ブルアカ世界に狂信者を入れてみた   作:カニバルキャンディー

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デウス・ウルト
十字軍


神はそれを望み給う

 クラスター爆弾が空中に放たれた瞬間動けたのは2人居た

1人目がヒナ、咄嗟にマコトに視線を向けるが、懐から取り出した見覚えのないものを握り潰した瞬間足元から消えていく

 

「マコト様は先に避難させてもらう、せいぜい頑張れ」

「次会ったら一発殴るわ、よろしく」

 

 手を振って万魔殿のメンバーの姿が消える

頭上に振ってくる爆弾に溜息を吐きながら気合を入れる。

翼を広げて自分の頭上に覆い被さる

 

2人目がアン、ポカンとした顔で上空を見つめるナギサの元に即座にたどり着き、抱き寄せコートの中に入れながら聖書を燃やし一気に身体強化

呼吸を整え、来る衝撃に備える

180を優に超える身長のアン、160しかないナギサをすっぽりと包めるぐらいの身長さである。

 

 サクラコの方には部下たちが居る、肉盾になっても守り抜けと教育してあるから大丈夫なはず…

彼女もそれなりな実力者死にはしないでしょう…問題はナギサさん、下手したら普通に死ぬ可能性があります…彼女に今死なれると相当に不味い…!

 

「あ、アンさん!?ど…ひっ!」

「黙って主に祈ってなァ!!さぁ来るぞ!!」

 

 

────────着弾────────

 

 

爆発に当たると痛いではなく熱いが先に来る

自身の膝に銃剣をぶっ刺して地面に固定、まず最初に呼吸した臓器が焼き焦げるが即座に修復

ナギサさんに瓦礫が当たらないように自身の体で防ぐ、内側から何かが砕ける音が聞こえるがそこも即座に修復

 

 数秒後、煙が晴れアンが仰向けに倒れる

懐から這い出てきたのは多少怪我はしているモノのあの地獄で生還したとは思えない綺麗な姿のナギサ

瓦礫の山の中、そこら中で悲鳴と絶叫、それに助けを呼ぶ声が鳴り響く戦場のような有様

 

「アンさん!?だれか!?怪我人が居ます!シスターフッド!」

「ごほ…がはっ!」

「大丈夫ですか!?ダメ!まだ動いては!!」

 

血反吐を吐きながらもしっかりとした足取りで立ち上がるアン

 

 最大まで強化してここまでのダメージですか…!下手したら本気で死んでましたね…盾になる物もなかったですし…

んで誰だ?これをやったのは…ゲヘナか?在りえる話だが…流石にこの状況だと自分が犯人ですと言っているようなモノ

ならトリニティ内の誰かか?クラスター爆撃なんてできる技術持ってる組織は無いぞ…つまり確実に外部

 

アリウス分校か…?まさかここまでの技術力を持ってるとは思わなかった…これなら本腰を入れて探るべきだったか…ただの残兵だと思って油断してたな

 

「アンさん…血が!まだ横になってないと…!」

「もう治した!ナギサ、貴様がやらないといけないことはここから無事に退避してティーパーティー…信用できなければシスターフッドで私の名前を出せ…ッ!

何があっても守ってやる!いいから今は自分の身の安全を守れ!」

 

 口元から垂れる血を拭いながら辺りを見渡す…サクラコはどこだ…!?

距離は離れてない、爆風で吹き飛ばされていても遠くに行ってないはずだが

 

瓦礫が崩れる音がしてそちらに視線を向けると、守るために覆いかぶさっていたシスターをどかし所々怪我をしたサクラコが這い出てきた

 

「酷い目に会いました…シスターアン無事ですか?動けるなら貴女はここに残り怪我人の助けを私はナギサさんを連れて後方に下がります」

「私の部下をつけるか?」

「お願いします…私の部下はバラバラに飛び散ってしまっているようです…死んではいないようですが…ではアン、トップとして命令します、1人でも多くの人間を救いなさい」

「了解した、貴様も死ぬんじゃないぞ」

 

 離れていくサクラコと不安そうなナギサさんを見る…無事なエウレカが付いてるから大丈夫だとは思うんだが…たまに運が悪いですし

深呼吸を一つ…身体の傷は治っても痛みまでは治らない、足を引きずりながら瓦礫の上を歩く

 

 宗教画のように銀色の髪を爆炎で赤く染め瓦礫の上でデストロイヤーを杖代わりにして立っているヒナ

無事でしたか…あっちも割と満身創痍ですね。

 

「あはは…!ねぇ!アン、この光景久しぶりね、まるで1年のことに戻ったみたい…あの頃は何も考えずに暴れられて楽しかったわ…」

「クハハ!あぁ、今では背負うものも守る物も多くなった」

 

 同じく額から血を流して口元の血を乱暴に拭い、満身創痍だがそれでも楽しそうな表情を浮かべている、瓦礫の上に立つヒナ

流石の彼女もクラスターが直撃したらボロボロになりますか、私も人のこと言えませんが見た目は無傷ですからね私、中身完全にボロボロですけど

 

瓦礫が崩れる音と大勢の足音…視線を向けるとオドオドした様子の無傷の生徒…背中に身の丈ほどのケース…中身はヒナのような重火器かロケットランチャーでしょうか…?

 

「ひ、ヒナさんとアンさんまだ立ってますね…ど、どうしましょう…アレを受けてまだ立っているなんて…凄いですねぇ…強いですねぇ…まだまだ戦うなんてどうして…痛いはずなのに苦しいはずなのに…」

『殺せ、ヒナとアンだけは逃がすな』

「そ、そういうこと見たいでして…へへ…すみませんね…」

 

 そういうやガスマスクをつけたアリウスの生徒が数十人単位でありとあらゆる武器を持ちこちらに向ける、冷たく軍隊のような統一が取れたチーム

だがそれでも私とヒナは顔を見合わせ同時に笑う!狂暴な笑みじゃなく、ただただ単純に楽しくて楽しくて仕方がないという笑み

 

「ど、どうして笑うんですか…?痛みと怖さでおかしくなったんですか…?」

「うふふ…あはは!だって!ねぇアン?」

「くっくっくっ…!まったくだ!」

 

袖口から銃剣と拳銃を取り出し。隣で重火器のコッキングする音が聞こえる

同時に敵の司令官に銃口を向ける

 

「「私たち相手にこの程度の人数?5倍は持ってこい!!」」

 

「やっぱり辛いことだらけですねぇ…戦闘開始」

 

処刑人と悪魔が動き出す

 

────────────────────────

 ガスマスクを鷲掴みにして胴体に銃剣を突き刺し気絶させる

爆薬付きの銃剣を胴体に突き刺した生徒を蹴り飛ばし、わざと受け止めさせそのまま大勢を巻き込んで爆破ッ!

爆風と熱をまき散らして大量の生徒が気絶する

 

「ゲァハハハハハ!!雑魚共が雁首揃えてやがるッ!えぇおい!最初の攻撃以外腑抜けてやがるなァ!!」

 

 撃ってくるグレネードランチャーを空中で掴み取り投げ返すそして爆風と主に再び戦場に走っていく

普段抑えている獣のような獣欲を全開にして血と油の匂いを楽しむ、今だけは今だけはこの獣の鎖を引きちぎる

 

その後ろから電動のこぎりのような音が聞こえその場から全力で跳ね避ける

そして絶望が発射された

 

 甲高い音を響かせて神秘に寄って強化された弾丸がアリウス生徒の体を突き破り数人をまとめて吹き飛ばす

ゴミのように人が吹き飛び一切合切を全て粉砕。人肉が吹き飛びシャワーのように辺り一面に散らばる

 

「反撃は?不意打ちは?爆弾に銃弾…全部使いなさい…ねぇ…もっと私を楽しませて?」

 

 アンとは対照的に冷静に機械のようにすべてを打ち砕く

気絶したものに隠れてヒナに不意打ち気味にアリウス生徒が襲い掛かるがすぐ近くから飛んで来た銃剣がそれを阻む

 

「ありがと…気が付いてる?何人かすぐに立ち上がって、攻撃したときの感触が変よ、見た目もわかりにくいけど全員同じ

ミンチにしたはずの人間が立ち上がってる」

 

 ヒナの背後にアンが立ち辺りを見渡す…既に30人は余裕で倒した…だがちょこちょこ混ざっていたシスター服を着た兵士たちは数が一向に減らない

どいう言うことだ?確かに死なないように手加減はしてるが…それでも一ヶ月は固形物が食べられないようなダメージを与えているはずなんだが?

ツルギや私のような再生持ちがそんなに大量に居るはずもない。それに私の知らないシスター達だと?

 

「え、えっと…ご、5倍でしたっけ…いいですよ…と、特別に10倍用意してあげます…戒律の守護者たち(ミメシス)…!」

 

 目の前の少女がそういうとそこら中でウジのように這い出てくる青白い肌をしたシスターたち、ミメシスと言ったか?それらが文字通り先ほどの5倍の人数

戒律の守護者…確かユスティナ聖徒会だったか?シスターフッドの前身だったか?歴史の話だろそれは

 

「弱点とかわかる?」

「少なくとも私は知らない、そもそもアレは骨董品もいいところだぞ…本ですら使われた形跡は無い…どこから引っ張り出してきやがった?」

「雷帝の玩具ではないのね」

「それはない、アレの作品だったらここまで可愛くないだろうッ!」

 

そうして喋ってる間にもアンがシスターたちの間に飛び込みその首を跳ね飛ばし、ヒナの弾丸が四肢を砕き生きているが動けなくする

人間じゃないと分かった以上、彼女たちが手加減する理由が無くなった。むろん生きていても死ぬ数歩前しか手加減などしないが

 

「ならここはお願いしてもいい?あっちが対処できなさそう」

 

ヒナが視線を向ける先を見ると血を流した先生とそれを守るように戦う正実、そしてそれを囲むように居る、シスターたちとアリウスの生徒

ツルギが居るから心配なさそうだが…足手纏いの先生が居る、流石に厳しいか

 

「あぁ、だが私も長くは持たん、早めに脱出することだ」

「わかったわ」

 

駆け出していくヒナを援護するように銃弾を放ち、道を作り上げる

 

「くは…!ぐっ…!がぁ…!」

 

血を口から吐いてそれを乱暴に拭う

さて…流石の私もあまり長くは持たんなァ!外側は治っても体力が回復していない

疲労で先に倒れるぞ

 

「ひ、ヒナさん逃げちゃいました…こ。これ怒られますかねぇ…あ、アンさんだけでも仕留めないと…」

 少しだけ困ったように眉をひそめる少女、アンはここで覚悟を決める、私が倒れるまでにこいつだけはここで殺しておくと

最初に神の家たる教会に爆弾を落とした一味だ、殺したところで文句を言われる筋合いなどないッ!

 

 

「我らは…神の代理人」

意識を集中する、いつものように聖句を整え、集中するためのルーティンを開始

 

「神罰の地上代行者」

手に持った拳銃(パニッシャー)の薬莢を落として新しい弾を一発一発祈りを込めて交換する

 

「我らが使命は我が神に逆らう、愚者を」

足元に転がった銃剣のかけらを踏みつぶして顔をあげる

 

「その肉の最後の一片までも──絶滅すること」

新たに取り出した銃剣と拳銃で火花を散らしながら聖なる十字を作る

 

「Amenッ!!」

さぁ!笑え!ここが私の土壇場だッ!

 

────────────────────────────────────────

横からのヒナの機銃掃射ッ!先生の周囲を囲んでいたシスター達がバタバタとなぎ倒されヒナまでの道が開く

 

「こっち!」

「”ヒナ!”」

ヒナがマガジンを落としながら先生に向かって叫ぶ。ツルギとハスミが視線を向けて

お互いに頷く、ここは任せるしかない、ここでプライドに任せて先生を守ってもジリ貧…ならば任せるのが一番の道

 

『ヒヨリ、もしかしてヒナを止められなかった?アンはどうしたの?』

『ごぼ…ぐが…お、うぶぅ…』

『ヒヨリ…?ヒヨリ!?どうしたの!?』

『な、内臓を…がぎまわざれまじだ…けど…アンさんはなんとかぁ…』

 

 その連絡を最後に電話が切れる。

ミサキの頬に冷や汗が流れる、殺す覚悟はした、その為の訓練も拷問にも耐える精神も鍛えた

だがそれが現実になると、家族が殺された可能性を考えると指先が冷たくなる

キヴォトス人はそう簡単に死なない、けど殺そうと思えば殺せる…シスターフッドの処刑人がそれを知らないわけがない

そして報告も受けている───過去に数えきれないほどの人間を惨殺処刑していると

 

「クソクソクソ!聖徒会!全員を殺せ!ヒヨリの仇だ!!」

 

絶叫しながら命令を下しシスター達がその命令に従い先生を確保すべく突撃していくッ!

「貴方が今ここで倒れたら本格的にどうにもならなくなります!」

「私たちが先生たちの退路を守ります」

「行ってください!!」

 

それに立ちふさがるは正実の二大巨頭と怪力無双のシスターッ!

 

────────────────────────────────────────

「派手にやってくれたな…」

左腕と右足が吹き飛び血反吐をまき散らしながら瓦礫の上で寝転ぶアン

 

 その近くには浅い呼吸で普通に生きているヒヨリ

もちろん無事ではなくアンが腹に銃剣を突き刺しそれを爆破して内側から焼いた、それだけで足りないので両手両足に銃剣を突き刺し地面に縫い付けてある

この程度でキヴォトスの人間は死なない、それが幸運なのか不運なのかは彼女達しかわからないだろう

 

「クソが…私の知る中で個人で持てる最高火力だろ」

 近くに頃だっているスナイパーライフル NTW-20口径20×110

少なくとも人体に向けて撃っていい代物じゃないな、普通は戦車や壁の裏にいる人間をぶち抜くために作られた銃だ

装備が全部そろっている状態ならともかく今のボロボロの私では体が治らんし実力的には歯牙にもかけないが…最初の戦いで道具を使いすぎた

 

超回復する代わりに私の体は脆いんだよ…まったく…

 

「ヒナと先生は逃げられたか…さて…私が出血で死ぬ前に誰か助けてに来てくれるといいんだが…」

 

 疲れた…確かに私もエデン条約なんてくだらないものは吹き飛んでしまえばいいと思っていたが…ここまで派手にやるか?

というかトリニティとゲヘナの二大高に勝てる見込みがあったのか私ならやらないな

 

いかんな…血が足りない…取り合えず気絶するか…

 

「主よ…どうか哀れな子羊を今日の夕食に付かせてください…アーメン…」

 

視点が暗転し私の意識が途切れる

 

 

 




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