TRPGしてたら自キャラになった・・・特化ビルドの一発屋で。   作:水道館

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暴露

「き、気持ち悪い…」

 

サルナードを落下ダメージで倒す為とは言え、【復讐者】で高速移動を繰り返したせいで俺の三半規管は限界を迎えていた。

元々ジェットコースターですら酔う俺がこの程度で済んでいるのはこの体のおかげだろう。

俺本来の体ならもう吐いてる。

 

「大丈夫かい?ほんと無茶をするよ…君は」

 

カロルの手を借りて座り込んで動けなかった体を無理やり動かす。

ミロネ達を残している以上、早く戻らないと。

 

「これしか方法が思いつかなかったんだ…池があれば沈めて窒息も考えたが…」

 

「うん、シンプルに怖いね。そういう作戦がポンポン出てくるのは」

 

「仕方ないだろう、人族からのダメージを受けないとかふざけた奴だったからこうしただけだ。好きでやってる訳じゃ無い」

 

「好きでやってたら困るよ」

 

確かに。

意気揚々とこんな方法で戦う奴居たら俺も引く。

 

「いきなり自分を刺せって言い始めたからほんと正気を疑ったよ」

 

「時間が無かったからな、端的な説明になってしまったのは悪かった。だが完璧にやってくれて助かったぞ」

 

「地図は一応覚えてたから地形的に突き落とすんだろうなとは思ったからね…」

 

流石カロル、軽く見ただけなのにもう地図を暗記してたのか。

俺なんか馬車に乗ってる間、ずっと地図開いてたから覚えれてただけなのに。

 

「さて…ミロネ達と合流するか、待たせているだろうしな」

 

「君の怪我の治療もあるからね、一応刺す時は骨は避けたつもりだけど…」

 

「問題ない、この程度なら充分歩ける範囲だ」

 

【復讐者】って最低でも1ダメージは受けないといけないから軽く叩いた程度じゃ使えないからな、カロルの筋力じゃ拳程度で俺にダメージ入るか分からんし…。

カロルと2人で馬車の方向に戻っていくと、何かが近づいてくる音がする。

 

「うおおおおおおお!!!」

 

「何だくろまるか」

 

あちらから迎えに来てくれたようだ。

軽症とは言え早めに治してもらいたいので有り難い。

 

「(今回はそんなに怒られんだろ)」

 

リルラールの時みたいな瀕死じゃない。

精々サルナードに切られた傷とカロルの刺し傷だ。

この程度ならセーフの範囲だろう。

それにしても…。

 

「(共有しないといけない情報が多すぎるなぁ)」

 

まさか正道教会が魔族に乗っ取られてるとは。

サルナードが出てきてくれて逆に良かったまである。

何も知らないで王都に着いてたら囲まれて死んでたかもしれん。

 

「(アリスは無事なんだろうか…それとも既に魔族に成り代わられているかも…)」

 

流石にあの手紙の通り、会って礼がしたいが為に出したとは考えられない。

周りが魔族に成り変わってるのに気づかない事は無いだろう。

魔族は確かに人に化けれるが、アリスは魔族との戦いを多く経験してるはず。

見抜けないことは無いだろう。

となればあれはアリスからのSOS、もしくは罠の2択になる。

 

「(王都へのツテは無いし、一旦帰ることも考えた方いいな…)」

 

何にせよ、皆と相談してから決めよう。

そう思っていたら顔面にポーション瓶が激突してきた。

 

「ゴブッ!?」

 

「ウボッ!?」

 

カロルにも飛んできたようだ。

傷ついた体が瓶から出てきたポーションで癒えていく。

この状況で投げる必要あったか…?

 

「目がぁ!目が染みるぅぅぅ!!!」

 

「え?」

 

カロルから悲鳴が聞こえた。

振り向くと顔に真っ赤な液体がかかっている。

 

「オラァァァ!!!」

 

「ゲフゥ!」

 

そのまま突進してきたくろまるに頭突きされて倒れた。

え?

 

「ちょ、なになになに!?」

 

「【神の威令】!!!」

 

ミレッラがカロルに神の威令を使って動きを止める。

そして馬車からミロネが大量のポーションを抱えながらカロルに馬乗りになった。

 

「ミレッラさん!ニンジャさんの怪我を見てください!治ってなかったら渡したポーションを!」

 

「お任せですわ!」

 

「ニンジャ、大丈夫!?」

 

「え?ああ、大丈夫・・・え?」

 

馬乗りになったミロネは持っていたポーションを全てカロルの口に突っ込んだ。

所謂ちゃんぽんだ。

 

「洗脳に効くか分かりませんけど気つけ薬を10倍濃縮した物です!目を覚ましてください!そしてニンジャさんに謝ってください!!!」

 

「ガボボボボボボボボォ!!!」

 

洗脳?何を言って・・・待てよ?

冷静に考えたらミロネ達に作戦話してないよな。

そんなミロネ達が俺がカロルに刺されてるの見たら・・・。

 

「あ、やっべ」

 

カロルが洗脳されてると思われてるわこれ。

やばい、訂正しないと。

 

「待ってくれ皆、カロルは正常だ!あれは俺がやってくれと頼んだだけで・・・」

 

そう言った瞬間、ミロネがこちらを振り向く。

カロルは気つけ薬がキツすぎたのか力なく倒れた。

カロルをそんな風にしたミロネの目はガン開きだった。

 

「ニンジャさんまで洗脳を・・・!今助けますからね!」

 

「待ってくれ!気つけ薬を持ってこっちに来るな!離れていてもとんでもない臭いがするんだが!?」

 

「どうか、どうか戻ってください!」

 

「やめろマジで!ってくろまる!腕の裾を噛むな!ミレッラ足を抑えるな!リルラールは背中から離れろぉぉぉ!」

 

カロルも味わった気つけ薬の味は苦みと酸味と渋みと変な甘みの最悪ブレンド。

控えめに言ってゲロマズだった。

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

 

「いや・・・今回は仕方ない・・・勘違いもする・・・あ、ちょっと待って・・・ウッ」

 

「めちゃめちゃえづいてるけど出すなよ?」

 

「カロル様・・・申し訳ありませんでしたわ・・・」

 

「あ、あはは・・・大丈夫だよ、僕にもっと力があれば他の倒し方もあったかもしれないし、自分の力不足ってことで」

 

「カロル、流石にお前は怒っていいぞ、私に」

 

金髪・・・カロルがニンジャを攻撃したのは魔族を倒すためだったらしく、決して洗脳されたとかそういう事では無かった。

完全に勘違いして頭突きしちまった。すまんな。

 

「カロルさん、本当に申し訳ありません・・・」

 

「いやいや!ミロネさんは間違ってないと思うよ!だから気にしないで!」

 

「・・・さて、ニンジャさん」

 

「・・・ハイ」

 

カロルに謝った後、ピンク髪はニンジャの方を向く。

ニンジャもニンジャで怒られる子供みたいな反応するなよ。

 

「カロルさんに刺されたのは必要だったのは分かりました、怪我も軽症みたいでよかったです。でも・・・」

 

「で、でも・・・?」

 

「何ですか魔族と一緒に崖から飛び降りるって!?ただの自殺未遂じゃないですかぁ!」

 

「い、いやそれしか方法が無かったんだ!奴は羽根があったから変に浮かれてしまえば倒せないと思ったから抑えつけながら落ちた訳で・・・」

 

「だからってそんな危ない手段取るのはやめてください!無茶ばっかりして!」

 

「そ、そうは言うがな!ああしなければ私達は全員殺されてたかもしれないんだぞ!」

 

「でもそれで自殺未遂するのはおかしいですよね!」

 

「心配をかけてしまって申し訳ないとは思ってる。だが私も必死に考えた結果あの方法しかなかったんだ、分かってくれ!」

 

「ちょ、ちょっと落ち着いて・・・」

 

「ヒートアップしすぎですわ!お互いそこまで言わなくても・・・」

 

お互い語気が強くなって引くに引けなくなっていく。

5分程言い争いが続いたので無理やり間に入って終わらせる。

 

「おいおい、長いって。どんだけ喧嘩するんだよ」

 

「喧嘩じゃないです!」

 

「ああ喧嘩じゃない、話し合いだ!」

 

「何でそこは一致するんだよお前ら」

 

仲いいのか悪いのかどっちだよ。

 

「・・・そんなに、おかしいですか・・・?」

 

「ミロネ・・・?」

 

「自分の事大事にしてほしいって思うの、そんなに・・・おかしいですか・・・?」

 

抑えてた物が限界を迎えたのか、涙がこぼれ始めるピンク髪。

 

「怪我したり、死にかけたり・・・いつもボロボロで・・・それなのに私は後ろでただ見守ってるだけ・・・」

 

「い、いやそれは違うぞ。ミロネも共に戦ってくれてるだろ?君にどれだけ助けられている事か・・・」

 

「違うんです、私は、私は・・・あなたの隣で・・・」

 

そう言った後、俯いて本泣きし始めた。

うろたえる他の連中を他所に疑問が出来たので聞いてみる。

 

「お前なんでそんなにニンジャが怪我するの嫌がるんだ?」

 

「グスッ・・・・そんなの好きだからに決まってる・・・」

 

『あっ』

 

「?・・・・・・・・!?」

 

あ~なるほどなぁ!そっかそっか!

ようやく合点がいったぜ!

 

「い、今の好きは仲間としての・・・」

 

「だからか!いっつもニンジャの事ばーっかり見てんの!好きだからか!こいつの事が!」

 

「そ、そんなこと・・・」

 

「あっはっは!なーんだ!おいニンジャ!早く応えてやれよ!」

 

「お、お前・・・」

 

「なんだよ、このピンクの事嫌いなのか?」

 

「いや嫌いな訳が無いが・・・」

 

「だってよ!よかったなぁピンク髪!お前の事好きだってよ!」

 

踏み出せない奴の背中を押してやる!

なんて良い奴なんだろう俺って。

ピンク髪は顔を真っ赤にしながら─。

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

「ゴバァァァァァァァ!?」

 

 

こ、こいつ俺に催涙ポーションぶちまけやがった!

目が!鼻が!し、死ぬ!

 

「た、たすけて!たすけて!」

 

「・・・最低」

 

「この馬ほんと酷過ぎますわ」

 

「まぁ畜生だからね・・・」

 

「なんでだよ!俺、こいつらの仲取り持ってやっただろ!どうして責められるんだよ!」

 

「お前もう暫く喋らない方良いぞ・・・」

 

俺の味方は居なかった。

早く王都に着かないかな、あいつしか味方いないし。

ピンク髪は馬車に入って出てこなくなったし。

その後、俺は夕飯抜きが決定した。

 

 

 

 

 

 

 

「全部終わるまで我慢するつもりだったのにぃぃぃぃぃ!!!もぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

 

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