仮面ライダーシャーマン   作:ボルメテウスさん

90 / 115
英雄同士の戦い

『カイガン!ヘラクレス!パワー!ライオン!十二の試練!』

 

黄金の紋章が空中に浮かび上がり、巨大な光が身体を包み込む。装甲が組み替わり、肩に獅子の毛皮を思わせる重厚な装甲が広がる。身体は一回りどころか二回りも大きくなり、足を踏み出しただけで地面が低く唸った。視界の高さが変わり、世界がわずかに小さく見える。

 

俺は拳を握る。指を曲げただけで、腕の装甲が低く軋んだ。筋肉のようにうねるエネルギーが体中に満ちている。

 

「……これがヘラクレスの力か」

 

巨大化した眼魔が唸り声のような咆哮を上げ、一直線に突進してくる。俺は正面から迎え撃つ。ガンガンタマフを呼び出し、クモランタンと結合させてハンマーモードへ変形させた。巨大なハンマーの重量が腕に伝わるが、不思議と重さは感じない。

 

互いのハンマーが激突する。

 

衝撃が地面を走り、境内の石畳が波のように持ち上がった。瓦礫が跳ね、鳥居の柱がきしむ。普通の戦いなら一撃で決着がつくほどの衝撃だが、互いの力は拮抗していた。

 

眼魔が再び振り下ろす。俺もハンマーを振り上げて迎え撃つ。打ち合うたびに衝撃波が広がり、周囲の木々が揺れ、地面が低く唸る。まるで小さな地震が何度も起きているようだった。

 

三度、四度と衝突を重ねるうちに、わずかに手応えが変わる。眼魔の腕が押し返され、足元が後ろへ滑る。暴走した力は確かに強いが、制御されていない分だけ無駄が多い。

 

「……力の使い方が雑すぎるんだよ」

 

俺は踏み込みを深くする。足元の地面が沈み込み、その反動がそのまま腕へ伝わる。振り抜いたハンマーが眼魔の武器を弾き飛ばし、巨体が大きくよろめいた。

 

隙を逃さない。

 

俺はそのまま腕を掴み、腰を落として持ち上げる。巨大な身体が宙へ浮き上がる。周囲の空気が一瞬だけ止まり、次の瞬間、眼魔の巨体は空高く投げ飛ばされた。

 

「ここだ!」

 

落下する軌道を目で追い、着地点を読み取る。俺はハンマーを大きく振り上げ、全身の力を込めて構えた。

 

『ダイカイガン!オメガボンバー!』

 

落ちてくる巨体に合わせてハンマーを叩き下ろす。黄金のエネルギーが炸裂し、衝撃が地面を叩き割る。巨体はそのまま叩き潰され、装甲が砕け散った。

 

衝撃が消えると、境内には静けさが戻る。瓦礫の中に残っているのは、崩れた眼魔の残骸だけだった。

 

俺はハンマーを肩に担ぎ、空へ向かって息を吐く。胸の奥から自然と声が溢れ出る。

 

「うおおおおおおおっ!」

 

英雄の勝鬨のような咆哮が境内に響いた。

ヘラクレスの力は、確かに俺の中で燃えていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。