「アイツが言っていた“プロトタイプ”……他にも変身者がいるということか」
独り言ちながらシャーマンの変身を解除する。身体に残る疲労感が妙にリアルだ。サクナヒメの力は確かに強大だが、その使用後に訪れる精神的負担も大きい。
『油断は禁物。神の力を使うというのはそういうことだ』
サクナヒメの声が耳元で響く。いつになく冷静なトーンだった。
「ああ……わかってる」
ネクロムという男のことを考えるとゾッとする。ただの人間とは思えない精度の動き、しかも眼魂やゴーストドライバーに似たシステムを持っている。俺たちが知らないところで進行している何かがある。
『しかし奴の言っていた“神の力”とはサクナのことなのか?』
『それとも、他の神……あるいは別の概念か』
ココロワヒメも通信越しに心配そうに問いかけてくる。
「わからない。だが確かなのは一つだけだ」
胸ポケットに入れたサクナヒメの眼魂を強く握る。
「あの男は敵だ。それもかなり厄介な」
そのまま、天空寺へと戻ってきた。
「あぁ、やっと会えた」
「いやぁ、すいません」
そうしながらも、俺は天空寺で他の皆と合流するのに、実は数日かかった。
ネクロムとの戦いはかなり激しく、数日間は休まなければならなかった。
「葉殿が休んでいた間に、ほら!龍馬アイコンも無事に手に入りましたぞ!」
そう、御成の声を聞いても反応せず、葉は顎に手を当てて考えていた。
『こやつ……また悩み事を抱えておるな』
「なにかあったんですか?ずっと何か考えてますが」
「・・・仮面ライダーを見つけた」
そう呟くと、周りはざわつき始めた。
「なんだと!?眼魔が仮面ライダーに!?」
その事に対して、驚きを隠せない一同。
「仮面ライダー? 眼魔が?」
アカリが目を丸くして叫んだ。御成も呆然として手に持ったばかりの眼魂を落としそうになる。
「ああ。俺の出会った奴は、ネクロム……いや、本人の名前は言っていなかったから、分からないが」
そう言いながら、俺は数日前の戦いを思い出す。
サクナヒメの力がなかったら危なかった。あの冷徹な瞳――間違いなく只者ではない。
「奴も眼魂を使った。形は普通のと違ってたけどな」
『ふむ……ワシも見とったが、ありゃ通常のものとは明らかに異なる』
サクナヒメの意見に同意する。
「仮面ライダー……?」
マコトの声が低く震えていた。彼の目が暗く沈む。何か思い出したのか?いや、何か知っているのか?
「そいつの姿や名前……何か心当たりでも?」
葉が問い詰めると、マコトはしばらく虚空を見つめたまま答えた。
「ネクロムは知らない。だが、その話を聞いていると心当たりが1人いる」
「それは」
それと共に、その名は明かになる。
「アラン、俺の眼魔世界での友だ」