TRPGしてたら自キャラになった・・・特化ビルドの一発屋で。   作:水道館

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投稿前に三回も読み直してるくせに誤字が出てるの救えなくて草。
ご迷惑おかけします。


激安

「すいません、どうにかなりませんか?」

「ダメです」

「や、薬草あげますよ!」

「ダメです」

「この前拾ったきれいな石じゃダメかな?」

「ダメに決まってんだろ」

 

ギルドの備品の買い出しに街に繰り出したら、武器屋に詰め寄っている冒険者3人を見つけた。

 

「・・・・・・・・」

 

1分程逡巡した後──。

 

「戻りますか」

 

踵を返してギルドに戻った。

 

 

 

 

 

「てことがさっき街であったんですよ、変な人達も居るものですね」

「それ普通に私達なのだが・・・」

「知ってますけど」

「どうして声をかけてくれないんだい?」

「知り合いに思われたくなくて・・・」

「そ、そんな!」

 

誰だってきれいな石で値引き交渉してる姿見たら見なかったことにすると思いますけど・・・。

 

「それで、どうしてあんな事を?」

「私たちは3人でパーティーを組んだんだが」

「ええ、知っています」

「一つ問題が発生してな・・・」

「なるほど、金が無いと」

「そうなのだ、だが武器更新したくてな・・・」

「トゴで貸しますけど」

「街中にオーガ居るんだけど、どうしたらいいかな」

 

失礼な。

こんな勤勉なオーガが居ると思っているんでしょうか。

 

「まぁ働くしかないんじゃないですか?依頼、ありますよ」

「いやそれも考えたのだが・・・私のナイフがな・・・」

 

そう言ってニンジャさんは机の上に自分のナイフを置く。

許可をもらって鞘から抜くと、思いっきり刃こぼれしていた。

 

「オーガの首を切った時、骨に負けたみたいでな・・・」

「パッと見見大量生産品ですし、仕方ないですね」

「それで、武器が無いのに依頼は流石にって事で新しいのを買いに行ったんですけど・・・」

「思ってたより高かった、という事ですね」

「そうなるね」

 

実際武器は高い。

と言うのもある程度の品質の武器は作るのに手間がかかるのだ。

この街に高レベルの鍛冶師が居ればまた話は変わるのだがそうではない。

 

「今出せるとしたらどのくらいなんですか?」

「生活費を考えると2000Gだな」

「・・・厳しいですね」

 

最低でも5000は欲しい。

勿論格安の武器もあるにはあるが、それでまた壊れればムダ金になってしまう。

 

「・・・でしたら修繕依頼を頼むのはどうですか?」

「修繕?」

「刃こぼれですから研げばまだ使えると思うんですよね。買うより安いですよ?」

「でも修繕を引き受けてくれる所なんてありませんでしたよ?」

「実入り悪いですからね、手間のわりに。やってる人は少ないです」

 

カウンターの下の方から地図を引っ張り出す。

使わな過ぎて埃が被ってた。

掃除しなきゃ。

 

「えーっと・・・あったあった」

 

赤丸で印をつけている箇所を3人に見せる。

 

「ここ、ここの裏道入って突き当りの場所に修繕してくれる人が居ますよ」

「本当か!ありがとう!」

「よかったぁ、これで武器は何とかなりそうですね!」

「あーひとつ言いますけど」

 

大事なことを伝える。

 

「非常に変人なので、気を付けてくださいね」

 

3人の顔が歪んだ。

地図が埃をかぶるくらい出してなかったのだ。

つまりは、そういう事である。

 

 

 

 

二人とPTを組み一番最初に問題になったのが金だった。

というのも、オーガ討伐の依頼主はミロネだ。

まさかメンバーから報酬をもらうわけにもいかない。

そもそもそんなことしてもPT内の金の合計は変わらない。

つまり今後の生活や装備更新の為に金策をすることになった。

だがここで俺の武器が逝ったのが痛すぎた。

 

「(必死だったから気づかなかったんだよなぁ・・・)」

 

何とか安いナイフを探したがそれでも金が足りなかった。

値切り交渉もしたけど、うまくいかなかったのだ。

まぁきれいな石で値切り交渉は俺もおかしいと思う。

それで成功する相手居ないだろ。

 

「・・・ここか」

「何と言うか…すごく」

「汚いです・・・」

 

受付嬢に教えてもらった場所まで行くと、嫌な予感しかしない汚いドアの家があった。

家の前にはゴミが散乱している。

てかもうただのゴミ屋敷に見える。

 

「入るか・・・」

 

軽くノックした後ドアを開ける。

 

 

瞬間、鼻が破壊された。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

力いっぱい全力でドアを閉める。

脂汗が止まらない、なんだこの兵器は。

 

「くっっっっっっっっっっっっっっさ!!!!!!!」

「何だいこの臭い!?生ゴミの最終進化系のような臭いがするよ!?」

「・・・っ!・・・っっっ!!!」

 

覆面をして鼻を覆っている俺ですら耐えられないのだ。

二人はもっと無理だろう、ミロネに至っては悶絶している。

 

「二人とも、帰らないか?」

「「はい」」

 

その場から立ち去ろうとする。

ここは人が入っていい場所ではない。

多分地獄の一部が顕現している。

 

「あ、あれぇ・・・どなたですかぁ・・・」

 

最悪だ、気づかれたし出てきやがった。

腐海のような部屋から腐海のような人間が出てくる。

 

 

「「「ヴォエ!!!」」」

 

もう無理だ、死ぬ。

多分鼻が取れている。

何で本人は平気そうなんだよ。

 

「あ、はは・・・もしかして修繕しに来てくれたんですかぁ・・・」

 

声が出せないのでジャスチャーで「間違えました」と伝えてみる。

 

「やっぱりそうなんですねぇ・・・どうぞ中へ…」

 

俺にジェスチャーの才能は無かったようだ。

自分の至らぬさに涙が出てくる。

てか触るな!まじで!やめて!

入る!入るから触るのやめて!

 

 

 

「ひ、久しぶりのお客さんだぁ・・・汚いところですいません・・・」

 

ホントにな。

最悪な事に鼻が慣れてきてしまった。

ある程度は耐えれるようになったので腹をくくる。

早いとこ済ませよう。

 

「このナイフだが・・・修繕できるだろうか」

「わわ・・・ぼろぼろですねぇ・・・できますよぉ」

 

鍛冶師には全く見えないが出来るのか。

研ぐだけなら別に服は何でもいいのだろうか。

 

「いくらだ?」

「えーっと本当は500Gなんですけど…初見さんですし、300Gでいいですよぉ」

 

安すぎだろ、同じナイフ買おうとしたら3000Gも要求されたんだぞ。

何がどうなったらこんな激安の殿堂が出来るんだ。

 

「なら頼みたい、300Gだ」

「はぁい・・・じゃあ始めますね【リペア】」

 

彼女がそう言うと机の上に置いていたナイフが光り始める。

【リペア】はその名の通り、破壊された物を修復することが出来る。(30分かかる)

そういやそんなんあったなぁと思っていると─。

 

「【リペア】!?【リペア】が使えるのかい!?」

「す、すごい・・・使える人初めて見ました・・・」

「いやぁ・・・へへへへへ・・・・そんなそんな・・・」

 

どうやらこちらでは【リペア】は激レア魔法のようだ。

アナケンだとまぁあんま取らないよねみたいな魔法に位置している。

武器とか壊れないからな・・・TRPGだと。

そう考えるとこの世界で【リペア】はぶっ壊れ魔法かもしれない。

壊れた剣も盾も鎧も30分で直したい放題なんて鍛冶師廃業待ったなしである。

 

「あ・・・ちょっと時間かかるので・・・好きに寛いでください・・・」

 

やったぜ。

 

「なら少し外に出て─」

「あ、すいません・・・【クリーン】」

 

彼女が魔法を唱えると即座にあの激臭が消え失せた。

 

「お客さん来たら【クリーン】使うんですよぉ・・・まぁあまり臭くないとは思いますけど・・・」

「頼むから毎秒使い続けてくれ」

「毎秒!?」

 

もっとはよやれや!!!

 

 

 

 

 

【リペア】の時間を待っている間に女性、アネロダと会話したがやはり公式NPCでは無かった。

まぁこんな強烈な奴いたら忘れてないと思う。流石に。

公式NPCでもないのに、すごい魔法使いが居るものである。

 

「なんでこんなところに住んでいるんだ?」

「そうですよ、【リペア】使えるならもっといいところに・・・」

「き、綺麗な所だと落ち着かないんです・・・じめじめしてて日当たり悪くて狭いところが落ち着いていいんです・・・」

 

ナメクジかこいつ。

塩かけたら溶けるんじゃなかろうか。

 

「にしたってこのゴミは片づけた方がいいんじゃないかな?」

「え、ゴミじゃないですよ・・・?」

「この袋の中って生ゴミじゃないんですか?」

「魔物の死体ですね、研究に使っています。腐敗した物が必要なのでこうして腐らせているんです」

「なら余計毎秒【クリーン】を使ってくれ、ほんとに」

 

常に使い続けてほしい。

主に街の住民の健康のために。

 

「もうちょっとで終わりますからね・・・」

「そうか、迷惑をかける」

「いえいえ・・・何かあったらいつでも来てくださいねぇ・・・500Gで1回【リペア】しますのでぇ」

 

こんなに安い上、本人の人格も悪いわけでも無い。

なのに人が来ないのは、臭いに負ける人が多いのだろう。

そりゃそうだ、こんなん毎回来てたらみんな鼻が無くなるわ。

 

コンコン

 

不意に入り口からノックが聞こえた。

 

「え?まさか誰か来たのかい?」

「来るんですか!?ここに!?」

「どんな勇者なのだろうか・・・気になるな」

「あの・・・そんな大げさな・・・」

 

腐海と分かって飛び込む者はだれが何と言おうと勇者だろう。

もしくは変態。

 

「・・・アネロダ、また壊れたから直し─」

 

入ってきたのは、あまりにも見覚えがある人間だった。

 

銀髪のロングヘアー。

150cmくらいの低身長。

背中にバカでかい刀を背負い、左手にガントレット。

おまけに赤と青のオッドアイのジト目。

間違いない、こいつは─。

 

「白銀のリティア・・・」

 

なんでこいつが始まりの街ファストウに居るんだ。

こいつが居るのは黄金都市シノナヴィアだろ・・・?

しかもお前そこの騎士団長だろ!?

 

「・・・あなた、なんで私の名前を?」

 

やばい、うっかり口に出してしまった。

それくらい衝撃だったのだ。

こんなところで公式NPCに会うなんて。

どう誤魔化すか・・・。

 

「す、すまない、風の噂で聞いたのでな」

「それはおかしい。私は外では偽名を使っているし、部下にも徹底させている」

「あ、アネロダからたまたま─」

「え?私言ってませんけどぉ・・・」

 

下手売った。

どうする、偽名を使っているのなら隠したいという事だ。

それを俺が知っている、このままでは─。

 

「(消される!?)」

 

まずい、せめて仲間の二人は無関係で通さないと。

偶然この店で会ったという事にして─。

そう思った瞬間。

 

 

ギュッ

 

 

いきなり抱き着かれた。

 

「・・・え?」

「私の名前を知っているという事は前世の恋人のはず。会えて嬉しい」

「ハァ???」

 

ミロネが聞いたことない声を出した。

そんな声出たんだなお前。

じゃなくて。

 

「離れてくれ・・・!」

「なんで逃げるの?」

「逃げるだろ!普通!」

 

いきなりなんなんだこのガキは。

なんだよ前世って、知らんわ!

そもそも前世で恋人なら前の名前知ってないとおかしいだろ。

 

「待て!来るな!近寄るな!」

「ニンジャさんに引っ付かないでください!迷惑です!」

「私は迷惑じゃない」

「こっちが迷惑だって言ってるんですよ!!!」

「・・・あれどういう事か分かるかな」

「団長、最近恋愛小説にハマっててぇ・・・年頃ですかねぇ・・・」

 

 

それただの恋愛脳じゃねぇかよ!

俺を巻き込むな!いや原因は俺だけども!

 

 

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