緋弾のアリア~呼吸の剣士~ (仮)   作:ライズの鏡

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先週投稿できなかったので、今回は少し長めです。


第六話 猫探し

 

 

 

「終わった…………」

 

現在、俺は絶望している。

その絶望具合は言葉で表すことが不可能なほどだ。

 

なぜ俺が絶望しているのか、それは白雪がアリアと出会う、いや、接敵してしまったからだ。

ただ二人が出会うのであれば、なんら問題はない。

問題なのはその出会った場所が俺の部屋(・・・・)だということ、それだけだ。

 

「っ……」

 

何故俺が、二人が出会った事を知っているかって?

それは携帯に百を優に超える数のメールや不在着信が着ていたからだ、白雪から。

 

しかもメールは全て長文で、それがまた俺の絶望を加速させる。

勇気を出して最新のメールを開いてみると。

 

「…………」

 

絶句。

 

言葉が出てこない程の憤怒がその文面から滲み出ていた。幸いなのはその怒りの矛先が俺ではなく、アリアであることだ。

 

「………ん?なんだこれ?」

 

『部屋のことはごめんなさい、ちゃんと直します』

 

この最後の文章に俺は疑問を浮かべる。

 

部屋の事とは何だろうか。

だが、謝罪しているということと、直しますという言葉で、白雪とアリアが俺の部屋の何かを壊したということだけは何となく分かる。何を壊したかまでは分からんが。

 

嫌な予感を感じ取った俺は、まだ寝ている武藤やそのルームメイトを起こすのも悪いので、携帯で武藤に感謝のメールを送り、横に置いていた武器を装備し、武藤たちの部屋を静かに出た。

 

「頼む無事でいてくれ、俺の部屋……!」

 

そう俺は願いながら、マンションの通路を自分の部屋を目指して駆けた。

 

 

 

 

 

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自分の部屋に到着した俺は、部屋に入ることが出来ずに、今日二度目の絶句をしてしまう。

 

「うそ、だろ……」

 

俺の部屋の玄関ドアが無い(・・)

玄関ドアの残骸らしきものは、刀にでも斬られたのか、その断面がとてもキレイだ。

恐らく白雪が破壊したのだろうということが分かる。

 

(どうすんだよ!これ!)

 

ごめんでは済まされない惨状に、俺は身体を動かすことが出来ないが、とにかく部屋の中の被害も確認しなければならないため、俺は重い足取りで部屋の中に入る。

 

リビングに続く通路も斬撃や銃撃のキズが幾つもある。

 

それを今は見て見ぬフリをした俺は、リビングに入る。

 

「………………………」

 

そして今日三度目の絶句。

 

家具は全て壊され、壁や床、天井には先ほどの通路とは比にならない量のキズがあった。

不幸中の幸いで壁などは貫通していないので、隣人の部屋にも穴を開けてしまうことは無かった。

 

(ほんとにどうすんだよ!これ!)

 

白雪は直すと言っていたが、直すまでに寮長にバレない訳がない。

バレてしまったら、最悪この寮から追い出されかねないぞ!

 

………………………………………

 

…………………………

 

……………

 

いや、冷静になって考えたら俺悪くなくね?なんなら被害者だろ。

 

自分の部屋なのに何故か夜遅くに部屋から追い出されるし、朝起きたら自分の部屋が破壊されているし。

 

………よし。俺は悪くない。もし寮長に何か言われたら全部あの二人の所為にしよう。実際そうだし。

 

そう現実逃避にも近い結論を付けた俺は、今日も学校があるので、幸いリビング以外は特に壊れていなかったため、朝の準備をし、学校に向かった。

昨日チャリが木っ端微塵になったせいで、歩きでだが。

 

ていうか、武器を部屋に置いていかなくて良かった、置いていたら絶対にアリアと白雪の戦いに巻き込まれて壊れていただろうしな。

 

 

 

 

 

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案の定付き纏ってきたアリアを何とかやり過ごし、1~4時間目までの一般科目の授業を終えることができた(武探校では5~6時間目は専門科目の授業)。

 

その後俺は一般校に転校するとはいえ、流石に留年するわけにはいかないので探偵科(インケスタ)の簡単な依頼を受ける事にした。

 

武偵校の生徒は基本的に一般教科(ノルマーレ)と(強襲科(アサルト)探偵科(インケスタ)などの)専門科目の二つを履修することになっており、一般科目(ノルマーレ)は授業の出席とテストで赤点を取らないこと、専門科目は必要単位数の取得をすることで進学できる仕組みになっている。

 

専門科目の単位は授業出席や授業の訓練などで良い成績を出せたら貰う事ができる。

 

それ以外にも有償の依頼を受けて、それを達成することで単位を貰うことも出来る。

 

生徒の武偵ランクによって受けることができる依頼の難度は変わる為、当然貰える報酬も単位の数も比例して上下する。武偵ランクの低い人が、難度の高い依頼を受けても失敗する未来しかないので、この仕様はあたりまえだろう。

 

今日Eランクの俺が受けた依頼は『猫探し』で、貰える報酬は一万円で、単位数は0.1だけだ。

 

(まぁ、依頼を受けたからには全力で頑張るとするか)

 

午前中ずっと付き纏ってきた、今頃強襲科(アサルト)の授業もしくは、訓練を受けているであろうアリアからようやく離れることが出来た俺は、依頼へのやる気をを出しながらルンルン気分で探偵科(インケスタ)の専門棟から出たところで気づいた。視覚よりも先に嗅覚で……。

 

アリアの香りがすることに。

 

(間違いない!この香りはアリアだ、なんでここに!?)

 

強襲科(アサルト)の戦闘訓練を受けているはずのアリアが、何故探偵科(インケスタ)の専門棟の前に居る?

 

俺は内心パニックになりながらも咄嗟に隠れようとしたが、そんな都合よく隠れる場所があるはずも無く——

 

「キーンジ」

 

こちらを真っすぐ見ながら呼び掛けてくるアリアと眼が合った。合ってしまった

 

バレた……

 

それに絶望した俺は思わず膝を地面に落としそうになったが、気合で持ちこたえながらも、疑問に思ったことをアリアに聞く。

 

「な、なんでこんな所にいるんだ……?」

 

「あんたがここにいるからよ」

 

「……いや、理由になってねぇだろ。てか、お前強襲科(アサルト)の授業サボってんじゃねぇよ……!」

 

「あたしはもう卒業できるだけの単位を揃えてるもんね、あんたと違ってね」

 

アリアはそう俺をバカにしてから、アッカンベー。

深紅の瞳をむいて舌を出して、更にこちらを挑発してくる。

 

こいつ…………

 

ついに、身体だけでなく精神までも完全に小学生になっちまったのか……。

哀れなり神崎・H・アリア……

 

俺は内心でアリアを哀れに思うが、口に出すことはない、理由としては怒られたくないのが八割、哀れみが二割だ。

挑発されたにも関わらず俺の心には怒りの感情は存在していない。今はただただアリアが哀れに思えて仕方がない。

 

そんな俺の内心に気付くはずも無いアリアは——

 

「で、あんたは普段どんな依頼(クエスト)を受けてるのよ。って、なによその目」

 

「……気にしないでくれ、それとどんな依頼を受けてるのかって話だったな、俺はEランクだからな、誰にでも出来るような簡単な物だよ」

 

俺は特に嘘を吐く必要もないので、ありのまま正直に答える事にした。

 

一年の頃は強襲科(アサルト)のSランクとして、危険極まりない依頼ばかり受けさせられていたが、今の俺は探偵科(インケスタ)のEランクなので、今回の『猫探し』の様な一般人でも出来そうな依頼ばかり受けている。

 

そんな俺の話を聞いたアリアは何故か驚いた顔をしていた。

 

「あんたEランクだったの?」

 

「ん?……知らなかったのか?一年三学期の期末試験を用事(・・)があって受けれなかったからな。まぁ、EランクでもSランクでも俺にとってはどうでもいい」

 

どのみち来年には転校するし関係ない。

 

それにしても強襲科(アサルト)では俺はSランクだった、なんなら国からRランクとかいう意味分からんランクの打診を何度も貰ったこともあるけど(もちろんめんどうなので全部断った)、探偵科(インケスタ)の場合だったらどのぐらいなんだろうな、A以上は確実だと思うけどSはどうかな、実際に試験受けないとそこら辺は分からん。

 

まぁ、結局は転校するし、それにAやSランクになんかなったら、面倒ごとが増えるのが目に見えているから絶対にやらないけどな。

 

「まぁ、ランク付けなんて確かにどうでもいいけど。それより、今日受けた依頼(クエスト)を教えなさいよ」

 

「普通は受けた依頼の事は基本的に他言無用だが、まぁそこまで秘匿性の高い依頼じゃないし、別にいいか」

 

武偵は、依頼情報を基本的には、相棒(パートナー)やパーティーメンバー以外には他言無用なんだが、今回受けた依頼は『猫探し』だ。秘匿性なんて皆無だし、何なら知っている人が多い方が見つける確率を上げる事が出来る。

 

そのため俺は隠すことなくアリアに教えることにした。

 

「俺が今日受けたのは……『猫探し』だ」

 

「猫探し?」

 

「あぁ、青海(あおみ)に消えた猫を探しに行くんだ。報酬は一万。0.1単位分の依頼だ」

 

「ふーん」

 

アリアはそう言うと依頼への興味を失ったようだ。

そのまま俺への興味も無くなってくれるとありがたいんだけどな。

 

そう考えながら俺は早歩きで逃げるようにその場から離れたんだが、当然の様にアリアは俺の横を付いてくる。

 

なんでだよ……。

 

「なんでついてくるんだ?」

 

「あんたの武偵活動を見るためよ」

 

「……ついてくるなって言っても?」

 

「もちろん、ついて行くわ」

 

まだ出会って二日だが何となくアリアを理解し始めた俺なら分かる。

こいつは俺が何を言っても基本的には、自分の意見を曲げないので、最終的にはこっちが折れるしかないのだ。

 

なら抵抗したところで無駄だろう、走って逃げる手段もあるが……知っての通り、こいつは俺の部屋を知っているし、教室の席は隣だ。そのため、逃げた所で後日身体に風穴を開けるになるのは確定。

 

結果、俺に残された選択肢は連れていく以外には存在しないのだ。

 

「……分かった、だが、邪魔はするなよ?」

 

「そんなの言われなくても分かってるわよ、バカキンジ」

 

そう言うアリアを引き連れ、俺は青海へと行く前に依頼主の家へと向かった。

 

 

 

 

 

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「ここか…」

 

電車を乗って、依頼者の自宅に到着した。

問題児のアリアには、面倒ごとを回避する為に近くで待ってもらい、俺だけで行く。

 

少し古い二階建てアパートの依頼書には205号室と書かれていたので、少し錆びている階段を上り、二階の一番奥の部屋に辿り着く。

 

その部屋の表札には、依頼主の苗字と同じ苗字が書かれているのでここで間違えないだろう。

 

チャイムを鳴らして待つこと数秒、依頼主と思わしき男性が部屋の玄関ドアを少し開けて顔を覗かせる。

 

「どちら様ですか?」

 

「猫探しの依頼を受けた、武偵の遠山キンジです。依頼の事で確認したいことがあって、訪問しました」

 

俺がそう言って武偵手帳を見せると、男性は扉を開けてくれた。

 

「武偵の方でしたか。今回は依頼を受けて下さり、誠に有難うございます」

 

「いえ、仕事なので気にしないでください」

 

男性が頭を下げようとしたのを手で制し、俺はそう言った。

猫探しでそんなに感謝されても、こっちが困ってしまう。

 

「分かりました……それで、確認したいこととは?」

 

「えぇ、猫の匂いが染みついた物があれば貸していただけると助かります」

 

「匂いの染みついた物ですか……?」

 

「はい、俺は人より嗅覚が優れていまして、探す猫の匂いが分かれば手掛かりになるので」

 

「なるほど……わかりました、取ってきますので少々お待ちください」

 

そう言うと男性はドアを閉じた。

それと入れ替わるように再びドアが開くと、今度は恐らく小学生低学年ぐらいの少女が出てきた。

 

その顔は悲しげで、その瞳はさっきまで泣いていたのだろう、少し赤くなっている。

 

「お兄さんだれ?」

 

「君は……」

 

「私はマナだよ……」

 

「マナちゃんか……マナちゃんはどうして悲しそうな顔をしているのかな?」

 

俺がそう言うと、マナちゃんはさっきよりもその顔を悲しげなものに変え、その瞳に溢れそうな涙を溜めて、俺に教えてくれる。

 

「チョコラがね、昨日の夕方から帰ってこないのっ。チョコラは二日に一回お薬を飲まなきゃいけないのに……!」

 

そう言い終わると、マナちゃんは瞳に溜めていた涙を溢して小さく嗚咽を漏らしてしまう。

 

俺は馬鹿か、こんなこと聞かなくても少し考えれば分かったはずだ!それなのに馬鹿みたいにマナちゃんに聞いて泣かせてしまった。

これは俺が泣かせたようなものだ、だったらその涙は俺が止めさせないといけない。だから俺はマナちゃんと目線を合わせる為にしゃがみ、安心させるために顔に微笑を浮かべて、頭を撫でながら言う。

 

「大丈夫だよ、実はお兄ちゃんは猫探しのプロでね、今までも何十匹も迷子になった猫を見つけ出したんだ。だから安心してチョコラは絶対にお兄ちゃんが見つけてくる」

 

「ほんとに……?」

 

「あぁ、約束だ。だからもう泣かなくても大丈夫だよ」

 

「うん!私もう泣かない!」

 

そう約束するとマナちゃんは笑顔を浮かべた後に、安心したのか眠ってしまった。

よく顔を見ると、たくさん泣いたため目の回りが少し赤くなっていたので気づかなかったが、隈が出来ている。

たぶん、チョコラのことが心配で昨日の夜も余り眠れなかったのだろう。

そして、俺の話を聞いて安心したら、今まで無視していた睡魔が一気に押し寄せ、眠ってしまった、というところだろう。

 

もともと全力で依頼に挑むつもりではあるが、マナちゃんの様子を見てより一層そのやる気が増した気がする。

これは絶対に見つけてやらないとな。

 

ちなみに、何十匹の迷子の猫を探し出したのは嘘ではなく本当の話だ。

 

それから数十秒後に、犬のおもちゃらしきものを持って出てきた、マナちゃんのお父さんがこの状況(何故か眠っている娘を支えている武偵)を見て誤解してしまい、その誤解を解いたり、勘違いしたことを謝られたりなど、無駄な時間を使ってしまったが、何とか探す猫の匂いは把握することが出来た。

 

 

 

 

 

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依頼主の家を後にしてアリアに再会したのだが、そこまで時間を掛けた覚えはないのに、何故か「遅い!」と怒られてしまった。相変わらず理不尽だ。

アリアが怒ったのは、昼をまだ食べていないせいで空腹だったからもある。

 

これ以上、理不尽に怒られて時間を無駄にするのも嫌なので、マックでハンバーガーを二つ(自分とアリアの分)購入することにした。支払いは勿論、全て俺持ちだ。

 

食べ歩きながらチョコラを探そうと提案したのだが、今度は「行儀が悪い!」と怒られた。

 

こういう時だけ貴族ぶらないで欲しい。

と、口にすると確実にキレるので、決して口には出さずに心の中で留め、近くの公園のベンチで食べることにした。

 

そこで(アリアに)小さなトラブルがあったのだが。まぁ、どうでもいいことなのでまたの機会にするとしよう。

 

ハンバーガーを食い終わるとチョコラ探しを再開する。

っていうか今更だがアリアって足手まといにしかなってなくね。

 

チョコラを探しながらそう心の中で思っている俺に、アリアは問いかけてきた。

 

「そういえばあんた、ここに来る前になんで依頼主の家にいったの?」

 

「ん?あぁ、言ってなかったが、俺は五感が人よりも優れててな、チョコラ——探している猫の匂いが分かれば、少し遠くても匂いで場所が分かるんだ」

 

「……あんた獣か何かなの?」

 

中々に酷い言い草だな。

だが匂いや音で何となく分かる、アリアが驚愕と関心を俺の五感に向けていることに。

 

聴覚や嗅覚で人の感情がある程度読める事は……めんどうだし、言わなくていいか!

説明しろって言われても、俺も何となくの感覚で判断しているからな。

 

 

 

 

 

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探し始めて一時間も経たない内にチョコラは見つかった。

公園の端の水辺に居たので、潮の匂いに交じって気づきづらかったが、何とか嗅ぎ分けることが出来た。

 

海水に少し濡れたのか、衰弱しているように見える。

早く助けてやらないとな。

 

「ちょっとここで待っててくれ」

 

そう言うと俺は靴と靴下を脱ぎ、ズボンの襟を少し上げ、水の中を進み震える猫の元へと向かった。

 

匂いでチョコラが俺に警戒と恐怖の感情を向けているのが分かったので、安心させるように微笑を浮かべながら手を伸ばす。

 

「もう大丈夫だ、飼い主の元に連れて行ってやるからな」

 

微笑を浮かべたおかげか、チョコラは警戒を解いてくれ、簡単に捕まえる事が出来た。

その身体は海水に濡れた所為で、少し冷たかったが、命の危機という程ではない、だが念のため上着の内側に入れて温めてやると、その温かさと安心で眠ってしまった。

 

その姿が愛らしかったので、思わず口角を上げてしまう。

 

そんな俺の姿を見たアリアは——

 

「……なに、ニヤついてるのよ」

 

ため息を吐きながら、気持ち悪がる。

 

そんなアリアを見た俺は、内心ため息をして、可愛らしい猫を見て上がった気分が急降下するのを感じる。

 

「別にいいだろ」

 

そう言ってから、これ以上気分を害されたくないので、俺はアリアを無視して依頼主宅に向かって歩き出した。勝手に付いてくる、アリアを連れて。

 

その後、無事チョコラを依頼主宅に届けた俺は、今度は悲しさではなく、嬉しさで涙を流しているマナちゃんを見てこの依頼を受けてよかったと思うのだった。

 

ちなみに報酬の一万は受け取らなかった。もともと俺が欲しかったのは単位の方だったし、その報酬金は念のためチョコラを動物病院に連れて行って、その診察料などに使って欲しいと言っておいた。

俺としても折角助けた猫が今回の事で亡くなったら嫌だし、それでまたマナちゃんが泣いてしまうのも嫌なので、というと依頼主であるマナちゃんパパは渋々ながら受け入れてくれた。もの凄く感謝されたが。

 

それを遠くで一部始終見ていたアリアはクスッと笑ってから——

 

「あんたってバカね、でも嫌いじゃないわ」

 

そう言って何故か少し嬉しそうな匂いや音を出していた。

 

(なんだこいつ……)

 

俺はそう思いながらも、アリアと並んで歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子学生寮である、俺の部屋に向かって。

 

 

 

 




モチベが湧かない!!

すみません、最悪次話は続かないかもしれません。
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