朝起きて軽く食事を取り運動、マリー達と他愛もない話で盛り上がり、休日に遊ぶ約束をする
そんな当たり前の学生のような1日、私が襲われることも無く、だからと言ってシスターフッドが襲撃されることもなかった
本当に何もなくトラブルもない1日だっただからだろうか?
ついつい干渉に浸って昔の場所に足を運んでしまったのは
コツコツとコロシアム上になっている、かつて雷帝を滅ぼした施設の中を歩く
既にボロボロになって埃塗れ、だが不良たちやコーポの住人は来ていないのかスプレーなどで荒らされた形跡は無い
誰もが怖いのだ。かつて雷帝が居た場所、不良や命知らず達でも本当の意味で命を失う危険がある場所には誰も近づかない。
まぁ…下手に来ても事実さえ知らなければただの広い場所ですけどねここ。
動き出しそうなものや遺産になりそうなものは私とヒナで全力で叩き潰しましたけども、ゲヘナに渡しても地獄トリニティに渡しても地獄、他の学校に渡しても同様
ならば手を出せないくらいの2人が手を組めば誰にも文句を言わせないということです
まぁ…結局漏れてたり、天才科学者が真似して作ったりといろいろありましたけど
けどまぁ…それを全部含めて当時の先輩たちやほかの学校と協力してそれらを叩き潰した…血塗られていたがそれでもいい思い出
「楽しかったですよね」
「えぇ、あの時は本当に楽しかったわ」
美しい満月の光を浴びて銀色の髪をさらに美しく染め上げる
いつもの風紀員の格好で瓦礫の上に座り、挑発するように足を組み、その太ももを見せつける
見た目は少女より幼女と言った風貌だが、溢れ出る色気は見た目のそれではない、まさしく悪魔のごとき色気
例え異性愛者だとしても思わずクラりと来てしまいそう、まぁ私には全く関係ないんだが性欲ないですし
「奇遇だな…貴様も風情を感じにこの場所に来たのか?」
「偶にはいいでしょ?私も黄昏たいの」
くすくす笑いながら瓦礫の上から飛び降り手に持った
溜息を吐きながらそれに対抗するように銃剣を地面に突き刺して頬を吊り上げる
挨拶のように吹き荒れる息が苦しくなるほどの殺意と重圧、だが2人の間ではそれもまた愛おしく楽しい。
どこかの誰かが言っていたような気がする、殺意と性欲は紙一重だとどちらも相手を理解して自分のすべてをぶつけ愛し合うものだ
ならば今の彼女たちは他人から見たらとても魅力的に映るだろう
無感情で人を傷つけられる人間がいるというがそれは間違いだ。必ず心のどこかで何かを感じている。
「ねぇ、覚えてる?最初にあった時中途半端でダンスが終わったじゃない、上からの電話なんて無粋なもので中断しちゃって」
「あぁ」
「それだけが心残り、2年の頃は後始末と風紀委員長になったせいかバタバタして出来なかったし…いろいろと大変だったわ」
「私も隊長になったな、背負うものも増えた、可愛い後輩も出来た」
「3年になって…本気で戦える先輩達も居なくなって…なら貴女と本気で戦おうとすると地位が邪魔をする、私はこんなもの必要なかった」
「そうだな。我々が本気でぶつかり合うのには壁が多すぎる」
くるくると遊ぶようにヒナが瓦礫の上で回る
実際楽しいのだろう、この場所なら誰にも迷惑かけないし誰にも邪魔はされない、邪魔などさせるものか我々の逢瀬を
愛おしくも狂おしい我が宿敵を
アンも口では消極的なことを言っているが殺意は際限なく広がっていく
さぁ、始めようか我々の
「
「
コロシアムの中にサイレンの音が鳴り響くッ!
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ヒナとアンがぶつかった30分後に先生がコロシアムに到着する
少しだけ上の階層で下の様子を覗き込むと、わずかに残っていたであろう家具や壁、辺り一面が破壊尽くされ薬莢と刃物の破片が辺りに散らばっている
戦ってる2人を見ると明らかに喧嘩の範疇を超えている、もはや殺し合いの領域。エデン条約の戦いなど子供の遊びに見える苛烈さッ!
似ているのはこの間見たアリウススクワットの生徒たちの戦い、ならば止めなくては!それが教育者としての責任
だが相手はキヴォトスでも上から数えた方が早い2人、そしてこのキヴォトスでも感じたことがない本物の殺意
先生は懐から”大人のカード”を躊躇なく取り出す
「”どう見ても駄々事じゃないね、止めないと”」
「キキキ!辞めて置け、今のアイツらの邪魔をしたら今度食われるのは先生の方だぞ」
暗闇からマコトが滅多に持たない銃を背負いながら先生の方に歩いてくる、ありとあらゆる武装をしていかなる事態にも備えられるように
その数歩後ろからサツキとイロハも完全武装で暗闇から出てくる
「”後で恨まれるようなことになっても、生徒が死ぬよりマシだよ”」
「あぁ、違う違う、そもそもの話だ、先生の手持ちじゃ今誰も呼ばれないって言ってるんだよ目を凝らして周りを見て見ろ」
吹き抜けから辺りを見てみると。チャイナ服を着た小さな少女、ただ存在感だけはそこらのトップに負けていない、こちらにチラリと視線を寄こして蠱惑的に微笑む
その両隣に背の高いお姉さん風の女性とエプロンドレスをつけた中華風の人が守るように立っている
その下の階層にはホシノがいつもの眠そうな雰囲気ではなく触れるものを刺し殺しそうな雰囲気を放ちこちらも完全武装をしながら下の戦いをじっと見ている
まるで何かを羨むように。
そして同じ階層にメイド服を着たC&Cのメンバーが勢揃い、誰もが一言も話さず下の戦いを見てそれにちょっかいをかけてるゲーム部のメンバー
一番見やすい中間にはサクラコにマリーとヒヨリそれにツルギ達正義実現委員会が鎮西してる
その横にティーパーティーの3人が紅茶を飲みながら場違いなほど優雅に座っている
「見えたか?見えたよな、各学校の戦闘能力上位陣から権力者の上位陣…キキキ!エデン条約の時よりも豪華なメンツだ
ここにミサイルでも落としてみろ。あの時より悲惨になるだろうな、だがここのメンツではミサイル程度なら打ち落とせる奴ばかりだ」
それはそれは楽しそうに頬を吊り上げながらマコトは行儀悪く瓶のまま飲み物に口をつける
「わかったか?先生、ここに居る全員があの2人の戦いの行く末を見たがっている、アイツらにとってこの戦いは未来へ進むための戦いなのだろう
強者とはいつだって強敵と狂乱を求める」
マコト様には理解できんがなと笑いながら戦いを見る。
アンがぶん投げた銃剣をヒナが掴み取り握力だけで握り潰し、目潰し代わりに恐るべき速度で迫ってくるアンの顔面に放り投げる
反射的に腕で顔を庇ってしまいヒナの姿が一瞬だけ消える、その一瞬の隙を狙いヒナが横に飛びながら弾丸の雨をアンに叩き付けるッ!
血反吐を吐きながら壁に叩き付けられると同時に己の腕力で壁を壊し砂煙と共に部屋に逃げ込む
「あははは!今度は鬼ごっこかしら!良いわよ?」
ヒナが楽しそうに開けた穴に飛び込み、少し離れた場所から爆音と2人の笑い声が聞こえる
次の瞬間反対側の壁からヒナが数本銃剣を突き刺されながら吹き飛びながら出てくるが空中で体勢を立て直して再び穴の中に入っていく
「ヒナのあんな顔、マコト様はしばらく見ていないな、それだけ全力を出せるのが楽しいのだろう」
「”普段は…全力を出して戦ってないのかな?”」
「キキキ!上位陣は無意識に手加減してるものだ、この死ににくいキヴォトスでも余裕をもって殺せてしまうからな
知っているか?我々でも出血や酸欠だと死ねるのだよ」
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ヒナが一歩前に踏み出す、中距離ではなく近距離、アンを知る物なら絶対に入らない絶死の領域
だが、ヒナは無造作にその中に入る。
最初に動いたのはやはりアン、掬い上げるように下から上に蹴り上げる、的確にヒナの顎を狙ったそれをヒナが腕をクロスさせて受け止める
ダメージは消したが衝撃まで消しきれない、ヒナの体がアンの目線まで浮かび上がる
右腕を引き絞り拳ではなく掌底ですべての衝撃がヒナのガードの上から叩くッ!
「ぐっ…!」
「そら人が飛ぶぞ」
ジェットコースターの最高速度よりも早くヒナが壁に向かって飛んでいく、アンが流れるような動きでもう一歩踏み出しその一歩で吹き飛んだヒナに追いつく。
大砲のような飛び蹴りで追撃でブチかまそうとするが…ヒナが笑いながら羽の内側に縫い付けてある二連式ショットガンの引き金を引く
アンの胴体に風穴が空くのとヒナの内臓が同時にかき回される
壁を粉砕してヒナが再びコロシアムの真ん中に転がってくる、口元の血を乱暴に拭って近くに突き刺して置いたデストロイヤーを引き抜くと同時にアンが壁を蹴り砕いて出てくる
「あそこまで修理が早いと流石に恐怖を覚えますわね」
観覧しているどこかからその声が聞こえる、それもそうだろう
煙を立てながら正面から背後が見えるほどの大穴が治っているのだ、恐れもするし恐怖もする
「心臓と大腸を正確に吹き飛ばしてもだめなのかしら、
「それを確かめたいから私の攻撃を食らったのかァ!ならちょぉっとばかり脳みそが足りねぇなァ!」
完全に治った首を軽く動かして袖口から銃剣とパニッシャーを取り出す
どさっと聖書がアンの懐からも燃え落ち。同時にお互いの圧力も更に加速する
今のが第一ラウンド、そしてこれからが第二ラウンド…ッ!
またしても動いたのはヒナ、電動のこぎりの音を立てながら文字道理、死の雨が降り注ぐ
アンが頬を吊り上げながらコロシアムの中を全力で走るッ!
一瞬送れたら肉塊になる、そのプレッシャーすらアンには楽しいスパイスにしかならないッ!
逃げながらも銃剣を壁に投げ、それを足場に壁を駆け上がる。
銃弾をばらまきながらヒナが楽しそうに叫ぶ
「なんで昔から
「寂しがり屋か!?似合わねぇなぁ!!」
空中で身をひるがえしながらパニッシャーを引き抜きヒナに向けてぶっ放すッ!
それを踊るようなステップを踏むようにその恐るべき威力の弾丸を避ける。
その隙をついて猫のように空中から壁に着地、単純な脚力のみで蜘蛛の巣上に壁が砕け。アンの体が文字道理発射される
ヒナのその頭上から速度と重力の力を借りて全力の攻撃ッ!
即座にヒナは自分のデストロイヤーを蹴り上げ銃剣との変則的なつばぜり合い
火花が飛び散りデストロイヤーに罅が入りながら部品が削れる。
「るぅぅぅあぁぁぁ!!」
「あははは!」
アンの燃えた聖書がコロッセオの中に降ってくる
さながら雪のように美しくも儚い光景…その実態はアンをさらなる化け物に引き上げるッ!
「えぇ!えぇ!本当に最高ね!私の疼きを満たしてくれるのは貴女しかいない!さぁ!私の心臓を貫いて!」
ヒナが楽しそうに両手を広げて自分の心臓を指さす
「語るに及ばず」
アンが十字に銃剣を構え鋭い目つきで睨みつける
両手に銃剣を構え突撃、ヒナが迎え撃つようにデストロイヤーの引き金を引くが弾が出ない。先ほどの攻防で致命的な部分が欠損してしまったのだ
だが、ヒナは焦らずにデストロイヤーを投げ捨て拳を構える、この距離なら弾を撃つよりヒナの拳のほうが数倍危険な代物になる。
上段から切り落とすように斬りかかり、ヒナが拳でそれを打ち落とし払いのける、アンが軽く吹き飛ばされながら後ろに下がると、今度はヒナが拳を構え前に出る
アンが面白いように斬っているから勘違いされがちだが本来銃剣は刺して使うもの、実質的な切れ味などないに等しい、刃の部分に固い拳をぶつければ余裕で逸らせる
「ちぃぃぃ!!」
「はぁぁあ!!」
突っ込んでくるヒナに合わせてアンが突きを放つがそれを読んでいたかのようにアンの腹部に潜り込み強烈なボディーブロー2撃目を放とうと拳を引き絞るが
だが、アンはもう一歩先を行く、突きを出した手を反対方向の手に拳銃を構え拳に合わせて発砲、ヒナの拳が砕けるが気にした様子もなくそのまま拳を振りぬく
パニッシャーが砕けアンが一瞬空中に浮く
お互いに壁際まで弾かれたように離れ大きく息を吐く
体はボロボロ、だけども2人の体を走るのは全能感と高揚感。
ヒナは内臓をかき回され利き腕が砕けている
アンは見た目は無傷だが、武装がほぼ無くなった次に致命傷を食らったら間違いなく死ぬ
つまり状況は全くのイーブン
「ッ!」
「はぁッ!」
アンが地面に転がっているAA12の残骸を手に取り駆け出し
ヒナが地面に突き刺さってる錆びついた銃剣を引き抜きながら走る
バットのようにAA12を振りぬくがヒナが膝から力を抜き自然に崩れ落ちる
頭3つは違う身長差そこから更にしゃがまれアンの攻撃は当たり前のように空振る
ヒナは膝を地面で削りながらアンの足の甲に銃剣を突き立て速度を殺しながら銃剣を支点に体を跳ね上げる
そのままの勢いでアンの顎を蹴り上げる
「体重が軽いなァ!もう少し太れ」
「レディに向かってそれは酷いと思うわよ」
首の筋肉のみでヒナの蹴りを受け止め足を掴みそのまま地面に数度叩きつけ己の全力をもって壁に叩きつける
「はぁ…はぁ…!」
片膝をつきながら最後の聖書が燃え尽きると同時にアンの足の傷が治り完璧な姿となる
本来強化が無くとも学園の上位層と喧嘩はできる、だが今アンの目の前にいるのは上位層ではなく事実上のキヴォトスのトップ、たとえ満身創痍でも油断などできやしない
ヒナが瓦礫の砂埃から少しだけ足を引きずりながら出てくる。
「どうしたの?クリスチャン?調子はどう?満身創痍ね、どうするのかしら?武器もない聖書もない何もない…
私も満身創痍…絶好のチャンスなのに蹲って可哀そうね」
「それがどうしたクソ悪魔、体の機能不全多数?だからどうした戦いに支障なんてねぇだろうが!能書き垂れてねぇで来いよ、かかってこい!HURRY!HURRY!!」
最後に残った銃剣を十字に構える、火花が散りながら目の前の悪魔に殺意を浴びせる
周りで観戦している生徒たちの背中に氷柱が刺さったような悪寒が走る、直接浴びてるわけでもないのにこの威圧感と心臓を鷲掴みにされたような圧迫感
ならば直接浴びている本人はどうなのだろうか!?観戦者の視線がヒナに注がれる
「ふふ…素敵ね…やっぱり貴女は最高の宿敵!あの時の決着をつけましょう!今回は逃げるなんて言わないわよね?」
「もちろんだ、お互いに満足するまで殺し合おう!」
頬を吊り上げて獣のように笑い合う
観客の
「「あはははははは!!!」」
彼女たちはこれからも戦う、それが楽しいのだから。
これで作品は終了になります。
お付き合いいただきありがとうございました!
反応高評価お待ちしております!