ウマ娘 XYZダービー 〜新宿の種ウマ伝説〜   作:ローマン

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囮は皇帝

 

 

 

「シティーハンター!!」

 

「あら、テイオーちゃん?」

 

 

 

 シンボリルドルフがトレセン学園から姿を消したことが生徒たちに告げられた直後、学園内の獠たちの一室にトウカイテイオーが息を切らしてやって来た

 

 

 

「どういうことなの!? カイチョーが居なくなったって!?」

 

「テイオーちゃんか、そのままの意味さ。」

 

「テイオーさ〜ん! 待ってくださ〜い……!」

 

 

 

 テイオーに続き、スペとスズカもやってくる

 

 2人が来た理由も、テイオーと同じのようだ

 

 

 

「あら、スペちゃんとスズカちゃんも。」

 

「冴羽さん、生徒会長が行方不明ってどういうことですか?」

 

「と、というか冴羽さん。どうしたんですかその怪我!?」

 

 

 

 全身に包帯を巻いている獠の姿を見たスペは、驚きの表情を浮かべている

 

 あれほどの実力者である獠が、ここまで負傷していることに想像つかなかったからだ

 

 

 

「ルドルフちゃんは自分から姿を消したんだ、それとこの怪我は……ルドルフちゃんと少し戦闘をな。」

 

「どういうこと!? ワケワカンナイヨ!!」

 

「……獠、テイオーちゃんたちには、本当のことを話してあげたら?」

 

「……仕方ない、3人には本当のことを話しておくか。」

 

「えぇっ!? 怪我は大丈夫なんですか!?」

 

「これはただ巻いてるだけだから、そもそもルドルフちゃんと戦闘なんかしてない。」

 

「あ、そうだったんですね……」

 

 

 

 観念した獠は包帯を外し、テイオーたちにルドルフが姿を消した本当の理由を話し始める

 

 ルドルフほどのウマ娘がまさかそんな行動を取るとは思わないだろうという心理を利用して接触することを自ら志願してきたことや、敵も味方も欺いて行方不明になったことにする作戦など、全てを話した

 

 

 

「冴羽さん、会長さんは現在何処に?」

 

「喫茶キャッツアイで海坊主たちが匿ってる、だから安心してくれ。」

 

「だったら今すぐに……!」

 

「待って、テイオーちゃん!」

 

「どうしてさ〜カオリさん! ボクだって早くカイチョーに会いたいのに〜!!」

 

「テイオーちゃん、気持ちは分かるけど、今むやみにルドルフちゃんと接触してそのことが敵に気付かれたら厄介なのよ。」

 

「う〜ん……」

 

「テイオーさん……」

 

 

 

 テイオーは誰よりもルドルフを尊敬してやまないウマ娘のため、力になれないことが悔しかった

 

 その様子を見た獠は、こう言葉をかける

 

 

 

「……分かった、なら3人に協力してほしいことがある。」

 

「ほ、ホント!? 何でも言ってよ!!」

 

「それはな……」

 

 

 

 最終的に、3人にも協力を仰ぐことにした獠

 

 その作戦とは……

 

 

 

 

 

___________________

 

 

 

 

 

 〜喫茶キャッツアイ〜

 

 

 

 

 

 

「美樹、準備はいいか?」

 

「えぇ、バッチリよ。」

 

 

 

 ここは喫茶キャッツアイ

 

 店員の海坊主と美樹は、店内の地下室へ向かっていた

 

 その場所に居たのは……

 

 

 

「ルドルフちゃん、こんなところでも生徒会の業務?」

 

「あぁ、表向きは生徒会長が行方不明だとしても、やれるべきことはやっておきたくてね。」

 

 

 

 ルドルフは、現在学園から姿を消していることになっているため、表立っての行動ができないでいた

 

 その間は、溜まってしまっていた生徒会の書類や業務などの時間に充てていた

 

 

 

「ところで、私を呼びに来たということは……いよいよなんだね?」

 

「あぁ、早速出発だ。」

 

「そうだルドルフちゃん、あなたにはこれを。」

 

 

 

 美樹がルドルフに手渡したのは、小型の盗聴兼発信機

 

 これがあれば万が一の時、いつでも駆けつけられるというわけだ

 

 

 

「ファルコンがついているとはいえ、油断ならないから。」

 

「フン、余計なお世話だ。」

 

「フフッ、では行こうか。」

 

 

 

 こうしてルドルフと海坊主が向かった先は、人身売買組織のアジト

 

 海坊主は雇われの身であるため、入り口で部下の検査が入る

 

 

 

「ファルコンだ、言われた通りウマ娘を攫ってきた。」

 

「……よし、通れ。」

 

 

 

 こうして入り口の検問を潜り抜け、ボスの部屋へ通される

 

 

 

「ファルコン、どうやら連れてきてくれたようだな。」

 

「あぁ、こいつで間違いないんだろう?」

 

「しかし驚いたな〜、まさかあのシンボリルドルフが来てくれるなんて……」

 

「フフッ、私にだって投げ出したいことの1つや2つはあるさ。」

 

 

 

 ルドルフはボロが出ないよう、事前にどう組織の連中と接するかシミュレーションをしていた

 

 今のところは、怪しまれずに対応できている

 

 

 

「そういえば、トレセン学園に凄腕のボディーガードが雇われたと聞いたが、知らないか?」

 

「さぁな、名前も聞かないぐらいだ、大したことないんだろう。」

 

「それより、早く本題に入らないか?」

 

「そうだな、ではシンボリルドルフ、まずは……」

 

 

 

 その時、外で男性の呻き声が聞こえる

 

 何者かに襲われた声だった

 

 

 

「な、何事だ!?」

 

「喚くな、様子を見てくるからここで大人しくしてろ。」

 

 

 

 海坊主は一室にルドルフとボスと手下1人を残し、1階の入り口に向かっていった

 

 その直後、今度は海坊主の悲鳴が響き渡る

 

 

 

「ぐわあぁぁぁ!!」

 

「ま、まさかファルコンの奴……!」

 

「そんな……! 彼がそう簡単にやられるわけありません! 私が確認して……!」

 

「ぐ〜っ……!」

 

「ファ、ファルコン!?」

 

 

 

 海坊主はボロボロのままボスたちの前に姿を現し、そのまま倒れる

 

 その後ろには、サングラスをかけた4人組が立っていた

 

 

 

「そ、そんな、ファルコンがやられるなんて……!」

 

?「ほう、どうやら俺たちのことを知らないみたいだな。

 

「貴様ら、何者だ!?」

 

?「俺の名はモッコリハンター、史上最強の種ウマだ。」

 

「……なぁ、そんな奴知ってるか?」

 

「いえ、初めて聞く名前ですね……」

 

 

 

 お察しの通りモッコリハンターの正体は、ウマ耳と尻尾を付け変装した獠なのだが、当然2人には全くピンときていなかった

 

 

 

「浜辺のテイオー! どうやらこいつらは痛い目に遭わないと分からないみたいだなぁ!」

 

「そのようだねぇ! ここは北国の大飯食らい、スペちゃん!」

 

「おぅらぁ! なまら強い総長、スズカさんを知らないとはどういうことですかぁ〜!?」

 

「……やっぱりここは、総長である私がケリをつけないと駄目みたいね……!」

 

「「ひいっ!?」」

 

(スズカさん、ヤンキー役が恐ろしくハマってる……!?)

 

 

 

 ジリジリと近づいてくるスズカの姿はまるで化身のようで、変装とはいえ、役に溶け込み過ぎているスズカに、敵味方関係なく彼女に慄いてしまった

 

 

 

「私が、あなたたちをぶっちぎります……!」

 

「「す、すみませんでした〜!!」」

 

「さぁカイチョー! ここはスズカに任せて早く行こ〜!」

 

「あ、あぁ。」

 

「俺たちの狙いはシンボリルドルフ、大人しく引き渡してくれれば命までは取らん。」

 

「わ、分かった! だからどうか命だけは〜!!」

 

「話が早くて助かるぜ、それじゃあな!!」

 

 

 

 そう言って、獠たちは去っていった

 

 

 

「な、何だったんだ、あいつら……」

 

「……さて、これで俺もお役御免だな。」

 

「ファ、ファルコン!?」

 

「貴様、どうして……!?」

 

 

 

 そして倒れていたはずの海坊主がスッと立ち上がり去っていく

 

 次から次へと起こる不可解な現象に、2人は唖然とすることしかできないのであった

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

 

「カイチョー救出作戦、大成功〜!!」

 

「皆のおかげで上手くいったぜ、ありがとう!」

 

 

 

 ルドルフを救出し、車に乗り込んだ獠たちは変装を解いていた

 

 

 

「シティーハンター、これで彼らを捕まえることに貢献できたかな?」

 

「勿論だとも、後は冴子に任せよう。」

 

「それにしてもスズカさんって、もしかして元ヤンキーだったりします……?」

 

「あ、あれは演技で……忘れてちょうだい……////」

 

「ははっ! さてシティーハンター、行き先を指定しても構わないかな?」

 

「あぁ、何処へでも連れていくぜ、お姫様。」

 

 

 

 獠はルドルフの行きたい場所を察すると、車を走らせるのだった

 

 

 

 

 

 







 作者としては、シティーハンターに出てくる小物の敵をイメージして描いてみましたが、いかがだったでしょうか?

 一応スペとスズカはうまゆるの某回がモチーフです

 全体的にストーリーが掛かり気味になってしまいましたが……次回でリギル編はラストになります

 では、次回もお楽しみに!





今後のお話に登場してほしいキャラは?

  • ナリタタイシン
  • ウイニングチケット
  • ビワハヤヒデ
  • メジロパーマー
  • ダイタクヘリオス
  • ライスシャワー
  • ミホノブルボン
  • ナイスネイチャ
  • ツインターボ
  • イクノディクタス
  • マチカネタンホイザ
  • 黒沼トレーナー
  • 南坂トレーナー
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