ぐっどぼーいの俺とばっどがーるな妹   作:寿垣遥生

7 / 24
遥生です。こちらも久しぶりの投稿になってすみません…キミプリの方にも書きましたけど、身内の不幸もあって執筆と投稿の余裕がなくしばらく間が空きました。でも、どの作品のことも忘れてはいません!頑張りましたよ…

今回からは3話分に突入でしゃっくり回となります。どうやって優はしゃっくりを止めるのか、秀と力を合わせて挑むわけですが…果たして?

それでは、また後書きにて。


#7 しゃっくりを止める方法は理論上は沢山あるも結果に結びつかないことが多い

side秀

 

 人は誰しもしゃっくりが止まらなくなるという経験は誰しもあるだろう。世間ではしゃっくりを100回したら死ぬという都市伝説もあるぐらいこの問題は結構問題視されているのだが、それに直面してるのが1名…

 

「ヒック、ヒック…」

 

「優、マジで大丈夫か?」

 

 その1名とは俺の妹の優である。何やら朝からしゃっくりが止まらなくなったようだ…今は昼休み、学校の食堂で昼飯を食べているところだが依然として収まる気配がない。

 

「ヒック、全然止まらない。ヒック…もう700回以上してるけど死なないかな?」

 

「大丈夫だって。100回で死ぬは所詮は都市伝説だから…それにしても、コッペパンだけで良いのか?何が沢山食べた方が色々落ち着くはずだぞ…」

 

「ヒック…でも、私そんな沢山食べれるタイプじゃないから。ヒック、そう言うお兄ちゃんはカツカ…ヒック、レーじゃん!」

 

「いや、しゃっくりしながら喋んなよ…無理すんなって。」

 

 優のしゃっくりは相変わらず止まる気配がなくとうとう喋りを遮るぐらいまで頻度が増してきた。ここまで酷くなるくらいなら早めに手を打ってほしかったと思うところだ…正直、しゃっくりが鬱陶しいレベルまで来てるし。

 

「大丈夫。700回しゃっくりしても大丈夫ってことは7回死んでそうなシチュエーションでも生きてるってことだから。ヒック…それに、私はセブ島旅行のコテージで水鳥先輩に抱かれて眠るように死ぬまでは生きるって決めてるもん!ヒック…」

 

「シチュエーションが具体的だな…とりあえず、何とかする方法は俺が調べておいてやるからそれを実行してみろ。」

 

「ありがとう、お兄ちゃん。ヒック…」

 

 それから俺は優が引き続きしゃっくりをする中でしゃっくりを止める方法を調べる。調べてみたら色んなものが出てくるが、とにかく簡単にできるやつを優に勧めたいところだ。

 

「例えば、これはどうだ?両耳に指を入れて圧迫するとか…」

 

「うん、やってみ…」

 

「あっ、ごめん。」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

 

 優が俺が調べた情報の通りに指を突っ込んだ瞬間、通りすがりの涼とぶつかってその弾みに指が耳の奥まで入ってしまい悶絶する。涼の不注意とて優も優でアホとしか言いようがない…

 

「大丈夫?」

 

「ありがとう、涼ちゃん。ヒック…」

 

「秀兄、もしかして優はしゃっくりを止めようとしてたの?」

 

「ああ…とりあえず、涼には迷惑をかけたな。あとは俺が何とかするからお前は教室に戻ってろよ。」

 

「分かった…秀兄、優のことをお願い。」

 

 とりあえず、涼は教室に戻して俺は引き続き優のしゃっくりを止める方法を引き続き調べた。耳に指を突っ込むのはこういう危険があるし、下手したら鼓膜を貫通する恐れもある…何かリスクもなくしゃっくりを止める方法はないのか?

 

「じゃあ、30秒息を止めるってのはどうだ?これなら大丈夫だろうと思うぞ。」

 

「30秒なら楽勝だよ。やってみる!」

 

 そして、優はスマホのタイマーをかけてから息を止める。これでしゃっくりは止まるはずだろう…俺は時間計測を優に委ねて残ったカツカレーを食べていく。

 

(2分半後…)

 

「…」

 

 あれからどれだけの時間が経ったことか…俺はカツカレーを完食したものの優はまだ息を止めていた。しかも表情が苦しそうで顔色も青くてヤバい…30秒かけたつもりが体感ではまだ30秒経っていないようだ。

 

「優、もう30秒経ってるぞ?」

 

「はあ、はあ…本当だ。死ぬかと思ったよ…やっぱりネットの言うことは信じたらダメだね。ヒック…」

 

(いや、お前が30秒見てないだけだろ…アホか!)

 

「何かお困りのようだね…優谷くん。」

 

 優のしゃっくりが止まらずに困っていると、俺のクラスメイトの狩栖がやって来る。出たよ、めんどくさいやつが…コイツとはなるべく関わりたくないんだがな。

 

「狩栖か…」

 

「ところで、この子は?優谷くんの知り合い?」

 

「俺の妹の優谷優だよ。」

 

「へぇ、優谷くんの妹ね。そう思えないぐらい可愛い子じゃないか…」

 

「えっと、すみません…あなたは何者ですか?お兄ちゃんと親しげですけど。ヒック…」

 

「これはこれは紹介が遅れたね、僕の名前は狩栖斗真。君のお兄ちゃんのクラスメイトで親友だよ…校内一のイケメンとして名を知られているけど知らないかい?」

 

(勝手に親友扱いすんな!)

 

「いえ、存じません。ヒック…」

 

 狩栖は優の前でもいかにも校内一のイケメンですよムーブをするも彼女からはあっさりスルーされてしまう。それもそうだ…コイツは数多のイケメンには興味がなく水鳥先輩のことしか頭にないからな。

 

「素直じゃない子だね…しかし、君はさっきからしゃっくりばかりしてるけど止まらないのかい?」

 

「はい、ヒック…朝からずっと止まらなくて。ヒック…狩栖先輩は何かしゃっくりを止める方法とかあるんですか?」

 

「そうだね。笑えば良いんじゃないかな?ここは僕がイケメン一発芸をするから見てて?」

 

 そう言って狩栖は何か一発芸をしようと俺達の前に堂々と立つ。笑わせるって…狩栖にそんなギャグの才能があるとは思えないのだが。そもそもお笑い番組を観ているイメージがないしな…

 

「ラーメンつけ麺僕イケメン!OK♪」

 

(しーん…)

 

「僕のスマホは電波が圏外だ、君のも圏外?圏外圏外ナイスガイ!OK♪」

 

(しーん…)

 

 狩栖は渾身のギャグで笑わせようとするも俺も優もポカーンである。それにこのギャグ…狩〇英〇のパクリじゃねえか!?しかも当の本人はこのキャラを捨ててるってのにそれを恥じずにやる度胸は半端ではない。

 

「どうかな、笑った?」

 

「えっと、何が面白いのか分かりません。ヒック…」

 

「狩栖、もう帰ってくれ。ネタが古いし邪魔だし…」

 

「分かったよ、僕はお邪魔のようだね。失礼する…」

 

 優と俺からオーバーキルされた狩栖は心が折れてどこかへと消えていった。彼も彼で一生懸命だったのは分かるが、ネタが悪いんだよな…オリジナリティーがあってキャラ崩壊するぐらいのギャグをやってたら笑えてただろうが、既に芸人がやってて古いネタは流石に笑えないものだ。

 

「とりあえず、気を取り直して…しゃっくりが止まらない原因に何か心当たりはあるか?それが分かれば解決策は見えるんだが…」

 

「お兄ちゃんもその場にいたから分かると思うけど、多分先輩にネクタイを直された時にコヒュったことなんじゃないかな?だから、先輩のことで何か驚けばしゃっくりは治るかも!」

 

「それなら、セクシーな格好をしている水鳥先輩を想像してみろ。びっくりしてしゃっくり止まるはずだぞ?」

 

「セクシー、セクシー…ぶはっ!?」

 

 俺がセクシーな水鳥先輩を想像するようにアドバイスすると、それを想像したのか優は鼻血を吹き出してしまう。しゃっくりじゃなくて別のものまで出てしまいもう大変だ…

 

「何を見たんだ、お前は…」

 

「その、裸の水鳥先輩を想像して…ますます悪化しちゃった。ヒック…水鳥先輩のおっ〇いは大きいしちくb…」

 

「言うな、女の子がそんな生々しいことを言うな!この作品がR-18判定されるから!!とりあえず、ティッシュ突っ込むからじっとしてろよ?」

 

「ごめんね…お兄ちゃん。ヒック…」

 

 俺は優の鼻の穴に俺が取り出したティッシュをとにかく詰め込む。それでもしゃっくりは止まらず鼻血も止まらず色んなことが悪化してしまった…本当にコイツは水鳥先輩のことになるとどうしようもないアホだ。

 

「とりあえず、逆のことを想像してみろ。水鳥先輩から嫌われることとか考えればショックで落ち着くはずだぞ?」

 

「大嫌い…水鳥先輩が…ヒック…おかしいな、涙が止まらないよ。」

 

 すると、俺のアドバイス通りに水鳥先輩から嫌われることを想像した優は涙が止まらなくなってしまう。血は止まっても涙が出るとか忙しいやつめ…アップダウンが激しすぎだろ!?

 

「優ちゃん、どうしたの?まさか…秀くんが泣かしたんじゃないでしょうね?」

 

「水鳥先輩!?」

 

 すると、この大変な事態に想像の張本人である水鳥先輩がやって来てしまう。この場面を見た彼女は状況を知らずで俺が優を泣かしたのではと思い込んでいる…流石に水鳥先輩は少し怒り気味だ。

 

「いや、俺は泣かしてないですよ…急に優が泣き出して。泣き止ませようと何とかしてたんです。」

 

「そうなんだ…偉いね、秀くんは。お兄ちゃんとして頑張ってるじゃない♪」

 

 しかし、俺が事情を説明するとすんなり水鳥先輩は理解してくれたようだ…この人は優しいし物分りの良い人で助かる。彼女が生徒会長だったらなお学校の雰囲気は良かったんだろうなとどこかで思ってしまう。

 

「ありがとうございます。それで…水鳥先輩も手伝って頂けませんか?」

 

「何を手伝えば良いのかしら?」

 

「先輩、いらっしゃったんですね?ヒック、ヒック…」

 

「実はですね、色々訳ありで優のしゃっくりと鼻血と涙が止まんなくなってしまったんです…それで俺も協力して何とかしようとしてたんですよ。」

 

「そうなのね。とりあえず、私も優ちゃんに用があって来たからそれもついでに済ませちゃいましょうか。秀くんも来てくれる?」

 

「「は、はい。」」

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから優は涙と鼻血を拭いて水鳥先輩と校内を散歩することに…もちろん俺も一緒だが、一体どんな用があると言うのだろうか?

 

「ヒック…ところで先輩は私に何の御用でこちらに?ヒック…」

 

「実は優ちゃんに朝、連絡を送ったんだけど返事がなかったから直接来たの。」

 

「ええっ!?」

 

「おいおい…先輩からの連絡を無視するとかどうしたんだ?お前の憧れの水鳥先輩からのLINEが来たらすぐ返信するだろ?」

 

「仕方ないもん!その時にしゃっくりが出始めたから…ヒック。」

 

「そんな前から?」

 

 優の現状をしっかりと把握した水鳥先輩は心配そうな表情で優を見る。それもそうだ…自分から送ったメッセージに返信を遅れないぐらい深刻な症状なのだから。水鳥先輩も優のことをかなりのお気に入りにしている証とも言える。

 

「そうらしいです。どうやら700どころかそれ以上もしてて都市伝説通りなら7回ぐらいは絶命してますね…」

 

「大変ね…でも、それなら良い方法があるわ。」

 

「「良い方法?」」

 

「まず思いっ切り前屈して…」

 

「こうですか?」

 

 それから階段の前に移動した後に優は水鳥先輩に言われるがまま前屈をする。これが水鳥亜鳥流のしゃっくりを止める方法なのだろうか…ネットでも見ないから疑問符ではあるが優はとにかく乗ることにした。

 

「そうそう、そこから目いっぱい頭を上げる。」

 

「ああっ、ええ…」

 

「あっ、そういえば水がいるんだった。買ってくるからちょっと待ってて?」

 

「「先輩!?」」

 

 そして、水鳥先輩は優を前屈させたまま水を買いに行ってしまう。本当にこの人は自由でマイペースでうっかりが多すぎる…その間に優は前屈に耐えられず崩れてしまった。

 

「はあ、はあ、はあ…」

 

「ダメだったかぁ…ごめんね。」

 

(いや、あなたが先に水を用意してないからでしょうが!何を他人事のようにしてるんですか!?)

 

「あ、あの、僭越ながら先輩にお願いが…ヒック。」

 

「何?」

 

「私がショックを受けることを何か言ってほしいんです。ヒック…恐らく心底驚けばしゃっくりも収まるので。」

 

「良いけど…大丈夫?何か涙と痙攣が止まらなくなってるけど?」

 

 優はショックになるようなことを言ってほしいと水鳥先輩にお願いするも何やら先ほどの妄想のトラウマか涙と痙攣が止まらなくなっていた…本当は言われたくないのに本当に無茶をするやつだ。

 

「あんまり無茶すんなよ?いくら治療とはいえ言われたくないことは無理して言われなくて良いからな…」

 

「大丈夫だよ、お兄ちゃん。先輩は本気で言ったわけじゃないと割り切るから!」

 

 俺は優を心配して無理するなと説得を試みようとするも彼女は平然を装うとする。しかし、もう泣いていて声が震えてるのを見てると全然大丈夫じゃないんだよな…

 

「分かった!それじゃあ、行くわよ?」

 

「はい!」

 

 そんな中で水鳥先輩は優に対して何かを仕掛けようとして肩を持つ。先輩は果たして優をどのように驚かせるのだろうか?そこはある意味気になるところだ…そして、先輩は優の耳元に口を寄せた。

 

「優ちゃんなんて大嫌い。大嫌い、大嫌い♪」

 

「ふぎゃっ!?」

 

「「優(ちゃん)!?」」

 

 水鳥先輩が大嫌いと囁くと優は気を失った。相当ショックが大きかったようで、これでしゃっくりが治るのかは全くもって予測できないものだ。

 

(3分後…)

 

「はっ!今天国に…」

 

 意識を失ってから3分、優はやっとというか満を持して目を覚ます。あれからコイツは何を思ったのかは分からないが、ショック死しなかっただけでも不幸中の幸いと言える。

 

「優!良かった…目が覚めて。」

 

「どうやらしゃっくりも収まったみたいね。」

 

「本当だ!先輩、ありがとうございます。色々ご迷惑を…」

 

「良いのよ。困ったらいつでも呼んで♪」

 

「いえ、流石にそういう訳には…!」

 

「そうですよ。あなたは生徒会の風紀委員長ですから…妹の茶番に全部付き合う必要はありません。自分の身は大事にしてください!」

 

「お兄ちゃん、茶番ってどういうこと!?こっちは何もかも真剣なんだから口を挟まないで!」

 

「まあまあ…とりあえず、優ちゃんが今後しゃっくりが止まらなくなっても落ち着くように今の声を録音してプレゼントするわね。」

 

「良いんですか!?やった〜♪」

 

 そして、水鳥先輩はさっきのセリフを録音してから優にプレゼントする。これでしゃっくりが出ても落ち着くはずではあるが、わざわざこのためだけに全てを尽くしてくださった水鳥先輩には本当に頭が上がらない。本当にこの人は少し抜けてるところもあるがまさに聖人だ…もう感謝の言葉しか出てこない。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

『優ちゃんなんか大嫌い♪』

 

「コヒュッ!?」

 

「…」

 

 その夜、俺が宿題をしていると優が自分の部屋でしかも大音量であの時録音してもらった音声を何度も再生して何度もコヒュる。その循環が流石にうるさく感じた俺は優の部屋に突入した。

 

「おい、さっきからうるさいぞ!…ってか、これはしゃっくりが止まらない時用に聴けって言われただろ?」

 

「ごめん…お兄ちゃん。でも、どうしても先輩の声が聴きたくて。ヒック…あれ?またしゃっくりが…ヒック…出ちゃった。」

 

 そんな優はどうやらまたしゃっくりが止まらなくなり、無限しゃっくり編に突入してしまう。朝にコヒュるからこうなったのに何も学習していない…結局、このしゃっくりは寝るまで収まることはなかった。本当に優のお世話って大変だな…




いかがでしたか?秀がネットで調べ上手くいかなかったものの最後は亜鳥ちゃんが『大嫌い』でしゃっくりを鎮ました。しかし、それで声を録音してもらってそれを再生したらコヒュッて悪循環…優ちゃんは学習をしないようですな。成績のために使う頭と日頃の頭は違うんだなと改めて実感しますね…

その中で狩栖が久しぶりの登場。しかし、それぞれの(脳内)声優を踏まえるとプリオケのながせちゃんとカリストみたいだなと思いますけど…何やら平和的ですよね。狩栖は英孝ちゃんのギャグをするもダダスベり。本当に不憫なイケメンでございますw

しかしながら、原作のばっどがーるはつい先日最終回を迎えてしまいましたね…笑いだけじゃなくて時折切なさも提供するのがばっどがーる。本当に楽しい3ヶ月でした!

でも、こっちはまだ終わらないのでね…今後ともばっどがーるロスは僕の作品で消化してくださると幸いです。これからもよろしくお願いいたします!

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回お会いしましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。