「俺と同じようなドライバー」
「・・・お前に聞く、さっきのあれはお前の仕業か」
「えっ」
そう、俺は先程まで上空に開いていた門を開いたのか、問いかける。
眼前にいるのが、以前戦ったスペクター。
それと同じ存在かどうか確かめる為に。
「違う!俺は眼魔を倒す為に来たんだ!さっきのも、眼魔がやったんだ!」
「・・・眼魔?聞いた事がないが」
そうして、慌てる様子からして、目の前にいる彼が嘘をついているとは思えない。
俺は、そのまま、確認するようにサクナヒメとココロワヒメに眼を向ける。
『我々の声は、どうやら聞こえないようですね』
『だが、感じる気配は眼魔と似ている以上は騙している可能性もあります』
『ならば、様子見じゃな』
「・・・」
2人の言葉を聞いて、俺は、そのままバイクのハンドルを握る。
「あっ待ってくれ!君は一体」
「・・・シャーマン。神をこの身に宿す者だ」
「シャーマン?そっか、俺は、ゴースト!天空寺タケルだ!」
「・・・そうか、じゃあな」
それだけ言い、俺はその場を去って行った。
未だに、その正体が分からない以上は警戒するが。
「出来れば、仲良くしたいけどな」
『それよりも葉様には、これから行って貰わなければならない事があります』
「やらなければならない事?」
ココロワヒメからの言葉に、俺は耳を傾ける。
『これから戦う敵、その名はこれまでは分かりませんでしたが、ゴーストから聞いた情報から眼魔と名付けます。眼魔達の目的は未だに不明ですが、先程のような門を開く事を行う事を考えれば、この世界に大いなる災いが起きる可能性があります』
『確かにのぅ、奴らに関しては鬼以上に摩訶不思議じゃ。なんだって、人間と似た魂を持っていながら、人間とは全く異なる姿をしていたから』
『だからこそ、我々も対抗する為に、他の神々をこの世界に呼ぶ必要があります』
『他の神々とは』
『私達以外の神々です。ですが』
ココロワヒメは何か悩んだ様子があった。
『しかし問題があります。神々を呼び出すには、その神に対する強い信仰心が必要なのです。私たちの力だけでは足りません』
ココロワヒメの言葉に、俺は眉をひそめた。
「信仰心……?でもこの時代の人間にそんなものを求めるのは難しいんじゃないか」
『確かに現代人は神々への信仰を失いつつある。かつてのような熱烈な崇拝者が少ないことは承知しています』
サクナヒメも溜め息混じりに言った。夕暮れの街道を走りながら、俺はこの難題について考え込んだ。
「つまり、その神様を強く信仰している人物を見つけなきゃならないってことか」
『その通りです。そのような人物を通じて初めて、神は現世に降臨できるのです』
それはかなり骨の折れる作業だった。眼魔と呼ばれる謎の敵に対処しなければならない今、さらに多くの協力者を探すというのは……
「そんな人間が簡単に見つかるだろうか」
俺が半ば諦めかけた時、サクナヒメがぽつりと言った。
『つまりはな、お前のように儂らを疑わず信じるような人間を探せばよいのだ』
その言葉に、俺は思わず苦笑した。
「俺みたいに?随分と大変そうな条件だな」
「けれど、そのような者は案外近くにいるものですよ」
ココロワヒメが静かに告げる。
『私たちと繋がる道筋がある以上、縁のある者もまた引き寄せられるはずです』
希望の光を感じながらも、その道の険しさに覚悟を新たにする俺だった。