指名手配の妹   作:とっさん

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9話

 

 

 

目が覚めると白い天井が私の視界に映った。

 

「...あ..」

 

声を発そうとすると思ったよりも口の中が乾燥してて呂律が回らなくなっていてうめき声のようなものしか出ない。

 

周りを見渡すと恐らくどこかしらの病棟施設のようなものだと理解する。

 

自分の腕に繋がれているチューブは恐らく私が倒れた後につけられたものだろう。じゃあ、一体誰がここに私を運んでくれたの?

 

「目が覚めましたか。」

 

抑揚の無い声が響いた。

丁度耳が無い方向にいたから気配が分からなかった。

 

 

「あ、..あなた、は?」

 

「...失礼、水を持ってくるのでお待ちを。」

 

 

喋れないのに気づいてくれた白い髪の人はちょっとした後1杯の水をくれた。

 

 

 

 

「....では、私から状況説明、の前に自己紹介を。

氷室セナ、ゲヘナ学園3年生の救急医学部に所属しています。以後お見知りおきを。」

 

温度を感じさせない声でそう伝えてきた。私もやっと出せるようになった声で自分のことを伝える。

 

「...分かりました。レイ、さんですね。これからあなたの身に起こったこと、自己処理、待遇について説明させていただきます。」

 

「本来ならば先生から直接伝えた方がよろしいのですが、ここ1週間ととても忙しい様子でしたので、近くにいる私から伝えてあげてと仰られました。では___」

 

 

 

 

 

 

 

どうやら私が気絶した後、ゲヘナ学園のいちばん強い人が来て、その場は治まった、らしい。

負傷者を確認したところ、アビドスの人達が騒いでるのに気付いたいちばん強い人がその場に行くと、私がお腹から貫かれてるところを見て、すぐさま氷室さんを呼んだらしい。

 

アビドスよりもいい機械、設備があるからってことで運ばれて、意識が戻らなかったので点滴で栄養を与えて、今起きたっていう話。

 

 

私のお腹は血がだいぶ出たらしいけど、幸い命に別状はなかったんだって。

まああの時よりかは血、出てなかったもんね。大丈夫だと思ったんだけど...

セリカちゃんあんなに騒いでいたのが何故かよくわからなかった。

 

って言うことをちょっと話したら、この世界では血が流れることが少ないから、あそこまで多いと大怪我も大怪我なんだと言われた。

 

 

 

 

「...失礼ながら、頭を覆っていた布、取らせていただきました。もしかしてあの怪我で動じていなかったのは、()()が__」

 

、と言いかけたところで、一呼吸置いて

 

 

「__いえ、踏み込みすぎました。気分を悪くさせてしまい申し訳ございません。」

 

と丁寧に謝られた。

別に大丈夫ですよと言っておいたけどどうなのかな。表情からは分からない。

 

 

 

 

 

「レイさんは今現在、戸籍なし、所属なしということで。本来であればこれも先生が請け負う事、と言っていたのですが、前述の通り今現在来れない状況で...」

 

「その期間、砕いた言い方にするとレイさんを匿ってくれる人の立候補者が現れました。」

 

 

 

「....このゲヘナ学園はあまり治安がよくありません。一般に野宿をするとなっても他の場所と比べてとても難しいでしょう。だからといって......いいえ、なんでもありません。」

 

 

また少し言い淀んでいたけど直ぐに向き直る。

 

 

「悪い噂は流れていますが、先生が許可をしたのなら大丈夫だと思います。どうぞ。入ってください。」

 

 

 

ドアの方向に声をかけたセナさん。

そのドアが外側から開けられると見覚えのある4人が暗い顔をして私の方に来た。

 

 

「この4人が今回レイさんを守ってくれる方々、別名を__」

 

便利屋68、と言うらしい。

 

 

常連さん、そんな名前していたんだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...アルちゃん。」

 

 

「...ええ、分かっているわ。」

 

電気代がかかるのですごい薄暗い部屋の中、便利屋の空気はとても濁り、悪い方向に向かっていた。

 

 

「私のせいで私のせいで私のせいで私がやったせいで私のせいだわたしの....」

 

部屋の角の隅でハルカがいつも以上に自分を責め立てている。まるでそうしないと生きていけないかのように。

 

隣でカヨコが背中をさすって「大丈夫だから。大丈夫だよ。」と囁いているがそれも聞こえていないだろう。

 

 

今回取り付けたのは生徒が食らってもせいぜい吹き飛ばされるくらいの爆弾だった。

 

ただ、あの子は軽すぎた。通常ならよろけるくらいの衝撃でもあの子ならば地面に叩きつけられるほどの衝撃なのだろう。

だから風圧で刺さったのだ。

 

 

 

「.....いえ、それじゃああの子が悪いみたいじゃない。悪いのは私たちよ。それ以上でも以下でもない。」

 

あの場所に地雷を置いていなかったら。風紀委員会と交戦していなかったら。なんてものは夢物語。実際に起こっているのだからその責任はトップである私が持つしかない。

 

 

 

 

重く苦しい雰囲気を消したのは、1本の電話だった。

社長室の机に置かれたそれを気分は乗らないが取る。

 

「はい、便利屋68です。....先生?申し訳ないのだけど、今は..」

 

 

 

そう断ろうとした。だけどその依頼は私たちの状況を変えてくれるものだった。

 

 

 

 

「_えぇ。....えぇ!お任せ下さい。そのご依頼、便利屋68が承ったわ!」

 

声色が上がった私をムツキが訝しげに見る。次いでカヨコも。

 

「さあ!行くわよ3人とも!向かう依頼場所は___」

 

 

 







初カキコ.....ども.....
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