眼前にいるジャベル。
それを圧倒するように、俺達3人の連携でなんとか出来た。
だが。
「グンダリ!」
すると、ジャベルが大声で叫ぶ。
それが何を意味するのか疑問に思うが、その答えはすぐに分かった。
「上だ!」
スペクターの一言。
俺達が見上げれば、そこには一つ目の巨大な怪物が真っ直ぐとこちらに向かって、襲い掛かってくる。
俺達はその姿を見ると同時に、すぐにその場を避ける。
「ジャベルはっ、もういなくなっているのか」
「どちらにしても、奴らを放っておく訳にはいかない!」
同時にスペクターが、その手に持つガンガンハンドをゴーストドライバーの前に翳した。
その時だった。
「えっ、これは」「スペクターの」
まるで、共鳴するように俺達のドライバーから現れたのは、スペクターの持つ武器と同じガンガンハンド。
「これも四聖獣の力という訳か」『『『ダイカイガン!青龍!オメガスパーク』』』
三つの声が重なり、銃口から放たれた青い光が渦を巻いた。最初は小さな螺旋状の光線だったそれが、まるで海が逆流するように膨れ上がり──
ドゴォォオオオン!!
咆哮と共に現れたのは蒼穹の化身、龍だ。長さは軽くビル二棟分はあるだろうか。鋼よりも堅そうな鱗が月光を受けて翡翠色に輝き、瞳は燃える緑。鼻から漏れる息すら風圧になる。
「グァアアア!」
天空のグンダリがけたたましい鳴き声を上げた。巨大な一つ目が凶暴に滾り、迫る。
が──
スパンッ!
青龍の牙が閃いた。一瞬にしてグンダリの腹を貫通し、宙で紅蓮の血潮が花火のように散る。質量など存在しないかのごとく軽々と敵を咥え上げると、龍は優雅に旋回し。
「墜ちろ!」
俺の声と共に青龍の喉奥から紫電が迸った。雷鳴にも似た衝撃波が敵の体内で爆発し、グンダリは黒煙と破片になって砕け散る。
『凄いのじゃ』
サクナヒメが感嘆混じりに呟いた。
「だったら、俺も」『『『ダイカイガン!朱雀!オメガスラッシュ!』』』
そう、タケルの声に合わせるように、先程までのガンガンハンドは消え、変わりにガンガンセイバーの二刀流モードが俺とスペクターの手元に現れる。
「あぁ!」
『『ダイカイガン!白虎!オメガドライブ!』』
シャキン!
俺の手に馴染んだガンガンタマフを構える。
「任せてくれ」
言い終わらぬうちに地面を蹴っていた。加速する感覚──否、周囲の時間の方が遅れている。風が頬を撫でるより早く、敵の目前に躍り出る。
「はああッ!」
振り抜いた一撃は流星のごとく。鋭く弧を描いた白虎の爪痕が空気を切り裂く。
──ゴオオオォン……
遅れて唸るような衝撃波。敵の巨躯が宙に浮かび上がると同時に、俺達の背後に白い幻影が浮かび上がった。
「「「はぁぁぁぁ」」」
全身が銀霜に包まれた獣。怒涛の風を纏い、三叉の爪が月下に閃く。
シュパパーンッ!
瞬時に白虎の幻影が駆け抜けた。豪快に振り下ろされた鉤爪がグンダリの腹部を十字に引き裂く。
「ギャアアアア……!」
断末魔は途中で凍てつき、粉雪のような結晶となって夜空に溶けていった。
ズズン……ズズン……
倒れた巨躯が灰塵と化す。砕け散った破片が春霞のような柔らかい銀糸となり舞い上がる。空には月明かりが差し込み、静寂が戻ってきた。
『ふぅ……終わったか』