※チーム・スピカの冴羽獠への呼称
冴羽さん→スペ、スズカ、マックイーン、キタサン
冴羽→ウオッカ、ダスカ、トレーナー
シティーハンター→テイオー
リョー→ゴルシ
「はぁ〜、確かにスズカちゃんの身が危険だとは言え、他にすることがないのはなぁ〜。」
「なぁに、退屈そうな声出してんだ?」
サイレンススズカの護衛とはいえ、学園内で犯行が起こるとは考えにくいと判断していた獠は暇を持て余していた
そこに声をかけてきたのは、スピカメンバーでも学年が不明の謎多きウマ娘、ゴールドシップだった
「ゴルシちゃんか、君は練習しなくていいのか?」
「アタシはこれからスペに話があるからな、リョーも来るか?」
「……ゴルシちゃん、やっぱりスペちゃんの異変に気が付いていたのか?」
「だってよ〜、普段との様子が違い過ぎるんだぜ? ありゃ鈍感なマックイーンでも気付くぜ。」
「誰が鈍感ですって〜……?」
「げっ!? マックイーン!?」
ゴールドシップがそう話していた背後で、メジロマックイーンが仁王立ちしていた
鈍感と言われたことに、かなりご立腹のようだ
「あなたには、香さんから頂いたこのハンマーの餌食になっていただきますわ〜!!」
「ちょっ!? マックイーン、そんな物振り回すなよ〜!?」
「やれやれ、香の奴、いつの間にマックイーンちゃんにあんな物持たせてたんだか。」
?「あ、あの〜……」
マックイーンがハンマーを振り回しながらゴルシを追いかけていった後、1人のウマ娘が声をかけてきた
彼女の名はキタサンブラック
チーム・スピカの最若手であり、丈夫な身体が特徴のウマ娘だ
「キタちゃんか、どうした?」
「さっきのゴールドシップ先輩の話、少し聞いちゃったんですけど……スペシャルウィーク先輩に何かあったんですか?」
「大したことじゃない、君は自分のレースに集中……」
「私、誰かが困っているのを放っておけないんです! だから教えてください!!」
「……分かった、それならスペちゃんも一緒の方がいいな。」
自分の先輩が思い悩む姿に我慢できなくなったキタサンブラックは、原因を知っているであろう獠に、真実を教えてほしいと頼み込んできた
それを了承した獠はスペシャルウィークを呼び出し、話を聞くことにした
「じゃあ確認していくが、スペちゃんは俺たちの会話を偶然聞いてしまったってことで合っているね?」
「はい、あの時飲み物を取りに戻ったら、スズカさんのことが聞こえてしまって……」
「サイレンススズカ先輩に何かあったんですか!?」
「キタちゃんには俺から説明しよう、単刀直入に言うとスズカちゃんは命を狙われている。」
「命を狙われてる!?」
「あぁ、陰湿にもファンレターという形でな。」
応援の言葉が多く届くファンレターの中に脅迫状があったら……とショックを受けるキタサンブラックだったが、そんなことをする相手が許せるわけがなく……
「そんなの……黙って見てていいんですか!?」
「勿論指を咥えて見てるわけじゃない、きっちりと黒幕を誘い出す作戦は練ってるさ、それに……敵は1つ大きなヘマをした。」
「え……?」
「プロである、俺を敵に回しちまったってことだ。」
獠は、裏社会で名の知らぬ者はいないとされるシティーハンターの異名を持つ男だ
彼を敵に回して、多くの悪党が引き揚げていったのもまた事実
おまけに、将来の活躍が期待されるウマ娘たちがそんな目に遭っていようものなら尚更だ
「話は聞かせてもらったぜ。」
そこに現れたのは、ゴールドシップを筆頭にしたチーム・スピカの面々だった
「皆さん……!」
「マックイーンに追っかけられててスペに話を聞くのを忘れてたが、リョーが先手を打ったみたいだな。」
「私のことを鈍感だと言うからでしょう……」
「らしくないよスペちゃん! ボクたちはチーム・スピカ、困った時はお互い様でしょ?」
「テイオーさん……!」
「スズカ先輩に手を上げようとしてる輩は、何処のどいつよ!?」
「オレたちがとっちめてやる!!」
「まぁ待つんだ、アンチレターならまだしも、中には本気でスズカちゃんの命を狙ってる奴もいる、むやみに手を出すと痛い目に遭うぞ。」
獠はプロとして、自分たちで犯人に制裁を加えようとするのを止めるよう話す
「冴羽さん、私の為にすみません……スペちゃんも。」
「気にすることはない、それが俺たちの仕事だからな。」
「スズカさん! 私たち、スズカさんのこと応援してます! だから……レース頑張って下さい!!」
サイレンススズカは仲間たちの声援を受け、思わず目元を潤ませる
だが、この騒動の代償は大きく……
「……ありがとう、でもね、今回はそのレース、棄権することにしたの。」
「棄権ですか……?」
「皆には迷惑かけられないもの、大丈夫、また次があるから。」
サイレンススズカは次のレースもあるからと安全面を考え、今回のレースを棄権しようと考えていた
その言葉に何人かは残念そうな顔をするが、スズカ本人が決めたことの為、誰も何も言い返せなかった
そして、その様子を遠くから見守っていたのは……
「スズカちゃん、レースを棄権しちゃうんですか……?」
「……今回ばかりはしょうがない、トレーナーは担当ウマ娘の命も預かる仕事だからな。」
そう話す、香とトレーナーなのであった
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「今日はありがとな、スペを励ましてくれて。」
「あれはスペちゃんの力だ、彼女は強い。」
「皆、スピカが大好きなんですね。」
練習を終えた夜
トレーナーは、獠と香を行きつけのBARに呼び出していた
「この流れでする話じゃないかもしれないが、さっきスピカのトレーナー室にこんなものが届けられていた。」
トレーナーが取り出した手紙には、[サイレンススズカを次のレースに出すな、でなければ命は無い。]と書かれていた
「酷い……!」
「この筆跡に見覚えは?」
「初めて見るな……いや、まさか……!」
「どうやら心当たりがありそうだな。」
「あぁ、でもあいつは……」
「トレーナー、たとえ誰が犯人だったとしても、それは揺らぎようのない事実だ。」
手紙の差出人の筆跡に、トレーナーは思い当たる節があるようだった
だが彼は、どうもその人物が犯人であるとは信じられない様子だ
「トレーナーさん、その犯人かもしれない人のこと、教えてくれませんか?」
「あぁ、奴は野崎って名前のトレーナーだ、スズカとの接点は俺が彼女を勧誘した時のことだ。」
トレーナー曰く、野崎は昔サイレンススズカをスカウトしたが上手くいかず、他のウマ娘を勧誘するも、彼のチームはこのところ連戦連敗が続いているそうだ
「この筆跡は野崎で間違いない、だがあいつに限ってこんなバカな真似するか!? 俺には信じらんねぇよ……」
「トレーナーさん……」
同期である野崎が、このような悪質な行いをしていることにトレーナーはかなりショックだったようだ
「香、その野崎ってトレーナーのこと、詳しく調べてみよう。」
「そうね、どんな理由があろうとスズカちゃんを傷つけたことに変わりはないわ、ちゃんと罪は償って貰わなきゃ。」
「あぁそれと、1個いいか?」
席を立とうとした獠たちをトレーナーは呼び止める
まだ話があるようだ
「どうしたんです?」
「俺から誘っておいてアレなんだが……すまん! カクテル払う金貸してくれ!!」
「なるほど……俺はこれから美女とのもっこりに行かなくちゃならない、だから香、トレーナーの分はお前が払っておいてくれ!」
「何でよ!? ていうかトレーナーさんも! お金持ってないならわざわざこんなところに呼ぶんじゃないわよ〜!!」
結局、トレーナーの分は香が払いましたとさ
スペとスズカをメインで描いてるつもりですが、いつの間にかトレーナーさんも良い味出してますね
大人組との掛け合いは、個人的に描きやすいです
それでは、次回もお楽しみに!!
今後のお話に登場してほしいキャラは?
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ナリタタイシン
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ウイニングチケット
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ビワハヤヒデ
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メジロパーマー
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ダイタクヘリオス
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ライスシャワー
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ミホノブルボン
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ナイスネイチャ
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ツインターボ
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イクノディクタス
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マチカネタンホイザ
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黒沼トレーナー
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南坂トレーナー