タケルが消滅するまでのカウントダウンはあと僅か。
彼の消滅に関して、俺達は知る為に仙人と会っていた。
「・・・仙人、聞きたい事がある」
「なんじゃ?」
「タケルが生き返る条件と言っていた15個の眼魂を集める。あれは、タケル自身は実は既に生き返る事が出来るじゃないのか、今は」
俺は、その疑問を素直にぶつけた。
目の前にいる仙人は隠している事は多いが、その目的が何なのか。
それを推測する事が出来るのが、先日の出来事。
それを尋ねると、仙人の答えは。
「そうだな、既にワシの方でタケルを生き返らせる事は可能だ」
「やはり、それにタケルから感じていた気配からして、その技術は眼魔に近い。つまりお前は」
「そこまで察するとは、やはり侮れないな」
仙人は薄く笑みを浮かべて言った。
「さて、葉。お前の鋭い勘に敬意を表して、これだけは教えよう。15個の英雄眼魂を集めると会える"大いなる力"——それが今回の鍵だ」
「"大いなる力"…… それは神なのか?」
俺の問いに仙人は遠くを見るように目を細めた。
「神のようなもの。あるいは…… 神以上の存在かも知れんな」
サクナヒメが小声で囁いた。
『妾たち神を遥かに超える存在とは?』
ココロワヒメも困惑の表情で首を振っている。
『未知の存在…… 警戒が必要かもしれません』
仙人は俺の真剣な表情を見て続けた。
「お前が推測した通り、私の真の目的はタケルを使わせてもらうことだ。ただし——彼自身を殺すためではない」
「では何のために?」
警戒しながら訊ねると、仙人は静かに答えた。
「タケルは、龍の息子だからな」
「龍?」
これまで聞いた事のない名前に俺も含めて、サクナヒメとココロワヒメも驚きの声を上げる。
そんな事は初めて聞いたからだ。
けれど。
「その事を知りたければ、案外、近くに手掛かりがあるかもしれんぞ」
それだけ告げると、仙人がその姿を消した。
『結局、分からない事がただ増えただけじゃないかのぅ』
『えぇ、だけど少なくともこれは朗報ですね』
「朗報だと?」
思わず声に出してしまった。
ココロワヒメは慎重に頷いた。
『ええ。少なくとも"大いなる力"と接触できれば希望があります。問題はその力を操る方法と……』
言いかけたとき、不意にスマホが震えた。
アカリからだ。
「もしもし?」
「葉くん!大変なの!タケルくんとマコトがジャベルに襲われているの!」
その言葉を最後まで聞かず、俺はそのまま近くのバイクに乗る。
同時に、彼らが襲われている場所へと向かった。