ぐっどぼーいの俺とばっどがーるな妹   作:寿垣遥生

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遥生です。こちらもお久しぶりですね⋯キミプリの方が遅れてしまいましたからばっどがーるも必然的に遅れてしまい皆さんを待たせてしました。申し訳ありません!今回からまた頑張っていくので⋯またよろしくお願いします。

さて、今回は映画の話ですね⋯原作だと優ちゃんとるーちゃんがゴタゴタギャーギャー大騒ぎしますけど、こっちではそれを活かしつつも秀を交えて物語を作っていくのでおまけと共にお楽しみください!そして、4話分最後なのでおまけもあります。こちらはオリジナルのおまけなのでお楽しみくださいませ♪

それでは、また後書きにて。


#12 映画withるりるら

side秀

 

 学校での1週間を終えた土曜日、俺は優と涼も加えて3人で映画館にて映画を観に行くことに⋯どうしてかと言うと、言い出しっぺは優で『埼玉で仕返し』というヤクザが出てくる作品を観てワルを勉強したいとのこと。それに付き合わされる俺と涼という構図だ⋯

 

『この秋、宇宙一のアイドルフェス開演!』

 

 映画館に入って公開リストがまとめられてるところの横にあるモニターから秋に公開される予定の映画の予告映像が流れる。その作品は日曜朝8時半から朝日テレビで放送されているプリ〇ュアで、その5人のアイドル活動とプリ〇ュアとしての活動やら日常を描いた物語だ。この作品の主人公の声が涼に凄く似ているんだよな⋯そんな彼女が予告編の冒頭から喋っていた。

 

「この作品の主人公の子、声が涼ちゃんにそっくりだよね!」

 

「そう?私も頑張ればこんな可愛い声を出せるのかな⋯」

 

「頑張るも何も涼はそのままでも可愛いよ。何も工夫しなくたってありのままのお前の声は可愛いと思ってるぜ?」

 

「秀兄⋯バカ、照れるじゃんか。」

 

 俺が優に便乗して涼の声を褒めると彼女は顔を赤くして照れてしまった。本当にいつもは気が強い彼女が乙女になるところはいつ見ても最高である⋯涼って本当に可愛いよな。

 

「涼ちゃんったら照れちゃって⋯本当にお兄ちゃんのことが大好きなんだからぁ♪」

 

「優、からかうなっての!それよりもあんたは見たいのがあるんでしょ?」

 

「そうだった!この『埼玉で仕返し』って作品、ずっと観たかったんだよねぇ〜。」

 

「でも、優は暴力とかそういうのは苦手なんだろ?だったらさっきの流れで『プリティスターズ』を観ることをおすすめするぜ?いつも観てるだろ。」

 

「うんうん、これ凄く面白⋯って観ないし、そんな小童向け作品!」

 

(いや、観てるだろ⋯実の兄の俺が1番知ってるぞ?涼の前で強がんなよ。)

 

 優はワルアピールをしようといつも観ている作品を観ないと嘘を吐く。涼の前で強がっているが、俺にはお見通しだし何よりも涼も昔からこういう作品を優が好きなのは知っているしな⋯取り繕っても無駄ってわけだ。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「今日は勉強のために来たの。こういった日々の積み重ねがいざ悪いことをしなさいって時に活きるんだよ?」

 

「思考回路が既にワルじゃないな⋯」

 

「まあ、優なりの悪道ってもんだよ。好きにさせてあげようぜ?きっと懲りるだろうから。」

 

「だな。」

 

「もう⋯お兄ちゃんと涼ちゃん酷いよ!私は絶対究極のワルになるからね?後悔しても知らないよ?」

 

「はいはい、頑張れよw」

 

「ぶー⋯」

 

 そんなこんなで俺達は飲み物のコーラとポテトを買ってから上映されるスクリーンへと向かう。優は今回、ワルを勉強するために『埼玉で仕返し』を観るのだが、映画のヤクザものから学べることってそんなないような気もするぞ⋯まあ、優なりの勉強だろうから好きにさせてあげよう。

 

「この席だな⋯すみません、隣良いですか?」

 

「あっ、どうぞ?」

 

「ありがとうございます。じゃあ、俺と涼が端で真ん中は優な?」

 

「うん!お兄ちゃん、涼ちゃん…楽しみだね♪」

 

「だな。」

 

「ああ、でも無茶はすんじゃねえぞ?やばかったら俺に助けを求めて良いからな?」

 

「もう、お兄ちゃん⋯私はもう子供じゃないよ。大丈夫だって!」

 

「あの⋯秀くん、ですよね?」

 

 俺達が上映前に話をしていると、横にいた女の子から声をかけられる。誰かと思って確認してみたらるーちゃんである⋯まさかここで会うとは予想外で驚いたものだ。

 

「おう、るーちゃん!まさか席が隣になるとは驚いたな⋯」

 

「えっ、お兄ちゃん⋯この人と知り合い?」

 

「優谷優⋯と涼風涼も!?」

 

「どうして私達のことを知ってるの、この人⋯」

 

「ストーカーか何かじゃない?」

 

「違います!あなた達、私のことを忘れたとか言いませんよね!?」

 

「ああ、思い出した⋯久しぶり!飼ってたどじょう元気にしてる?」

 

「飼ってないですけど!?」

 

「えっ、育てて柳川鍋にするんだぁって言ってたよね?」

 

「誰と間違えてんですか!?瑠璃葉るら、つい最近会ったでしょう?」

 

「あっ、可愛いの人だ!」

 

「可愛いの人だ。」

 

「その言い回しやめて!」

 

 優はしばらくるーちゃんのことを思い出せずにいたが、自ら名乗ったことで『可愛い人』であることを思い出す。どんだけ水鳥先輩以外のことが興味ないんだ⋯それと、涼もその感覚しかないのか!この2人は周りの人にも興味を持った方が良いだろう。

 

「るーちゃんはこういう映画を観るのか?珍しいな⋯」

 

「そう?いや、何となくかな⋯急に観たくなって。」

 

「元々何を観る予定だったんすか?」

 

「え、えーっと⋯こ、これ!」

 

 涼に本来何を観る予定かを訊かれたるーちゃんは咄嗟にポスターを出してから俺達に見せる。しかし、その作品のポスターはモザイクをかけなきゃいけない代物で詳細を解説するとR-18判定されそうだ⋯

 

「ああっ!?」

 

「何と言うか、はい⋯瑠璃葉先輩。」

 

「あんたねぇ、こんな時だけに名前で呼ぶなぁ!違うんです、これは⋯!!」

 

「お前ら、映画が始まるぞ?席に着いて静かにしろ。」

 

「「は、はい⋯」」

 

 るーちゃんと優が揉めていると照明が暗くなり、映画の上映が始まる。本当にこの2人は似たり寄ったりで騒がしいものだ⋯まるで姉妹のようにも見えるというか身長は同じぐらいだから下手したら同級生にも見えてくる。

 

(しかし、主演の森はるきさん⋯かっこいいな。今をときめく人気の若手俳優を主人公に起用するとかこの映画の制作陣は分かってるじゃねえか!演技も演出も流石だし、こりゃあヒットすること間違いなしだ⋯)

 

「お兄ちゃん、それ頂戴♪」

 

「お前、上映中だぞ?仕方ねえな⋯ほら、口開けろ。」

 

 優は上映中という時でもポテトを欲しがりそれを食べさせる。映画に集中したいという気持ちもどこかにあったが、こうして甘えてくる妹を見てると相手したくなるのは言うまでもない。

 

(さて、いよいよ主人公のアクションシーン⋯はるきさんの見せどころだ!)

 

『はあっ、その程度か⋯かかってこい!!』

 

 俺は思わずはるきさんのアクションシーンに見入ってしまう。戦隊や仮面ライダーのスーツアクター並に動きがダイナミックでスタントマンいらずのアクションには脱帽の一言。やっぱりこういうワルはかっこいいものである。まあ、本人は芸能人スポーツ男子王決定戦で2回優勝する実力があるぐらいだからな⋯この人が戦隊や仮面ライダーでヒーローに選ばれるのが楽しみだ。

 

「ひいっ!?」

 

 その横で優はアクションシーンというか暴力のシーンを見て思わずびびってしまう。最初は強がっていたのだがあまりにも激しすぎたか⋯こいつのアクションのラインはプリ〇ュアやら優にそっくりな声のプリンセスがいるバトルものだから仕方ない。

 

「だから無理すんなって言っただろ?」

 

「ごめん、お兄ちゃん⋯暴力シーンが怖いから今だけでも手を繋いでて?」

 

「分かったよ。仕方ねえな⋯」

 

 俺は怖がる優の手を握って彼女を安心させる。しかし、こうなるのなら最初から観なきゃ良かったのに⋯と内心思うかもだが、優もここまでとは想定がつかなかったかもしれない。こういう時こそ俺が優のそばにいないとだ⋯俺は優のたった1人のお兄ちゃんだしな!

 

『もう、我慢できない⋯際戸井!』

 

『空己⋯』

 

「ひぃっ!」

 

「コヒュッ!?」

 

 またしばらく映画を観ていて主人公とヒロインの濡れ場に突入すると、今度はるーちゃんが俺の空いた右腕にしがみついてくる。彼女の豊満な胸の感触が伝わり、思わずコヒュってしまった。

 

「秀くん、ごめんなさい!こういうシーン、苦手で⋯抱きついても、良いかな?」

 

「えっ、ああ⋯別に構わねえよ?優の方は⋯」

 

「ロケット、ロケットが宇宙へ⋯」

 

(るーちゃん以上にぶっ壊れてる!?)

 

 それからも俺は優とるーちゃんのあれこれに気を取られてしまう。本当に2人は似た者同士だな⋯映画は何とか最後まで観ることはできたものの凄く疲れたのは言うまでもない。

 

(2時間後⋯)

 

 そして、ようやく映画が終わってショッピングモール内にある喫茶店に移動して映画を振り返る。本来だったら俺、優、涼の3人だけなのだが何故かるーちゃんも一緒だ。

 

「全然集中できなかった⋯」

 

「俺も。」

 

「川井先輩も何でついてきてんすか?」

 

「瑠璃葉ね。」

 

「まあ、とりあえず集中も何も後半は優と一緒に秀兄にくっついて寝てたじゃないっすか⋯」

 

(バカ、それをストレートに言うな!俺も思い出すだけで恥ずかしいって⋯)

 

「はっ!?あっ、あれは優谷優が秀くんとイチャイチャしてるのがムカついたりして疲れたからつい⋯」

 

「す、すみません⋯実はそのことで申し訳なく思いお詫びの品をさっき買ってきたんです。」

 

 涼とるーちゃんが揉めていると、そこにさっきまでグッズを買っていた優が戻ってくる。なるほど、るーちゃんへのお詫びってことなのか⋯何やかんやで気遣いのできる俺の妹だ。

 

「先輩に似てるなって映画を観ててずっと思ってた主演の橋爪佳奈ちゃんの⋯」

 

「ふ、ふーん⋯」

 

「ペットのルリシジミ人形です!」

 

「そっち!?」

 

 優はるーちゃんに映画に出てきたピンクのルリシジミ人形を手渡す。これがるーちゃんに似てるってのはちょっと失礼だろうとは思うが、まあ心はこもってるから悪意はないはずだ。

 

「これのどこがるーに似てるんですか?」

 

「えっ?名前とか⋯」

 

「とか?名前、名前だけですよね!?」

 

 優が似てるところを説明するとるーちゃんは優に台パンして怒り出した。それもそうだろうな⋯名前だけしか似てる要素がなくて普通の可愛いから逸脱したキモカワのマスコットに似てるとか言われたら学園のアイドルのプライドは丸潰れだ。

 

「まあまあ、実は俺も優も涼も色違いを買ったんだよ。4人でお揃いなら良いじゃんか⋯」

 

 俺の合図に合わせて優と涼も色違いのルリシジミ人形をるーちゃんに見せる。実はこれよりも前に俺と涼も同じのを買ってたんだ⋯半分偶然ではあるけど。

 

「ま、まあ⋯悪くないんじゃない?」

 

「良かったです。ルリシジミくん可愛いなぁ♪」

 

「そうか?」

 

「涼の思ってる可愛いとはズレてるけど、キモカワってジャンルだったら頂点だろ。俺もキモカワだと思うぜ?」

 

「なんか自分に言われてるようで複雑だけど⋯」

 

(いや、るーちゃんじゃなくてルリシジミのことだから。優に言われたことを妙に引きずるな、こいつ。)

 

「あっ、良いこと思いついた。川井先輩のことルリシジミ先輩って呼ぼう?」

 

「良いな、それ。」

 

「何で!?」

 

(いや、良くねえだろ⋯瑠璃葉るらの原型粉々じゃねえか!?ツッコミ役の涼も同調すんな!)

 

「長すぎるから!呼ぶならもっと略して?」

 

「えーっ⋯」

 

「じゃあ、しじみ先輩で。」

 

「誰よ〜!?もっと、その⋯あるでしょ?」

 

「シミ先輩?」

 

「漂白しても落ちないわよ!」

 

「しみじみ先輩?」

 

「風情!」

 

「それだったらシンプルに『るー先輩』はどうだ?自分のことをるーって呼んでるし、響きも可愛いから問題ねえだろ。」

 

「るー、先輩?」

 

「デュフ!?」

 

 優から『るー先輩』と呼ばれたるーちゃんは思わずデュフッてしまう。何だかんだで嬉しいんだろうなぁ⋯口では喧嘩してても身体は素直で可愛いものだ。

 

「チョロいわ、こいつ⋯」

 

「ちょっと、聞こえてますよ!?」

 

「やべっ、口に出ちゃったw」

 

 涼は優に対する一瞬の反応を見てかチョロいとニヤリで思わず本音を口に出てしまう⋯仮にも先輩ではあるが、涼の毒舌は容赦ない。

 

「ふんっ、気安く呼ばないでください。るーとあなた達じゃ立場が⋯」

 

「確かにそうですね。」

 

「えっ?」

 

「いや、どうしてもと言うなら別に⋯」

 

「いえ、お気遣いありがとうございます。」

 

「たまになら全然!」

 

「大丈夫です。」

 

 るーちゃんは動揺して思わず強がってしまったが、これを素直に受け取った優から気を遣われてしまう。ちょっとるーちゃんも素直になれないところがあるんだな⋯

 

「呼んでよぉ⋯お願い!」

 

 そんなるーちゃんは優に『るー先輩』と呼んでほしいと泣きながらお願いする。それだけ彼女は優や涼と仲良くなりたいということだろう⋯優もこれを見て表情からも動揺の様子が出る。

 

「わ、分かりました!呼ぶから泣き止んでください⋯ねっ、るー先輩。」

 

「⋯うん!」

 

 優から慰められて『るー先輩』と呼ばれたるーちゃんは悲しみが消えて晴れたような笑顔で返事をする。どうやら優とは完全に打ち解けたようだ⋯これでめでたしめでたしかな?

 

「チョロいわ、こいつ⋯」

 

「ちょっと、口に出てますよ!?」

 

「いや、わざと出してますw」

 

 その一方で涼はるーちゃんのチョロいというか優しさに甘えるところを見て小馬鹿にする。まあ、涼も涼でるーちゃんとは何となくだが仲良くなれそうかもな⋯俺の縁でるーちゃんにまた2人友達ができた。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから、るーちゃんと別れた映画からの帰り⋯俺は夕焼けの中を優と涼と一緒に帰り道を歩く。今日は本当に色んな出来事が起きたものだ⋯映画はなかなか面白かったし、優とるーちゃんから甘えられたし、優と涼がるーちゃんと仲良くなって彼女が喜んでたし、まさに余は満足じゃと言わんばかりに俺は幸せだ。

 

「お兄ちゃん、涼ちゃん、今日の映画楽しかったね!」

 

「ああ。」

 

「まっ、優はほとんど観てなかったけどね⋯暴力や濡れ場のシーンは観てなかったし、後半は寝てたし。」

 

「もう涼ちゃん⋯余計なことは言わないでよ!」

 

「でも、るーちゃんと仲良くなれて良かったよな。あいつも『るー先輩』って呼ばれて嬉しそうにしてたから⋯これからも仲良くしてやってくれよ?」

 

「そうだね!でも、お兄ちゃんと仲良かったるー先輩にはちょっと嫉妬しちゃったなぁ⋯涼ちゃんもだよね?」

 

「わ、私は別に⋯ってか、私に振るな!」

 

 優は俺と仲良くしていたるーちゃんに嫉妬して愚痴り、涼にも話題を振る。涼は自分には関係ないような態度でツンツンと怒るも今日のあの反応からして俺のことが気になってるんだろうな⋯そのようにも思える。

 

「ねえ、お兄ちゃん⋯私と涼ちゃんとるー先輩と水鳥先輩、誰が一番可愛いと思う?」

 

「いや、どうした急に⋯」

 

「だって、今日のお兄ちゃん⋯るー先輩に鼻の下をずっと伸ばしてたもん。もしかして、るー先輩が1番になったんじゃないよね?」

 

「いや、それは⋯みんな可愛いじゃダメなのか?優も涼もるーちゃんも水鳥先輩もそれぞれの可愛さって違うから比較なんてできねえだろ⋯順位なんてつけらんねえよ。」

 

「そうなんだ。お兄ちゃんって凄く優しいね!そんなところも大好きだよ♪」

 

「私も。秀兄のみんなに優しいところ、凄く尊敬してる⋯本当に人たらしだよね、良くも悪くも。」

 

「涼、それ褒めてるのか?」

 

「どうかな⋯とにかく、手を繋いで帰ろっか。」

 

「涼ちゃん、ずるい!私もお兄ちゃんと手を繋いで帰る!!」

 

 涼と優は俺と手を繋いでから3人並んで家への帰り道を歩く。本当に3人で手を繋いで帰るのはどれぐらいぶりだろうか?この2人も俺のことが大好きなんだなというのが手の握りからも伝わる。何だかんだで俺から離れられないんだな⋯こんな2人とこれからも同じ時間を過ごしていけたらなと心の底から思うのだった。

 

 

 

 

おまけ

『何かがおかしいみんな』(side秀)

 

「優、おはよう。」

 

「おはようございます、秀パイセン!」

 

 朝起きて俺は優に挨拶をすると、いきなり彼女は俺に後輩のような態度を取って挨拶を返す。パイセン?俺は実の兄なのにな⋯何がどうなってる?

 

「お前、どうしたんだ⋯俺はお兄ちゃんだぞ?何だよパイセンって⋯」

 

「何を言ってるんすか、あなたはあたしのパイセンでしょうがぁ⋯ささ、朝ごはんはママがもう作って置いてるので冷めないうちに食べましょうよ?」

 

「お、おう⋯」

 

 とりあえず、俺は優と一緒に朝食を食べることにした。本当に朝から何が起きてるんだ?これが夢なのか何なのかは分からないが、まるで優に変なものが憑依してるような感じにも見えた。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「優ちゃん、秀くーん、おはよ〜!」

 

 それから俺達は朝ごはんも身支度も終えてから学校へと向かう。その道中で今度は涼が走ってやって来ては俺達に挨拶をする。何か呼び方も違うし彼女も何かに取り憑かれたのだろうか?

 

「おはよう、涼⋯」

 

「涼パイセン、おはようございます!」

 

「いや、涼は同級生だろ⋯しかし、涼は何か妙に元気すぎるなぁ。何があった?」

 

「何もないよ?私はいつでもキラッキランランだからね〜!今日もキラッキランランな私、元気でいっぱい♪」

 

(ああ、涼に声の似たプリ〇ュアの主人公になりきってるのか⋯でも、涼でこれは違和感しかねえな。)

 

「キラッキランランっすよね!あたしもまさにそれで、もう人生は流星って感じっす!!」

 

「にいたま〜、おはようメロ〜♪」

 

 そんな風に何かとおかしい優と涼と話しているとるーちゃんが飛んでくるような勢いでやって来る。『メロ』?『にいたま』?声そのものは変わりないものの彼女も変だ⋯

 

「どうしたんだよ、るーちゃん⋯何かお前も変だぞ?」

 

「変じゃないメロ。メ〇ロンはいつも通りメロ⋯って、にいたま泥棒の涼風涼!にいたまから離れるメロ〜!!」

 

「メ〇ロン、痛い痛い⋯」

 

「ちょっと落ち着いて!秀パイセン、どうにかしてくださいよぉ⋯」

 

「どうにかって言われても⋯」

 

「あらあら、騒がしいわね?」

 

 もう騒がしくてどうにもならないと思ったその時、登校中の水鳥先輩もやって来た。助け舟を出しに来たとは思うのだが、彼女も何やら様子がおかしい⋯髪型が乙〇梢になっているし。何と言うか、雰囲気もお嬢様みたいである。

 

「水鳥パイセン!助かります⋯この2人の喧嘩を止めてください。」

 

「優さん、分かったわ。こらっ、2人とも⋯喧嘩をしたらダメでしょう?ラ〇ライブを目指す仲間同士なんだから仲良くしなさい?」

 

(いや、俺もこいつらもラ〇ライブは目指しませんから⋯あなたは何を言ってるんですか?)

 

「「ごめんなさい⋯」」

 

「よろしい。それじゃあ、私(わたくし)と一緒に学校に行きましょう?秀さんと一緒なら学校でもどこへでも⋯」

 

「コヒュッ!?」

 

 乙〇梢になりきっている水鳥先輩から手を握られて俺は思わずコヒュッてしまう。不思議だ⋯同じ声色なのに惹かれる魅力が倍でさらに引き込まれそうである。普通に学園では素敵な人なのにその味が活かされてて俺は夢中になりそうだ⋯

 

「水鳥パイセン、抜け駆けはダメっすよ?秀パイセンはあたしと学校に行くんすから!」

 

「優ちゃん、ずるい⋯私も!」

 

「にいたまはメ〇ロンのものメロ!誰にも渡さないメロ!!」

 

「ちょっ、みんな⋯!?」

 

 それから4人は折り重なって俺と一緒に行く権利を賭けてとことん揉め合う。本当に今日はどうなってるんだ⋯夢なら夢だと覚めてくれ!誰か助けてぇ⋯

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

「⋯きて、起きて!」

 

「ううっ、もう朝か⋯」

 

 悪い夢を見ていた中で優の起きてという声で俺は自分の寝室で目を覚ます。優はもう既に先に制服に着替えていた⋯俺はどうやら魘されてて長い間寝ていたのだろう。学校があるってのに最悪だ⋯

 

「やっと起きた⋯おはよう、お兄ちゃん。」

 

「おはよう。あれ、パイセンって呼ばないのか?」

 

「何を言ってるの?お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ?私は後輩じゃないんだから⋯」

 

「あっそっか、良かった⋯今のが夢で。」

 

「何を言ってるの?それよりも今日はママが朝ごはんにベーコンエッグを作ってくれたから早く冷めないうちに食べようよ?」

 

「分かった、着替えたりするから下で待っててくれ。すぐ終えてくるからさ⋯」

 

「うん!待ってるね。」

 

 そう言って優は部屋を出てから下へと降りて行った。やっぱり、みんながいつも通りのこの日常が一番平和なんだよな⋯俺はそのありがたみを感じながら身支度を済ませていく。これからも平常通りで頼むぜ!




いかがでしたか?るーちゃんとみんなが仲良く打ち解けて良かったですね。優ちゃんのルリシジミ人形と人懐っこさ、そして秀の潤滑な仲介っぷり⋯これが全て光ってたと思います。それ以前には映画で優ちゃんとるーちゃんがそれぞれ苦手なシーンで秀に甘えてくるという構図、これは秀もやばかったでしょう。彼も大変なんですね⋯

その中で今回はおまけも通して中の人ネタを結構出しました。冒頭の涼ちゃんに声がそっくりな秋映画の主人公、そしてそのものをおまけに出しまして⋯キミプリのうたちゃんな性格の涼ちゃんってのも悪くないなと思いましたが、らしくはないですね。おまけはウマ娘のタニノギムレットでも良かったんでけど、迷いました⋯それで他を見ると優ちゃんはプリオケのミーティアことながせちゃん、るーちゃんはキミプリのメロロン、亜鳥ちゃんはラブライブ!(蓮ノ空)の乙宗梢ちゃんという感じです。梢ちゃんに関してはちょっと僕自身がラブライバーながらもしばらくブランクがあったのでキャラの解釈が合ってるかは分かりませんが、いかがでしょうかね?批判があるならそれは受け止めますよ。

しかし、そんなおふざけ満載の中でも恋愛模様は動きを見せました⋯涼ちゃんがどうも秀を意識しつつありますね。この気持ちに秀ももちろん気づいていますが、彼もまた水鳥先輩に恋をしてるもので。一方通行状態になってます⋯この恋模様はどこかで動くのか?次回以降も注目してくださいね。

そんな次回からは5話分に突入します!清木清ちゃんの登場やら自転車の2人乗りやらしじみやら⋯お楽しみに。

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