「マコト兄ちゃん!なんで」
「…さっきまでは冷静じゃなかったけど、姿が変わった」
そうしながらも、俺は既にガンガンタマフを片手に持ちながらも、タケルへと眼を向ける。
タケルはまだ動揺を引きずっている。
無理もない。俺だって胸の奥がざわついて仕方がない。
だが——迷っている時間はくれそうにない。
「タケル、落ち着け。深呼吸しろ」
「……葉さんは、落ち着いてるの?」
「いや。めちゃくちゃ怖いさ。でも、やるしかねぇだろ」
タケルが小さく頷いた、その瞬間だった。
アランの金色の宝冠が淡く揺らめき、マコトが足を一歩踏み出す。
あの歩き方は、俺の知ってるマコトのものじゃない。
もっと重く、もっと冷たく、まるで“魂”が別物みたいな動きだ。
(……操られてる? いや、それとも——)
考えがまとまる前に、マコトの指先がこちらを向いた。
ネクロム特有の、あの無慈悲な構え。
「来るぞ!!」
俺は叫ぶと同時にガンガンタマフを持ち直し、足裏に力を込める。
片手の鎌は軽い。軽いからこそ、俺の身体はすぐ戦いのリズムを思い出す。
「はぁっ!」
俺は地を蹴って横に滑るように動く。
タケルも俺の声に反応し、すぐ背後へ回り込む。
マコトが放った衝撃波が俺たちの間を通り抜け、後方の壁をえぐった。
「ちっ……やっぱり本気じゃねぇか!」
「マコト兄ちゃん!聞こえるなら答えてくれ!」
タケルが叫ぶが、返ってくるのは沈黙だけ。
その沈黙が逆に恐い。
俺は一瞬、アランを睨む。
「……アラン。お前、何をした」
「答える必要はない。これが本来のスペクターだ」
あまりに機械的で、冷たい声。
以前俺が戦ったアランにあった“ブレ”すら感じない。
(やっぱり……前に俺が戦ったネクロムとは別物だ)
タケルが俺に小声で言う。
「葉さん……行ける?」
「もちろんだ」
ガンッ、とガンガンタマフの柄を肩に叩きつける。
身体に宿る神気が、うっすらと熱を帯びていた。
「タケル、マコトの方を頼めるか?」
「葉さんは」
「あっちの方をなんとかする。おそらくは、ドライバーにある眼魂で操られているから、なんとか取り出せれば」
それと共にタケルもまた、頷く。
「うん!任せて!」
言い終えるより早く、俺は地面を蹴ってアランとマコトの間へ飛び込む。
鎌の刃が空を裂き、その風圧が白い煙のように舞い上がる。
「アランッ!!」
「今度はプロトタイプの時とは違うぞ」
「そうかよ。だけど、今度は最高の神コンビがいるからな!」
それと共に、俺はガンガンタマフを上に投げた。シャーマンドライバーから出て来たのはグリップ。
そのグリップ部分に、俺はそのままガンガンタマフを装着させる事によって。
『フロンティアガミ・ブレード』
その武器の名が明らかになる。
その見た目は、タケルが使うサングラスラッシャーを参考に作られた新たな武器として。