ぐっどぼーいの俺とばっどがーるな妹   作:寿垣遥生

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遥生です。まずは別作品ながら活動報告にもあるように前書きにてその該当作品(原作)の後継作品のリーク情報を流してしまい皆さんに不快な思いをさせてしまったことをこの場を借りて深くお詫び申し上げます。その作品を観ている人達の中には我々のように考察が好きなコアなファンだけではなくて純粋に楽しみたいと思っているファンもいるということを忘れてしまったのが今回の件の原因と考えております⋯今後はこのようなことがないように気をつけますのでどうかお許しくださると幸いです。本当に申し訳ありませんでした!

そんな中で今回はばっどがーるの番になりますが、また気を引き締めつつも楽しく書いて参りますのでどうかよろしくお願いいたします。

それでは、また後書きにて。


#17 ゴールデンウィークでフォーリンラブ

side秀

 

「明日からゴールデンウィーク⋯先輩に1週間も会えない。」

 

 優の手首の捻挫が治った頃、ついに明日からゴールデンウィークに突入するわけで周りの生徒は浮かれている様子だが優だけはかなり落ち込んでいる模様⋯どうやら水鳥先輩に会えないというのがかなりショックらしい。

 

「いっそ休み明けまでコールドスリープしたい⋯」

 

「あら、そんな悠長なことをして良いんですか?」

 

 優がかなり落ち込んでいると、教室に清木先輩が入ってくる。2年の俺が入ってきたり、3年の清木先輩が入ってきたり⋯もうこの教室というか優と涼のクラスは入られ放題である。

 

「清木先輩!?」

 

「こんにちは。何の用でこちらへ?」

 

「優ちゃんが落ち込んでる気配を感じて来たのですが⋯とにかく、亜鳥は連休中に大切な人と遊園地に行くようですよ?」

 

「ええっ、そんな⋯先輩に大切な人が!」

 

 清木先輩は優に水鳥先輩のゴールデンウィークの予定を伝えると、伝えられた優はオオカマキリの卵鞘みたいな泡を吹いてしまう⋯俺もそれが誰なのかは気になるが、とりあえずこっちは冷静でいないとな。

 

「あれれ〜?こんなところに偶然余った遊園地のチケットが⋯本来だったら私と秀くんと2人で行くために使おうと思ってましたけど、どうしましょう?」

 

(俺をデートに誘うつもりだったのか、清木先輩!?しかしわざとらしいな⋯)

 

「い、行きます!そのチケット、ください!」

 

 清木先輩がわざとらしく余ったチケットを見せつけると、優は即座に反応して行きたいアピールをかます。本当に水鳥先輩のことになると素直な人間だなと思ってしまう⋯

 

「やっぱり、優ちゃんならそう言うと思いましたよ。それであと1枚は涼風さんと秀くん⋯どちらが貰いますか?」

 

「私はパスします。ゴールデンウィークは旅行と親の帰省に同行するんで。折角だし、尾行目的とはいえ優と久しぶりに兄妹で楽しんできなよ⋯秀兄?」

 

「分かったよ。涼がそこまで言うなら楽しんでくるさ⋯」

 

「決まりですね。それと、秀くん⋯私とLINEのIDを交換しませんか?ゴールデンウィークの予定とかあなたと話したいことは沢山あるので。」

 

「は、はい。分かりました⋯俺ので良かったらよろしくお願いします。」

 

 こうして、俺と優は清木先輩から遊園地のチケットを受け取ることになって水鳥先輩の尾行がてら兄妹でデートをすることに⋯それと同時に清木先輩ともLINEのIDを交換して友達になった。今年のゴールデンウィークは一体どうなるのか?まずは水鳥先輩の大事な相手が誰なのかを突き止めねえとな⋯俺も優もモヤモヤするし。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 翌日のゴールデンウィーク初日、俺と優は清木先輩がチケットを譲った遊園地を訪れる。この場所に俺達に加えて涼が小学生の時以来行ったっきりだったが、その場所にかなり久しぶりの時を越え足を踏み入れた。

 

「わーい、久しぶりに来た〜♪」

 

「小学校以来だな⋯アトラクションも増えてるし豪勢になってる!できることなら涼も一緒に誘いたかったけど、チケットは2枚だったしあっちもあっちで旅行と帰省だしな⋯」

 

「そうだね。今頃涼ちゃんはどうしてるのかなぁ⋯あっ!見て見て、ジャーキーだ!!写真撮ろう、お兄ちゃん♪」

 

「だな!」

 

 そして、俺は自撮り棒を使ってからこの遊園地のマスコットであるうさぎのジャーキーも入れて3人で写真を撮る。しかし、何年経ってもジャーキーは可愛いしマスコットで居続けているのはエモいよな⋯本当に今日は優とここに来れて良かった。

 

「一応、訊いておく⋯お前、今日のメインの目的は忘れてねえよな?」

 

「わ、忘れてないよ!?不届き者を豚箱にぶち込むんでしょ?」

 

「お前、今日は過激すぎるな⋯」

 

「ま、まあ⋯どうせ何かの誤解だと思うし。ついでにお兄ちゃんとのデートを楽しめれば私はもうそれで満足だよ。」

 

「あっ、来たぞ?」

 

 そんな風な話をしていると、水鳥先輩が俺達の前にやって来る。その大事な相手が誰かと確かめると⋯その人物の正体は妹の水花さんだった。腕を組んで楽しそうにしていて仲良い姉妹だと安心すると共に尾行する必要があるのかと俺の中で疑問に思えてしまう。

 

(しかし、水鳥先輩⋯折角のオフなのに制服で着てやがる。水花さんは私服なのに⋯)

 

「あばばばば⋯」

 

 そんな光景を見た優はモリアオガエルの産卵のように泡を吹いてアナフィラキシー的な症状を起こす。まあ、横にいる彼女が妹の水花さんってことを知らない故だろう⋯俺は知ってるから別に動揺しないけどな。

 

「あっ、先輩に悪い虫が…」

 

「いや、ただの妹さんだぞ?あの子は。先輩が言っていた例の水花さんだよ。」

 

「いいや、そんなことない!妹だったらこんなにもベタベタしないもん!!絶対妹を名乗った悪い虫に決まってる!!!」

 

「おーい、人の話は聞きなさーい?」

 

「こうしちゃいられない、追いかけないと⋯行くよ、お兄ちゃん!」

 

「ちょっ⋯お前、逆だって!そこ売店だぞ!?」

 

「変装道具を買うの!何も着けてないと怪しまれるでしょ?」

 

 そんなこんなで優はジャッキーの耳2つといちごシェイクにチョコチュロスに加えて桜餅パイも購入。変装どころか飲食もするという魂胆だが、別に尾行する必要がそもそもないけどな⋯とりあえず、今は優のやりたいように泳がせとこう。

 

「ぎぎぎ、仲睦まじいさま⋯!」

 

(当たり前だろ?姉妹なんだから。)

 

「こうなったら、こっちも腕組むよ⋯お兄ちゃん!」

 

「いや、だからあれは妹の特権であってあいつが泥棒とかそういうのじゃねえから⋯」

 

「つべこべ言わない!妹の特権なら私もくっついて良いよね?えいっ⋯!」

 

「⋯!?」

 

 聞く耳を持たない優は俺の腕にガッツリ抱きつく。その時にじゃっのうさ耳が頬に当たり、同時に腕には優の着痩せ型の巨乳が服越しに当たる⋯頬はつつかれるし、腕には柔らかい感触があるしでどれを先に感じれば良いのか分からない。

 

「こ、こら⋯恥ずかしいだろ!」

 

「そんなの知らないよ?それじゃあ、出発!」

 

 そんなこんなで俺と優はこのまま水鳥先輩と水花さんの後を追いかけていくことに⋯周りからはカップルを見るような目で見られて恥ずかしい時間だったが、決して嫌な感じはしなかったんだよな。本当に不思議だ⋯俺達、兄妹なのに。

 

「最初はコーヒーカップに乗ったか。」

 

「お兄ちゃん、安全運転でお願い!」

 

「分かった⋯(何で俺が運転させられてんだ?そもそも先輩と一緒なのは妹さんなんだからいい加減理解してくれよ。)」

 

 とりあえず、最初に先輩達姉妹が乗ったのがコーヒーカップということで俺達も乗ることになり優の追跡の手伝いをすることに⋯どうして俺はこんな茶番に付き合わされてるのだろうか?そういう虚無感の中でカップを運転する。

 

「えっと、先輩は⋯あそこ!」

 

 優は水鳥先輩と水花さんを捉えるもここで1周、そしてもう1回捉えるももう1周。乗ることに合意した俺も俺だが、優は重要なことに気づいていなかった。

 

「あれ?まさか⋯どっちも回るから1周しか捉えられない!?」

 

「乗る前から気づけよ⋯(何も言わなかった俺も俺だけどさ。)」

 

「くっ、まさにベガとアルタイル⋯相まみえること叶わない!」

 

「めっちゃ良いように言うな⋯で、どうする?」

 

「どうするも何も⋯そうだ、回転方向と逆に走れば常に先輩と同じ方向を向いていられる!」

 

(バカかな、こいつ⋯)

 

「うおおおおお!!」

 

『お客様、危険ですのでおやめください!』

 

 愚策を閃いた優は乗ってるコーヒーカップの回ってる方向と逆に走り出した。スタッフからは怒られるし、周りからは変な目で見られるし⋯こっちの方が優の胸を腕に押し付けられた時よりも恥ずかしかった。どこかの海賊の兄の言葉を借りて言うならば、出来が悪い⋯ってほどじゃないけどそんな妹を持つと兄貴の俺はとにかく心配になってしまう。でも、嫌いになれないのが不思議なんだよな⋯

 

「はあ、はあ⋯」

 

 コーヒーカップでの時間が終わると、優は案の定ぐったりとベンチに横たわる。しかし、コーヒーカップでこんなに疲れたバカは初めて見た⋯これをネタにすべらない話をしたら絶対大爆笑間違いなしだろう。

 

「優、先輩達があの建物に入ったぞ?あそこはプラネタリウムだな⋯まだ追うか?」

 

「プラネタリウム!?あんなの見たらロマンス発動するよ。雰囲気ぶち壊そう!」

 

「ぶち壊すって⋯具体的には何をするんだ?」

 

「サキイカ食べよう、後ろの席で!」

 

「スメハラやめろ!」

 

「じゃあ生イカ?」

 

「お前イカから離れろ!イカしかスメハラネタねえのか!?」

 

 結局、優はスメハラを実行することなくただ単に後ろの席でプラネタリウムを楽しむ水鳥先輩と水花さんを観察することに⋯それでも結構楽しそうな様子だ。まあ、姉妹だしな⋯一緒で楽しいのは当たり前か。

 

「「うふふ♪」」

 

「ぐぬぬぬぬ⋯」

 

「流石は姉妹、楽しそうだよな。」

 

「あんなのが姉妹なわけないよ!まあ、仲は良さそうだけどロマンチス感が不足っていうか⋯私ならもっと星の知識を活かしてロマンチックに決めるよ。」

 

「ふーん、じゃあやってみろよ⋯ロマンチックに。」

 

「任せてお兄ちゃん!あれがデネブだよね?」

 

「ベガ。」

 

「アルタイル!」

 

「デネブだな⋯」

 

「ベガ♪」

 

「アルタイル。」

 

「⋯クマムシって火星でも生きれるらしいよ?」

 

(諦めんなよ!)

 

 結局、優にはロマンチックの欠片も何もなく星を全部外してしまう。とうとうクマムシの雑学を言い出すオチだが、これは知ってたのか⋯優はどういう頭脳をしてるんだ?知識が偏っているのは明らかである。

 

「とうとうカフェまで来たか⋯」

 

 時間もお昼時になり、水鳥先輩と水花さんはカフェでお昼ごはんを食べるのか店員さんに何かを注文する。本当に王道なデートをしてんな⋯あの姉妹。

 

「お腹空いたし丁度良いね♪」

 

「お前、さっき食べてただろ?チョコチュロスとか桜餅パイとか⋯」

 

「そうだっけ?今日やたらと空腹感あるんだよね⋯何でだろう?」

 

(当たり前だろ、コーヒーカップで逆走もすれば疲れて腹も減るっての⋯)

 

 優は散々食べといておきながらもお腹が空いたと素直に伝える。それもそうだ⋯コーヒーカップの上で逆走というバカのようなカロリー消費もすれば腹も減るだろうに。

 

「とりあえず、何頼むか?俺は⋯「店員さん、あの席の方と同じものを!」⋯えっ?」

 

 俺がメニューを見て優に何を頼むかを訊ねようとしたが、彼女は迷うことなく店員さんに水鳥姉妹が頼んだものと同じものを出すように注文する。あっちが何を頼んだかは分からないが、とんでもなく気持ち悪い⋯好きな人と同じものを頼むってヤバイよな。

 

「こちら、ラブカップルカプチーノです。」

 

「ぶつぶつぶつぶつ⋯」

 

 そうしてしばらく待つと、店員さんは優というかあの姉妹が頼んだものを持ってくる。それは大きなグラスの中にクリームの乗ったカプチーノが入っていて2人で飲む用のハートのストローの付いたいかにもカップル向けの飲み物だ⋯これを見た優はまた泡を吹いて悶絶。その一方で水鳥姉妹はというとラブラブな感じで楽しそうに仲良く同じのを飲んでいた⋯女の子同士でも楽しめる飲み物なんだな。

 

「とりあえず、ご愁傷様⋯」

 

「待って、お兄ちゃん!先輩がレンタル彼女を借りただけかもしれないじゃん!?」

 

(いや、あれは正真正銘先輩の妹だから⋯いい加減現実見ろって!)

 

「でも、水鳥先輩って誰から見ても素敵な人だもんね。いざ見てみると心が痛いしへこみそうだよ⋯ワルアピールとかも間違ってたのかな?」

 

 優は今にも泣きそうな表情をして震えた声で自分の愚かさを嘆く。まさかバカのように前向きな彼女がここまで落ち込むなんて⋯兄の俺ですら見たことがなかった。本当はというか何度も俺は水鳥先輩の横にいるのは妹の水花さんだということは伝えているのだが、聞く耳を持たないというか現実を受け入れられずパニックに陥ってるんだろうな⋯そんな彼女を安心させるのは兄である俺の役割だ。ここは一肌脱ぐしかねえな!

 

「優、顔を上げろよ⋯」

 

「お兄⋯ちゃん?」

 

「もしも、お前が好きな人からフラれたとしても俺はずっとそばにいるぜ?俺だけじゃねえ、涼だっている⋯それでも寂しいのなら俺がお前の恋人代わりになってやるよ。それで心のピースを埋めれるのなら俺は世間からシスコン扱いされても構わねえ⋯だから、元気出そうな?ばっどがーるさん。」

 

 俺は優のことを励ましてから軽く彼女の背中を叩くと、彼女は安心したのかまた明るい表情を取り戻す。たとえ水鳥先輩から嫌われたとしても俺や涼がいる⋯それをまた認識してくれたら何事にも変えられないぐらい嬉しいものだ。

 

「ありがとう、お兄ちゃんのこういう優しいところ⋯私、大好きだよ。本当にお兄ちゃんの妹として産まれて良かった⋯これからもよろしくね。」

 

「ああ、俺も優のことが大好きだよ。とにかく、水鳥先輩が大好きなら奪っちまえば良いんだ⋯お前、ワルなんだろ?だったらどんな手でも使っちまえ!」

 

「そうだよね、私⋯ワルだもん。これを飲んだらまた警備を続けよう!」

 

「尾行な⋯」

 

「じゃあ、お兄ちゃん⋯このカプチーノ、一緒に飲もう?」

 

「ええっ!?いや、俺達兄妹だろ⋯カップル用の飲み物だぞ?」

 

「あれぇ、お兄ちゃん⋯さっき言わなかった?恋人代わりになるって⋯宣言したことを守らないとダメなんだよ?」

 

「ちえっ⋯しょうがねえな、一緒に飲んでやるよ。今回は特別だぜ?」

 

「やった!お兄ちゃん、だーい好き♪」

 

 そして、俺と優は水鳥姉妹のように仲良くカプチーノを飲んでいく。本来だったらこういうことは兄妹同士だとタブーではあるが、水鳥姉妹がやったんだから悪くないよな?そんな甘いひと時と甘苦いカプチーノを味わうのだった。

 

「あら、優ちゃんと秀くん。」

 

「「あっ⋯」」

 

 すると、この光景に気づいたのか俺達は水鳥先輩に声をかけられる。その横で彼女の妹の水花さんは俺と優を険しい表情で睨んでいた⋯ヤバい、バレちゃいましたかね?




いかがでしたか?今回は亜鳥ちゃんのデートの尾行ということで⋯まあ、デート相手の正体が原作では謎めいていたものの水花ちゃんであることは秀には明らかになっていました。

涼ちゃんは原作とは違い家族の旅行と帰省へと同行して代わりに秀が優ちゃんと一緒に尾行することになりましたが、やはりドタバタ⋯秀にはもうデート相手が水花ちゃんとは分かっているものの優ちゃんはパニックからか聞く耳持たず。そこに不安もありましたけど、秀が寄り添うと宣言して姉妹のようにカプチーノを一緒に飲んでいたのですが⋯どうやら尾行の気配に気づかれてしまったようで、絶体絶命です。

果たして、優谷兄妹の運命は⋯次回が6話分最後の話なのでその結末は次回のお楽しみににしててください。

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして次回も4649!
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