こんな感じなANIMAX MUSIX、いつの日か放送版がアニマックスで放送されるのでそれを待ちたいなと思ってます。ウチはアニマックスが映るのでね!
さて、今回から5話分に突入します!そして今回から清木清先輩が登場⋯秀とどんな絡みをするのか?そこも注目していてください。
それでは、また後書きにて。
side秀
「おはようございます、しじみ先輩!」
「うっす⋯」
玄関前で先に学校に来ていたるーちゃんと出会い優と涼が挨拶をする。しかし、優は相も変わらず『しじみ先輩』とふざけてるのか何なのかまともにるーちゃんを呼ぼうとしない。彼女も笑顔であるがどこかイライラしてる様子だ⋯
「だから、しじみじゃねえって。おはよう、るーちゃん⋯悪いな、優は特に悪気があって間違えたわけじゃねえから大目に見てやってくれ。」
「ま、まあ⋯秀くんがそう言うなら。」
「しじみじゃなかったら何だっけ⋯地味先輩?」
「派手よ!るー、ちゃんと呼んで?」
「そうでした、るーちゃん先輩!」
「⋯」
優が『るーちゃん先輩』と呼ぶとるーちゃんは嬉しいのか恥ずかしいのか顔を赤くして黙り込む。彼女はどうやら懐いてくれる後輩ができて嬉しそうだ⋯何も言わないがそうだろう。
「うわぁ、チョロ⋯」
「チョロくないです!」
「なっ、ウチの優と涼と一緒にいると楽しいだろ?これからも仲良くしてやってくれよな。」
「そ、そうだね⋯優谷さん、よろしく。」
「はい!こちらこそです、るーちゃん先輩♪」
「も、もう⋯!」
そんなこんなで俺達はそれぞれの教室に着くまで話したり、優とるーちゃんがイチャイチャしたりして歩きながらみんなとの時間を楽しむ。仲良しの輪にまた1人加わるとさらに楽しいものだ⋯これほどまでに幸せなことはこの世にはないだろうな。
~~~~~~~~
その日の昼休み、俺は水鳥先輩に風紀委員の仕事に関することで用事があったので彼女のいる教室を訪れる。そこでは水鳥先輩と彼女のクラスメイトにして親友で図書委員の清木清(すみききよらか)先輩が話をしていた。
「失礼します、水鳥先輩⋯風紀委員のことで少しだけお時間良いですか?」
「秀くん!話を聞いてくれる?あなたもその場にいたけど、優ちゃんが私以外の先輩である瑠璃葉さんのことをあだ名で呼んでたの!秀くんはどう思う!?」
「えっ、ちょっ⋯!?」
教室に入ると、早々に水鳥先輩が泣きそうというか焦りの形相を浮かべて俺に迫る。るーちゃんとのやり取りを見てたんだな⋯でも、ここまで脳を焼かれるものでもないような気もする。
「ごめんなさいね、優谷くん。亜鳥は朝のことでかなり悩んでいたのです⋯『優ちゃん』という後輩が違う先輩のことをあだ名で呼ぶぐらい懐いていて奪われるんじゃないかと。」
「ああ、そういうことですね。るーちゃん⋯瑠璃葉るらは別にあなたから優を奪おうとか考えてないですし、優は相変わらず水鳥先輩LOVEなのでお気になさらないでください。」
「本当に?」
「はい。優は何も変わってませんよ⋯ただ、『しじみ先輩』とか『るー先輩』って呼ぶようになった程度なので。」
「良かったぁ⋯って良くないわ!私も優ちゃんからあだ名で呼ばれたいのにぃ。」
「ええ⋯」
水鳥先輩は優がるーちゃんのことをあだ名で呼んだことを嫉妬する。この人も嫉妬するんだな⋯優のことがどんだけ好きなんだよ。この光景を当の本人が見てたらコヒュりそうだな⋯
「その、優谷くん⋯亜鳥との話に最近よく出てくる『優ちゃん』とは何者ですか?」
水鳥先輩が安心する中で清木先輩は優が何者なのかを俺に質問する。まあ、清木先輩は優とは会ったことがなく水鳥先輩の話によく出てくる何かだから仕方ないだろう⋯
「優は俺の妹ですよ。最近はワルになろうと一生懸命ですけど、凄く良い子なんです。礼儀正しいし、気遣いもできるし⋯ただ、水鳥先輩のことになると偏差値がガクッと下がるのが玉に瑕なんですよね。でも、きっと清木先輩とも仲良くできますよ?」
「そうなんですね。まるで優谷くんみたいで可愛らしい♪」
「ええっ、俺はそんなことないですって⋯」
「秀くんったら⋯本当にこういうところは優ちゃんに似てるわよね。きーちゃん、何だったら優ちゃんだけじゃなくて秀くんにもアプローチしちゃいなよ?秀くんは学園の中でもかなりのイケメンだし、優ちゃんのように性格も良いから。そろそろ恋をしても良いんじゃない?」
水鳥先輩は清木先輩に俺のことを強く勧めてくる。こういうのは普通だったら嬉しいことだが、好きな人が別の人に俺を勧めてるのを見てると心境はかなり複雑だ⋯確かに清木先輩は水鳥先輩に負けず劣らずの美人かもしれない。でも、それで満足して受け入れて良いのだろうか?俺はとても悩ましい⋯
「おや、優谷くん⋯何か期待しているようですね?本当に可愛らしいです。ただ、ごめんなさい。私は亜鳥には何度も言っていますが男の子には興味がありません。私が好きなのは大人しくて可愛がり甲斐のある小動物みたいな女の子。そんな子をからかうのが楽しいんです。話を聞く限りあなたの妹の優ちゃんは興味がありますね⋯フフフ♪」
清木先輩は不気味な笑みを浮かべてから俺をすんなりと振った。優に興味を持ってくれたのは嬉しいことではあるが、自分から告白も何もしてないのに勝手に振られて⋯俺はどういう顔をすれば良いのだろうか?
「やっぱりそうよね⋯実はきーちゃん、女の子が大好きで何と言うかGLというか百合の世界の住人なのよ。傷つけてしまったかしら?そうだとしたら私が代わりに謝るわ⋯」
「いえ、謝らないで大丈夫ですよ。俺は気にしてませんから⋯それよりも水鳥先輩は優からあだ名で呼ばれたいんですよね?だったら呼ばれたいあだ名を考えましょうよ。」
俺は水鳥先輩に謝らせまいと本題へと切り込む。しかし、清木先輩がまさか百合の世界の住人だとは思わなかったな⋯『スズランの擬人化』と言われてるぐらいの美貌とプロポーションを持ち、振る舞いは上品な淑女なのにもったいないと思ってしまう。彼女が異性に興味を持ってたら絶対水鳥先輩以上にモテていたに違いない⋯それはともかくとして、俺はその水鳥先輩のあだ名を本人に考えてもらうことにした。
「うーん、そうね⋯水鳥だから、亜鳥からも取って、これね!」
「どんなの?」
「ホタテ先輩!」
「「ええ⋯」」
水鳥先輩は自らのあだ名として『ホタテ先輩』を提案する。どこに『水鳥』と『亜鳥』の要素があるのかがさっぱり分からない⋯これには俺と清木先輩はドン引きだ。
「何でホタテなんですか?」
「俺も思います。どこにも名前の要素がないでしょ?」
「だって瑠璃葉さんってしじみじゃない?だったら私はさらに強いホタテが良いかなって⋯」
(しじみよりホタテって強いのか?急にIQ下がったな⋯)
「本当はもっと強いタイラギとかオオジャコガイも考えたんだけど、やっぱり時期尚早かな?」
(オオジャコガイ先輩になろうとしてたのかこの人⋯それに強いって何なんですか!?サメとイワシの差なら分かるけど、そこら辺の差は分かんないですよ!)
俺は水鳥先輩の謎の海の生物最強理論を聞きつつも心の中でツッコミを入れる。るーちゃんのしじみからこういう話に発展する彼女の思考を読むなんて、ハッキリ言って将棋の藤〇聡太の5手先を読むぐらい難しい話だ。頭が良いんだか悪いんだか⋯
「いやぁ…いつ呼んでくれるかなぁ?楽しみ♪」
「呼ばれるのは確定なんですね⋯分かりました、一応優にも伝えておきます。」
「ホタテ先輩って呼ばれると良いですね。」
「待ち切れないなぁ⋯待ち切れないから、行ってくる!はああ♪」
「今?」
「ちょっ、水鳥先輩!?この前の委員会の議事録⋯!」
俺は突然衝動に駆られた水鳥先輩を追いかける。そうだ、俺はこの前の委員会の話し合いの議事録を見た上で次の生徒会の話し合いの質問とかをまとめてもらうんだった!本来だったらあだ名を考えるとかそんなことをしている暇はねえのに⋯俺のしたことが乗せられちまうとか最悪だ。そして、やっと思いで見つけたかと思ったら既に優と絡んでいた⋯
「水鳥先輩。はあ、はあ⋯」
「あら、秀くん。どうしたの?そんなに走って⋯」
「お兄ちゃん!グッドタイミングだよ⋯今日の先輩の様子が少しおかしいんだけど、何があったの?」
「ああ。どうやら先輩は優からあだ名で呼ばれたいらしくてな⋯」
「うん、その話を先輩がしてたんだけど何と言うか⋯圧力をかけられてて。」
「ねえ、優ちゃんは私のことをどう呼びたいの?ねえねえ、教えてよ〜?」
「先輩、そんなに迫らないでください⋯緊張しちゃいますよ。」
水鳥先輩は早くあだ名で呼ばれたいと言わんばかりに優にダル絡みする。絡んできたのが水鳥先輩じゃなかったら単にめんどくさいやつでしかないムーブだ。先輩だから許されると言っても過言ではない。
「優ちゃん、もう一度訊くけど私のことをあだ名で呼びたいと思わない?」
「え、えっと⋯いや、今まで通り先輩で。」
あだ名で呼ばれたいとノリノリの水鳥先輩の圧に押されたか、優は迫られて怯む。彼女からすれば水鳥先輩は神様というか尊師なものだからあだ名で呼ぶだなんて不敬なことだと思っているだろう。
「違う!」
「違う!?」
「OK、優ちゃん?一度冷静になりまショウ!Say⋯」
「はい。」
(何で片言なんですか⋯普通に日本語で喋ってください!余計にあなた、変人ですよ?)
「私の普段の行動を思い出せば、自ずと正解は出るはずよ?」
「正解、ですか⋯お兄ちゃんは何か知ってるよね?」
「いや、俺に聞かないでくれ。お前の思う正解を出してみろよ⋯(もう俺はこのことに巻き込まれるのはハッキリ言って御免だ。頼む⋯優、この騒動をシャ〇クスのごとく終わらせてくれ!)」
そんなこんなで優は水鳥先輩がどう呼ばれたいのかの正解を導き出そうとする。正解である『ホタテ先輩』は出るのだろうか?いや、そう簡単に出ねえだろ⋯しじみからのホタテってまず無理だ。
「アポカリプス!」
「何でそうなったの?」
(いや、何で『災害』の意味のそれを出す!?まあ、水鳥先輩のワガママは災害レベルだけども⋯!)
しかし、優は水鳥先輩が出してほしい正解とはほど遠い厨二病的な単語を繰り出した。新約聖書の『ヨハネの黙示録』を指し、そこから転じて『啓示』や社会的な大事件や大破壊を指す言葉になったアポカリプス(Apocalypse)を出すなんて⋯思考回路はどうなってるんだ!?
「もっと可愛い感じよ。」
「か、可愛い!?えっと、じゃあ⋯ご主人様、とか?」
水鳥先輩からもっと可愛くと注文された優は消えそうな声で『ご主人様』と先輩のことを呼ぶ。すると、これに水鳥先輩は笑みを浮かべた⋯何か変なスイッチが入ったのではないだろうか?
「アリわね⋯アリなんだけど違うの!瑠璃葉さんに言ってたようにフランクに来て?」
「そ、そんな!?畏れ多い!」
「私の為だと思って⋯さあ!」
興奮した水鳥先輩はさらに優に迫り圧をかける。るーちゃんのようにフランクに接することは決して難しいことではないが、彼女を神と崇めてる優には難しいことだろう⋯
「うっ、あのぉ⋯亜鳥先輩!」
「惜しい!ヒントは貝類よ?」
「貝類!?」
「水鳥先輩、もったいぶらず優に答えを教えたらどうですか?こいつ、パニクってますよ⋯」
「秀くん、そこは優ちゃん自身で考えさせないと。自力で考えないと脳の機能が衰えちゃうわよ?」
(いや、それは何も考えようとしない認知症のご老人に言うセリフ!優にはむしろこんなことで考えさせない方が良いですよ⋯)
(5分後⋯)
「すみません、どうしても分かりません!」
優はそれから5分間考えたものの何も思いつかず水鳥先輩に平謝りする。そりゃあそうだろう⋯俺は答えを知ってるにしても『ホタテ先輩』だなんて答えはその場にいなかった優には思い浮かばないものだから。
「あらら⋯まっ、仕方ないわよね。正解は『ホタテ先輩』です!」
「なにゆえ!?」
「この辺まで出てて惜しかったわね。」
水鳥先輩は自分の胸の上まで手を持っていってここまで答えが出てただろうと話を進める。いや、そこまで出てないだろう⋯むしろ2km下だと思うが。
「はい、じゃあ呼んで?ついでに秀くんも♪」
「いや、俺も巻き込まないでください⋯」
「先輩、本気なんですか?」
「もちろん♪」
「「ほ、ホタテ先輩⋯」」
「うん!じゃあ、私は優ちゃんのことをサザエちゃん、秀くんのことをカツオくんって呼ぶね♪」
(いや、そのあだ名はアウトだろ!フ〇テレビと長谷〇町〇美術館から怒られるぞ!?⋯ってか、サザエとカツオの関係が逆転してるし。)
「これからもよろしくね⋯サザエちゃん、カツオくん。明日も晴れるかなぁ?」
「「いや⋯」」
それからも水鳥先輩は優のことを『サザエちゃん』、俺のことを『カツオくん』と呼ぶも俺達は生まれて初めて先輩の意見を拒否してしまった。優がるーちゃんのことを『しじみ先輩』と呼んだことを引き金に俺達が『サザエ』、『カツオ』呼ばわりされるとは⋯とりあえずはフ〇テレビさん、波〇のように怒らないでくれよ?
side out
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side涼
「何よホタテってバッカみたい!」
私が優と秀兄を探していると、階段の踊り場でるー先輩がコソコソ隠れつつ独り言を言いながら何か怒っている。どうなってるのか私には分からないが、上で何かがあってるのだろう⋯るー先輩を腹立たせているイベントが。
「そんなの、そんなの⋯るーのより強いじゃない!」
「何言ってるんだ、この先輩⋯ホタテに強いとかそういうのねえから。」
るー先輩は突然と意味の分からないことを言い出す。本当にこの人は頭がおかしいんじゃないだろうか?下手したら鳥先以上かもしれない⋯本当に私の身の回りには変わり者が沢山いて疲れそうだ。
いかがでしたか?亜鳥ちゃんは優ちゃんからあだ名で呼ばれるるーちゃんに嫉妬して自分も呼ばれたいと清木先輩や秀に相談したり、優ちゃんに迫ったり⋯普段はカリスマ性の塊として何故か持ち上げられるも実際はマイペースで楽しげで嫉妬もしちゃう可愛らしい子なんですよ。それが水鳥亜鳥なのです⋯
そんな中で秀と清木先輩が接触。しかし、秀は何もすることなく振られてしまいました⋯肉丸先生がどういう解釈をされてるかは分かりませんが、僕の中で清木先輩は男に興味のない百合の世界の住人だと解釈してます。あの女の子をいじめたがってる表情を見たらね⋯男なんか興味なしに見えますよ?秀も複雑でしたね。ただ、亜鳥ちゃんに好意を抱いている中では救われたかなと思います。
こんな感じで清木先輩との絡みも今後は増えてくるので楽しみにしててください!次回は自転車回となります。わっこいいを追い求める優ちゃんに秀と涼ちゃんがどれだけ振り回されるのか?どうぞお楽しみに。
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