「お待たせ、獠。」
「お〜、今日はやけに遅かったな〜。」
「あはは、ちょっと依頼が重なっちゃって。」
「依頼? 俺は何も聞いてねぇぞ?」
「ち、小さい依頼だったのよ、もう解決したから大丈夫!」
獠と香専用のトレーナー室では、今日あったことの会話が繰り広げられていた
ちなみに、ここのトレーナー室で寝泊まりすることはできないので、2人は自宅マンションまで戻らないといけない
「獠、あたし先に帰るけど、また酔っ払いながら帰ってこないでよね?」
「はいよ〜。」
そう告げながら、香は先に帰っていった
1人残った獠はスマホを眺めながら、刻々と時間だけが過ぎていく
(いよいよ時間だな……!)
そして時刻が学園の門限を回った時、遂に獠が動き出した……!
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トレセン学園にある、女性トレーナー専用の寮
東条ハナを含む多くの女性トレーナーが利用しており、廊下の明かりは既に消されていた
そんな中、黒い影が寮へ迫っていた
「……」
体格から察するに、侵入者は男
難なく鍵を解錠し、寮へと忍び込んでいく
その際、何故か他の女性トレーナー室もジロジロと物色していたが、彼の狙いなのか、ハナのトレーナー室の前で周りの様子を窺っていた
そしてトレーナー室の扉をピッキングし突破すると、ハナの眠っているベッドへゆっくり近づいていく
そして毛布をめくろうとしたその時だった……!
「残念だったわね! あたしはハナさんじゃないわ!」
布団から起き上がったのは、ハナではなく銃を構えた香だった
忍び込んできた男は覆面を被っており、一目散に逃げ出していく
「あ! ま、待て!」
「香さん、ここは私に任せて下さい。」
広いトレーナー寮を男は逃げ回るが、デアリングタクトが追いかけていく
現在のトレーナー寮は明かりが付いていないが、タクトは山籠りで鍛えられた眼で、暗闇に逃げた男の姿を探す
「見つけた……! グラス先輩!」
「お任せ下さい!」
男の逃げ道の先に立っていたグラスワンダーは天井から伸びた紐を引っ張ると、壁や床から薙刀が大量に飛び出してきた
ちなみにこのトラップは、グラスと香の共作である
しかし……
「なっ!? トラップが突破された……!?」
男は全てのトラップを潜り抜け、出口へ走って行く
「エル、今です!」
「エルの技を喰らうデース!」
「……!?」
出口近くの天井にはエルコンドルパサーがしがみついており、男が真下を通過したタイミングで得意のプロレス技を仕掛けようとした……
その時だった……!
「甘いっ!」
「ケッ!?」
男は飛び上がると、両手でエルの両腿を掴み、彼女の頭を自分の肩口に乗せて固定し、地面へ着地する技でカウンターしようとした
「喰らえ〜! これぞ、48の殺人技! もっこりバスタa……」
「違う作品の技名出すな〜!!」
「あぎゃゃ〜っ!!?」
技が決まりそうになった瞬間、香の100tハンマーで男は吹っ飛ばされ壁にめり込んだ
「エル、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫デス、しかしエルの攻撃をかわしてカウンターしてくるとは……」
「どうやら、犯人を捕まえたみたいだね。」
そこにハナと一緒に隠れていた、ルドルフ、グルーヴ、ブライアンの生徒会メンバーが現れる
彼女たちは、ハナと共に別の部屋に隠れていたのだ
「さて、トレーナーに危害を加えた奴の素顔でも拝ませてもらおうじゃないか。」
「まぁ、大体正体の察しはついてるんだけどね。」
香は男に近付いて覆面を剥がす
その正体は……!
「さ、冴羽!?」
「オゥ!? どうしてシティーハンターが!?」
「やっぱりね、さぁ獠、説明はしてくれるんでしょうね?」
「は、はいぃ……」
トレセン学園の女性トレーナーの間で広がっていた一連の下着盗難事件の犯人は、獠であった
理事長指名でやって来た獠が犯人だったことが分かり、香を含めた大半が呆れた表情を見せていた
「はぁ、まさか冴羽さんが犯人だったなんて……下着窃盗やストーカー行為をあなたのような人が行ってどうするのよ……」
「ん? ハナちゃん、今なんて?」
「え? だからあなたのような人が……」
「その前! 下着窃盗がどうとかって。」
「下着窃盗やストーカー行為をあなたのような人が行ってどうするのって……」
「……ハナちゃん、下着窃盗をしたことは認めるが、俺は君を付け回すような真似はしてないぜ?」
獠はハナの言葉に、ストーカー行為という身に覚えのないことが含まれていたことに、否定の言葉を挟んだ
「たわけが、それで言い逃れるつもりか?」
「冴羽さん、この前私に背後から抱きついてきたじゃない……」
「獠、あんたそんなことまで……!」
「ま、待ってくれよ! それは本当に俺じゃないぜ!?」
「え? じゃあ一体誰が……」
?「きゃーっ!?」
「今の声は!?」
「……来やがったな。」
ハナが背後から抱きつかれたという話を聞いた獠は、自分ではないと否定した直後、外で女性の悲鳴が聞こえた
一同は、その悲鳴が聞こえた場所へ向かう
「あそこにいるのは……!」
そこに居たのは、タイキとオペラオーだった
「……シティーハンター、たづなさんは悪い盗賊たちに連れて行かれてしまったよ。これで良かったのかい?」
「あぁ、上出来だ。」
「発信機の設置もバッチリデース!」
「ありがとな、さて、後は連中を追うだけだ。」
「獠、タイキちゃんとオペラオーちゃんは……」
「あぁ、たづなちゃんも含めて、俺の協力者だ。」
タイキとオペラオーは事前に獠と打ち合わせており、たづなもあえて連中に捕まるよう指示されていたのだった
ちなみにこの場には居ないが、フジとヒシアマは寮長として生徒に目撃されないよう見張りをしていた
「さて、連中の場所はタイキちゃんの付けてくれた発信機で割れてる。香、追うぞ!」
「えぇ!」
「冴羽さん、あなたって人は……」
「頼んだぞ、シティーハンター。」
「任せとけ、ルドルフちゃんは皆のことを頼む!」
獠と香はミニ・クーパーに乗り込むと、逃げた車の行方を追うのであった
「そういえば獠、タイキちゃんに発信機任せて大丈夫だったの?」
「あぁ、彼女には発信機付きの弾をプレゼントしたんでね、そうしたら見事にやってくれたぜ。」
「す、凄いのね、タイキちゃん……」
タイキは獠から貰った発信機が埋め込まれた銃弾を使って、連中の車のトランク目掛けて発泡していたのだった
「それはそうと、ハナちゃんのトレーナー室に忍び込んだのはいただけないわね〜……!?」
「ご、ゴホン!! ……今はたづなちゃんを助け出すのが最優先だ!」
(全力で話逸らしたわね……)
「さて……後は最後の協力者たちの出番だな。」
「まだ協力者がいたの……?」
はたして、獠の言う最後の協力者とは……!?
本小説の獠は、某超人レスラーと某胸に七つの傷を持つ男に似た技を使えるという独自設定があります
さぁ、最後の協力者は何処ぞのスーパーカーなのでしょうね……?
今後のお話に登場してほしいキャラは?
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ナリタタイシン
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ウイニングチケット
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ビワハヤヒデ
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メジロパーマー
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ダイタクヘリオス
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ライスシャワー
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ミホノブルボン
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ナイスネイチャ
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ツインターボ
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イクノディクタス
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マチカネタンホイザ
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黒沼トレーナー
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南坂トレーナー