ブルアカ世界に狂信者を入れてみた   作:カニバルキャンディー

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さらばハイセイコー


【過去編】振り向くな振り向くな、後ろには夢がない

 銃剣を2本投擲、ちょうどガンマの眼球の辺りを完璧に狙いすました一撃

その銃剣をガンマがどこからか取り出した白い刀で切り払う瞬間、その銃剣の柄をアンが蹴り飛ばし加速

単純に投げた銃剣に速度で追いついて更なる加速を与えただけだ!

 

 ガンマの顔面が消し飛ぶ勢いで銃剣が突き刺さり背後に吹き飛ぶッ!

アンがそっと横にずれると待ち構えていたヒナがAA12の散弾ビームを乱射、文字通り触れたもの削り取りながら死の雨がガンマに降り注ぐ

ガンマが激突した壁を削り取り砂煙が立ち上る。

 

「普通の人間なら死ぬが…」

「無理ね、当てた感覚が人間じゃないわ」

 

 お互いに顔を見合わせ、三日月のように笑う

その感情は壊れにくいおもちゃを見つけた時の子供そのもの

 

 それはなぜか、彼女たちが本気で全力戦える相手は、同じレベルの実力者ぐらいしかいない

そんな彼女たちが力を合わせて戦える、ならば楽しくないはずはない。

実力者が暴れるためにはそれ相応の相手が必要なのだ

 

「クハハハッ!私が前衛だ隙を見て私ごと殺せ」

「じゃあ遠慮なく」

 

 砂煙が晴れて無傷のまま佇むガンマ

瞬き程の時間でアンが懐に飛び込みながら撃ち出す神速の突き

それを白い刀で受け止める、それと同時に銃剣から手を離しもう一歩懐に入り込む

 

 人体で最も硬い肘で鳩尾を撃ち抜くそれと並行して杭打機のような踏み込みでガンマの足を縫い付け衝撃を全て人体に押し付ける

ガンマの身体がくの字に曲がるッ!だが決して吹き飛ばす衝撃が人体を内側から砕くッ!

 

「丈夫なおもちゃだ硬すぎるッ!」

 

 絶叫するように叫ぶアン、それもそうだろう今の一撃だけでキヴォトス人であろうと容易に殺しえる威力と殺意を乗せたのだ

しかもガンマはここから反撃しようと刀を構えアンに向かって突き刺そうと振るうッ!

しかしそこは処刑人、下がった頭を両腕で掴み取り膝で顔面を撃ち抜く、部品をばら撒きながら上空に吹き飛び

狙ったようにヒナのショットガンがその機械の体を滅多打ち

 

「アンの言う通り硬いわね…ワンマガジン撃って抜けなかったのは初めてよ」

 

 ガンマが地面に落ちると同時にアンが爆薬付きの銃剣を力の限りぶん投げるッ!

空気と空間を抉り取りながらガンマの目の前で爆破ッ!

 

ガンマが後方に吹き飛びながら体勢を立て直すその前にアンが再び突っ込むッ!

 

「ガァァァア!!」

「…ッ!」

 全身の筋肉を使った振り下ろした一撃、2階建てのビル程度なら容易に兜割りできるほどの力

それを神業のごとき技量で手に持った白い刀で逸らす、だがそれすらも読んでいたように振り下ろした手と逆の手で銃剣を持たず神速の抜き手

ガンマの胴体に風穴を開けてオマケのように顔面に銃剣を数本突き刺した状態で数メートル離れた壁に縫い付ける

 

「フハハハハ!!良いぞ!こんなに玩具で遊ぶのは子供の時以来だァ!」

 

 ゲラゲラと楽しそうに笑っているアンその0.5秒後にお返しのようにアンが後方に吹き飛ぶ

ヒナが横目で見るとガンマがアンと同じような速度で突っ込み単純に吹き飛ばしたのだろう、だがその効果は絶大

分厚い壁をぶち抜きアンの意識を容易に吹き飛ばす

 

「ラウンド2」

 

 ヒナが楽しそうにリロードを完了させて

銃を構える

 

────────────────────────

「え!?アン先輩負けちゃったの!?」

「負けてませんよ…近づかれても奥の手がありますし…それに私も人間ですから気絶することもありますよ?」

 

 少しだけ恥ずかしそうに微笑むアン

場所は万魔殿からゲヘナの喫茶店

 

 いつもは騒がしく、5分に1回は爆発が起きて建物が立て直されながら崩れる攻撃が日常だが

今日だけは教会の中にいるかのように静か

シスター服の処刑人、ゲヘナの最終兵器、ゲヘナの王とその部下達が楽しそうにお喋りをしているのだ

ヒナだけならまだいい、だが処刑人が居る、彼女は容赦が無さ過ぎる、蕩け切ったピーターパンの脳みそを強制的に大人にするレベルなのだ

偶には落ち着くのも悪くないだろう

 

「じゃあ私気絶していたんでヒナ、あとお願いしますね」

「気絶って…数分だけじゃない」

 

────────────────────────

ヒナの強みはなんなのか、人によるが一番戦ったことのある、とあるシスターはこう答える

『一歩も動かずにこちらを殲滅できる弾丸が毎秒飛んでくることです、どかそうと思っても彼女重いんですよ

遠中距離なら間違いなく最強でしょうね、近づくにしてもあの弾丸一発一発破壊力が強すぎるんですよ』

 

 コンクリートすら生クリームのように貫通する小粒の弾丸が横殴りの雨のように降り注ぐ

ガンマは即座に体を変化させる、先ほどの接近戦特化から逃げるための速度特化にッ!

 

 壁を走りながら弾丸を必死に躱すッ!一発でも掠ればそのまま足止めを食らって穴だらけにされかねない

先ほどの攻防も不意を付いたから1人を潰せた、正面からこのレベルの相手は自殺行為にしかならない

アンとは違う別物の恐怖、あちらが生物的恐怖ならこちらは淡々と処理されることによる恐怖ッ!

 

「見た目が虫だと完全にゴキブリね…等身大になるとやっぱり気持ち悪いわ」

 

 正直ジリ貧とヒナは心の中で思う、当たれば粉砕できるが逆に当たらなければ倒せない

弾は今までの戦いで少々心もとない…素手でも無論余裕をもって粉砕できるがアン程の武術の経験はない

寧ろ力任せのどちらかと言うと栗浜アケミのような攻撃の方が得意

 

「どうしましょう…神秘の力で無限に乱射できる重火器とか出てこないかしら…」

 

 ぼやきながらも弾切れになったマガジンを落とす、その瞬間飛んでくるアンの砕かれた銃剣の破片

ガンマが逃げ回りながら拾い投げたのだ!

 

 首を傾げて頬を切り裂きながら避ける。

舌打ちしながら空中に落ちているマガジンを蹴り上げ次に飛んでくる破片の簡易的な盾に変え素早くリロード

 

「目ざといわね…おっと」

 

 突っ込んでくるガンマを手に持ったAA12で受け止める、そのままAA12が折れ曲がりながら後ろに吹き飛ぶ

無論衝撃などはすべて霧散させている

クルクルと吹き飛ばされながらも空中で態勢を整え壁に着地

 

「アン…ちょっと時間を稼いでくれる?」

「5分だ、それにしても銃壊し過ぎだろう」

「銃が脆いのよ、ここの武器庫で好きなモノ取ってくるわ」

 

 ヒナが着地した横の壁をぶった切って飛び出してくるアン

入れ替わるようにヒナがその穴に入る。

 

「クハハハッ!ラウンド3ィ!」

 

────────────────────────

 ヒナがほどほどに広い廊下を爆走

そのヒナに向かって猫と髑髏をミキサーに入れてかき混ぜて合成したような生物達が襲い掛かる

それを素手で顔面をぶち抜いたり飛び蹴りで文字通り血路を切り開きながら足を止めずにさらに走る

 

「さて…おもちゃ箱はどこかしら…」

 

 考えながらもヒナの巨大な羽に力を入れてスケーターのように空中で回転

それだけで周囲から襲おうとしてきた化け物共がバラバラに引き裂かれる

 

考える…天災科学者が作り終わったものを一纏めにしておく部屋…

 

「考えがまとまらないわね…と言うかこいつ等どこから沸いてくるのよ」

「それは小生のアルファですネ!猫みたいな神秘と骨が強くなる神秘の持ち主を混ぜてみましタ、ついでに培養液が壊れたのであふれ出てますネ」

「それはどんな可能性よ…猫になるとか?」

 

 円盤形の乗り物に乗りながらヒナに話しかける雷帝の顔面を捕まえて

壁に押し当てさらに加速、一般的なバイクと同じような速度する

 

「あだだだだだだ!!小生のヘルメットが!?」

「武器庫はどこ?次は生身の所を削るわよ」

「ゴミ箱ならそこのトイレを曲がったところにいる性癖捻じ曲げスライムの中デス!ぎゃぁ!小生の脳みそが!!中身が飛び出る!!」

 

 死体を蹴り飛ばしながらトイレを曲がるとスライムが道いっぱいに広がっている…

雷帝の言葉を信じるなら性癖が捻じ曲がるのだろう…性癖が捻じ曲がるとは?

 

「なんにせよ付き合ってられないわ…そろそろアンがキレそうだし…爆発音多くなってない?」

 

 隣の壁を手に掴んだ雷帝でぶち抜き普通に迂回、わざわざ付き合う義理もない

そのまま数枚の壁をぶち抜き、1つの部屋にたどり着く、乱雑に人間の骨を接ぎ合わせたような銃や

歯を発射できる銃が転がってる

 

 部屋の中を見渡して一際目に入るガラスのケースの中に入っている”それ”

禍々しい紫色をしたヒナの身の丈を余裕で超える重火器

その横には真っ黒で狂暴と言うものを銃にしたらこの形になるだろうというリボルバー

 

頬を緩ませながらその二丁を取る…

新しいおもちゃを手に入れたら友達を誘って遊ぶしかない

 

────────────────────────

瓦礫を蹴り飛ばしてガンマに斬りかかる、それをギリギリに受け止め鍔迫り合い

アンは近づいて斬るか不意を突いて斬るしかできないのだッ!

 

さぁ、楽しい楽しい地獄の接近戦ッ!

 

 アンが上段から振るう銃剣をガンマが何とか躱す、ただでさえ一撃が重いアンの攻撃今のガンマの形体で何度も受けていいものではない

おかえしとばかりに横に振ってくる刀を銃剣の柄で受け止める

そのまま前蹴りをブチかまし強制的に銃剣が振るえる距離を取り、お互いに仕切り直し

 

そのまま斬り合いが続く

一瞬の不意を付いて白い光が煌めきアンの右腕を斬り飛ばす

千切れた腕を蹴り飛ばしてガンマの胸元に突き刺し、殴るように断面をくっつける

 

中身を掻きだすように腕を引き抜き舌打ち

明らかにガンマの体の体積が減っている…このまま抉り取って行けば勝てるだろうが…

それが分かるのが少々遅かった、今の攻防で聖書も銃剣もすべて無くなったのだあるのはこの身体のみ

 

「さてェ…?私が死ぬのが先かこいつが崩れるのが先か…それとも」

「私が来るのが先か」

 

 電動のこぎりのような甲高い高音が空間いっぱいに鳴り響くッ!

その瞬間弾丸がガンマの体を撃ち抜きその場に釘付けに

 

「遅刻だぞ、手に馴染むものはあったか?」

「とびっきりのおもちゃがね、貴女の分も持ってきたわよ」

 

手渡されるずっしりと重いリボルバー、不思議とアンの手に馴染むそれを軽く弄び

穴だらけになって息絶え絶えのガンマに向かい発砲

そのまま首がねじ切れとうとうガンマも修復できず息絶える

余りにもあっけなくだが疲労はそれ以上

 

「凄まじい威力だな…気に入った」

「そう…ならよかったわ…じゃあメインディッシュに行きましょうか」

「……そういえば別にあのロボット倒しに来たわけじゃなかったな…楽しくてつい忘れてた」

 

部屋の隅を見てみるとポップコーンを食べながらこちらに手を振っている雷帝

2人は顔を見合わせ新しく手に入れた銃を向ける

 

「「卒業おめでとう」」

 

「もう少し生徒で遊びたかったのですガ、しょうがないお先に失礼ですヨ」

 

────────────────────────

「と言った感じでしょうか?雷帝の話と言うより私たちの話になってしまいましたが…」

「ううん!イブキ凄く楽しかった!それに勉強になったよ!」

「大丈夫かイブキ…気持ち悪くなったりしてないか?」

 

ゲヘナにしては珍しい高級レストラン

一部の人間しか知らないビルの中に会員限定という凄まじいセキュリティ

美食研究会もニッコリな味でもちろんお値段もニッコリ

 

結局アンは休日を潰して昔話に花を咲かせていたのだ

 

「私まだ昔話を子供にする年齢じゃないんですけども…そもそも彼氏すらいたことないですし」

「禁欲を旨とするシスターがそんなこと言ってもいいのかしら?それとも産めよ増えよってやつ?」

「それ創世記1:22なんでイスラム教ですよ…キリスト教も言ってますけどあんまり重視されてません…」

 

ワインを口に含みのどを潤す、隣でヒナが肉を噛み千切りながらビールでそれを流し込む

貴女、人が見てないところだと豪快な料理が好きですよね、と言うかゲヘナの人間が豪快なものを好むと言いますか

美食研究会ぐらいですかね?美食に興味があるのは…もしかしてゲヘナで食べれないから反動とかですか?

 

「キキキ!そんなことはどうでもいい!食事時に貴様らの昔の話は刺激が強すぎる!食欲無くすわ!」

「あら…マコトの昔の話もする?当時の議長を指一本で蹴落とした話とか」

「私達シスターフッドに一歩も引かず、殴り合いした話しとか」

 

「やめろやめろ!イブキに勘違いされたらどうする!?」

「イブキ聞きたい聞きたい!マコト先輩あんまり昔の話してくれないから」

 

ギャーギャー騒ぎながらも仲のいい友達のように夜は深けていく

偶にはこんなのんびりとした夜もいいだろう。

 

 

 




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