お兄ちゃんと一緒!   作:かりん2022

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全然続き書けなくてこんなの書いてました。
これも続き書けなくて没。うがー! 完結させたい!


番外編:悟の偽物

僕は親友の夏油 傑を探している。

任務中に消えた親友を、10年もずっと。

 

残穢すらわからず、見つけられなかった。

あいつが下手な奴にやられるはずがない。生きているってずっと信じてた。

 

ある日、意外な場所で傑と会う事ができた。

 

東京の上空で、受肉体だろうか、テレビに映る異形を従え、五条袈裟を着た傑が、妙な結界を日本全体に張ったのだ。具体的には、異形に結界を張らせたのだが。

すぐさま五条は現場へ急行した。

 

「傑!」

「来たね、悟の偽物」

「は?」

 

 傑に睨まれて、僕は困惑した。

 傑が見つけられなかった理由はすぐにわかった。

 五条袈裟の下の黒いぴっちりしたスーツ。妙な呪力のそれをきていた為に、見つけられなかったのだ。

 その上、傑は菌糸のようなものを纏わり付かせていた。

 

「傑。奴は俺の術式を奪うだけあって強い。気をつけて」

「言われずとも、君の術式を侮ったりはしないさ。でも、ここでこいつを倒せば、君は、私たちは帰れるんだろう? 久々に硝子にも会いたいし」

「10年待ったんだ。もう少しぐらい待てるさ」

「悟……。でも私は、あんな化け物が君の術式を奪っているなんて一分一秒でも許せないよ」

「俺もだよ、傑。もう少しの辛抱だ」

 

 化け物は受肉体ではない。すぐにわかった。でも呪霊でもない。そもそもカメラに映るし、傑に纏わりつく意味ありげな菌糸は全く呪力を感じない。

 

「あっ ふーん。わかった全て理解した。てめーが傑を洗脳してたってわけね」

 

 傑が呪霊を出す。

 その呪霊達は、受肉していく。

 この結界。化け物の術式。呪霊を受肉させるその力。

 

 受肉した呪霊の鋭い爪が襲ってくる。

 どうでもいい。

 

 僕は腕の一振りで薙ぎ払う。

 

「ふん、流石俺の偽物だな。物量で押し切るんだ、傑! 俺は結界を完成させる」

「わかった」

「傑。すぐ解放してやるからな」

 

 傑は強かった。僕の為にと、あの化け物を必死に守ろうとする傑に胸が痛んだ。

 最速で偽物の首を狩ろうとしたが、傑が身を挺して化け物を庇う。

 あの化け物は僕ではないのに。

 

 化け物は結界を張り終えると告げた。

 

「傑! 悪い、必ず助けに行く!」

 

 逃亡を始めたのである。

 

「逃すか!」

「悟はやらせない!」

「お前の親友は僕だっての!」

 

 とにかく、傑を正気に戻す方が先か。

 僕はなんとか傑を捕らえたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

傑が着ていた服を剥いで、風呂に入れて傑から菌糸をきれいに取り除く。

硝子に見てもらい、ひとまず問題なさそうだと言われて一安心。

呪霊が次々と受肉して大変な事になってるけど、僕は無理を言って高専に待機し、傑が目を覚ますのを待った。

 

「悟!」

「ここにいるよ」

「悟、大丈夫か!? ここは」

「高専だよ。お前が洗脳されてたの。俺がわかる?」

「洗脳? まさか、私も洗脳したのか? 君は悟の偽物なのか」

「ちーがーう。お前と今までいた五条悟が偽物なの。俺は本物。お前、10年間行方不明だったんだよ」

「それは、悟が術式を奪われて、身を隠さないといけなくなったから」

「そんな間抜けじゃねーわ。なんだよ、術式を奪うって。そもそもあんなバケモンと俺を一緒にするなよ」

「わ、私を騙そうとしてるんだろう? そうはいかないぞ」

「いいぜ、ゆっくり話そう。とにかく、ここ10年、何やってたか話せよ」

「話すわけないだろ、悟の偽物に」

「硝子になら話す?」

「だって君、高専のこと乗っ取ってるんだろ」

「乗っ取られてねーわ。お前が操られて姿消したんだっての」

 

 聞き取りは困難を極めた。

 傑に拷問なんて出来るはずがないし、そもそも傑は被害者だ。

 そして傑は必死に僕を庇っている。胸が痛い。

 あまりにも話が進まないので、話を合わせることになった。

 捕まった偽物(傑視点本物)のふりをする事にしたのである。

 

「あ、あー。五条せんせ……じゃなくて、五条さんの偽物を捕まえました」

「悟!? 違うんだ、乙骨くん、彼は、悟は本物なんだ! 偽物が悟に化けてて!」

「傑! 悪い、ミスった」

「五条さんに酷いことしてほしくなくば、全部話してください」

「そ、それは……」

 

 傑に隠れて乙骨に指示を出す。

 乙骨は痛ましい顔をしたが、なんでもないように僕の腕の骨を折った。

 

「悟!!!」

「術式がなければやりたい放題ですよね。で、話します? どうします?」

「傑、わり……。俺は大丈夫だから」

「わ、わかった、話すよ……。なんでも話す。だから、悟の治療を頼む」

 

 そして、傑は観念して話してくれた。

 

 ある日、僕が術式を奪われて逃げてきたのを保護したこと。

 その際、傑もピンチで助けられた事。幼女2人を引き取ったこと。

 偽物に取って代わられた挙句、狙われているからと、4人で身を隠していたこと。

 アメリカに渡っていた事。

 天元様の結界に不具合が出ている事。

 このままでは呪霊操術の術式対象になりかねないこと。

 悪用されかねない為、天元様の結界は破壊の必要がある事。

 だから、新たな結界が必要な事。

 その結界とは、天元様の結界とは真逆……。呪霊を非術師にも見えるし倒せるようにする結界である事。

 受肉した呪霊から呪具が作れる事。

 アメリカの軍事会社に協力を得ていたこと。

 

「私は、悟と一緒に新しい世界を作るんだ。悟はあたらしい世界に必要なんだ」

「受肉した呪霊ですが、言うほど兵器が効くようになってます? 強くなってませんか? 恐怖も増えると思いますし」

「新しい試みなんだ、やってみなければわからないよ。戦える人数は増えるわけだから、プラマイ若干のプラスになるんじゃないかな」

「うーん無責任!」

「悟?」

「イタタタタタタ」

「悟! 話しただろ、悟の治療をしてくれ!」

「わかりました」

 

 ということで、総監部に報告である。

 当然、僕は傑を全力で庇った。

 でも、洗脳をどうにかしなきゃなんだよね。

 偽物はゼッテーぶっ殺す。

 

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