仮面ライダーシャーマン   作:ボルメテウスさん

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4神の力

 地面が、悲鳴を上げるように歪んだ。

 

 謎の敵の全身が脈動し、岩の装甲が内側からせり上がってくる。その表面が裂け、無数の突起が生まれ、瞬く間に巨大な棘の群れへと変貌した。

 

 まるで、大地そのものが牙を剥いたかのようだった。

 

「――撃ってくる!」

 

 マコトの警告と同時に、棘の嵐が放たれる。

 空気を裂く音が重なり、視界が黒い影で覆い尽くされた。

 

 その前へ、迷いなく踏み出したのはアランだった。

 

「ここは、私が引き受ける!」

 

 玄武の力が一気に噴き上がる。足元から滲み出た緑の液体が、瞬時に集束し、巨大な半透明の盾となって彼の前に展開された。

 

 棘が次々と盾へ衝突する。

 

 轟音。

 衝撃。

 爆ぜる岩片。

 

 だが、水の盾はただ波打つだけで、砕けない。衝突した岩は、まるで水に沈むように勢いを殺され、軌道を失って次々と落下していく。

 

「勢い、削げてる!」

 

 タケルの声が弾む。

 

「今だ、葉様!」

 

 ココロワヒメの呼びかけが、耳の奥に響く。

 

「――行く!」

 

 俺は羽衣を翻し、一気に前へ跳び出した。

 白虎の力が脚に集中し、空気を踏み台にするような感覚で宙を駆ける。

 

 落下してくる岩棘の群れ。

 だが、それはもう“弾丸”じゃない。

 

「はああああああっ!」

 

 フロンティアガミ・ブレードを振るう。

 刃が白く輝き、風を裂き、岩へと食い込む。

 

 一閃。

 二閃。

 三閃。

 

 切り裂いた瞬間、岩は粉砕され、火花のように砕け散る。

 

 俺は止まらない。

 次の棘、さらに次の棘へと斬り込み、空中で身体をひねりながら連続で斬撃を叩き込む。

 

 岩の雨が、白い閃光の連なりに変わって消えていく。

 

 砕け散った岩片と土煙が、一気に爆発したように広がり、戦場を覆い尽くした。

 

 視界、ゼロ。

 

 だが――

 

「このまま突っ込む!」

 

 炎の気配が、俺の横を一気に追い抜く。

 

 タケルだ。

 

 鳳凰の翼を広げ、炎を纏いながら煙の中へ突進していく。

 

「右から行く!」

 

「了解、左は俺が取る!」

 

 声だけで位置を合わせる。

 視界はない。だが、気配はある。

 

 俺とタケルは、ほぼ同時に粉塵を突き抜け、謎の敵の目前へ躍り出た。

 

「斬るぞ!」

 

「今だ!」

 

 赤と白の刃が、左右から交差する。

 

 装甲が軋み、岩の外殻が深く裂ける。

 衝撃が内部へ伝わり、巨大な身体がわずかに揺らいだ。

 

 その隙を、逃さない。

 

「追撃だ!」

 

 マコトの声と共に、蒼い雷が迸る。

 青龍のエネルギー弾が、裂け目へ正確に叩き込まれる。

 

 ほぼ同時に――

 

「受け取れ!」

 

 アランが水の盾を回転させ、そのまま前方へ投げ放った。

 

 盾は空中で巨大な円盤となり、轟音を立てて敵の胸部へ激突する。

 

 斬撃。

 雷撃。

 水撃。

 

 三方向からの集中攻撃。

 

 謎の敵の動きが、明確に鈍った。

 

 地面がうねり、岩壁を形成しようとするが、展開が追いつかない。攻撃の間隔が崩れ、連携への対応が間に合わなくなっている。

 

「効いてる……完全に、崩してる!」

 

 タケルが叫ぶ。

 

「今なら――決められる!」

 

 俺は大きく頷いた。

 

「全員、距離を取れ!」

 

 四人が一斉に後退し、自然と正方形の陣形を取る。

 

 空気が、張り詰める。

 

 全員が、同じタイミングを感じ取っていた。

 

 ――ここしかない。

 

「合わせるぞ!」

 

「了解!」

 

「いける!」

 

「行こう……!」

 

 同時に跳躍。

 

 その瞬間、四人のベルトが共鳴し、重なった音声が戦場に轟いた。

 

『ダイカイガン!四聖獣!オメガドライブ!』

 

 赤い炎がタケルを包む。

 青い雷がマコトを貫く。

 白い風の光が俺の身体を覆う。

 緑の防護光がアランの全身を輝かせる。

 

 四色の流星が、一直線に並ぶ。

 

 謎の敵は最後の抵抗として、瞬時に巨大な岩壁を形成した。

 

 だが――

 

「――砕く!!」

 

 四人同時の叫び。

 

 ライダーキックが、岩壁へ激突する。

 

 一瞬、壁は耐えた。

 だが次の瞬間、内側から光が溢れ、音を立てて崩壊した。

 

 爆音。

 閃光。

 衝撃波。

 

 壁は粉砕され、謎の敵の巨体が大きく吹き飛ばされる。

 

 俺たちは着地し、同時に振り返った。

 

 抉れた大地。

 崩れ落ちる岩の巨体。

 

 まだ、完全には倒れていない。

 だが、勝ち筋は、はっきりと見えていた。

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