ぐっどぼーいの俺とばっどがーるな妹   作:寿垣遥生

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遥生です。実は今月に入ってからですけども、執筆のやり方を変えてるんですよね⋯その変えた執筆形式というのが1作品集中から時間ごとに執筆作品をローテするという感じにしました。皆さんももう読んだかと思いますけども、実は『名探偵プリキュア!』の二次創作も書くようになりまして⋯1作品ごとの執筆だと追いつかないので30分ごとに執筆する作品を変えてやり繰りしています。その体制の中でたんプリの方が昨日から連載開始しました。ばっどがーるの方はそれに続く形ですね⋯

そんな今回はオリジナルストーリーの最後の話。清木先輩とのデートも佳境、その中で秀の後をつけてた人物が判明⋯その正体とは果たして?そして、秀の恋の行方は⋯続きは本編にて。


#21 恋の行方

side秀

 

 それから俺と清木先輩は買い物とかを楽しんだ。そして、全ての日程を終えて集合場所の駅前に戻るともう夕方になっていて、時が経つのは早いなと思った。

 

「秀くんのデート、楽しかったです。私から誘ったのに付き合ってくれて今日はありがとうございました♪」

 

「いえ、俺も清木先輩と一緒の時間を過ごせて楽しかったですよ?また誘ってくださいね⋯俺はいつでもお付き合いしますから。」

 

「嬉しい⋯秀くんは優しいですね。きっとあなたが大好きな亜鳥ともお付き合いできるはずですよ?」

 

「えっ⋯」

 

 すると、清木先輩は俺が好きな相手を言い当てると共にお付き合いできると太鼓判を押した。そこで俺は驚く⋯俺は清木先輩に亜鳥先輩のことが好きだとは一言も言ってなかったはずなのだが。何故知ってるんだ!?

 

「清木先輩、どうしてそれを知ってるんですか?俺⋯あなたにこのことを話してませんけど。」

 

「やっぱり合ってたんですね⋯秀くんと亜鳥の様子を見てたら分かりますよ?秀くんは亜鳥と一緒にいると楽しそうにしていて、誘惑されると優ちゃんのように動揺しちゃうんです。私にはお見通しですからね?」

 

「参りました⋯清木先輩の鋭い観察眼には勝てませんね。清木先輩の前で言うのも申し訳ないですけど、俺⋯亜鳥先輩のことが大好きなんです。あの人とは俺が1年の時から風紀委員で一緒になってそこで活動をしていくうちに亜鳥先輩の素敵なところに触れて、気がついたら俺はアトリスト以上にあの人の虜になっていました⋯美人で性格が良すぎて、ちょっぴり天然なところもあるけどそれも憎めなくて。そんな素敵なお姉さんなんです⋯」

 

「なるほど⋯でも、あなたの身の回りには素敵な女性が沢山いますよ?それでも秀くんは亜鳥が1番と言えますか?」

 

「それは⋯確かに涼とかるーちゃんとか清木先輩とか、魅力のある人は沢山いますよ。だけど、今はもう亜鳥先輩に夢中なんです⋯俺はこの恋に心が燃えていて、ブレーキなんてありません。清木先輩も含めて他の人には申し訳ないですけど、こればかりは貫きます。」

 

 俺は清木先輩に自分の気持ちを素直に伝える。亜鳥先輩本人は不在だが、俺の気持ちにブレはない。自分の気持ちという名の刃は何が何でも貫く所存だ⋯絶対にこの気持ちは変えないし曲げない。

 

「そうなんですね。私も少しは期待していましたけど、残念です⋯でも、それが秀くんの決めた道なんですよね?それなら、自分を信じて戦いに勝ってください!応援してますよ?」

 

「清木先輩、ありがとうございます!俺⋯必ず勝ちますよ。」

 

「ふふっ⋯それでは、また学校のある月曜日に。本当にありがとうございました⋯」

 

「はい、また月曜日ですね。こちらこそありがとうございました!」

 

 そうして俺は清木先輩と別れて見送った後に自宅への帰路を歩くのだった。今日のデートを思いっきり楽しんで俺のことも慕っている清木先輩を振ってしまう形にはなってしまったが、俺には後悔はない⋯今は亜鳥先輩との恋に一直線だし、気持ちを伝えることができたからな。俺の心は曇りなく晴れているし、勇気も湧いてきた⋯あとはもういつ告白するかである。

 

「おい、誰だか知らねえが後ろにいるんだろ?さっきからコソコソ俺と清木先輩を付け回しやがって⋯いるのは分かってるんだ、姿を現せよ?」

 

 その帰りの道中、俺と清木先輩のことを付け回していたやつの視線を感じてその人物を後ろを向いてから呼び出す。誰なのかと思って待つと、そこには優の姿があった⋯まさか俺の尾行をしていたのが自分の妹だったとは少し驚きを伴っているが、まあ順当ではなかろうか。

 

「バレちゃったか⋯完璧だと思ってたのにな。」

 

「ボウリングの時から視線を感じてたんだよ。誰かは知らねえけど、見られてることぐらい分かってたぜ?とりあえず、話は後だ⋯家に帰ったら俺の部屋に来い。そこで事情は聞いてやる⋯」

 

「う、うん⋯」

 

 そうして俺は優と一緒にひとまず今は話を聞くことなく自宅へと帰るのだった。正直な話をすれば俺は今回のことでかなり腹が立っている⋯しかし、この公然でイライラをぶつけても周りからは変な目で見られるし何の解決にもならない。今回のことは優にも事情があるだろうからな⋯ここは家に帰って冷静に話を聞くのが妥当だろう。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「お邪魔します⋯」

 

 家に帰ってからしばらくして、俺が部屋着に着替えて普段の眼鏡をかけた後のタイミングで優が部屋に入ってくる。彼女はとても申し訳ないというかかなり反省している様子で、よほどの事情があるんだろうな⋯とは思っている。とりあえず、悪気はなさそうだし強く責めないように気をつけながら事情を聞き出すことにした。

 

「とりあえず、座ってくれ。まず、どうして俺と清木先輩のデートを尾行してたんだ?」

 

「ごめんなさい⋯お兄ちゃんがデートすると聞いていてもたってもいられなくなって。相手が水鳥先輩じゃないと言ってたけど、誰とデートするんだろうと思ったんだ⋯」

 

「相手が気になるのは分かるが、どうして優が気にするんだよ?何が目的なのか教えてくれるか?」

 

「それは⋯」

 

 俺が目的を質問すると優は言葉を詰まらせてしまう。何が彼女を突き動かしているのか⋯恐らくとは思うが、裏で誰かと繋がっている可能性が高いはずだ。

 

「なあ、優⋯昔、俺と約束しただろ?兄妹で隠し事はなしって。俺は怒らないから正直に言ってくれ⋯お前、誰かと繋がってるんだろ?」

 

「そうだったね。実は涼ちゃんに頼まれてたんだ⋯朝、お兄ちゃんがデートすることを伝えたら誰とデートするのかを尾行して、もしも告白されたりしたらデートの後に問い詰めろって。」

 

 優は俺と清木先輩のデートを尾行した理由をありのままに話す。そういうことなのか⋯尾行を優に頼んだのは涼だったんだな。しかし、どうして彼女は優に尾行を頼んだのだろうか?そこがまだ謎だ。

 

「とりあえず、事情は分かった⋯でも、安心しろ。清木先輩とはただ一緒に遊んだだけだ。ところで、どうして涼はお前に俺達のデートを尾行するように依頼したんだ?もちろん、知ってるんだろう?」

 

「えっと、その⋯でも、これをお兄ちゃんに話したらどう思うのかって不安だし、涼ちゃんも気持ちを伝えられないと思うから。」

 

「気持ち?ああ、なるほどな⋯もう話さなくても分かってる。あいつ、俺のことが好きなんだろ?」

 

「知ってるんだったらどうしてお兄ちゃんは水鳥先輩の方を向いてるの?あの子はお兄ちゃんのことが大好きだし、付き合いだって先輩より長いのに…どうして?お兄ちゃんがやってることは涼ちゃんを悲しませることになることが分からないの?」

 

 涼の事情を知っていることを俺が明かすと、優は溜めていた怒りが爆発したのか俺に激しく問い詰める。こうやって2人は裏で繋がっていたのだから涼から恋愛相談とかも受けてたんだろうな⋯その真剣な気持ちに俺は押されるばかりだ。

 

「それは分かってる。だけど俺は今、亜鳥先輩が恋しいんだ⋯あの人と同じ風紀委員にいて生徒会でも一緒に活動していくうちにあの人の優しさとか偉大さとか美人なお姉さんなところを受けて恋の沼に落ちたんだ。でも、涼のことも可愛いと思ってるし付き合いも長くて同じぐらい好きで⋯だけど、この日本では二股は許されてないから俺だって迷いはある。こっちだって涼を悲しませたくないけど、しょうがねえだろ!俺は亜鳥先輩に恋をしてしまったんだから。涼には申し訳ないと思ってるけど、俺⋯どっちも幸せにできるほど器用な男じゃねえから。」

 

「お兄ちゃん⋯そんなに悩んでたんだ。ごめんね、涼ちゃんの気持ちしか見てなかったからお兄ちゃんの気持ちを知らずに色々迷惑をかけて。」

 

 俺が優に自分の気持ちを吐き出すと、聞いてた優は納得する。涼が恋心を抱いていたのを知ってたにも関わらずこういうことをしてしまったことが本当に申し訳なく思ってしまう⋯

 

「お前が謝らなくて良いんだよ。悪いのは俺だ⋯涼が俺のことが好きなのは知っていた。でも、今の俺はあいつを悲しませてしまう⋯だから俺は涼の気持ちから逃げようと思ったんだ。情けねえよな⋯俺って。優もそう思うだろ?」

 

「そんなことない!お兄ちゃんはみんなのことを大事に思ってること、私はよく知ってるよ?妹の私にも涼ちゃんにもるー先輩にも水鳥先輩にも清木先輩にも、みんなに優しくて⋯だから誰か1人でも悲しませたくなくて苦しいんだよね?」

 

「ああ。俺はみんなに幸せになってほしいと思っている⋯でも、付き合って将来結婚できる女の子は1人だけなんだよ。今の俺は間違いなく涼を悲しませることになるだろう⋯なあ、俺ってこれからどうすれば良いんだ?女の子の立場で教えてくれ⋯何が最善の答えなのかを。」

 

 俺は情けなくも妹の優に自分の悩みをぶつけて答えを問う。兄のプライドとかもうそんなのは関係ないのだ⋯俺はとにかく苦しみから解放されたい、その一心である。

 

「ごめんね⋯私、異性との恋の経験がないからよく分からなくて。だけど、確かなことはお兄ちゃんが幸せだと私も凄く嬉しいの⋯涼ちゃんの恋を応援している立場だけど、お兄ちゃんには幸せになってほしいんだ。後悔しない選択をしてほしいと思ってるよ⋯私からの答えはこんな感じだけど、答えになってるかな?」

 

「後悔しない選択、か⋯それって何だろうな。」

 

『優、秀、お風呂湧いたわよ〜?』

 

「はーい。とりあえず、これ以上考えると余計に疲れるから先にお風呂に入りなよ⋯私は後でで良いからさ。」

 

「そうか。ありがとな、優⋯先入ってくるわ。」

 

 母さんが下からお風呂が湧いたことを知らせると、俺は優の言葉に甘えて先に風呂へ入ることにした。優の言う通りだよな⋯これ以上考えてても頭が疲れるだけ、とりあえず今だけでも考えることをやめて心も身体もサッパリするか。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 風呂を済ませて夜ごはんも食べた後のこと、電気も消えて優も母さんも寝たであろう夜中に俺は目を覚まして自分の部屋を出てから喉の乾きを潤すために台所へとたどり着く⋯とりあえず、麦茶を飲んでから寝るとしよう。

 

「やっぱり、ここに来ると思ってたわ⋯」

 

 冷蔵庫を開けようとしたその時、電気がつくとそこには待ち伏せていたパジャマ姿の母さんがそこにはいた。この言い方だとどうやら俺がここに来ることを読んでいたのだろうな⋯子の考えはお見通しってわけか。

 

「母さん⋯起きてたんだ。」

 

「ええ。夜ごはんの時からずっと悩んでて深刻な顔をしてたし、夜中に起きてここで麦茶を飲むのかなぁと思ってね。言っておくけど、伊達にママを17年もやってないわよ?とりあえず、ゴールデンウィークの夜は長いしたまにはママと一緒に夜更かしする?」

 

「ちょうど良かったよ。俺も母さんに話したいことがあったし⋯たまには悪くねえな。」

 

「了解。それじゃあ、ホットココアを作るからリビングで待っててね?あっ、このことは優には内緒よ♪」

 

「分かってる。こんな夜更かしの様子を見られたら優も夜更かしをし始めるからな⋯まあ、気長に待つよ。」

 

「ありがとう。それじゃあ、ちょっと待っててね?」

 

 そう言って母さんはキッチンへと向かいホットココアを作りに行くのだった。その間に俺はリビングの電気をつけてから母さんが来るのを待つことに⋯

 

(5分後⋯)

 

「お待たせ〜。はい、これ秀のね?」

 

「ありがとう、母さん。」

 

 待つこと5分、母さんがお盆に乗せたホットココアを2人分持ってきてからそれぞれの分を机の上に置いて、俺と母さんは互いに向き合う形で座ることに。

 

「それで、私に話したいことって?」

 

「突然だけどさ⋯母さんは恋をしていた時に好きな人が複数いたことってある?」

 

 俺は母さんに対して迷わず直球に好きな人が複数いたかを質問する。とりあえず、まず最初の触りとしては経験から聞かないと話は始まらないところだ。

 

「そうね⋯私にはそんな経験はなかったかな?私の恋はずっとパパ一筋だったもん。ここでのパパは秀と優のパパって意味ね?」

 

「だろうな⋯ここまで父さん一筋じゃないと大学在学中に結婚どころか俺と優を立て続けに出産もできねえし。」

 

「でも、私が保健室の先生をやっていた時にこういう相談を女の子とか男の子とかから受けたことは何度もあるわ。二股の経験がなくて困ってたけどね⋯」

 

「そっか。やっぱり母さんでも無理か⋯」

 

「もしかして、秀⋯まさかとは思うけど二股とかしてないわよね?」

 

「いや、してない⋯ただ、二股をしてしまう寸前にはあってどっちを選べば良いのか悩んでる。」

 

「あなたの好きな子って涼ちゃんとまさかもう1人いるの?」

 

「ああ⋯同じ学校の生徒会と風紀委員の先輩なんだ。とりあえず、この人だよ。」

 

 俺はスマホの画像フォルダから亜鳥先輩の画像を開いてからそれを母さんに見せる。亜鳥先輩の写真を見た母さんは何かを納得した表情で頷く⋯何を思ってるのだろうか?

 

「へぇ⋯かなりの美人さんじゃない。名前は?」

 

「水鳥亜鳥先輩だよ。学校のマドンナ的存在で美人でスタイルが良いのはもちろんだけど、頭も性格も良くて風紀委員長としても敏腕という隙のない優等生さ⋯俺、この人と仕事をしたり会話をしているうちに好きになってきたんだけど、小さい頃から好きな涼と迷ってしまって。今の心の熱さ的には亜鳥先輩だけど、彼女を選んだら涼を悲しませてしまう⋯だから、涼の気持ちとかからは逃げまくってしまった。今が辛いんだよ⋯」

 

「秀は本当に優しい子ね。優もだけど、本当にパパとそっくり⋯あの人も優柔不断というか優しい人だったから私と付き合う前にもあなたと同じように悩んでてね。地元で権力を持っていた政治家の娘か私の板挟みになってて⋯最終的にパパは私を選んだんだけど、その決め手が何だったのか秀は分かるかしら?」

 

「父さんが母さんを選んだ決め手?そりゃあ人柄だろ⋯」

 

「それもあるけど、パパはこの先の未来に天秤をかけて私を選んだの。パパが言うには政治家の娘と結婚すると自分が跡継ぎとして育てられて息苦しくなるし、住む世界が違うからその人と価値観が合わないし⋯でも、私となら自然体でいられるから幸せな生活ができると言ってくれてそれが嬉しかったんだ。」

 

「で、父さんと付き合うようになって結婚したと⋯父さん、かっこいいな。」

 

「でしょ?秀は今、先輩と涼ちゃんで迷ってると思うけどきっと決断できる時は来るはず。だから、どっちとこの先過ごしたら楽しいのか、それをしっかり考えてから決めてね?私から言える答えはここまでだけど、あなたには後悔のない選択をしてほしいと思ってるわ。」

 

 母さんは優しくも真面目な口調で俺にアドバイスを送る。後悔のない選択、か⋯優にも同じことを言われたけど、俺はとにかく未来を見て答えを決めることにした。できることならどっちを選んだとしても誰かを悲しませないようにできたら良いと思うが、涼は俺が知る限り強い子だからきっと俺の恋を応援してくれるはず。そう信じたい⋯

 

「ありがとう、母さん⋯俺、しっかり考えて決めるから。涼にしても亜鳥先輩にしても後悔しないように、そして悲しませないようにするよ。」

 

「頑張って!私も応援してるから⋯付き合う子を幸せにしなさい?」

 

「ああ、分かってる⋯」

 

 俺は自分の決意を伝え、それに対して母さんがエールを送る。母さんは本当に優しくてたまにお節介だけど、いつもそばにいてくれる何だかんだで頼りになる大事な家族の1人だ⋯そして、俺と母さんはココアを飲みながら色んなことを朝近くまで語り合った。ゴールデンウィークだからこそのひと時で俺の心が落ち着いた気がする⋯ありがとう、母さん。

 

 

 

 

おまけ

『涼風涼は気持ちを伝えたい』(side涼)

 

 ゴールデンウィーク真っ只中、私は母方の実家の帰省に同行していて大人達が宴会を続ける中で子供の私達は従兄弟達と一緒にゲームをしている。しかし、私は殆どゲームに参加せずにスマホで秀兄と清木先輩のデートの尾行を頼んだ優とLINEでやり取りしていた。

 

『とりあえず、今回のデートに関してお兄ちゃんはただ清木先輩と遊んでいたのだが、水鳥先輩への恋心は依然としてある模様。お兄ちゃんに話をしたところ涼ちゃんか水鳥先輩、どっちと付き合えば良いのか悩んでいる様子。何かあったらまた連絡しますm(_ _)m』

 

(秀兄⋯やっぱり鳥先のことが好きなんだ。でも、私のことも好きで悩んでるって⋯あの人、優柔不断だし人たらしだから絶対二股とかやりそうだなぁ。どうしよう?)

 

「涼姉、いつまでスマホ触ってるん?次は涼姉の番やで?」

 

「あっ、ごめんな⋯姉ちゃん、ちょっと忙しいさかいあんたらで遊んでてな?私、ちょっとお話ししてくる。」

 

 私はリビングを後にしてから廊下へと出る。この優からのメッセージを見ていてもたってもいられなくなったからだ⋯もしも、鳥先が通話できるのであれば私はこの気持ちを彼女に伝えたくて仕方がない。そして、LINE通話を鳥先に繋いだ⋯

 

『はい、水鳥です。どうしたの、涼風さん⋯周りが騒がしいけどもしかして実家?』

 

「まあ、はい⋯今、帰省してます。鳥先は何してるんすか?」

 

『私はそうね⋯ゴールデンウィークに出された宿題をやってるところよ。涼風さんも宿題出されてると思うけど実家でも進んでる?』

 

「まあまあっすね。それで、今回かけたのは私から話したいことがあってですけど⋯今、大丈夫ですか?」

 

『話したいこと?もしかして、恋愛相談⋯かしら?』

 

「当たりっすね。まさか天然の鳥先から言い当てられるとは驚きました⋯」

 

『もう、天然とか言わないでよぉ⋯涼風さんの意地悪!』

 

「別に、天然に天然って言っただけでしょ。それで、本題に移りますけど⋯私には好きな人がいるんですよね。」

 

『へぇ⋯誰なのかしら?もしかして、私が知ってる人?』

 

「白々しいですね?あんたがお世話になってる人でしょうに⋯」

 

『もしかして、秀くん?』

 

「⋯当たりです。私、秀兄とはずっと幼馴染として親友として一緒にいましたけど、あんたと秀兄が一緒にいるのを見てるとモヤモヤしてて。」

 

『そうなの?ごめんなさいね。それで、いつから秀くんのことが好きだったの?』

 

「小さい時にいじめられてたのを助けてもらった時っすかね⋯あの時から秀兄は私の王子様で、あの人がいたからこそ私は藤ヶ咲高校に入ったんです。まあ、優が関わってたんですけどね⋯」

 

『そうなの。もしも、私が秀くんのことを好きだと言ったら?』

 

「えっ⋯」

 

 鳥先のその台詞を聞いた時、一瞬頭がフリーズして優が藤ヶ咲に進学を決めた時のことを思い出してしまう。これ以上、私の目の前から大事な人がいなくなるなんて⋯そんなの、嫌だ!

 

『もしもし⋯涼風さん?』

 

「嫌です。秀兄は誰にも譲りたくない⋯鳥先だろうと誰だろうと!」

 

『ふふっ、それだけ秀くんのことがあなたは好きなのね?冗談よ⋯私は涼風さんの譲れない人を奪うつもりはないわ。それが素直な気持ちならあなたのその気持ち、大事にしてね?』

 

「ありがとう⋯ございます。すみません、さっきは取り乱してしまって⋯」

 

『気にしないで。それじゃあ、あなたの時間もあることだし通話を切るわね⋯秀くんとの恋、頑張って!』

 

「はい、頑張ります!おやすみなさい⋯」

 

 そして、鳥先は私にエールを送ってから通話を切る。あの人は優のハートを奪うからあまり好きになれない⋯でも、私のことを大事に思ってくれる最高の先輩だ。そんな彼女に秀兄は告白しようとしていていて複雑かもだけど、鳥先の後押しはかなり力になる。バックには優もついているし⋯頑張らないとな、私!絶対に秀兄に気持ち、伝えるから。今は鳥先に向いてるかもだけど、私が振り向かせてみせる!




いかがでしたか?秀もおまけの涼ちゃんもそれぞれ本音を相手に語りましたけど、秀の中では亜鳥ちゃんに恋をしているものの涼ちゃんのことも好きだし、好きだと思ってくれている彼女を悲しませたくないという複雑な感情のクロスがありました。それを妹の優ちゃんに明かしましたけど、優ちゃんもこれを聞いて後をつけたのが申し訳ない気持ちになってしまうという⋯しかし、母親に相談した中で父親との結婚というか付き合い始めた話を聞き、自分の未来を見て決めることに。その決断とは⋯

一方でおまけの涼ちゃんは秀が恋をしている相手の亜鳥ちゃんと通話相談。しかし、彼女は涼ちゃんの本当の気持ちを知って恋の応援を決意⋯それを秀は知らない中ですが、複雑な恋模様になりました。秀はこの中でも告白するのかどうかは今後のお楽しみとさせてください!

次回はゴールデンウィーク明けでアニメ本編の7話分に戻りますけど、その次はまたオリジナルにして最後のオリジナル回になります。秀と涼ちゃんの恋の行方は?感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして次回も4649!
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