また、会話の内容は原作のFate/Stey Night 桜ルートをプレイすれば分かることなので知っている人は流し読みしても構いません。
「問おう、貴方が私のマスターですか。」
その問いにレイフィスは答える。
「そうだ。僕が君を召喚したマスター。レイフィス·フォン·アインツベルンだ。」
それを聞き、目の前の少女はうなずくと、厳しい目のままこちらを見つめてきた。いや、睨み付けてきたというのが正しいだろう。その目はまるでこちらを見定めるようだった。
「でしたらマスター、何故私を···ルーラーのサーヴァントを召喚したのですか?一人のマスターがこれを従えるのが不正だと分かっていますか?」
何故と聞いてくる彼女の声はとても冷やかな刃のようだった。
「正直、私はこんな不正をするマスターの喚びかけに、応えるつもりはありませんでした。けれど、貴方の呼び声があまりにも真っ直ぐで必死だったのでせめて理由ぐらいは聞こうと思ったのです。」
それはただの興味。彼女はそこまでする人物が何故こんな事をしたのか知りたかったたから来ただけだった。
「さあ、答えて下さい。何故、こんな事をしたのか。」
慎重に答えなければ信頼関係を築けない。レイフィスは冷や汗をかきながら口を開いた。
「それを話す前に第三次聖杯戦争の事を知っているよな?」
「知っていますが、それが何か?」
ルーラーのサーヴァントは聖杯から今までの聖杯戦争の記録を与えられる。レイフィスはまずそれを確認した。
「なら、その時のアインツベルンのサーヴァントのクラスと真名を知っているか?」
「確か、アヴェンジャーでしたよね?真名は分かりませんが。」
どうやらサーヴァントの真名の事までは与えられないようだ。ルーラーは何故この話が関係あるのか疑問の視線をぶつけてくる。
「アヴェンジャーの真名は、
「そんな!あり得ない!アンリマユとはゾロアスター教の邪神ではないですか。そんな英霊の枠を超えて神霊クラスの存在をいくら聖杯でも呼び出せない。」
「そう、アンリマユは神じゃない。ただこの世全ての悪であれと望まれた少年。アンリマユの名を冠するのに丁度良かったただの一般人の霊だ。」
ルーラーはこれを聞き絶句する。しかし、彼女が驚愕するのはこの後だった。
「ただの一般人が英雄相手に勝てる訳もなく、アンリマユは戦いの序盤で倒されて聖杯を動かす魔力として吸収された。普通はこれで終わりだけどアンリマユは違った。アンリマユは存在その物が悪であれという願い。そして、聖杯は願いを叶える物。」
「まさか!」
「そう、を取り込んだ聖杯はその悪であれという願いを叶え、無色の力は悪一色に染まった。今の聖杯はどんな望みも負の方向でしか叶えない。例えば、争いのない世界を望めば、争いの元になる人類全てを皆殺しにするとか。」
ルーラーにとって衝撃の事実だった。信じられないという表情のルーラーにレイフィスは真っ直ぐ見据えて言う。
「最初の質問に答えるよ。僕はこの聖杯を誰にも渡す訳にはいかない。だから、聖杯を破壊して聖杯戦争をこれで終わりにしたい。その為にどんなサーヴァントにも有利なクラスを求めたんだ。」
ルーラーは彼の目を見てこの言葉に嘘偽りがないと理解した。
そして、レイフィスはルーラーに頭を下げた。
「頼む!ジャンヌ·ダルク。僕に力を貸して欲しい。」
言われるまでもない。ルーラーは···ジャンヌは彼に頭を上げさせた。その顔は今までの険しいものではなく、とても優しい、聖女に相応しい笑みだった。
「聖杯が貴方の言う通りの物なら、そんな物は誰にも渡してはなりません。ルーラー(裁定者)としても、そんな物、野放しにはできません。」
「――!それじゃあ!」
「ええ。私の方からお願いしますマスター。共に戦いましょう。」
ジャンヌはレイフィスを認め、力を貸すと決めた。
この時、二人は本当にマスターとサーヴァントになったのだ。
3話の投稿終わりました。
一話一話の文字数が短いと言われたりしましたが。実際、千文字越えた時点でほとんど力尽きてしまいます。ですのでこれからもこんな短い文がちまちまと続きますがご容赦ください。
今回はレイフィスとジャンヌの対話回にしました。
ジャンヌだったら不正で召喚した人物をそう信用しないと思ったのでお互いに話合わせ、不信感を取り払う必要があると思ったからです。
また、保険で付けたキャラ崩壊は主に彼女のためです。作者はFate/Apocryphaを読んで無いため、ジャンヌのキャラは他の人が書いた小説を頼りに手探りになるため原作の彼女を再現出来ないかもしれないと思ったからです。その辺りもどうかご容赦ください。