前世の幼馴染があべこべ世界で幼女として存在してる 作:宇佐見あまの
エイルと共にレガドニアに向かう途中、私は思考を巡らせる。
エイルの妹、メアリー……
恐らく彼女はエイルに対して恋愛的な好きを向けているだろう。
前世では近親相姦は遺伝的にも倫理的にもアウトなので、禁止されていたが、この世界では腹違い程度であれば許可されている。
いや、むしろ貴族同士であれば推奨されているぐらいだ。そのくらい男性が少ないのだ。
エイルからの話を聞くに、エイルとメアリーは腹違いどころか、父親も違うだろう。
見た目こそ似通っているが、エイルは父役から生まれ、メアリーは母役から生まれている。
まだ確信は持てていないが、歳の差が1年でも開けば、同じ精子で生まれたとは考えずらいのだ。
この世界に人工授精技術はある物の、精子の保存技術はない。
それに男性側の情報は基本的に女性に伝えられないのだが、帝国の諜報機関が調べ上げた情報によると、どうも精子提供をした男性が違うらしい。
男性は精子提供をする義務があり、そのお陰で生活に困らない資金や保護を得ているのはこの世界の常識だ。
政府側は男性の情報を保管しているので、少し金を握らせればペラペラ喋る役員もいるそうだ。
……これに関しては、男性への資金提供のせいで公務員の給料が下がっているのもあるだろうが、仕事への誇りはないのだろうか?
まぁいい。
メアリーを攻略するにあたって、大事なのは血は繋がってないというその情報だ。
エイルは前世の倫理観の元、動いてる。
そりゃそうだ、何十年と過ごした世界の倫理観と数年の世界の倫理観では、前者の方が適応されやすいだろう。
ではここで問題だ。
メアリーはエイルが欲しい。
私もエイルが欲しい。
この世界では一夫多妻が成立している。
メアリーと敵対せずにエイルを更に巻き込むには?
正解はそう、メアリーも妻の1人にしてしまえばいい。
エイルの倫理観も鉄の意志も、血が繋がっていない、と伝えてしまえばガタガタと音を立てて崩れるだろう。
本当は、ほんとーは!エイルを独占していっぱい愛してもらいたいのだが、それでは厄介な女になってしまう。
何より私はエイルの幸せが第一だ。
この交渉材料を元にメアリーと両親を揺さぶってみよう……
何、上手くいかなくとも関係を良好にできれば上出来な作戦なのだ。
クククッ……我ながら本妻として甲斐甲斐しいな。
女としての振る舞いがだいぶ身に染みてきている。
感謝するぞ存在Xよ!
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メアリーをエイルの妻の1人として歓迎したいと伝え、エイルの今の抵抗感を無くす方法を伝えたら簡単に仲間になった。
私が言うのもなんだが、ちょろくないか…?
存在X「また信仰心上がってる…」
神々「うおおおおおお!」