コツコツと靴音を奏でながら円形状の建物の中を歩く3人
1人は神罰の代行者、処刑人と名高いシスターフッドの神塚アン
1人は悪魔の中の悪魔、風紀委員会に入ったことにより恐れられ始めた空崎ヒナ
1人は最近スケ番の漫画を見始めシンパシーを感じている栗浜アケミ
ここは雷帝の研究施設。外観は円形状の廃墟で所有者は存在しない名義で借りられていた秘密の隠れ家
白いコートと銀色の髪に肩にかけた制服をはためかせ3人はちょうど中心に立つ
「付き合わせてしまって申し訳ありません…」
「構いませんよ、しかし先ほども言った通り今の私では本気でやっても地下20階ほどしかぶち抜けませんわ」
「正面から行くよりマシでしょ?私からも感謝を今度ゲヘナに来たらおいしい物でもごちそうするわ」
ヒナが手に持っていたスポーツドリンクをアケミに渡す
ワイヤーを繋ぎ合わせたような太い腕にアンとヒナ相手にタイマンを張れるほどの長身に絞り込まれた腹筋、その筋の人からしたら生唾を飲むほどの美しさ
彼女が呼吸を整える、淑女の真髄と言う特殊な呼吸法により力だけならキヴォトスでも上から数えた方が早いレベルにまで跳ね上がる
「ここにミレニアムで借りてきた壁を透過できる眼鏡がある、それで中を覗いたら地獄そのものだな」
「私にも貸して…うわ…まともな形をした生物の方が少なくない?ほら、アレって便器から男性の頭が生えてるわよ」
「雷帝は余程おもちゃで遊ぶのが好きと見えるな」
「本当ね…と言うか男性なんてどこから取り寄せたのかしら?」
ケラケラと2人が顔を見合わせ笑う
「神塚さん!空崎さん!行きますわよ~!巻き込まれますから離れていてください!」
お言葉に従い2人が数歩アケミから離れる
早さは無く、しかし速かった、洗礼された動作で呼吸を整え拳を振り上げる、物を殴るという態勢ではない
近いのは円盤投げや砲弾投げの構え…後の事なぞ考えない一発にすべての力を込めてブチかますッッ!!
「羅武羅武淫覇苦斗ォォ!!」
やったことは簡単だ、全身全霊を込めてアケミが地面を殴っただけそれだけで先日のミサイルよりも凄まじい轟音を立てて衝撃波が研究施設をぶち抜きながら地下に向かう
道中の危険な化け物や機械を数百トンの瓦礫で押しつぶし安全な道を作り出す。
「時には力が必要な時もある、今がその時だ」
「貴女聖職者よね…品行方正じゃなくてもいいの?」
「信者たちの前だったらいくらでも取り繕う、なぜ敵しかいないところで遠慮しなければならない?」
悪魔よりも悪魔らしく笑い、2人揃ってぽっかりと空いた穴を見つめる
少々飛び降りるには恐怖を感じるこの高さ…本能が恐怖する暗闇
「私が先に行きましょうか?怖いでしょ?」
「おチビちゃんでは足が届かないだろう私から行くが?」
そんな感じで喧嘩をしていると唐突に背中を押される
2人が落ちながら振り向くと呆れた目でこちらを見ているアケミ
「細かいことで喧嘩しないでくださいませ、子供じゃないんですから」
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「確かこんな感じだったわよね?アン」
「いきなり私を呼びだしたと思ったら昔話ですか?」
万魔殿メンバーでダラダラしていたところいきなり電話で呼び出されたアン
ご立腹ではないが割と意味が分からなそうな感じである
「イブキがね!シスターフッドと万魔殿のゲヘナの事を聞きたかったの!トリニティとの歴史は勉強したけどシスターフッドはあんまり資料もなくて…」
「あ~マコト意図的に消しましたね?雷帝も巻き込みましたし酷い決着ではありましたけども、だったらシスターフッドに来ます?丸々資料残ってますよ?」
淹れてもらった珈琲を一口、口に含み鉛を飲み込むよりもしんどい表情をしながら喉の奥に流し
懐から取り出した午後ティーで喉を潤す、二度と手を付けないと神に誓った
「神塚アン!わかっているだろうな!マイルドにだぞマイルド!イブキの情操教育に悪い!」
「この街にいる時点で悪いでしょうに…まぁ、R18Gになる話はやめておきますよ」
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時速200km、これは新幹線とほぼ同等の速度ッ!空中から飛んでくる小石が弾丸のように体に突き刺さる高速の世界ッ!
そんな超高速を落下している2人は
「ヒナァ!何秒落下してる!?」
「私の時計だと1分よ!あと数秒ほどで地面だと思う!」
首をへし折ろうとしてくる彫刻の頭を掴み大根おろしのように壁に当てて粉々に砕き、絶叫しながらこちらに襲い掛かってくる
全身が白く手が異様に長い恥ずかしがっている人間対をヒナが手に持ったAA12で穴だらけにして壁にぶつけて肉片にする。
比較的浅い層で出てくる雷帝の作品を相手に空中で戦闘中、まだ微妙に残ってる瓦礫などを足場にして速度を緩めているのだが…それでもこの速度
普通のキヴォトス人でも即死だがここに居るのは上澄みも上澄みちょっとやそっとじゃ死にすらしない
「そろそろ地面だけど着地の準備はいい!?」
「貴様こそ大丈夫か!?なんなら私が抱きしめて守ってやろうか!?」
「じゃあお言葉に甘えるわ、私硬いけど再生者じゃないし」
地面に向けて背中を向けているアン、その胸の中にヒナが飛び込みアンが強く抱きしめる
イエティのような巨大な化け物の首を跳ね飛ばし先に地面に投げる
地面にぶつかる瞬間に1回転して先に落とした死体をクッションにして足から着地、足の骨が砕け散るが即座に回復する
「ありがと助かったわ…さて…ここから下に行けばいいのかしらね」
「おそらくな、馬鹿と煙は高いところが好きと言うだろうじゃあ天才は地下だ」
2人が警戒しながら廊下を歩く。
左右を見ると分厚いアクリル板、その向こう側には
悍ましいピアノや聖職者であるアンが盗んで履いてしまいたいと思うほどの赤い靴。
今にも歌いだしそうな機械、バスタブの中に血が溜まって白い手がこちらを手招きしている。
普通の兵器の形をしているなら警戒を抱けるだろう、だが、どこにでもある物に警戒を抱くのは難しい
キヴォトスは子供のための世界、好奇心旺盛な向こう見ずな彼女たちがこれの誘惑に耐えられるだろうか?
少しだけ吐き気を抑えながら気分転換にアンがヒナに話しかける
「そういえば武器は何を持ってきたんだ?前は狙撃銃使っていただろ?その前はマシンガンか」
「今回は
そんな話をしながら行く手を塞ぐ扉をアンが手に持った銃剣でぶった切り
その瞬間に出てくる人間と羽なしの鶏を合体させたような見た目の化け物
「ちなみにミンチを作るのも得意よ」
腹に響く重低音がヒナの持つ銃から放たれ化け物をミンチに変えながら後方に吹き飛ばす
その音に引かれて曲がり角や遠くの方から同じような個体が廊下を埋め尽くす勢いで現れる
「ねぇ…アン、貴女地面抜けない?」
「私どちらかと言うとテクニックと再生能力だぞ…破壊力だけなら一般生徒と変わらん」
「なら私主催でチキンパーティーかしら?切り分け作業はお願いね」
「あぁ、任された」
袖から爆薬が付いた銃剣を両手に3本構え、隣でヒナが銃撃を開始する
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「ありましたねぇ~煮ても焼いても食べられませんでしたけど」
「貴女アレ食べたの?美食研究会でも食べなさそうなやつだし材料聞いてその気もなくなったのよ私?」
「そこら辺は飛ばせ!マコト様あの後の映像を見てしばらく肉が食べられなくなったんだ!!」
キレ散らかしながら資料と戦ってるマコトを半分無視しながら
ヒナがマコトの後ろの金庫を力ずくで開けてとあるテープを持ち出す
「えっと…これが廻る観覧車で…これが変異体かしら?溶ける愛とか規制済みとか無いの?裏?あ、赤い鳥は消して」
「待て待て待て!マコト様の金庫を勝手に開けるな!と言うか見るな!神塚アン!見てないで止めろ!」
「本当にヤバいものは無いから良いだろうに」
くっくっくっと楽しそうに笑うアンにポカンとしたイロハとアコ。
ヒナがここまで年相応に他人にちょっかいをかけるなど今まで見たことない。
それもそうだろう、ここには友達とライバルが居るのだ何を格好つける必要がある。
「えぇい!もう雷帝の所に到着したところまで飛ばせ!ここから長いんだよ!イブキが飽きる!」
ヒナを持ち上げアンの方にぶん投げる、アンが片手でキャッチして隣に座らせながら再び話始める。
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少しだけ消耗した2人が研究所の最下層までたどり着く
「良くここまでたどり着けましたネ!小生ビックリ!」
半分機械化されたヘイローに薄汚れた金髪、何より目を引くのが
顔の上部を完全に覆い隠したヘルメット、機械化されているのか時々光ったり機械特有の音が出ている。
白い白衣を地面に引きずりながらクルクル回りながら2人の前に出てくる。
「アナタが雷帝?こんな深いところで隠れてるなんて」
「その呼び方はあまり好きじゃないですネ!できるなら
子供のように笑いながら左手のロボットアームと右手のドリルをぶつけ合って拍手
ガシャンガシャンとしばらく音が鳴り響き突然飽きたようにやめる
「お遊びは終わったか?どうしてこんなことをした、や、キヴォトスでも許されない物を作ったなんてことは興味もないし聞くつもりもない
ただただ、藁のように、震えながら死ね」
アンが遊びもなく袖口から銃剣を取り出し殺意を高ぶらせる
今にも飛び掛かりその首と胴体を泣き別れにさせてやろうかと
「えぇ!?そこら辺はほら…なぜ人間を材料にしたんだ!とか外のアブノーマリティはなんなんだとかならないんですカ?小生腕によりをかけて作ったのに
嘘!半分寝ながら作ってたから機械の蛇とか砂漠に逃げちゃったんですよネ!!」
ムカついたアンが銃剣を殺すつもりでぶん投げるが何者かに受け止められる
雷帝の白衣の中から明らかに質量を無視してヌルっとした光沢をもつカマキリを人間にしたらこのような姿になるだろう
そんな有機物と無機物の中間のようなものが白衣から出てくる。
「小生は昔から不思議に思っていたんですヨ!なぜ神秘と呼ばれるものがこのキヴォトスで存在しているのか!なぜ我々は銃で撃たれても爆弾で爆破されてもよっぽどの傷では無かったら死なないのカ!」
カマキリが白衣の中から飛び出して雷帝の護衛のように2人の前に立ちふさがる。
その間にも楽しそうに雷帝は語る
「神秘、まるで個人差のように全員に存在していル!傷が早く治る物から他人を害するものまデ!だから小生!
いろいろバラシて繋げて改造してみましタ!面白いのがあっても出力が足りなければそこ以外を切り取ったり!それが今まで見てもらった摩訶不思議なモノですネ!」
ネタバラシをするように無邪気にしかし悪魔的に頬を吊り上げながら楽しそうに愉しそうにッ!
この段階で2人が動く、アンがカマキリに正面から斬りかかりヒナがアンを巻き込みながらAA12をぶっ放す
何処からともなく取り出した真っ白い日本刀でアンの銃剣を受け止めもう片方の手で盾を作り出し弾丸を受け止める
「つまり!神秘とはその人間が持つ可能性だと小生は考えましタ!ほら、アンビリバボーとかで奇跡的に回復したとか奇跡的に致命傷になってしまったとか
あんな感じですネ!我々が頑丈なのは別の可能性、ここに居ない誰かを楽しませるためかもしれませんネ。
だってそうでしょう?本当に傷を負う道化芝居を、どこの誰が笑って眺めていられるんですカ?」
道化師のようにクルクル回りながら可愛らしく首を傾げる
「私達で攻めきれないのインチキすぎるわね」
「先に雷帝の方を殺すか?」
吹き抜けの運動場ほどもある空間で2人と異形がぶつかり合う
銃剣を右手に持ちアンがその白い刀ごとぶった切ろうと縦に振るうが恐るべき技量により受け止められたという感覚もなく振れた瞬間に流される
クルリと流した勢いそのまま異形がアンの首を跳ね飛ばそうと刀を振るう
「仲間外れは酷いんじゃない?」
横からショットガンの弾が撃ち出され異形が吹き飛びながら態勢を整える
軽く舌打ちしながら懐から聖書を取り出す
「本気出すなら早めにして欲しいのだけど」
「黙れ…これ結構疲れるんだよ」
そのまま神秘の力を使い聖書を青い炎で燃やす
アンの身体能力と回復能力が異常なほどに活性化
ヒナは深呼吸をして集中
「神秘とは我々のための可能性の檻…その檻の鍵を持つ人物をあの超人は待っているのかもしれないデスけどネ…
まぁ!小生にとっては知ったこっちゃありませんけどモ!小生の知的好奇心を満たしてくれるものがあるなら大歓迎ですシ次はロボット市民を解体してみましょうかネ」
激しい音を立てながら3人がぶつかり合うッ!
「これからが見所ですネ!小生応援していますヨ!あ、ちなみにそのカマキリの名前はガンマ、デス三秒で考えましタ」
反応高評価お待ちしております