ブルアカ世界に狂信者を入れてみた   作:カニバルキャンディー

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シュライエルマッハー


宗教の本質は思考でも行為でもなく、直感と感情である

 ヒフミの目の先では爆笑しながら美食研究会と戦闘を開始しているアンの姿

ジュンコの2丁ARのから乱射される弾を左の裾から取り出した太く分厚い銃剣で叩き切りながら近づき勢いに乗ったまま前蹴りッ!

身長180cmから繰り出される大砲のような蹴りはいくらキヴォトス人であろうと容易に意識を消し飛ばす

 

「ふははははッ!塵にも劣るカス共がッ!今すぐ土に埋めて肥料にしてやろうッ!」

「シスターフッドの処刑人がなぜここに居るんですの!まったく!キャベツの鮮度が悪いケバブ屋を爆破しただけでしょうに!」

「貴様らゴミどもをぶっ殺すためだ!食べ物を大事にしないものを殺してもいいと主が言っているんでなァ!」

 

 飛んでくる爆発物を自身の弾丸で撃ち落とし返す刀で文字通り銃剣をぶん投げ体を串刺しにしようとするが狙撃銃による早撃ちで次々と撃ち落とされる

 

 ゴミが…舐めたマネしやがるッ!こんな白昼堂々私の前でテロとはなァ!

だがどうする?ゲヘナのゴミだが実力はある…

ゲヘナはどうでもいいが…トリニティの学生がまだ周りにいる、私が本気を出したら巻き込みかねんな

そもそもコイツラ相手だと1対3は少し骨が折れる…ならば分断してやるか

 

「ジュンコさんがやられちゃいましたね…偏食はしない主義ですけど胃がもたれちゃいそうですよ~」

 アカリが油断なくボトムレスを構えマガジンの中身とグレネードの確認をする不意打ち気味とはいえ一撃でジュンコを倒したのだ

それに噂のシスターフッドの処刑人、倒しきれるでしょうか?

ポツリとアカリの隣にいたハルナが並んでいる2人に聞こえるように呟く

 

「アカリさん、イズミさん撤退の準備をしてください、目的は果たしましたし戦うだけ損です」

「ごちゃごちゃうるせぇなァ!かかってこないならこちらか行くぞッ!」

 

 袖口から爆薬が付いた銃剣を3本取り出し相手の足元に投げつけ瞬間地面を巻き上げ爆発ッ!

その爆風に隠れて即座に移動を開始!数歩前に出ると胴体と顔面に7.62mmが数発私の身体をぶち抜く…ゴミの分際でいい腕してるじゃねぇか!

早撃ちよりも問題はその精度ッ!この砂煙の中、即座に私を抜けるとはなァ!

だが私を止めることはできんッ!

 

「Hello!!」

 

 爆風の中からアカリの正面に現れたアン、援護しようと隣にいたイズミがデイリーカトラリー(MG3 KWS)を振り回そうとした瞬間何かに引っかかり数テンポ遅れる

それは爆風の中で邪魔になるように投げられたアンの銃剣ッ!無論神秘が入っていない剣はガラス細工のように粉砕されるがこの接近戦では僅かな遅れが致命傷になる

 

「うわ!?いつの間に投げてたの!?これ邪魔…!」

 

 まず、掌底で喉を叩く、一瞬息が止まらせそのままの流れで顎をかち上げ脳を揺らす!

弾丸をものともしない我々だとしても脳を揺らされれば意識は簡単に明後日の方向に飛んでいくッ!

 

 崩れ落ちる彼女を背負い投げの要領で近くにいたハンバーガーを持っているゲヘナに向けてぶん投げる!

受け止めようと銃を構えるのをやめた瞬間、早撃ちの要領で引き抜かれ発射された45口径の弾丸が眉間に突き刺さり後ろにのけぞる

弾丸のダメージが少ないとはいえ後ろにのけぞった状態で1人分の体重を支え切れず一緒になって倒れ込み、うぎゃ!と声と共に動けなくなるのを確認

 

「どうした悪魔共、お仲間の美食屋共はてんで役に立たんな!後はお前だけだぞ!?」

「流石に分が悪いですね…ですが貴女も消耗はしているでしょう?」

 

 お互いに手持ちの銃を鳴らす

アンは左手に銃剣、右手に銃を構えながら身を低くいつでも飛び込めるように

ハルナはリラックスし、スコープから視線を外し一点ではなく全体を見られるように

 

勝負は一瞬近づいて斬り飛ばされるか、近づけず鴨のように撃たれるか──────

 

「全小隊撃ち方初めッ!」

 

 2人が同時に後ろに飛ぶと同時にアンは銃剣をぶん投げ、ハルナはそれを撃ち落とし油断なく構える

撃ってきた方に視線を向ける…アイツらは正実のメンバー?先頭にいるのはイチカか…なるほど心強い

 

さりげなく私の隣に歩いていたイチカが話しかけてくる

 

「アン先輩お邪魔だったっすか?」

「くはは!邪魔なものか…さぁ!悪魔狩りの時間だッ!私事撃って構わん」

 

新しい銃剣を取り出し頬を吊り上げながら一歩前に出る

 

────────

 

【それで申し訳はありますか?シスター・アン】

【申し開きもございません。シスター・サクラコ様…少々やりすぎてしまいました…罰はどのようなものでも】

 

 チラッと後ろを見ると半壊したマーケット…あの後予想以上に抵抗されてそれなりに本気を出さざるをえなかったんですよね…

さっさと捕まってればいいものを…一応正実に引き渡して豚箱に叩き込んでおきましたけど…あんまり持たないでしょう…

 

【一応全部美食研究会の責任にしておきますのでお咎めはありませんが…気を付けてくださいね?】

【はい…ありがとうございます…それでは私はもう少ししたら戻りますので】

【それには及びません…アン…申し訳ありませんがナギサさんの所に向かってください】

【かしこまりました。では事が済み次第向かいます…18時ごろに迎えに行きますので執務室で待っててください】

 

 電話を切って心配そうしているヒフミさんに頭を下げる

少し…夢中になってしまった…戦闘になると口調が荒くなったりしてしまうのが私の悪い癖ですね…別人みたいだと言われるんですが…そこまで変わってますかね…

まぁ…ゲヘナ相手だと直す気はありませんが…相手悪魔で私はそれを退治するシスターですので

 

「申し訳ありません…ヒフミさん…やりすぎてしまいました…せっかくのお昼ご飯だったのに」

「い、いえいえ!こちらこそ庇ってもらっちゃいましたし!それにご飯も新しいの奢ってもらっちゃいましたから!」

 

 癒されますねぇ…サクラコが目をかける理由がちょっとわかった気がします、あの学校でこれほどの善性は珍しいです…シスターフッドはなんやかんやあんまり興味もないのでそこまで腹黒くはありませんし

学校内は私が目を光らせてるのでシスター達に対して虐めとかはないですけど…普通の子たちは悲惨ですからねぇ…

 

そういう意味でもついつい私も肩入れしたくなりますね!

 

 私が肩入れしたら間違いなく面倒ごとに巻き込まれるので彼女のためにもやめておきますか

ニコッと笑い軽く頭を撫でる…サラサラです…絹のよう

 

「では…私はあとの始末をしますのでヒフミさんはお早めに寮に帰るんですよ?ここら辺の暴れそうなのはもういないと思いますが…キヴォトスなので」

「わかりました!アン様も頑張ってください!」

 

 ペコっと頭を下げて走ってさっていくのを見送ります…大丈夫でしょうか…なんだか悪い予感がしますし…やっぱり付いていった方が…!!

そわそわとしているとイチカが缶の飲みもを私に渡しながらこちらに話しかけてくる。

 

「あの~アン先輩?ちょっといいっすか?取り合えずあの4人はゲヘナに送り返しておいたっすけど…3日持てばいい方じゃないっすか?」

「でしょうね、私がもう少し痛めつけていれば一月は病院のベッドで眠らせておけた物を…」

 

 む…これ缶コーヒーじゃないですか…嫌いじゃないですけど苦手なんですよね…

やっぱり紅茶ですよ紅茶…なんで缶コーヒーはあっても缶紅茶は無いんですか??

午後の紅茶はあれほぼジュースなので流石にちょっと…

 

「なんで急に泥水を渡してきたんですか…せめてお茶ください…!」

「ファッキンぶりカス一昨日行って欲しいっす」

 

 お互いにグーが飛びクスクスと笑いあう。

別に正義実現委員会と仲が悪いわけではないですからね…上はどうであれ現場ではあんまり関係ありませんし、そもそもシスターフッドは実益とかいりませんから

特に私は1人で突っ込んで暴れますし…だから現場で偶に連携取ったりするんですよね…この街は人数より強大な個の方が強いので下の子たちで対処できない問題が多いんですよ…

現場で助けたり助けられたりで今では軽口が言い合えるぐらいの間柄ですから!戦闘中は怖がられますけど…

 

「あとをお願いします、私はサクラコ様に説明してこないといけませんので」

「了解っす!ではこちらは辺りの警備をしておくっすよ!」

 

 聖書を取り出して空に投げる、空中でページがバラバラに崩れアンの身体を覆い隠す

ページが地面に落ちるころにはその姿が消え失せ、地面に落ちた聖書も青く燃えて灰になっている・

 

「あの移動方法なんすかね?」

 

「さ、さぁ…?」

 

──────────────────────────────

 視点が変わったのを確認すると軽く地面を蹴り学校の中に進んでいく

コツコツと中庭を歩き辺りを見渡す、そこは美しく年中咲き誇る花、囲まれその中心にはティーパーティーと呼ばれるトリニティの事実上のトップ

スイレンのように美しく咲き誇りカルミアのように数多の場所に耳と目がある、この裏切りと暗躍の学校の生徒会長、桐藤ナギサ

 

「お待たせいたしました。ナギサ様…私、神塚アン参上いたしました」

「アンさん…お呼び立てして申し訳ありません」

 

 ゆっくりと一例をして微笑む

座った状態でこちらを見上げる小さな彼女

 

 さて…私を呼んだ理由はなんでしょうかね?エデン条約の件でしょうか?

正直な話、私達シスターフッドを政治系に引っ張ってくるのはやめておいた方がいいと思うんですけどね…

どうしても宗教系になってしまいますからね、それはよろしくはない…宗教は心から信じるもので強制的に信じさせるのは洗脳ですから

 

「聞いていますよ?美食研究会と派手に戦ったそうですね…大丈夫でしたか?」

「問題ありません、ゲヘナ相手に不覚を取るほど弱くなった覚えはありませんので」

 

「それは心強い…では本題を耳に挟んでいると思いますが…エデン条約…この条約が可決されました」

「えぇ、私のような1シスターにすら声が聞こえてきますから噂にはなっているでしょう」

 

ゲヘナ、トリニティ両自治区の間に結ばれる平和条約

長きにわたって続く自治区同士が”表向き”でも手を取り合い、致命的な破滅を回避するためのもの。

連邦生徒会長が主導してたが…いつの間にか失踪していた、私としてはこのまま流れてくれるとゲヘナと仲良くしなくて済むので嬉しかったのですけどね

 

気軽に叩き潰せなくなる

 

 ナギサ様に着席を促されるが敢えて無視をする腹の探り合いなんぞ撃ち合うより厄介なものだ。

美味しそうな紅茶には少し心が引かれるが…後でサクラコにでも入れてもらおう…英国の血は一滴たりとも流れていないはずなんですけどね…生活リズムがそうさせるんでしょうか?

 

「我々に協力して欲しいのです、シスターフッドではなく1人の友人として貴女の力を借りたいのです」

「私はただの暴力だけが取り柄です…政治はなにもわからないもので」

 

 ニコッとお互いに微笑む…本当にめんどくさい…私を表舞台に引っ張るな

本当に暴力装置の役目しか私は果たせる自信はないぞ?

 

「サクラコ様に了承を得ないと私は動けません…シスターの役目をしているときにやむ追えず撃退することはありますが…」

「そうですか、では偶々そのような場合があれば是非とも力を発揮してください…それと紅茶は飲まないのですか?オレンジ・ペコを用意したのですが」

「……申し訳ありません…放課後は一年生に聖書の内容を教えなければいけないもので…それでは…」

 

 頭を下げ花園から歩いて出ていく…校舎に戻ると同時に左腕に仕込んでいた銃剣を袖口にそっと戻し懐から聖書を取り出して空中に投げる

いつも通りページがアンの身体を隠し別の場所に連れて行ってくれる。

 

 

「知らぬ存ぜぬで彼女の協力は取り付けられましたか…しかし…下手なこと言ったら私も殺されかけてましたね…怖い怖い、ミカさん出てきてもいいですよ」

少し離れた生け垣からひょっこりと顔を出すのは聖園ミカ、パテルのリーダーでナギサとは幼馴染の少女

お姫様のように可憐な見た目だが恐ろしくも巨大な力を持っている。

 

「ナギちゃん…多分アンちゃん私の事気づいてたと思うよ?流石シスターフッドの戦闘狂☆」

「でしょうね…ですが警戒してるって事さえ気づいて貰えば大丈夫です、彼女は戦闘技能は卓越していますが所詮、我々とは違う使われる立場の人間ですので」

 

「ナギちゃん怖ーい☆」

 

☆☆☆☆

 

「という訳で新約聖書は当時の価値観に合わせて旧約聖書改定…というだけではありません、新約聖書は主の生涯や教え、その弟子たちの伝道活動などが多く、旧約聖書は主による天地創造や民族の歴史主との約束などが多く記載されています」

 パタンと教科書を閉じで正面に座ってる一年生に目線を合わせる…トリニティはお嬢様学校で一部のカリキュラムに宗教が入っているんですよね。

なので我々シスターフットが年下の子たちに教育をします、餅は餅屋ってやつですね!これ覚え直せるから個人的に好きなんですよね!

 

「簡単に言いますと新約の方は身近のことを旧約の方は神話の話…という訳です、テストには出ませんが覚えていただけると幸いです。」

軽く頭を下げて銃を机の上に置く、さてそろそろ時間ですしちょっと締めますか

 

「皆さん、主は言いました敵を愛し、自分を迫害する者のために祈れ…だがしかしそれだけではいけません。神を敬うものは祝福され、神に敵対するものは裁かれる…旧約聖書のエリシャが侮られた時のセリフです

舐められたら銃を抜いて叩き潰してください…このように」

 

 即座に銃を拾い上げ後ろの方でデリンジャーをこちらに撃とうとしていた学生の眉間を撃ち抜く

ド派手に後方に吹き飛びそのまま気絶、まぁ、死にはしないでしょう

 

「では今日の授業はここまでです」

 

 ありがとうございました!!の号令と共に授業が終了する…なんで私の授業の時に悪戯しようとするんですかね…

別に構いませんけどそれなりの対処しないといけなくなるのが…

 

 今日最後の授業ですし、ちょっと早いですが着替えてサクラコの所に行きましょうかね

一旦自分の部屋に戻りシスター服から私服に着替えるジーパンにへそが見えるチビTシャツに上から紺色のジャケットを羽織る

超高身長なのであんまり可愛い服着られないんですよね、別に気にしてませんが

音を立てながら大聖堂の中を歩く、取り合えず何事もなくサクラコの部屋までたどり付きノック

 

「アン、ちょっと待ってくださいね直ぐに行きますので」

 

 10分ほど待ってサクラコの扉が開く、白色のワンピースに上から私と同じ紺色のジャケットを羽織って出てくる

流石に学生ですしオフの時でもシスター服はちょっと…別に服で信仰が変わるわけじゃありませんから

 

「今日何食べるんですか?私お腹空いたんでガッツリ系がいいんですが」

「個室がある中華のお店を見つけたんですよ」

 

それは楽しみです!とニコニコ笑うサクラコと私の私物の車に乗り込み出発!

しばらく車を走らせそこそこ高級な中華料理屋に到着、個室に案内され飲み物が運ばれる

 

「「かんぱーい!!」」

 

◆◆◆◆◆

 

「だから~!私は言っているんですよ!別に暗躍なんてしてないんですってぇ!」

「ちょっと飲みすぎだと思いますよ…サクラコ…」

「はい…」

「サクラコ聞いてますか?」

「はいはい…」

「相槌APT過ぎませんか?」

 

 野菜餃子を口に含む…美味しいですね…肉肉しいのも嫌いではありませんがやはり野菜の餃子が一番美味しいですね…

シメイビールで残った油を流してちょっと休憩

 

「うぅ…私も別に怖い雰囲気出してないと思うですけど…何がダメなんでしょうか…色々変えてるんですけど」

「産まれついてのモノは仕方ないと思うんですけどねぇ…私だって一部では怖がられてますよ?」

 

 ビール瓶の蓋を指で飛ばしてサクラコのジョッキに注ぎ残りを飲み干す…失礼ですけどこういう時権力者側でよかったと思いますよね…あまり出回ってないお酒が飲めますから

あ、ちなみに宗教的には食べ物も飲み物をダメなものはありません。主も人はパンのみに生きるにあらずとも言ってらっしゃいますし

暴飲暴食しなければいい大丈夫です、未成年?銃撃ってる時点で何を言ってるんですか

 

 美食研究会?トリニティの領土で私の行きつけのお店で暴れられるものならやってみなさい

実際やられたんでゲヘナの食堂と食品工場ぶった切ってパンデモニウムの周りを貼り付けにした生徒で囲ってやりましたけども

それ以来余程の事がない限りちょっかいかけてこなくなりましたし

 

「怖がられてるのはゲヘナと悪ガキのトリニティだけじゃないですか…私なんて普通の生徒たちに怖がられてしまいます…」

「マリーとかヒナタとかは懐いてくれるじゃないですか…それに私も居るから、別にいいでしょ?」

 

アン~!それはそうなんですけど~!の声を聴きながら夜はさらに深まっていく

ご飯美味しいですねぇ…明日も頑張れそうです…その前に酔っぱらってるサクラコをどうにかしなければ…

 

 




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