ブルアカ世界に狂信者を入れてみた   作:カニバルキャンディー

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ダライ・ラマ14世


私の真の宗教とは優しさである

 闇に紛れて音もなく、アンとアズサが護衛達の背後を取り、首に手を回して一瞬で意識を飛ばす。

惚れ惚れするぐらい手際が良く、お互いに言葉の一言も話さず、暗闇の中を走る

物の数分でセーフハウスを護衛していた人間を全て気絶させ、背後に隠れているハナコをハンドサインだけで呼ぶ

少しだけ引いたような顔をしていたハナコが表情を作り直し呟く

 

「2人ともお疲れ様です…では…本命行きましょうか」

 

コンコンと防弾加工された扉をハナコがノックする

 

「紅茶でしたらもう結構です…あぁ、それと…堂々と入ってきても構いませんよ」

 

 そんな声が中から聞こえ、敢えて言葉通り滑稽なほど堂々とハナコとアンは扉を開け中に入る

その隙にアズサが死角を利用して中に潜入

 

「あら、私たちが来ることが分かっていましたか?」

「まさかシスターフッドまで巻き込むとは思いませんでしたが先生か…私を狙いに来てる組織か…どちらかと思ったのですが」

 

 賭けはダメですねとクスクスとお上品にナギサは微笑みながらミルクティーを口に含み

侵入者3人分の紅茶も注ごうと席を立つ瞬間後ろから銃口が向けられる

 

「動くな…そのままじっとしていろ」

「白洲アズサさんですか…貴女も怪しいと思っていました」

 

 そのまま座り直し、紅茶をティースプーンでかき混ぜる

カーンと陶器と鉄がぶつかる音がし、微笑みながらこちらを見る

 

「なるほど…この絵を描いたのはアンさん…貴女でしょう?」

「私ならば正面から堂々と潰しに来ますよ…道理があれば」

 

 新しい紅茶を注ぎ、角砂糖を4つ入れ直し口を再びつける

緊張を誤魔化す為だろうか?アンの知るナギサにしては妙に紅茶の減りが早い

 

「私やアズサちゃんを怪しむのは道理です、能力、来歴、振る舞いどれをとっても怪しむなと言うのが無理な相談です…

ですが、ヒフミちゃんやコハルちゃんは関係ないでしょう?それに…ヒフミちゃんはナギサさんと仲が良かったじゃないですか」

 

「えぇ、個人的にも仲良くさせてもらっていますよ…ですが…後悔はしていません、全ては大義のため、とは言うつもりはありませんが…こちらも使える手札は限られています、伸ばせる手も伸ばせなかった手も

ヒフミさんのことは90%裏切者ではないと思っています、ですが10%信じきれない、だから彼女を入部させました」

 

「それで彼女がどれだけ傷ついてもですか?」

「はい、傷は時間と共に癒えるものです」

 

 真剣に今日一番の敵意を持ってハナコを睨みつける。

ほんの一瞬だけハナコはその視線を受けてたじろぎ目を逸らす、当然だろう彼女は他人の人生を背負うという立場から逃げた

ならば今この瞬間も背負っている人間に勝てる道理などない。

 

それはちょっとした嫌味だったのだろう、もっともトリニティが嫌いな少女がもっともトリニティらしい仕返しをする

 

「…ふふ…♡では…私たちの指揮官からナギサさんへのメッセージをお伝えしますね」

 

【あはは、楽しかったですよ。ナギサ様との”お友達ごっこ”…】

「とのことです♡」

 

 アンが拳銃を引き抜きハナコのこめかみに当て一瞬の躊躇もなく弾丸を発砲する

まさかの味方からの不意打ちの攻撃、ハナコでは反応もできるはずもなくきりもみ回転しながら調度品に突っ込む

 

「申し訳ございません、流石に今のは私も見逃せませんので…」

 

 アズサさんに支えながらハナコさんがよろよろと立ち上がる

流石に今のはライン越えです…ハナコさんが泥を被る分にはどうでもいいですが…それを他人に強要するならばそれは見逃せません

というか今の完全にトリニティしぐさですよ貴女…自分は害を受けずに他人に被せるとか…

 

「構いませんよ、こちらも準備が終わったところですし」

手に持ったスイッチをこれ見よがしに弄ぶ…爆破のスイッチ…?いや…私なら堪え切れるが…ナギサさんは近距離で爆破したら耐えきれない…

いやまて!?コイツ正気か!?

 

「知っていましたか?最近の砲撃システムって便利なんですよ、口頭入力で座標が打ち込める」

「アズサさん!ハナコさんを守ってくださいッ!」

 

 スイッチを押し込むと同時に空気を切り裂く炸裂音と衝撃

身体の一部が瓦礫で押しつぶされるが即座に修復され、そのまま降ってくる瓦礫をぶった切るッ!

 

「私結構根に持つタイプなんですよ…散々言ってくれましたね、狂信者(fanatic)

「フハハハハ!いつもそうなら我々も首を垂れるのだがなァ!」

 

 いくら覚悟があろうとそれだけでは実力が埋められはしない、だが最上級の敬意を持って顎に一発入れ意識を飛ばす

崩れていくナギサさんを受け止め、肩に担ぐ

 

「目標を確保、アンが顎に一発いいのを入れたから数時間は目を覚まさないはず」

「ごほ…アズサちゃんとアンさん…ここからは敵の誘導をお願いします…」

「わかりました、では後程…それと…ハナコさん…次舐めたマネしたら次は私の銃剣がお前を貫く」

 

 

 正直なところ私割と怒ってますからね?

我々キリスト教は名誉を傷つけられることを何よりも不快に思うので、

そうじゃなくてもナギサさんは1年生の時からの知合いですからねぇ…ハナコさんより付き合い長いんですよ?

仮にも友人と呼べる相手です

────────────────────────

爆発に次ぐ爆発、だがそのすべてが効果的に発揮されている

ゲリラ戦の達人が効果的に罠を張り

 

「ギャハハハハ!!アーッハハ!!」

黒煙の中銃剣を持ったシスターが爆笑しながらアリウス生徒を文字道理刈り取っていく

 

発射されるグレポンの雷管をぶった切りそのまま投げ返しアズサの放った弾丸でそれが爆発しさらに近くのアリウス生徒を吹き飛ばす

 

「アン、そろそろ移動しよう、ここら辺の罠は使い切った」

「先に体育館に行け!」

 

 拳でガスマスクを叩き割り流れるように顎を掴み変則的な背負い投げ、首の骨がギリギリ折れないレベルで仲間の元にぶん投げる

あと…中隊ぐらいか?正直このまま私だけでも叩き潰せそうだが…下手に逃げられても困るな、こちらの準備もあることだしそろそろお暇させてもらうか

 

足元に煙幕付きの銃剣を落とし爆発させその隙に姿を眩ます

 

「こほこほ!煙幕とは小癪な!どこ行った!?」

「落ち着け!どうせこの先は体育館しかない!追い詰めろ!」

 

数人が奥に向かうのを壁にもたれ掛かりながら補習授業部とは別の無線に連絡を入れる

 

「首尾は」

「問題ありません!ですが懸念点が2つ、異様に敵が入り込むのが早すぎます、おそらく内部犯が同時に侵入しているかと」

「だろうな、ここが山場だ。来ない理由があるか?それで?もう1つは」

「シスターサクラコも我々に参加しています」

 

「追い返せ」

「無理です、隊長突入しますよ」

────────────────────────

「一部のトリニティ生徒がこちらに向かってきています!」

「…?なんで?ティーパーティーの戒厳令に背く人たちはもう…まって、狂信者どこに行った!?」

 

 大聖堂からの道を堂々と歩く美しき光が彼女たちを照らす

彼女たちはシスターフッドの一部隊、だがトリニティどころかキヴォトスでも屈指の暴力装置

それは処刑人が引きつれる天使の集団

 

【緩やかなる平和な歩み】(エウレカ)

名前の由来は平和はゆっくりと歩くように浸透していく、我らはそれを見つけたり

 

「全部隊!主の敵を殲滅しろ!奴らは我々の教えを自分たちの好きなように改変しやがった!ならば遠慮する理由などない!」

 

 アンが一番先頭で舞台に命令を出す、瞬間部隊が生き物のようにアリウス生徒に襲い掛かる。

恐怖したようにアリウス生徒がグレネードランチャーを乱射するが誰一人気にした様子もなく飛び掛かり殲滅を始める。

 

「神塚アンッ!」

「ティーパーティーの聖園ミカさん、他のティーパーティーメンバーへの傷害及び障害未遂で貴女の身柄を確保します」

 

 ミカさんが叫ぶ中、サクラコが銃を構えずに前にでる、何で貴女ほんとにここに来たんですか…暇だったんですか?

取り合えず銃構えてもらえません?確かに消化試合ですけども

 

「シスターフッド…!『微笑む黙示録』『優しき災厄』『微笑む虚無』ッ!歌住サクラコ!」

 

 余裕そうな表情な表情から一転して冷や汗を流しながら舌打ち

イラついたように髪の毛を先を乱暴に弄び、深呼吸をして強制的に落ち着く

 

「…まあ?どうせホストになったら。大聖堂も掃除しようと思ってたところだし、うん…一気にやれるチャンスだって考えることにしようかな」

「クハハハハ!お前が?我々を?掃除?できもしないことを笑わせてくれる」

 

 イライラしたようにミカが近くの柱を片手で文字道理むしり取る、キヴォトスでも滅多に見ないッ!砕くでもぶった切るでもなくむしり取るッ!

そのまま轟音を立てながら柱を横に振るうと進路に居たアリウス生徒が巻き込まれくの字になりながら吹き飛ぶッ!

 

 アンは銃剣を地面に突き立て、それを足場にし空中に逃げるそのままコートの袖口から取り出した銃剣を3本投擲

おかえしとばかりにその柱をアンにぶん投げるッ!だがアンに触れる瞬間その柱は真っ二つに切り裂かれた。

 

太った鳥(ブロイラー)かと思ったら案外動けるものだなぁ!?いや?その腕力だと筋肉太り(チキンレッグ)か!」

「うっさい!!イカれ女が!黙ってろ!」

 

 叫びながらミカが一気にアンの懐に入りワンツーからの胴体に向かってボディーブロー

恐るべき腕力で繰り出されるそれは容易に人体を削り取る

アンの肉体が破壊されるが、欠片も怯んだ気配もなく壮絶に笑う

 

「…ッ!?人体が吹き飛んでるんだよ…!?そこは人として怯んでよ!」

「優しく撫でられた程度でか?」

 

 お返しとばかりにミカの頭を掴み全力のヘッドバット、たたらを踏みながらミカが後ろに下がる

叫び声をあげながらをQuis ut Deus(サブマシンガン)バットのように横に振るいアンに叩き付けようとするが、振り切る前に手首を掴み、アンのつま先がミカの鳩尾に突き刺さるッ!

胃液を口から漏らしながら吹き飛び壁に激突

 

では問題です、ティーパーティーと言う支配者層の人間が血反吐をまき散らす戦いになれているでしょうか?

 

「当然慣れてないだろ、今のだって殴らずに掴んで砕くのが正解だ」

「ちょ、ちょっと!?アン先輩!?それ以上やったら死んじゃう!」

「我々がこの程度で死ぬかよ!どうした!さっさと起き上がってかかってこいッ!」

 

Star of Bethlehem(星は降り注ぐッ)!」

 

 瓦礫を蹴り飛ばし散弾のようにアンに集中、上からはなんたる奇跡か、いつの間にか打ち上げられた瓦礫が隕石のように降り注ぐ

更にミカが狙いを定めて弾丸を指で弾く、アンが反応できない速度で5発の弾丸が身体にめり込み、流石のアンも血反吐を吐き出す

 

「ぐが…!?ちっ!上の対処もか!」

 即座に銃を引き抜き、6発の弾丸を隕石にブチ当てて砕く

癇癪を起したようにミカが髪を掻きむしりながら美しい顔を歪める。

 

「なんで…なんで!シスターフッドだってゲヘナが嫌いでしょ!?」

「あぁ、我々は奴らの敵だ。殺し合うべき宿敵だろう!だが我々は奴らと戦う時に己のすべてを賭ける」

 

銃剣を袖口から取り出し銃と銃剣で十字を作る

 

「たいしてお前はどうだ?覚悟も、勇気も、殺意も、何もない…セイアでも襲撃して後に引けなくなったか?自身の行動を正当化したくなったか?」

「黙れ…」

 

 確かに神塚アンは宗教に従い、ゲヘナを嫌悪して隙あらば滅ぼしたいと思っている。

だがそれは決して虫のように藁のように潰したいではない、慈悲を持ちどれだけ実力が離れていようと己のすべてを賭けて戦いに挑み楽しむ。

それが流儀であり、聖職者として宿敵に挑む最大の礼儀だ

 

「お前の行動には興ォ味もないが…それで私の友人が傷ついた…責任を取ってもらおうか!」

「ああぁああ!!」

 

 乙女には似合わない雄たけびを上げて自分の最強の武器である拳を振りかざす

楽しそうに銃剣を投げ捨てアンが同じように拳を構える

 

 馬鹿力だ!私はどちらかと言うとスタミナと再生能力と技術で何とかするタイプなんだがな!

だがその程度だ、私の知る中でここまでの腕力だけでの戦いはアケミぐらいだ…まぁアケミ程突き抜けた暴力は感じない

 

 ストレートを左手を添えて逸らす、後ろから拳圧だけで砂埃が巻き上がるが気にも止めない

半歩、身体を中に入れ、右肘がミカの鳩尾に突き刺さる、身体がくの字に曲がり、引き絞った左腕が顔面を撃ち抜き吹き飛ばす

首の筋肉が耐え切れず仰け反るように吹き飛び瓦礫の中まで吹き飛び意識を消し飛ばす

 

「Amenッ!クハ!アハハハハハ!!!」

 

身体をのけぞらせて強敵を打ち倒した喜びを全身にあふれ出る

 

「”お疲れ様、アン大丈夫だった?”」

「癇癪を起したガキ1人相手に大丈夫もクソもあるか」

 

吐き捨てるように散らばった銃剣を拾い、己の部隊の所に戻る

特に苦戦もしていない戦場に飛び込み雑草を狩るようにアリウス生徒を叩きのめす

 

彼女の居場所は所詮こっちなのだ

────────────────────────

夜が明け正義実現委員会がミカさんとアリウス生徒を連れていく

 

「あ、あうぅ…もう色々ありすぎて疲労困憊です…」

ヒフミさんの言葉に全員が頷きコハルさんが倒れかけるのを支える

 

「ご、ごめんなさい!気が抜けちゃって…」

「仕方ありませんよ、一晩中の戦闘でしたし」

 

優しく髪を撫でて軽く笑う

 

「そうですね…それにここ一週間まともに眠れてなくて…これでやっと…」

「何を言って言うのヒフミ、ここからがスタートだ」

 

 アズサさんがキリっとした顔でそんなことを言う…

あ~そういえばこの後試験でしたね…ナギサさんも誘拐しましたしもう一週間後ぐらいでもいいんじゃないですか?

 

なんて考えていると4人が校舎に向かって走り出す元気ですね~別にそこまで疲れてはいませんがなかなかしんどいものがありますよ

部下から車を借りて先生を押し込み遅れて校舎に向かう…

 

「まぁ…これも青春なんじゃありませんか?」

「”アンも一緒に走ってこれば?青春青春!”」

「う~ん…私の青春は終わってますからねぇ…決着は付けないといけないとは思っていますが」

 

車を運転しながら軽く肩を竦める

3年になってやることは部下を育てきることと自分の選んだ結果に決着をつけるだけですよ

少なくとも下の子たちに迷惑かけて暴れることじゃないと個人的に思っているのですけどねぇ…

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「「「「お疲れさまでした!!」」」」

 飲み物が入ったグラスをぶつけて全員で飲み干す!

ここは焼き肉屋さん!私たちトリニティ、お嬢様でもあるがそれ以上に育ちざかり食べ盛り!

焼肉食べ放題は魅力的なのだ!

 

「コハルちゃん、タンって牛のベロですよね?」

「え?う、うん…そうだけど」

「じゃあ初めてのディープキスは牛ですね♡初めてが獣姦だなんて変態です♡」

「食欲無くすようなこと辞めてよね!!!」

 

ギャーギャー騒いでる隣のテーブルで先生と静かに食事…流石に6人は狭いですし…特に私とハナコさんは発育がいいですから…

 

「先生もお疲れ様です…いろいろ大丈夫でしたか?」

「”少し事後処理が大変だったぐらいかな?”」

 

ビールを先生のグラスに注ぎタンを焼いて先生のお皿に乗せついでにカルビとハラミを焼く

隣から響いてくる楽しそうな声をBGMに大人な話は続く

 

「”最後…ミカに言い過ぎじゃなかったかな?あそこまで言わなくても良かったと思うけど”」

「先生、責任を負わぬ者に成長はありませんよ?」

 

 育てていた肉を食べる…ん!流石脂が乗ってて美味しい…お酒が欲しくなりますが今は半分仕事みたいなものなので抑えて抑えて…

コーラで我慢しましょうか…カロリーが高いのであまりよろしくはないのですが…

 

「”ミカは少し他人を信じられなくなっただけだよ…間違いは誰にでもあることだ”」

「先生って我々の事なんだと思っています?よちよち歩きしかできない赤ちゃん?くっくっくっ…17歳ですよ?法的には結婚もでき子供も産める、生理すら来ている」

 

パチパチと焼肉の火花が散る

 

「子供が子供のままいられるなんて地獄のようだ…我々は大人にならなくてはならない」

「”だとしても、まだ学生だからね…私がなるべくみんなの責任を背負いたいんだ”」

「やらない善よりやる偽善と言いますけど…それも程度がありますよ?だれも責任を取れなくなり1人で立てなくなる」

「”ならないよ、私がやるのは潰れそうなときに手助けする程度の事だから、みんなは自分で立てるよ、アンみたいに”」

 

お互いににこっと笑って食事を続ける

なるほど…ならそのうち頼らせてもらいましょうかね

 

 

 




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