アヤネ「ゲヘナの風紀委員長……空崎ヒナ。」
アヤネ「外見情報も一致します、間違いなく本人のようです。」
アヤネ「ですが、ゲヘナ風紀委員長ということは……ゲヘナにおいてトップの戦闘力……この状況ででそんな人物まで……。」
今の戦力で戦うとして勝てるか?
ただでさえ俺も雪も「殺し」っていう選択に生まれる「容赦の無さ」、「無慈悲」っていう武器を封じられてる……。
殺さずに手加減し、この場所で勝てるか?
ヒナ「……。」
アコ「そ、その……これは、素行の悪い生徒達を捕まえようと……。」
ヒナ「便利屋68のこと?どこにいるの?今はシャーレとアビドスと、対峙してるように見えるけど。」
アコ「え、便利屋ならそこに……。」
アコが見た時には便利屋68はもうそこにはいなかった、ヒナ?が来てからあまり時間たってないのに……。
アコ「い、いつの間に逃げたのですか!?さ、さっきまでそこにいたはず……!」
ヒナ「……。」
アコ「え、えっと……委員長、全て説明いたします。」
ヒナ「……。」
ヒナ「いや、もういい。だいたい把握した。」
ヒナ「察するに、ゲヘナにとっての不安要素の確認及び排除。そういう政治的な活動の一環ってことね。」
アコ「……。」
ヒナ「でもアコ、私たちは風紀委員会であって、生徒会じゃない。」
ヒナ「シャーレ、ティーパーティー、それに連邦生徒会長。そういうのは「万魔殿
ヒナ「詳しい話は帰ってから。通信を切って校舎で謹慎していなさい、アコ。」
アコ「……はい。」
向こうでの会話が終わったのかヒナはこちらに来る少し聞こえた会話から戦闘の意思は無いと思いたいねぇ。
でも「うちの委員達をよくもー!」的なことを言われかねないんのがなぁ。
ヒナ「……。」
アヤネ「……。」
シロコ「……。」
ノノミ「……。」
雪「……。」
夜羽「……。」
沈黙が続く。その沈黙を破ったのは……。
シロコ「じゃあ、改めてやろうか。」
アヤネ「ま、待ってください!ゲヘナの風紀委員長といったら、キヴォトスでも匹敵する人物を見つけるのが難しいほどの、強者の中の強者ですよ!」
と、戦う気満点のシロコとそれを止めるアヤネだ。
アヤネ「ここは下手に動かず、一旦交渉するのが吉です!どうしてそんなに戦うのが好きなんですかっ!」
雪「そうだよシロコちゃん。戦闘はあくまで「相手が殺る気」の場合、だよ?」
と雪も止めてるが……お前のはシロコよりじゃね?
シロコ「……ご、ごめん。」
アヤネ「こちらアビドスの対策委員会です。ゲヘナの風紀委員長ですね、初めまして。」
アヤネ「この状況について理解されてますでしょうか?」
交渉での解決が一番、戦闘となれば「勝て」はするだろう。
だがそこに彼女の生死がわからないのがマズイ。
この世界の人は固い、この固いの仕組みは俺の元いた場所との違いがある。
俺等の身体強化は魔力を纏って行う。
魔力による盾を作るのが俺等だ。
自身の周りなんかに薄い魔力の盾を作り量が足らなきゃ壊れる。
それに対してキヴォトスでは体内で魔力強化されてるような状態だ。
これは自身の皮と魔力が防弾チョッキの役割をになってる、だからパっと見魔力強化が無くてもここまで固いのだ。
俺はあれくらいの魔力強化は何度も見てきた。
だが俺の隊での役割は排除だ。
用は殺し。
生かすと殺すじゃ使える手札に差がでる、例えば俺の「ある日の惨状」の技「言葉の短剣
ただ、それで負けたら話にならない。
彼女相手に手加減は俺にはまだその技術が無い。
交渉で解決してくれ……!
ヒナ「……。」
ヒナ「もちろん。」
ヒナ「事前通達無しでの他校自治区における無断兵力運用、及び他校生徒たちとの衝突。」
ヒナ「……けれど、そちらが風紀委員会の公務を妨害したのも事実。違う?」
アヤネ「……っ!?」
シロコ「それはそうかも。」
ヒナとアヤネの話にシロコが入る。
セリカ「それで?」
ノノミ「私たちの意見は変わりませんよ?」
セリカにノノミも加わる。……あれ、止めるべきか?
アヤネ「ちょっと待ってください……!便利屋の人たちもいない、あっちの兵力は変わってない、私たちにはもう先生しか……どういうわけか味方をとめるのも変だし……!」
アヤネ「あうぅ、こういう時にホシノ先輩がいたら……!」
ヒナ「……ホシノ?」
アヤネ「……?」
ヒナがホシノの名前に反応する。
2人は知り合いなのか?いやでもそれならホシノが便利屋が出た時点で連絡するはずだからな……。
アヤネも知らなさそうだし……。
ヒナ「アビドスのホシノって……もしかして、小鳥遊ホシノ……?」
アヤネ「はい?」
???「うへ〜、こいつはまたなにがあったんだか。すごいことになってるじゃ〜ん。」
その時聞き慣れた声がする。
シロコ「!!」
セリカ「えっ!?」
雪「わ〜お主役のご登場!と、いったとこ?」
皆も驚いているようだ。
いや、実際俺も驚いている。
まさかこんなピンポイントに「ご本人様」のご登場とは……
アヤネ「ホ、ホシノ先輩!?」
ホシノ「ごめんごめん。ちょっと昼寝しててね〜、少し遅れちゃった。」
ヒナ「……。」
セリカ「昼寝ぇ!?こっちは色々大変だったのに!ゲヘナの奴らが……!」
シロコ「でも、もう全員撃退した。」
ノノミ「まだ全員ではないですが……戦った方は全員。」
各々がホシノに声をかけてゆく。
そしてホシノはヒナの前に行き話始める。
俺等の出番は無さそうで助かった〜。
ホシノ「ゲヘナの風紀委員会かぁ……便利屋を追ってここまで来たの?」
ヒナ「……。」
ホシノ「うーん、事情はよくわからないけど、対策委員会はこれで勢ぞろいだよ。ということで、あらためてやり合ってみる?風紀委員長ちゃん?」
ホシノもやる気が高い……ここには殺伐とした奴しかいないのか……。
ヒナ「……。」
ヒナ「……1年生の時とは随分変わった、人違いじゃないかと思うくらいに。」
ホシノ「……ん?私のこと知ってるの?」
ヒナ「情報部にいた頃、各自地区の要注意生徒たちをある程度把握してたから。」
ヒナ「特に小鳥遊ホシノ……あなたのことを忘れるはずがない。あの事件の後、アビドスを去ったと思ってたけど。」
2人は知り合いというよりヒナ側だけが知ってる感じか?
となるとホシノって有名人?
まだここに来て日が少ないからな……わからんことだらけだな……。
ヒナ「……そうか、そういうことか……だからシャーレが……。」
ヒナ「……。」
ヒナ「まぁいい、私も戦うためにここに来たわけじゃないから。」
ヒナ「チナツ、……イオリ。」
チナツ「……はい。」
イオリ「……。」
夜羽「悪い、イオリさん達にはちょっとやんちゃしちゃってな……悪いがそっちで色々見てくれねぇか?無理そうならシャーレに連絡してくれ、心を直す奴に来てもらうから。」
ヒナ「……えぇ、わかったわ。」
これはゲヘナ行くときは菓子折りもってかねぇとな……。
今後は「安楽縄」は使いたくないもんだ。
ヒナ「撤収準備。帰るよ。」
アヤネ「帰るんですか!?」
そう驚いていると、
(スッ)
ヒナは頭を下げる。
ホシノ「えっ?」
ノノミ「頭を下げました……!?」
ヒナ「事前通達無しでの無断兵力運用、そして他校の自治区で騒ぎを起こしたこと。」
ヒナ「このことについては私、空崎ヒナより、ゲヘナの風紀委員会の委員長として、アビドスの対策委員会に対して公式に謝罪する。」
シロコ「!」
セリカ「!?」
ノノミ「!!」
これには残りの3人も驚いている。
ヒナのような立場の者が自身達に頭を下げることなのか、多少とはいえど言い合いがあった人に対して頭を下げることなのかは分からない。
ヒナは悪いことを立場関係無く謝れる人と分かったのは個人的には大きいゲヘナに少なくとも頼っても問題ない人がいるのがわかったのは今後の動きに関わるいいことだ。
ヒナ「今後、ゲヘナの風紀委員会がここに無断で侵入することは無いと約束する。どうか許してほしい。」
チナツ「委員長……。」
ヒナ「ほら、帰るよ。」
ヒナ「……。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(ヒュウウウウウウウウウ)
アヤネ「風紀委員会の全兵力……すごい速さでアビドスの郊外へと消えていきました。」
アヤネ「あれほど大規模な兵力を、一糸乱れずに……風紀委員長、すごい方ですね。」
シロコ「もったいない、強い人と戦うチャンスだったのに。」
セリカ「シロコ先輩、どこかの戦闘民族みたいだね……まぁ私だって、もちろん喧嘩を売られたら逃げるようなことはしないけど。」
雪「2人とも〜?戦術的撤退は大事なときもあるんだよ〜?」
ホシノ「うへ〜、結局おじさんは状況が全然分かってないんだけど、何があったの?」
全く終わったと思ったら……戦後処理やらなんやらまだあるってのに……。
夜羽「まぁ、今はいいか……。」
ノノミ「説明したいところなのですが、私たちもまだ分かっていないことが多く……風紀委員長は、なぜここまで来たのでしょうか?」
アヤネ「そうです、分からないのは私たちも同じなんですよ!そもそもホシノ先輩はこんなタイミングまでいったいどこで……!」
アヤネがホシノを詰める。
一難去ったのもあっていつもの日常がほんの少し戻ってきた感覚だ。
アヤネ「はぁ……なんだか、さらに大ごとになってきている気がします。」
アヤネ「慌ただしいことばっかりで……分かっていないことだらけです。」
それもそうだ、借金の返済については今回全然解決に繋がらなかった。
セリカ「アヤネちゃん……。」
ノノミ「そうですね、今日は色んなことがありましたし……無理せず、私たちも休憩したほうが良いかもしれません。」
アヤネ「はい。では今日は一旦解散して、また明日学校で状況の整理をしましょう。」
ホシノ「……うん、そうだね〜、アヤネちゃんの言う通りだよ。今日はもう解散、明日また教室で。」
ノノミ「そうしましょうか。」
セリカ「早くシャワーが浴びたい……。」
雪「甘いの食べたい……。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シロコ「……先生。」
シロコが話しかけに来る。
夜羽「どうした?」
シロコ「風紀委員長が最後、先生に何か話しかけてたけど……。」
シロコ「何の話?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜少し前〜
ヒナ「……シャーレの先生」
夜羽「……ん?あぁ、俺のことか。すまんな、まだ呼ばれ慣れないんだ。」
ヒナから呼ばれた。
まだ慣れないこともあって少し反応に遅れてしまった。
この呼び名にも慣れないとだな……。
ヒナ「そう。あなたに伝えておきたいことがある。」
ヒナ「これは直接言っておいたほうが良いと思って。」
どうやらかなりの重要な話のようだ。
ヒナ「ーーカイザーコーポレーションのこと、知ってる?」
はぁ、まさかこんなピンポイントな話題が来るとはな……。
夜羽「ちょうど今関わってたりしてるな……。」
ヒナ「……そう。」
ヒナ「……。」
ヒナは少し考えてまた口を開く。
ヒナ「これはまだ「万魔殿
ヒナ「……あなたには知らせておいたほうがいいかも知れない。」
ヒナ「……。」
ヒナ「アビドスの捨てられた砂漠……あそこで、カイザーコーポレーションが何かを企んでる。」
それは……願ったり叶ったりだ!
どっちにしろこのままだとかなりの時間がかかっていた……この情報はとても大きい!!
口角が上がる。
まるでおもちゃを与えられた子供のように。
夜羽「アビドスの砂漠……ね。」
ヒナ「そう。本当なら、廃校予定のアビドスに教える義理はないのだけど。」
ヒナ「一応、ね。」
ヒナ「じゃあまた、夜羽先生。雪先生?にも。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
このことは皆の前でのほうがいいよな……。
シロコ「……。」
夜羽「後で皆の前で……な。」
シロコ「うん、わかった。」
納得してきたようだ。
ありがいね〜。
シロコ「じゃあ、帰ろう。」
ルビに初チャレンジだどん。
次回もお楽しみに!
夜羽、雪の外の世界での事件解決の小説があったら見る?(時間軸はキヴォトスから一時的に外に戻り事件に挑む)
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