TRPGしてたら自キャラになった・・・特化ビルドの一発屋で。   作:水道館

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今年は祭りに行けませんでした。
祭りのくそたけぇ広島焼き食べたかった・・・。
あと感想はありがたいのですがあまり強い言葉は使わないでいただけると幸いです。


埋め合わせ

一通り『竜信教』の情報を聞いた後、夜も更けて来たので解散となった。

ちょうど聞いた情報の整理をしたいと思ってたし三人とも相談する必要があるしな・・・。

 

「と言うか今更だけど宿空いてるかな・・・こんな時間だし」

「他の観光客に取られてそうですよね・・・」

「そこはご安心なさい!毎年降竜祭に来た時に泊まっている宿があります!そこなら私の分をキープしてくれるはずですわ!」

「そんなはずはと言いたいが・・・金持ちだしな、君」

 

金の切れ目が縁の切れ目と言うが、金が無くならないなら縁は続く。

お得様を他の宿に取られるような真似は、そこの宿もしないだろう。

 

「どの辺にあるんだ?」

「島の繁華街ですわ!大体中心部ですわね!」

「祭りだからなんですかね、夜でも明かりが沢山焚いてますよ」

「虫が集まるから一長一短だね・・・」

 

4人で明るく照らされた道を進む。

しかしドラクル島、なんと言うかアジア感が強い。

今道に焚いてる明かりだって完全に提灯だし。

特に服装だ、漢服、和服、エスニック風・・・統一こそされてないがアジア過ぎる。

まぁそれでもまだこちらの方が身近に感じた。

だって今まで漫画やアニメのファンタジーの登場人物が来てるような服しかなかったし・・・。

女冒険者はなぜスカートを履いているのだろうか、絶対冒険に不向きだろ。

その点ミロネは常にズボンだ、安心感がある。

薬草採取とかで足出てると草で切ったりするもんな。

 

「ニンジャさん何で私の方見て頷いてるんですか?」

「いや安心するなと思って・・・」

「い、いきなり変なこと言わないでくださいよ!」

 

しまった、今のは気持ち悪い。

つい思ったことを口走ってしまった。

 

「す、すまない。つい・・・」

「も、もう!言うならちゃんと今から言いますって言ってください!」

「いやそれはそれでどうなんだ」

「口答え禁止です!」

「はい・・・」

 

怒らせてしまった、これ以上刺激してはダメだ。

大人しく言う事を聞こう。

ミロネには主に怪我で死ぬほど迷惑をかけている為、頭が上がらない。

 

「それとさっきの!リューグさんの件です!」

「リューグが・・・どうした?」

「ニンジャさんが私に振ったからあの人が来て靴舐めたんですよ!これ新品だったのに・・・、唾液でべちゃべちゃです・・・少し臭うし・・・」

 

まじか、これに関しては俺が完全に悪い。

と言うかあいつどんだけ靴舐めたんだよ。

べちゃべちゃって相当だろ、アイスの蓋じゃないんだぞ。

 

「申し訳ない、弁償しよう」

「いえ、洗えばまだ履けるので弁償はいいですけど・・・気を付けてくださいね?」

「分かった、気を付ける」

 

折角の祭りだからという事で新品を下ろしたのだろうか。

悪いことしたな・・・謝っただけじゃダメだろ、これ。

 

「そうだな・・・弁償の代わりでは無いが、何か埋め合わせをさせてくれ」

「埋め合わせですか?」

「ああ、何か手伝って欲しいこととか「それなら!」おお!?」

 

俺の言葉に割り込むようにミロネが体ごと近づいてくる。

 

「明日・・・降竜祭一緒に回りませんか!?」

「祭りを?いやそれはいいがどうせ皆で・・・」

「そ、そうじゃなくて!私とニンジャさん二人で!」

「二人で?」

 

薄暗くて見ずらいがミロネはやたらと顔が赤い。

なんだ?いつの間にミロネルートに入ったんだ。

ときメモだったら誘いの電話来てるだろこれ。

 

「(あんまり好かれるような事した記憶無いが・・・)」

 

オーガから庇った所か?【糸】を切ったからか?

どちらにせよ女性側から誘ってきてるのに断るのはクソ失礼なので受けることにする。

埋め合わせするって言ったしな・・・。

 

「分かった、明日は二人で回ろう」

「本当ですか!約束ですよ!」

「ああ、色々気になることもあるが、焦っても良いことは無いしな」

 

知らないうちに教祖がリルラールになっているのは正直訳が分からんが、どの道【竜信教】の事を聞いて回ろうと思っていたので一緒にやればいいだろう。

 

「と言う訳ですまないが私はミロネと回る、そっちはそっちで頼んでいいか」

「いいよ、しっかり埋め合わせしてきなよ」

「支払いはちゃんと全部持たないとダメですわよ、はい10万ゴールド」

「ありがとう、後その金は仕舞え」

 

要らんわ、何が悲しくて他人の金で奢る情けない奴にならんといかんのだ。

流石に出店で払う分の金くらいある・・・ある!

 

「祭りは朝からやっているのか?」

「期間中は朝から晩までやってますわ、やってる出店はまちまちですけど」

「そうか、なら早めに宿に行くか」

「はい!早く行って寝ましょう!」

 

元気だなぁそんなに嬉しいのか祭りが。

中々に子供っぽい所があるんだな。

仲間の新たな一面にほっこりしたのだった。

 

 

 

 

 

 

「一応言っとくけどミロネさん、別に祭りが好きなんじゃなくて君と回れるのが嬉しいだけだからね?」

 

カロルがこっそり耳打ちしてきた。

分かっとるわ、そんなん。

女性から好意向けられるのに慣れてないだけじゃ街でやたら女に声かけられるキザ男は黙ってろ」

 

「声出てる!出てるから!」

 

 

 

 

宿に付いた後、ミレッラさんの言う通りホントに宿が取れた。

しかもすごい広くて綺麗・・・これなんて言うんだっけ、畳だっけ・・・?

なんでもドラクル島の伝統ある作りの宿らしい。

いくらするのか聞いたら一人当たり一泊15万と言われた。

いつも泊まっている宿屋の100倍するんですけど・・・。

 

「ひ、広すぎませんか・・・?」

「こんなもんですわよ、あまり気にしないで大丈夫ですわ」

 

にしたって広すぎる、二人だと明らか持て余してる気がする。

荷物を置いても後5人は余裕をもって入れられる。

 

「さて!早速受付に行きましょう!」

「え?なんでですか?」

「そんなの明日のミロネ様の服を借りるためですわよ」

「服ならちゃんと持ってきてますよ、ほら」

「そんな普通の服着てどうするんですか、デートなのに」

「デート!?ち、違います!」

 

あの、そんな「何言ってんだこいつ」みたいな顔するのやめて欲しいんですけど。

眉間の皴凄すぎますって。

 

「あの誘い方では丸わかりですわよ?」

「埋め合わせ!埋め合わせです!」

「ふ~ん・・・まぁ今はそれでもいいですけど、早めに言った方良いと思いますわ」

「どういうことですか・・・?」

「ニンジャ様、多分言い寄られるの慣れてないから他に寄ってくる女が居たらそっち転がるかもしれませんわよ?」

「嘘ぉ!?」

 

い、いや!あの人はそんな女の人にだらしない感じしないから!

カロルさんと違ってあまり人も寄ってきてないし!

 

「覆面してるのと大きいのもあって威圧感ありますからね、ニンジャ様。でも分かる人は分かりますわよ、あの人の優しさ」

「・・・否定はしませんけど」

 

正直受付嬢さんは危ないと思ってる。

明らかにニンジャさんへの対応が他の人と違うもん。

基本真顔なのにニンジャさんにだけ微笑んでるし。

 

「取られる前に取ったもん勝ちとだけ言っときますわ」

「ミレッラさんは違うんですか?」

「恩人だし困っているならいくらでも手を貸しますけど・・・タイプとは違うので」

「ミレッラさんのタイプって何ですか?」

「筋肉達磨のおじさま一択ですわ、ニンジャ様はちょっと若すぎますので」

「若いって・・・私たちの中でも年長ですけどね・・・」

 

確かニンジャさんが25、カロルさんが23、私が20、ミレッラさんが19だったはず。

 

「あと10歳上ならドンピシャだったから危なかったですわね」

「・・・何が危ないかは聞かないでおきます・・・」

「そうですか、さぁさぁ!受付行きますわよ!貸出服沢山あるから選ぶの大変ですわ~!」

「わわ!ま、待ってください!まだ心の準備が・・・!」

 

抵抗むなしく、ミレッラさんに引きずられていく。

年下に筋力負けてる私って・・・・・。

 

 

 

 

 

死んだ。死んだ。死んだ。

何度も何度も贄とされ。

父親に贄とされ、守りたくもない冒険者を守るために贄となって。

死んで、死んで、死んで。

 

気が付けば─。

 

 

 

床に大量の自分の死体が転がっていた。

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあああああああああ!!!!!!」

 

布団から跳ね起きる。

汗で体中が濡れてる。

 

「もういや・・・」

 

毎日この夢を見る。

もう解放されたのに。

【糸】は離れたのに。

繰り返しは無くなって、自由になって。

それでも私の死は迫る。

 

「・・・・・・殺す」

 

私を殺そうとするやつ。

私の死で守られるやつ。

私を助けないやつ。

 

みんな、みんな、みんな、みんな。

 

 

この島ごと全て。

 

 

「・・・・殺す」

 

 

みんな死ね。

 

 

 

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