちゃ戸惑ったよね。

ただ、16号はキコルちゃんのカウンターだけあって、キコルちゃん並に可愛かった。

俺の以前の妹はキモオタだったが、あいつにもこんな時期があったな……。

じゃじゃ馬はどっちも一緒だがな!

十六夜って名前つけて、超頑張って守った。

いや、9号滅茶苦茶怖かったけど、防衛隊もウルトラ怖かったけど、兄だもの。

情けない兄として罵倒されまくったが、最終的には防衛隊にも入ったし、気を許してくれたと思う。

最後は、大怪獣との戦闘で十六夜を庇って死んだ。

9号との戦闘は生き延びたんだけどさ。怪獣騒ぎ多すぎでしょ、あの世界。

 

いやもう、本当に頑張ったと思う。

最初の生でも、妹庇って死んだし、俺。

そうして、頑張って生きた俺。

 

二回目の生でも、ビシバシやな予感は感じていた。

そして、弟が生まれてきた。

夏油傑。可愛い可愛い弟だ。

またか。また命を捨てねばならんのか。

葛藤する俺だが、弟が目も開いてないのに頑張って指を握ってくるのだ。仕方ない。

それに、二連続で妹庇って死んでるけど、守れてはいないのよ、実は。

今回は弟を助けてやりたい。助けられなかった未練で転生してる疑惑すらある。

 

それさえすんだら、俺、来世では一人っ子でもいいかもしれない……。

 

夏油傑防衛チャレンジ、はーじまーるよー!

 

まずは、性格の矯正から始めよっか……。折れない子に育てよ……。

一応呪霊は見えるけど、術式あるかなー?

呪霊操術だと身代わりが出来るんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

早速、誰もいない公園で特訓をすることにした。

 

「ぬおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 体がパキンと割れる。人の体が、ずるっとな。中から脳みそデカブツがこんにちは。

 

【速報】俺氏、怪物になる【クソワロタ】

 

 いや、めっちゃ怪物やん。

 精神操作能力もあるし。強くなるは強くなるけど、違うんや……。

 求めたのはそこじゃないんや……。

 フィジカル激強だけど、呪霊に対してはどうかわからんな。

 多分巨大化できるけど、巨大化してどうすんだって感じ。うーんこれって術式ではない気がする。それはそれとして訓練はするけど、討伐不可避やんこれ。

 

 なまじ怪獣の力がある分難航したが、術式は無事発現した。

 

 流石に呪霊操術なんて甘い話はなかった。

 俺の術式は呪怪転生結界。

 結界の中の呪霊を怪獣に転生させる力だった。

 取り敢えずレアではあるから誤魔化せそうだな、ヨシ!

 

 考えに考える。これでも俺は脳みそはでかいんだ。

 なんとか手札でどうにかならないか。

 んー。羂索は六眼な訳じゃないし、ワンチャン騙せないかな?

 

 要は体乗っ取る所を抑えて倒せればいいんだし、呪霊操術のふりをして、死んだふりをすれば釣れないかな。怪獣だから、死んだ振りとかも可能っちゃ可能。核さえ無事ならいいんだしね。

 伏黒甚爾がしていたように、呪霊を精神操作で操って小型化して腹の中で飼ったらよくない? フィジギフなら腹に入れても大丈夫なら、怪獣も大丈夫だってきっと。

 

 問題は六眼。

 呪力の動きを見て術式を判別するっぽいので、流石に使ってもいないのに看破をすることはできない、はず。原作で東堂の術式知らなかったし、多分そう。

 

 つまり、六眼に戦闘を見られるの、ダメ絶対。

 ということは、離反は傑が高専に入学する前じゃないと駄目だな。

 ちょうど傑と5歳差だから、卒業したら傑が入ってくる感じか。

 術式は不味いからあんまり使いたくないって事で、人前で使うのを控える。

 釣り餌として知って欲しいから、高専には通う。

 

 もちろん傑も鍛える。頑張って隊式格闘術習ってて良かった。

 世界違うけど、独学で覚えるよりマシやろ。お腹見せてて良かった保科流。

 

 あと、自分の体の素材使って、武器やスーツが作れないかな。

 俺が死んだ後の死体処理方法を傑が死んだら傑の手に渡るようにしておこう。

 足舐めてて良かった出雲テック。

 死体処理の為の費用を遺産に残さねば。

 

 てことで、傑を鍛えた。あちこち連れ回して、呪霊ゲットと格闘術も仕込んだ。

 そして、時は流れて、傑の高専入学前夜。

 俺は、傑と話す事にした。

 

「傑」

「兄さん。私もとうとう高専入学だよ。早いよね。……どうしたの?」

「傑。上とコネのある不味い呪詛師と敵対した。仕留めきれなければお前を襲いにいくかも。すまん」

「不味い呪詛師?」

「そう。脳みそを入れ替えて術式と体と記憶を奪うやべーやつだ。メモはできないからよく聞いとけ」

「何それ」

 

 あ、信じてないな。

 

「奴の名乗る名は色々あるが、ひとまずはそいつの存在を知っていると悟られないように呪詛師をメロンパン、器に選ばれたものをメロンパン入れと呼んでる」

「兄さんが狙われてるの?」

 

 不安そうな顔に心が痛む。

 

「呪霊操術の持ち主は進化した天元様を操れる。故にメロンパンは確実に一年後の天元様の同化を阻止しに動き、その後俺かお前を取りにくる。体を乗っ取ったら記憶と体を悪用して、更に悪事を働くだろう。頭に縫い目のある奴は、そいつしか知らないことを言ってても信じるな」

「兄さんは、それ倒せないの?天元様って誰?」

「上とのコネがあるって言ったろ。証拠がない上、滅茶苦茶強くて狡猾なんだ。天元様と同じくらい長生きだしな。天元様は不死の術式を持って遥昔から結界の要となっている人で、生贄を捧げて同化の儀式を行う事で年齢を維持している人だ。この人がいないと、日本に張られた結界が消えて大変な事になる」

「天元様を狙うのは支配したいから?」

「そいつはとんでもないテロリストでな。日本人全員を一つの呪霊にしたら面白いなんて考える愉快犯だ。長生きしすぎてタガが外れてんだよ」

「はぁ? 何それ」

「そいつが、10年後に宿儺を復活させる準備もしてる。どっちが成功しても日本がやばい」

「なんとか出来ないの?」

「今騒いでも証拠不十分な上、こっちが潰されるな。自分や近しい人間に等級違いの依頼を投げる事で暗殺したり、仕事を大量に寄越して病ませたり、そういう罠を自然に張れる位置にいると思われるから、目立って動けない。まず天元様の同化の儀式を成功させる。それで、10年後に宿儺をどうにかする。後は、俺や傑を乗っ取りに来た時に返り討ちにする。その三つを成し遂げないといけない」

「出来るの?」

「術師殺しって言う、ウルトラ凄腕の暗殺者が生贄を襲うらしい。銃とかも普通に使うって話だ。メロンパンは俺や傑の遺体を盗難に成功した時しか姿を現さないと思う。そして最後に、10年後に復活するであろう宿儺が滅茶苦茶強い。現代の術師では対応が不可能なくらい強い」

「詰んでるじゃん」

「一応、メロンパンの作戦を途中まで進ませる事で、不特定多数の非術師を術師に変える事ができる。人への恐怖を元とした呪霊で、魂から人間を作り変える力を持つ呪霊がいるから、呪霊操術でそいつの術式を抽出、天元様の結界に呼応させて日本の非術師を術師に変えるんだ。全員は無理だが結構人数が確保できるはず。それに、メロンパンは1000人の術師を呪具に変えて、現代人に受肉……乗っ取らせる計画を立てている。1000人の受肉体が犠牲になるが、とにかく術師は増える。それらと、虎杖悠仁っていう宿儺の受肉体にする為に作って器の強度あげすぎて封印装置になっちゃってる子供も活用して、どうにかなるかもしれない。ただし、天元様が進化しちゃった後は呪霊操術から解放しても、結界張り続けられなくなるから、少なくとも数十年のタイムリミットまでに結界の代替物を用意しないといけない」

「ええ……。それ、兄さんがやる事なの? もっと偉い人がやるべきじゃないの?」

「メロンパンの上層部の侵食は後10年みたいなんだ。つまり、現時点で過半数の可能性がある」

「やっぱ詰んでない?」

「呪術師って大なり小なりそういう仕事だから覚えとけ。特級術師は単体で国滅ぼせる術師。基準にそういうのがある程度に強い人間も呪霊もポップするし、常に人手不足で苦しい。こんな地獄に招きたくはなかったが、傑は術式の関係上、狙われるのは確定だ。強くなるしかない」

「兄さんは、どうするつもりなの?」

「取り敢えず結界の勉強をしつつフリーの術師として活動だな。お前の同級生の五条悟は全てを見通す六眼の持ち主で、将来宿儺を倒せるかもしれない男としてマークされてる。名家の術師として当然上には従う義務もあるから、色々準備してる俺が五条悟に会うことは出来ない。なので俺は高専にいけなくなる。プラン1。同化阻止して、宿儺を超頑張って倒す。プラン2。メロンパンの作戦をある程度進めて、宿儺討伐を優先する。結界術の代替は用意する。どっちも無理ゲーだけど、やるしかない。同化阻止出来なかったらなし崩しにプラン2しかないが、とりあえずプラン1で進める。メロンパン討伐作戦も同時進行で進めるから、俺が呪詛師になったとか大怪我したとか死んだとか聞いても動揺した振りだけでして心配はするな。宿儺の復活は10年くらい掛かるから、傑の仕事は生きることと強くなること、今言った秘密を守って信頼できる仲間を増やすこと。生存が無理ならきっちり火葬されること。お前の死体が使われたら洒落にならん」

「わかったよ、兄さん」

「多分同化の儀式までは平和だと思うんだよ。その後同化失敗したら、戦いの始まりだな。自然に仕事や等級違いの任務、胸糞悪い汚れ仕事が激増するはず。訓練も大事だけど今のうちにいっぱい遊んどけ。後、辛ければ誰が何と言おうと休め。十年後の日本壊滅を防げるなら今仕事が遅れて多少犠牲が出てもプラマイプラスだ。俺からは以上。生き延びろよ。どうしても駄目だと思ったらこの携帯で連絡しろ」

 

そして、俺は携帯を渡す。

傑はとても不安そうな顔をして、それでも頷いた。

渡せるだけの情報は渡した。

後は頑張るだけだ。

 

少しだけ愚痴らせて。お兄ちゃんは大変だ……。

 




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マシュマロ
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