チビな3年生がティーパーティーに飼われる話 作:T-h208
「あ!コハルちゃーん!!」
「っ!エッチなのはダメ!死刑!!」
「なんで!?」
【悲報】コハルちゃんに嫌われたみたい。
あの事件から、コハルちゃんが連絡をくれなくなったから、何かあったのか!?と思ってコハルちゃんを探していたら正実の子たちに「そこの1年生、大丈夫?迷子?どこに行きたい?案内するよ!」って何回も言われるし。何故か他の生徒に「ねぇねぇ、あのちっちゃい子って最近噂のあの子じゃない?」「多分そうだよ!話しかけに行こうよ!もしかしたら抱っことかされてくれるかもしれないし!」という会話のあとに誘拐されそうになるし……。コハルちゃんに会うまでに、何回泣きそうになったことやら。
「うぅ、えっちじゃないもん……ちゃんと服着てるもん……」
「ちょっと、泣かないでよ……」
「……じゃあ、先輩のお願い聞いて欲しいな♪」
「え」
ふふーん!騙されたな!佐藤リセは嘘泣きを覚えたのだった!本当はちょっと泣いてたけどね。あっれれー?おっかしいなぁ。黒服さんのところで幼女退行を止める薬を貰ってるんだけどな。あの薬、飲むの大変なんだよ……飲んだ後、胃液をリバースしちゃうのに効果ないどころかひどくなってるような?
それは一旦おいといて。こうして私はコハルちゃんを自室(寮)につれこむことができたのであった。ミッションコンプリート!
「ようこそ!私のお部屋へ!」
「お、おじゃまします……」
コハルちゃんを部屋の中に入れたら、こっそり入り口の鍵を閉める。逃げられたら困るし音が漏れても困るんだよね。
「あのね、コハルちゃん。実はコハルちゃんが初めてなんだ。私の部屋にお招きするの。えっと、言いづらいんだけど……いろいろあってティーパーティーのみんなにバレたらヤバいんだよね……私が。だから、あんまり大きな声とか出さないで欲しいなぁ」
「な!?この前もそうだったけど、本当何したのよ!」
「この前……?」
「……部屋の前を通ったとき先輩の泣き声が聞こえてきたの」
「あーあれね!ロールケーキ食べてただけだよ」
「ロールケーキ?泣きながら?」
「……泣きたくなるときも、あるんだよ」
ごっめーん!ごめん、コハルちゃん!私の尊厳のために嘘ついてごめんーー!!でも、詰め込まれすぎて吐きそうになって、泣いたのは事実だし?美味しくロールケーキを食べたのも事実だし?
「なんか他の人に喋っているように聞こえたけど」
「……コハルちゃん。世の中、知らないほうが幸せなこともあるんだよ、きっと」
「っ!やっぱり、私に言えないようなことをしてたんでしょ!エッチなのはダメなんだからっ!」
「してないし!してないからー!!よし、やめにしよう!この話しはやめにしよう!!」
なんでえっちなことに繋がるの?最近の若者の頭のなかはどーなってんの!随分と騒がしくしちゃったから他の人にバレないか内心ガクブルなんだけども。
「こほん。ええっと、私のお願いの話なんだけど……笑わないでね?」
「な、何?」
「私に女子力を教えてくださいっ!!」
「は」
精一杯土下座して言ってみたが効果はいまいちのようだった。なんだが可愛そうなやつを見る目で見てきてるし……。
「実はお小遣い稼ぎのために動画配信を始めてみたんだけど、上手くいかなくて。ギヴォトスって女の子ばっかりだから、女の子うけしそうなことをしてたんだけど……ダメだった。そこで!可愛い可愛いコハルちゃんに頼んだわけです!」
ごめん、嘘です。嘘ばっかりついてごめんね、嘘つきな先輩でも許して欲しいな。動画配信で得られる利益って高が知れてるからね……私が動画配信で人気になれるとは思ってないし。お金なら人権買われた時のやつが有り余ってるから……。
私の目的はね、ヘイト集めなんだよなぁ。ほら、ミカちゃん様がやらかしたあと『魔女だー!』って騒ぐ子達いるじゃん?その子達のヘイトをこっちに向けられないかなって。こーゆー子達って叩けるやつは誰でもいいと思っていると思うんだよね。叩けるときに叩け!みたいな?実際、上手くいってるんだよね。私のアイデンティティのお陰でね!さっきの誘拐モドキはよくわからなかったけど、私の机の上にお花が置いてあったり、物隠されたり……順調、順調♪あなた達が美人で可愛いお陰で、典型的ないじめモドキとか効かないんだ。ギヴォトスの花の花言葉なんて知らないからただのプレゼントだし?可愛い子にかまってもらえるって最高じゃん?……Mじゃないよ?Mじゃないからね!
「そ、そう……」
「あれれ?もしかして照れてる?コハルちゃんは可愛いんだから自信もって!もっと、こう、『私が可愛いくて美人なのは当たり前でしょ』くらい、ね!」
「そーゆーのいいから!ちょっと、くっついてこないてで!離れて!」
「えーやだー」
「離れてってば!」
「いだっ」
自然にくっつきにいったら、グーパンされた。ひどい!暴力反対!まあ、おちょくった私が悪いのだが。でもでも、コハルちゃんが可愛いのは事実だもん!そもそもギヴォトスにいる人たちみんな可愛いんだよ。犬、ロボット、黒服含め、みんな可愛いのだ。なんだ、天国か。
それはそうと、コハルちゃんは私に女子力を教えてくれました!なるほど、なるほど?全くわからないことがわかった。
「待って!これは私のアイデンティティなの!」
「アイデンティティって……その服、変に目立つから脱いでってば!」
「そんなゴテゴテしたデザインじゃないよ!待って、待って!引っ張らないで!わかった、わかった!脱ぐから、脱ぐからー!!」
私の、アイデンティティが……。コハルちゃん曰く、この結構かっこいい軍服チックな上着と帽子は女の子うけしないらしい。……先生ならこのカッコよさがわかるはずっ!うぅ、ヘイト集めに1番有効なのに……普通に好きだったのに……。ま、まぁ?私のヘイト集めに引っ掛かった子達は私の動画配信の古参だし?なんとかなるのかな?
コハルちゃんに教わったとおりに動画配信をしてみたところ、結構いい感じに伸びた。ちなみのちなみに私のヘイト集めにまんまと引っ掛かった子も増えてるっぽい。その証拠に私に対する典型的ないじめモドキの回数が増えてるような気がする。お陰で、前まで見なかった子の顔を見ることもできました!よし、よし!私のファンが増えていってるんだね!いやぁ、釣りって楽しいね!
「コハルちゃん、本当にありがとう!大好きっ!!」
「うぅ、ど、どういたしまして」
「あれ?前は抱きついたら引っ剥がしてきたのに……!照れてはいるけど、グーパンしない!?」
「その、……何か困ってること、ない?」
「え、無視?」
ここは照れて、ぶん殴るシチュエーションじゃないの?……なんだか、コハルちゃんが私のことを凄く心配してるっぽい?うーん、何かヤバいことしたっけ?
「うーんと、コハルちゃんが可愛すぎること?」
「っ!そーじゃなくて!……クラスメイトとあんまり仲良くないって聞いて、その、大丈夫なの?」
「え?めっちゃ仲いいよ!この前だって花貰ったし!」
だから、そんな悲しそうな顔すんなって!よく話す先輩がいじめモドキにあってたらそりゃぁ心配するよなぁ。まぁ、正実の仕事でもあるかもしれないけどね。こっちに来る前のいじめモドキだったらキツいけど、ここの人はみんな可愛いから……可愛ければなんでもしていいってマジだと思う。
「コハルちゃんは優しいね。でも、友達のあり方って人それぞれだと思うんだ。ほら、私とコハルちゃんみたいにこう、秘密の関係のお友達もありだと思う……」
「そんな関係じゃないからっ!」
ちょっとわざとらしく照れて言ってみたら、私の思っていたとおりの反応が帰ってきた。いやぁ、可愛いなぁ。
「まぁ、そーゆーことだから心配しなくていいよ」
「そ、そう……。でも、もし何かあったら言ってよね。……友達だから」
「コハルちゃんっ……!」
感極まってギューと抱きしめてしまったが、グーパンされなかった。ヤバい、今までで1番青春してるかも。もう、死んでもいいかもな。我が人生に一片の悔いなしってね。ブルーアーカイブだもんな。青春の思い出つくらなきゃな。今までずっと、ティーパーティーの皆様に甘えまくってただけだったもんね。……ティーパーティー?
気づいてしまった。もしかしてと思ってしまった。恐る恐るモモトークを開く。ミカちゃん様からの連絡が凄いことになっていた。……忘れてた。ミカちゃん様とお菓子食べる約束、忘れてた。……現在の時刻は午後5時。約束の時間は午後3時。やっべ、どーしよ。まじでどーしよ。え、殺される?
しばらくの間佐藤リセとミカちゃん様による逃走中が開催されたのはまた、別のお話。結果はもちろん即捕まりましたとさ。その後ミカちゃん様にお仕置きというていでコハルちゃんがビックリするようなことをされたのもまた、別のお話。
「っ、誰だ?」
「お待ちしておりました。白洲アズサちゃん」
みんなが寝静まった頃。椅子にちょこんと座り、紅茶を楽しんでいる、一見お嬢様のような幼女がいた。
内心はガクブルですけどもね。なんなら、足はちょっと震えてるし。この日のために、お嬢様っぽい声の出し方、話し方、綺麗な紅茶の飲み方とかいろいろ頑張って覚えたんだからね!
「何故、私の名前を知っている?」
「まぁ、落ち着いて。銃をおろしてもらえませんか?私はあなたとお話がしたいのです」
そして、なるべく早く終わらせよう。セイアちゃん様に盛った睡眠薬がどのくらい効くかわからないし。薬盛るのにも勇気がいるんだからね?罪悪、目覚めませんでしたとかなったらヤバいし。てか、予知夢見れるならワンチャンバレてる説。……変な汗がとまんねぇ。神様!神様!この、哀れで欲深い私を救って!
「話?」
「ええ、あなたに……いえ、あなた達に1つ、提案を」
いい、いい感じ!黒服さんの真似してるだけだけど、なんかミステリアスなお姉さん感出てる気がする!このまま、いい感じに……!
「その提案、私も気になるな」
「っ!?」
「……百合園セイア」
「……お、おはよう?セイアちゃん様……」
「ああ、おはようと言うには早すぎる時間だが……おはよう、リセ」
カチャカチャと手に持っていたティーカップが揺れる。中に入っている紅茶が溢れそうだった。うっそぉ。さっきまでいい感じにいけてたのに……。神は私を見捨てたようだった。アーメン。