次の日シスターフッドの会議室に先生を招き後処理
この場にいるのは私とサクラコにマリー
「先生…?」
「”…ごめん…ちょっと寝てた…”」
呆れたような顔をしたサクラコが先生に向かってチクリと言葉で刺す
「…お忙しいのは存じておりますが…もう少々集中していただけますと。」
「”ごめん…”」
マリーが書類を整理しようとパタパタと走り回る音をBGMに話は続く
「確かにここしばらくずっと、事件の後始末と言いますか…色々奔走されてると聞きました、貴女の管轄外のことまで」
「”力不足でね…色々とやり切れなかったこととか、たくさんあって…”」
「先生は色々問題に首突っ込み過ぎじゃないんですか?私たちはそれなりに対処できますって」
PCに打ち込んでた動きを止めて先生の方を向く…いくら先生と言ってもいろんな問題に対処し過ぎです
そのうち過労死するんじゃないんですか?やめてくださいよ…キヴォトスで暴力で死ぬんじゃなくて過労で死ぬの…笑えませんって
「立て続けにいろいろなことがありましたし…少し整理しておきましょうか、アン紅茶を淹れてください」
サクラコに言われて紅茶を淹れる、その間にサクラコが後ろのホワイトボードに時系列順に書き込んでいく
まず前提としてセイアの部屋が爆破されたのが夜中の3時、第一発見者は救護騎士団のミネ団長
無論即座に事実をティーパーティーに報告、そして犯人探しと情報統制
「ここまでの動きは完璧です」
「”そうだね、今のところ不自然な点はない”」
ここからが問題です、ミネ団長はセイアの遺体と共に姿を眩ます、他の救護騎士団すら行方を伝えずに
まぁ、この視点はティーパーティー、セイアは殺されておらずミネ団長が殺されたと嘘の情報を流し匿った
誰が味方で誰が敵か分からない状況…咄嗟の判断だったんじゃないでしょうか?
結果的には犯人はミカだったので判断は正しかったと言えますが…一歩間違えたらミネ団長が犯人になっていましたね
それに、まだセイアは眠り続けている…傷は無くなったものの…原因不明だそうです、今現在もミネ団長とセイアは誰も知らない場所に身を隠しています
「…ざっとではありますがこの辺りがセイアさんが襲撃された件についてのお話です」
いったん小休憩、紅茶とケーキで口を甘くして脳みそを柔らかく…疲れるんですよ!
そもそも私は現場の方が好きなのであまりこういうのは得意じゃないんです!
それか書類整理だけさせてくださいよ…
「非常に残念ですが…今回の事件を契機として私たちのこれまでの無干渉主義も変わっていきます…政治的なことも徐々に足を踏み入れることになるでしょう
と言っても…我々は影響力と武力はありますが…政治力が全然ありませんからね…卒業するまでにマリーかアンの部下を育てなければ…」
「私の負担が大きすぎないですか…!?もっと分担したいです…!」
書類の山を机に叩き付けながらマリーが私とサクラコを涙目になりながら睨みつける
可愛い顔が台無しですよ…と言うか私が担当してるのは戦闘方面だけなので…サクラコに言ってください…
「取り合えずアズサさんの調書でも読みましょうか、マリー貴女も聴いておいた方がいいでしょう」
全員の手物に配られた調書を読む
セイア氏からエデン条約によってゲヘナとトリニティ間の紛争が無くなればアリウスの問題はじきに解決できるかもしれないと持ち掛けられる
しかしアリウススクワットが自分のヘイローを破壊してしまえば戦争になると、止めたいかとアズサ氏に尋ねた
そしてアズサ氏はセイア氏の部屋を爆破したのちセイア氏の言い伝え通り救護騎士団団長を指名し姿を眩ます
なお、アリウススクワットのリーダーの名前はサオリと判明、引き続き調査を進める
「なるほど…白洲アズサさん…彼女がトリニティに転校してきて、そして実際にナギサさんを守り抜いたのは明白です
その過程で様々なことがあったとはいえ…特別学力試験にも合格、補習授業部は彼女を含めて全員明確な結果を残しています…」
「文句のつけようはないでしょう…彼女の書類は私が正式なものにしておきます…我々が保証しましょう、誰にも異議申し立てなどさせません」
先生が嬉しそうにありがとうと言って、サクラコもニコリと裏がありそうな笑みで微笑む…その笑み辞めた方がいいですよ?
怖いんで…夜中見ると私でもびっくりします
「アリウス分校のことはアン、貴女が全部やってくださいね??」
「それはないですよ…どれだけここ広いと思ってるんですか…」
ソファーに体を預けて両手をあげてお手上げのポーズ!大聖堂とかいろいろ探ってるんですけど古いものが多すぎて下手に動かすと厄介なことが置きそうなんですよねぇ…
下手に触れないというかなんというか…
「では私は他に用事があるのでお先に失礼します。マリー、アン、行きましょう」
「は、はい!あの…先生…状況が落ち着いたら後でゆっくりお話しを…」
「補習部のみんなによろしくお願いしますね…私こちらにかかりきりになってしまっているので…」
マリーが頭を下げてサクラコの後を付いていく
コツコツと薄暗い廊下を歩き、つまらなさそうに呟く
「時代遅れの化石が今更になって出てくるとは…やはり今年は何かありますね…アン、分校1つ潰す準備を」
「了解しました、私の部下は何時でも出せるようにしておきます」
「良いのでしょうか…彼女たちは被害者かもしれません…なにか…我々にできることは…」
マリーが俯きながらもしっかりとした意志を持ってサクラコを見つめる
それに慈愛の微笑みを浮かべながら優しく頭を撫でる
「確かに彼女達は被害者かもしれません…ですがそれは数代前の話です、現代の我々には全く関係ありません…それでもなお被害者面してこちらを攻撃してくるならば
それなりの対処をしなければ平和は守れないんですよ」
さぁ、楽しくない裏工作の時間が始まる
それが終わればいよいよ調印式
────────────────────────
古聖堂、見るだけで襟を正さなければならないという雰囲気にさせる、シスターフッドの完全なるお膝元。
どうしてここが選ばれたかと言うとゲヘナとトリニティから程ほどの遠くて、政治的には完璧な中立を掲げる組織、シスターフッド
部隊長が少々悪魔嫌いなところが玉に瑕
「ったく…どいつもこいつも喧嘩腰ですか…威勢があっていいですね」
ゲヘナの生徒がこちらに向かって何か言いたげな表所をしているが睨みつけて黙らせる
同じく正実の生徒が勝ち誇った顔をしているが頭を強く叩いてこちらも黙らせる
どこもかしこもこんな感じですよ…数日前まで戦う相手とさぁ仲良くしてください!と言われてもこうなるから仕方ないと言えば仕方ないんですけどね…
私だって正直この古聖堂にゲヘナが居ることは虫唾が走りますけど…
「アン、お待たせしました…そろそろ行きましょうか」
「シスターサクラコ…構いません…今日は記念になる日ですゆっくりとミスの無い様に行きましょう」
「本番もその調子でお願いしますね、決して殺意を前に出さないこと舐められてもにらみ返すだけにすること、銃剣を抜かないこと」
「私は子供じゃありませんよ…分別は付いています」
新品のシスター服に胸元には金色のロザリオ、純白のコートを羽織り完璧なるシスターの姿
だがその袖や懐には一学区丸々破壊できるだけの狂気が眠っている。それを理性の力で押さえつけるシスターアン
やれやれとした表情をしながらこちらも新品のシスター服を着てアンの前に立つ
張り付けたような笑みが特徴的な最近の悩みは何か裏がありそうと思われてること、シスターサクラコ
控室からシスターフッドの重鎮が歩いてくる…政治とはめんどくさいことに誰が最初に到着、誰に最初に挨拶するなどで格が決まる
まぁ、我々はあまり興味が無いので一番最初に到着して堂々と待っていればいいですけど
────────────────────────────────────────
「キキキ、さてそろそろ我々も行くか、準備はいいか?イロハ、サツキ?」
「いつでも大丈夫でーす」
「ふふ…私も何時でも行けるわよ」
黒を基調にした統一された軍服を着て超高級車に乗り込む、むろん周りには風紀員と万魔殿の部下たちにずらりと守らせている。
こういうのは舐められたらダメなのだ、それではマコト様の格が下がる、その努力1つであとの交渉がぐっと楽になる
ふと思い出し、懐から雷帝の玩具を1つ取り出す、壊れた椅子の残骸と言うおもちゃを改造して1回だけ自由にテレポートできる優れモノだ
今日は確実に何かが起こる、事前にいくつかの組織を潰してはいるが…一番大きなアリウスがいまだに雲隠れ、大方一番重要な時にミサイルでも落とすのだろう
だから今日はイブキとチアキはお留守番、単純に実力が足りない、下手をすれば我々が1年生の時以上の死者が出るだろう
キキキ…!だからこそ楽しみだ、どんな混沌が起きるのかマコト様は安全なところでビールを片手に楽しませてもらおう!
「マコト先輩楽しそうですね…何かいいことでもあるんですか?」
「マコト様の偉大さを教えられるのだ!これが楽しくないわけがないだろう!」
古聖堂にたどり着きヒナがマコトの窓をノックする
めんどくさそうに溜息を吐きながら話しかける
「辺りの安全は確保したわよ、アンが居るのに不意打ちなんて仕掛けてくるわけないじゃない」
「わからんぞ?アイツもああ見えてトリニティだからな、不意打ちなんでもござれだ」
ドアを開けマコト達が出てくる
混沌が待っている
────────────────────────────────────────
「大丈夫…きっと大丈夫なはずです…」
異常に豪華な部屋で1人鏡に向かって話す、ナギサ
誰も居なく不安と孤独が彼女を襲う、彼女は素晴らしい支配者だ、過去ここまでティーパーティーとシスターフッド、救護騎士団が纏まっている時代は無く
歴史の教科書に多く顔が乗るだろう。
だが彼女はまだ17歳の少女、上に立つものとしての教育は受けている、だがそれでも少女なのだ、大人に守られ親友と一緒に壁を乗り越えてる最中の子供なのだ
吐き気を薬で必死に抑えながら体を椅子に預ける
目の前に置いてある、愛銃が目に入る…今だけは眉間を撃ち抜いても死ねない自分の身体の頑丈さを心底恨む
これで自由になれたらどれだけ楽か…ダメですね…今からが正念場なのにこんなことを考えていれば…
「大丈夫…これを乗り越えたら…全て上手く行くはずです…セイアさんも目が覚めて…ミカさんの罪も軽くなって…今まで見たいに…」
頑張ろう、頑張れば何かが変わるはず…きっと…絶対に…変わるはずなんです
だれかたすけて
「おぇ…」
────────────────────────────────────────
そうしてエデン条約が始まる
右側にはトリニティの少女たちがゲヘナを睨みつける
左側にはゲヘナの少女たちが挑発するように薄く笑う
左右が一斉に凍り付き身動きすらできなくなる
あのシスターフッドの処刑人と風紀委員長が仲良くレッドカーペットを歩いているのだ
合えば殺し合い、話せば煽りあい、一緒に歩けば殴り合うを地で良く2人
本当はそんなことは無いのだが…一般生徒からしたらそんなことはわからないだろう…故に怖いのだ
火薬庫と火種が同じ場所にいるような緊張感
ゲヘナは強いものを嗅ぎ分ける力が強く、トリニティは強いものを見分ける力が強い
出来なければお互い死ぬか蹴落とされるような生活をしているからだ。
その2人が堂々と完全武装をした状態で一緒に歩いているのだ!
恐ろしいことになるとッ!
「ここに来るのも久しぶりね」
「え…いつ来ました?私貴女がここに来たとか知らないんですけど…」
「1年の時にシスターフッドを見ておきたくて忍び込んだの」
「マジでやめてくださいね?トリニティってゲヘナと違って壊していいところあんまりないんですから…」
「ウチも割と壊していいところないわよ?みんな気にしないだけで」
そんな会話をしながら2人が向かい合う
トリニティのトップでもゲヘナのトップでもない2人だが誰も文句をつけない、つけようがない
最強の2人が握手をして表面上でもお互いに微笑む、万力のような掴み合いそれこそ誰かが合図をした瞬間殺し合いをしそうな殺意があふれ出ていてもだ。
少ししてトリニティとゲヘナの場所に戻り、自分たちのトップを待つそこからしばらく待機していると
ティーパーティーのトップ桐藤ナギサとゲヘナのトップ羽沼マコトが肩を並べてレッドカーペットを踏み現れる
お互いに真剣をのモノ、腹の中では何を考えているかわからないが今この瞬間だけはゲヘナとトリニティが仲良くなれる未来を見ている
紐解けばいくらでも血塗られ戦争の歴史が出てくる巨大二大高校、その両者が今ここに歴史的和解
大勢が見守る中、両名が握手をする──────その瞬間1人が上を見た
そして誰かが声を上げた
「あれ…なに?」
ひゅ~と間抜けな音を立てて上空のコンテナの中に収まった数百以上もの子爆弾が展開される
悪魔が作った兵器、クラスター爆撃、狙った場所ではなく狙った周囲ごとすべてを粉砕する地獄を作る道具
爆炎と大爆発が起こり古聖堂がすべて崩壊する
反応高評価お待ちしております