指名手配の妹   作:とっさん

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第1話

 

 

 

 

 

 

 

「今からあんたをここから逃がす。....わかった?」

 

 

 

 

「こんな場所じゃなくて、もっといい環境があんたを待ってるから.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「.......いたぞ!!あっちだ!!.......」

 

 

 

 

 

 

 

「......いいから走って!!早く!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

どんよりした空模様、ジメジメした空気

今日も私はフードを深く被って俯きながら路地裏を移動をしている。

 

みんなと違うと排除されてしまうから。嫌気を帯びた目で煙たがられるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうやって歩いていると2.3人くらいが私の前に来た

 

 

 

 

 

 

 

「お、....ねえねえお嬢ちゃん、ちょっとあたし達お金無くてさ〜。」

 

 

「ちょ先輩wこんなボロボロのやつ持ってるわけないじゃないすかwww」

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな品のない会話を聞いている中でも動悸は激しくなってるし、視界の端が黒くなっている。

 

 

「あの.....ごめんなさい.. ..ないです」

 

 

「え?声ちっちゃーい!w」

 

 

 

笑われてしまう。このまま立ち去ってくれれば.....

 

 

その瞬間、首根っこを掴まれてしまった。

 

「ッムグッ」

 

 

 

「ダメでしょーーw じゃお金無いんなら、あたし達のストレス発散に付き合ってよwww」

 

 

まずい、逃げないとと思ったけど、もう後ろに回り込まれて両腕を掴まれた。

 

 

「安心して!銃持ってないみたいだし、鉛玉は使わないであげるからwww」

 

「先輩やっさしーー!ww」

 

 

 

 

 

1発、お腹に拳が入った。

肺に空気が急に入って変な音が聞こえたのが分かる。

 

咳に湿り気を帯びて喉に引っかかり、むせてしまった。

「.....ゲホッゲホッ......」

 

 

 

 

「そんな顔すんなって!こっちが悪者見たいだろ?w」

 

 

 

 

 

「はい!じゃああたし脛蹴りたい!みんな悶絶して声出さないから面白いのww」

 

 

 

 

 

「じゃああたしは.........」

 

 

 

 

「おけおけw好きにやれ。 じゃあつぎはど・こ・に・しようかな〜w」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主に腹部や足あたりの痛みで目を覚ます。

どうやら気絶をしていたらしい。

 

「お、起きたか?そんな数分でで意識飛ぶなって」

 

 

どうやら終わったらしい、よかった.....

 

 

「お嬢ちゃんもね、こんな場所いちゃダメだよ?あたし達みたいなやつに絡まれるからねww」

 

 

自分がやってきたのに何を言っているんだろう、とは思った、けどもっと殴られそうだから言わなかった。

 

 

 

「じゃあ「何してんのあんたたち!!」あ?」

 

 

 

近くで誰かの声が聞こえるが、涙で遠くは全く見えない

 

 

 

「んー?あw正義気取りの猫ちゃんですかw」

 

 

 

 

 

 

 

「!!やばいっすよ先輩!あれあのキャスパリーグですって!!!」

 

 

 

「げ「まじか早く逃げるぞ!!!」あちょっと待てって!!」

 

 

 

 

私の周りにいた人の気配がなくなり、おくから1人がまた近づいてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........ねぇ、大丈夫?.....じゃなさそうかな...」

 

 

 

腕を伸ばしてくる。また殴られる??と思った私は咄嗟に前に腕を出して衝撃を構えようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

........?

いつまで経っても痛みが来ない?

 

 

 

「......あーー。そういうかんじか........」

 

 

 

前にいる人から悲しさの気配を感じる。もしかして、さっきの人の仲間じゃ...ない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇気を持って、少し話しかけてみよう。と思い、声を出す

 

 

「.......あの...さkケホッッゴホッ」

気管に少し血がまだあったらしく、またむせてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....ゆっくりでいいから。はなしてみて?もうあいつらはいなくなったから」

 

 

 

さっきの人たちとは違う、優しさが籠った声で話しかけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

再度ゆっくり呼吸をしたあと、つっかえないようにゆっくり喋りだした。

 

「.....あの...ありがとう..ございます...助けていただいて」

 

 

 

ようやく鮮明に見えてきた視界には、耳が生えた女の子がこっちを見ていた。

 

 

 

「どういたしまして。....まあ、間に合わなかったんだけどね、ごめん」

 

 

 

 

「いえ、あの空間から抜け出せただけでもありがたいんです。」

 

 

 

 

 

 

 

「....そう。.....あんた、学校はどこ?所属」

 

 

 

 

 

 

 

学校。学園。

 

唯一所属していた場所はあったけど、全てを置いて逃げだしてしまった私に居場所はない。だから、

 

 

 

 

「......ない....です。」

 

「...そう。....家は、待ってる家族とか...」

 

 

 

 

「いないです。ずっと、この辺の路地裏とか廃墟にいました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手の顔を見ると、少し歪んだ表情をしたあと、何かを考え込み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し経ったあと、意を決した顔で私に話しかけてきた。

 

 

 

「...じゃあ、さ。うちにこない?少なくともここら辺よりはいい場所だよ?」

 

 

 

どうして。見ず知らずのになんでそこまで出来るんですか」

 

 

 

 

「どうしてって言われても、、、、、.....まあ、ほっとけなかったんだよ、あんたのこと。」

 

 

 

考えていたことがそのまま声に出ていたらしい。

 

 

 

「あとここで見逃してまたこんな状況になってても嫌だし。ね、来ない?」

 

 

 

 

.....私がこんな優しさに甘えててもいいのだろうか?私が見捨てた仲間たちはもっと苦しい思いをしてるはずなのに。私がこんな待遇を受けていいはずがないのに。

 

 

 

 

「お願い...します」

 

「うん、それじゃいこっか。」

 

 

 

受け入れてしまった。どうせ私は人の優しさに漬け込むクズなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの.....名前をお聞き...」

 

 

「あーそういえばそうだったね、杏山カズサ、カズサでいいよ」

 

 

 

「それで、そっちは?」

 

 

名前はある。苗字が私にはない。でも、私を姉妹だと言ってくれた、あの人の苗字。名乗っても、いいよね。

 

 

 

 

 

「...レイです。....戒野レイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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