指名手配の妹 作:とっさん
うつらうつらな意識の中で唯一聞こえた言葉は
「だから猫____嫌いって言ってるでしょ!!!」
それだけは聞こえた。
猫なのに猫が嫌い?そんなことはどうでもいいとして私を見た時に猫と分かっていたのに匿った。なぜ?わからない。わからない。
そういえばあの人は私のことをどう思っているのだろう。
居ていいよとは言われたが、カズサさんには確実に負担をかけさせている。
そもそも他人が同じ空間にいるだけで嫌と思う時があるのに、その上でお世話をされているこの状況を迷惑をかけていないと言えるわけが無いだろう。
私は何をした?
与えられるだけ与えられて、貰ってもらって、なにも返していないじゃないか。
今から何が出来る?
マイナスの現状からどうプラスまで動ける?
できない。
じゃあどうする?どうすればいい?
あ、そうか。
時計は午前の10時くらいを指していて、この家の家主は今学校に行っている、はず。
「__ただいまーー。......あれ?」
いつも控えめな声で出迎えてくれる小さな姿がない。
少し散策すると、あの子に貸した服が全て畳まれていて、その上に紙が
「なにこれ.....?」
表にはレイ、とだけ書かれている。
私はその紙を手に持ち、裏側に何か書いてないか確認した。
[カズサさんへ
拾ってくれてありがとうございます。
なにも恩返しができないままでごめんなさい。
今までありがとうございました。]
日が沈んできた。
そろそろ気づいた頃だろう。元いた地区はどう考えても悪い環境だったが、文字書きを教えられたことに関しては感謝だ。
おかげであの人に伝えることが出来たのだから。私は口下手だから。
所変わってまた廃墟での野宿をした。
起きたら、目の前に人がいっぱいいた。
「お!ボスこいつ起きました!」
知らない声が聞こえる。
姿勢を起こそうとすると身動きが取れないことに気づいた。
紐かなにかで手と足を繋がれていた。
「よう。いい夢見れたか?」
「......?だれですか?」
「いやこっちのセリフなんだが....まあいい。」
「この場所はウチのシマなんですー!家に知らない人がいたら捕まえとくでしょ?」
...ああ、なるほど。
「.....たしかに」
「そんでお前、どこのやつだ?」
私は所属と、あと家がなくてここを使ったことを話した。
「どうするこいつ?」
「どうしますかね〜?」
「人数が多いに越したことはないんじゃないすか?いざとなったらしっぽ切りすればいいし」
なにか端でごそごそ話をして終わったかと思ったら、ボスと呼ばれてた人がこっちに来た。
「そんじゃお前、あたし達についてこい。手伝え。」
「......え?何をですか...?」
「決まってんだろ?バイトだよバイト!」
「_____しかも、廃校寸前のボロボロ校で暴れるってだけで金が手に入る割のいいバイトだよ!!」