ブルアカ世界に狂信者を入れてみた   作:カニバルキャンディー

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神はそれを望みたまうでは酷く人間的だ
神はおおらかでのんびり屋なのだ


神はそれを望みたまう…多分明日辺りに

「Amen!隊長が復帰するまでの間我々が戦線を維持しなければならない!初めての隊長抜きでのデカい仕事だ!主に祈って戦い抜くぞ!!」

「「「了解です!!」」」

 

 赤い髪にヒツジのような角が生えたシスターがリボルバーを二丁構えて部下のシスターたちを鼓舞する

揺るかなる平和な歩み(エウレカ)の副隊長を務める少女にして次期隊長実力は少し劣るが一般生徒は歯牙にもかけない実力者

 

聖徒会の出現が一向に止まらず、正義実現委員会とシスターフッドが戦いをやめたらまず間違いなくこの青白いシスターたちは

トリニティを破壊尽くすだろう。

ならばこちらが逆に破壊を尽くしてやろう、隊長のように、ただ、ただ真っ直ぐに戦場を駆け抜けぶち抜けばいいッ!

 

「現在エウレカと現場にいた正義実現委員会が前線を保っています!ですがもって4時間が限界と報告を受けました!休憩を1時間貰えればそのあとは動くことは可能とのこと!」

「ツルギ委員長、そしてハスミ副委員長は未だに行方不明とのことそのせいか正義実現委員会からほとんど応援がありません!」

 

「誰か直接出向いて、正義実現委員会の本体を引っ張ってきてください!その2人がいなくてもマシロさんかイチカさんが居るでしょう!連絡を取ってください!あそこが抜けられたらそれで終わりです!

私の護衛チームも前線に出しなさい!全精力を出すのです!シスターアンの様子は?」

「救護騎士団に救出された後輸血され現在、昏倒中です…しかし…左腕と右足が切断…前線は難しいかと…」

「聖書渡しておけば生えてきます、起きたら早急に私に連絡を」

 

「動ける救護騎士団は至急前線近くでキャンプをティーパーティーの近衛兵たちはすぐに動けるように準備を進めてください!それと砲撃部隊は戦場に砲撃を休まずに撃ってください!弾は貯蔵している分全部使っても構いません!

どうせあの戦場にいる人間は砲弾の雨程度では死にません!我々が相手しているのはそういうレベルなんです!

それに分派の動きなど無視しなさい!今はそれどころじゃないです!どうせこの時に動く程度は雑魚でしかありません!トリニティ自警団と喧嘩自慢に連絡を!それで十分なはずです!」

 

 シスターフッドの仮拠点、サクラコとナギサがそれぞれ忙しそうに部下たちに指示を飛ばす

ナギサは救助された後ティーパーティーではなくシスターフッドに在留…頼れる部下はいるが、それ以上に信頼できない部下が多すぎる

実際にテロに巻き込まれた話が出た途端木っ端な組織が上を潰そうと暗躍をし始めた。

 

「ちっ…手が回りませんね…最悪ミカさんを釈放して別部隊の上に立ってもらいますか…信用できる人手が足りない…!いつまで寝てるんですがセイアさんも…!」

「ナギサ様!く、クーデターを企んでるとの情報が…」

「憲兵隊の隊長に潰したら来年の予算に色を付けると報告してください!あぁもう!」

 

 ナギサが叫びながら部下たちに指示を出す、おそらくわからないだけでこの数倍は問題が発生しているだろう…後先考えない連中など吐いて捨てるほどいる

現場で武力行使できる存在が足りない。

 

「なら人手を増やしましょう、マリーここは貴女が指揮を取ってください、私は直接現場に出向きます」

「わ、私ですか!?ど、どうしてですか!?」

「私とアンは3年生今年で卒業になります、その後を率いていくのは貴方達です…今回のようなことが起きないとは限りません、ですからまだ我々が居る時に失敗しましょうか」

 

ニッコリと笑うサクラコ、それを少しだけ引きつった笑みで笑い返すマリー…数秒固まりそのあと覚悟が決まった目で見つめる

サクラコが場所を譲り。ナギサがそれをどこか羨ましそうに見る

 

「が、頑張っていきましょー!」

「「「「おー!!」」」

 

────────────────────────────────────────

「い、委員長!?何をしているんですか!?そんな怪我で…まだ寝てないと命にかかわります!」

「アコ、そっちの手榴弾取ってくれる?久々だから使い方覚えてるか不安なのよね」

 

 ゲヘナの武器庫の中、ヒナがせっせと爆弾やマガジンをバックの中に詰める

本来これらは彼女には必要ない、デストロイヤーがあれば大抵の敵は粉砕できるからだ、だがそれでは楽しくない

玩具は多ければ多いほど楽しいのだ!ならば友達のためにも沢山持っていこう!おもちゃ箱をひっくり返すのだ

 

「だめです!いくら委員長でも寝てないと」

「だって…久々の戦争なのよ?誰にも迷惑かけない、1年生以来の…私達が本気をだしてもいいような」

 

天使ような笑みで悪魔は微笑む、アコは背中に冷たいものが走るのを感じるが、意図的に無視をする

今は最愛で敬愛するヒナ委員長を止めなければならない

 

「で、ですが…ゲヘナの予備戦力が古聖堂にマコト議長の命令で突撃しています…現場にはシスターフッドのエウレカもいるとの情報が…」

「あの青白いシスターは滅ぼせるでしょう、けどその上のアリウススクワットは無理よ、アレはどう見ても一般生徒にはキツ過ぎる相手」

 

 愛おしそうに懐かしのAA12を撫でた後棚に戻し隣に置いてあったソードオフショットガンを羽の内側に隠す

頭に撒いた包帯はそのまま、近くに置いてあった水を一口飲み椅子に座る

 

「危険すぎます!風紀委員会の鉄鋼部隊を出して鎮圧にあたらせれば」

「エウレカとぶつかって共倒れよ、いや…ゲヘナの方が負けるかもしれないわね、あの部隊砲撃とかが強いのでしょ?エウレカみたいに近づかれたらアウトな相手と相性悪いわよ」

 

「しかし…」

「ねぇ…なんでアコは邪魔するの?私が本気で暴れてもいい大義名分が揃ってるのに」

 

 首を傾げながらヒナはゆっくりと立ち上がり、アコに近づく

窓の外からネオンの光がヒナを照らし、天使の羽よりも純白な銀色の髪を染め上げる

アコのカウベルを引っ張り、強制的に目線を合わせる

 

「私たち強者側の人間は多かれ少なかれ全力で暴れられる機会を待ってるの…アンもツルギもネルもきっと小鳥遊ホシノすらも…そして私も

だってズルいじゃない」

 

恋心は理性や正気を腐り落とすというが、ならばこの状態はなんになるのだろう

 

「みんなは自由に暴れて、遊べるのに私たちが本気をだしたら死人が出るから辞めろ?ならこういう機会ぐらい思い切り暴れさせて欲しいもの」

 

子供のように笑い手を離す、思わずアコが尻餅を付くが気にした様子は無くバックを背負い

楽しみにしていた公園に行くような軽い足取りで外に出る

 

「ヒナ委員長…せめてサポートを!」

慌てたようにアコがその背中を追いかける

「あ、ちょっと行くところがあるから先に行っててくれる?」

 

────────────────

「キキキ!さて、役者は揃った、そろそろ我々も動くとするか」

「良いんですか?マコト先輩、あの戦場に部下を送って」

「構わん、今あの戦場にはやる気満々のヒナが行った、これでちょっかいかけようものなら万魔殿が物理的に消し飛ぶ、そろそろ欲求不満が溜まっていただろうからな

ちょうどいいガス抜きだ」

 

トリニティとは打って変わって落ち着いた雰囲気のゲヘナ

普段が騒がしく爆発騒ぎなど日常茶飯事、だからこそ落ち着いて戦場で好きに暴れろと命令が下される

 

数十年物のワインをゆっくりと味わう、それもそうだろう戦場はトリニティのお膝元、ゲヘナはヒナを除きほぼ全員無事

革命?明日の昼食か?そのレベルなのだ

 

「それになイロハ、私は先生を買っているんだ、アイツだ、アレがこの世界の中心になる…キキキ!面白いぞ!アレが来てからどんどん何かが進んでいく!この調停に始まりもっとデカいことが起きるッ!

私では想像が付かないような方向にな!混沌だぞ!我々の知らない混沌が待っている!」

 

それは楽しそうに笑う、その姿に若干疲れた表情のイロハ…普段はどこか抜けているオウムにすら口喧嘩で負けそうな人なのだが

こういう大きなイベントの時は張り切ってそして知能があり得ないほど高くなる…普段は隠してるんじゃないんですか?

ほら、織田信長みたいに日常でうつけを演じてるとかそういうの…

 

「だったらよかったんですけどね~」

「何か言ったか?イロハ、あ、ついでにプリンを持って来てくれ…アルコールで喉が痛い…」

「はいはい、わかりましたよ~」

 

夜は深けていく、全員の頭上を飛び越えて

 

 

────────────────────────────────────────

 シスターフッドの救護室、電子音が響く中

アンが横になり眠っている、不自然に腕と足が無く、悲惨そのモノだろう、彼女はもう2本の足で立てず愛する人を強く抱きしめることもできないだろう

普通ならばだが。

そんなアンの首に腕を伸ばす1人の少女、その手を万力のような握力で掴む

 

「あら、遅いお目覚めね」

「ちっ…私はどれだけ寝ていた?」

「私が先生を確保してから……2晩って言ったところかしら?」

 

 血が足りないせいなのか頭が痛いな…それに妙に体が軽いと思ったら足と腕がない

チラリと机を見ると聖書が一冊

それを取ろうとして手を伸ばすが先にヒナに取られる…何するんですか一体…

 

「おい」

「ねぇ…私達って何なのかしらね…戦闘らしい戦闘はできないし…こういう大規模な不意打ちでやっと入院…雷帝の残党と戯れてた時が一番伸び伸びと仕事ができたわ」

「知るか…私は神に仕える者、そうあれかしと叫んで戦えば、世界はするりと片付く…退屈なのは否定はしないがな」

 

 渡される聖書を神秘で燃やし灰が千切れた手足に覆いかぶさり一瞬でモノと体に戻る

体を起こし首を回す…少し筋肉が固まってるな。

 

「確かに1年の頃は楽しかった、背負うものもなく責任も取らないで自由に暴れて、死なない私と純粋に強いお前ぐらいしか対処できないからいつも暴れて…」

「そうね…けど後輩が出来て責任をもって…これが大人になるということなのかしら?」

 

ヒナが溜息を吐きながら空いてる窓の縁に腰かける

部屋の外から足音が聞こえ、ドアが開く、そちらに視線を向けると先生とサクラコが少しだけ驚いた表所をしてこちらを見ていた

 

「”怪我は大丈夫?”」

「触媒さえあれば数秒であの程度直る」

 

「起きて早々ですけど、動けますか?」

 

サクラコが微笑みながら持っていたボストンバックをベットの上に落とす

中を開けてみると祝福された銃剣と完璧に整備されたパニッシャー…それに

 

「これは…」

「あら、なかなか怖い物ね…ゲヘナで持っていたらそれだけでマコトが怒るわ」

 

 だろうな…シスターフッドどころかその前の時代の聖書だぞ?

かなり貴重なものだ…と言うかよく現存じてたな

 

「はい、ユスティナ聖徒会の時代のモノですね、今回戦う相手にぴったりでしょう?我々シスターフッドに無断でユスティナ信徒を使って遊んでいる…

舐められたものですね」

 

「良い意趣返しだ」

「私もそういうの結構好きよ?マコトの方が得意だけど」

聖書に手を伸ばしてくるヒナの頭を押さえてベットに投げる

 

「先生、ちょっと着替えるので外出ててもらってもいいですか?」

「”あ、うん…ごめんね”」

 

神に仕える身としてはあまり異性に肌を見せるのはちょっと…

素早くシスター服に着替え、最後にサクラコに真っ白なコートを着せてもらい

ボストンバックを蹴り上げ武装が空中に投げ出される、ボストンバッグが落ちると同時に完全武装が完了する。

 

「さて、行くか、折角のパーティーだ 我々も参加しなければ」

「2年ぶりのバディ復活かしら?」

「喧嘩なら何度もしてるんだがな」

 

顔を見合わせてお互いに歯を見せながら壮絶に笑う

ゴングが鳴ったら即座に殴り合いそうな雰囲気

 

「お2人とも、先生を待たせているのですから遊びは辞めてください…一応ここ病棟ですよ?」

 

圧をかけながらサクラコが微笑む

流石の私たちも顔を見合わせ離れる

 

部屋の外には先生が少しだけ困ったような表情をして我々を待っていてくれた

 

「”それじゃあ、行こうか”」

 

 




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