究極の救済、そのニセモノ 作:Dr.パックマン
原作入ってないので自分で書きます。タイトルは仮名だからそのうちいいの浮かんだら変えるかも。
問題としてはAFOが既に勝ち目死んだところですかね…ハイパームテキの攻略方法なんて終焉のエナジーアイテム使うかオーマジオウ呼ぶかムテキになるしか思い浮かばんぞ。これじゃあラスボス系主人公やんけ…。
評価くれたらやる気出ます。あ、9評価くださった人ありがとうございます。一人でも評価くれたから書けました。
今更だけどマイティノベルのネタバレもあるので注意してください。そこまで内容を出すつもりはありませんが
仮面ライダーエグゼイド。
平成ライダー18番目の仮面ライダー。
ゲームと医療をモチーフにした斬新な設定。
3等身という想像の斜めを行く姿形が放送前から騒がれ、第一話から伏線だらけと放送終了後も視聴者に驚きを与えた異例な作品であり、伝説のクリスマス回は今でも話に挙がるほど。
それぞれのキャラ人気も高く、ドラマとしての内容の評価も高い。
ウイルスとどう向き合っていくか、患者の命と向き合うドクターたちの葛藤や、ゲームの力を悪用しようとする存在、命の大切さ、尊さ、生きることへの意味など、ゲームや医療、生命論理を描いた作品だ。
それに魅せられた者は数多く、数ある仮面ライダーの中でもトップクラスの人気の高さを得た。
レベルアップという形で強くなっていく仮面ライダー。
明かされていく真実は多くの視聴者に混乱と期待と不安を抱かせただろう。
特に終盤においてだいたい使われなくなる初期形態がまさかの大活躍。
そこから最終回における第一話の再現シーンは多くの視聴者が忘れられない話となったはずだ。
それが仮面ライダーエグゼイドという作品が生み出した反響。
映画や続編、と次々と話が広がり、Vシネマはまさかの三作品な上に全て繋がっているという前例の無い展開をした。
それが本来の仮面ライダーエグゼイド。
仮面ライダーエグゼイドというのはあくまで空想のものであり、創られた話。
しかし、ここに例外が生まれた。
この世界における仮面ライダーエグゼイドに変身するヒーロー、
そう、彼は転生者である。
誰にも言えない秘密。
---自分は元々この世界の住人ではない。
いや、より正確に言うならばこの世界の住人ではない者の記憶を持ち、
何故転生という形になったのか記憶はない。
ただ
途切れ途切れの内容を合わせ、強引に繋げると『記憶には残らない』と言われたような気がする。
実際には覚えてないので分からないのだが。
しかし転生者だという記憶はあったが、自分がニセモノだと自覚したのはいつだったか。
それは、昔
自身のレベルを上げ、一年のうちに仮免を取得。職場体験やインターンを経験し、学校卒業後にプレゼントと書かれた
だが差出人不明な時点で怪しさは満点だ。使うつもりはなかったが、バグスターとの戦いが始まった際にレベル5では通用しなくなってしまい、賭けに出なければゲームオーバーになってしまう。
まだ敵対していた頃のパラドに焚き付けられるように最終手段として黒いガシャットを使った。
その時、新しい力として”マイティブラザーズ
戦いが終わり、変身を解除したとき。
誰かの記憶が流れて来たのだ。
後に本気の殺し合いを行い、和解したパラドと話し合った結果、”マイティブラザーズXX“のガシャットが持つ特性上、『転生者』という特異性が世界と世界を繋げ、共鳴現象が起きたんじゃないかと推測を立てたが、今となっては正解は分からない。
その記憶は別の世界。
バグスターの仲間は例外として自分---仮面ライダーエグゼイド以外が居ないこの世界とは違い、平成ライダーたちが存在する、個性もない世界。
全く異なる世界、エグゼイドの世界とでも呼ぼうか。
そこには他の仮面ライダーたちも居た。
ブレイブ、スナイプ、レーザー。
なにより、自分ではない本当の仮面ライダーエグゼイドが存在していた世界線の記憶。
”宝生永夢“という仮面ライダーエグゼイドという作品の主人公であり、エグゼイドに変身する青年。
様々な患者やドクター、仲間たちと関わり、その心を救って影響を与え、最強の医療チームの一人として大活躍した人物。
別の世界、ビルドと世界が繋がった際においても彼の存在がなければ乗り越えられなかっただろう。
最終的には檀黎斗と終わりなきGAMEをこれからも続けていく、と決意し終わりを迎えるのが最終的な結末となる。
---そんな彼の過去と自分が全て同じ道を歩んでいた。
予め決められていたレールに乗せられていたかのように、自分が歩んできた過去も、境遇も、仮面ライダーとして戦うことになった決意も、その戦いの道筋も、見た目も、全部全部瓜二つで全部が造り物。
その道をダレカに与えられてただけなのだと。
その時に初めて気づいたのだ。
彼こそが
そうして記憶が完全に混ざりあった。
いや彼を模したニセモノである自分なら思い出した、とでも言うべきか。
一時期は悩み、そうせねばと思い続けたこと。
今では答えを見出したから問題ないが、クロノスとの戦い、パラドと向き合う時まではこの悩みは決して消えなかったものだった。
なぜなら何も無い自分が、唯一そう有れるのだとわかっていたことだから。
ニセモノである自分が、目指さねばならないものだったから。
自分は宝生永夢にならなければならない。
自分は仮面ライダーエグゼイドにならなければならない。
自分は英雄にならなければならない。
自分は仮面ライダーなのだから。
自分は成さなくちゃならない。
今度こそ。
次こそは。
究極の救済を。
『すまなかったね、重夢』
『いえ、他でもない恭太郎先生からの依頼ですから。僕なんかが力になれたならよかったです』
『そう卑下することはない。君はヒーローとしてトップクラスの実力者なのだから。あの時の少年がまさかドクターとヒーローを両立するほど成長するなんて私も思わなかったよ』
『あはは……ドクターとしてはまだまだですけどね。まだ研修医の身ですから』
『君の頑張りは私の方でも耳にしている。期待してるよ、これからもヒーローとして、ドクターとしても』
『……はい。ありがとうございます』
聖都大学附属病院。
重夢が勤務する病院であり、数多くの名医が在籍する最高峰の病院。
そこのドクターではあるが一時はヒーローとしての仮面ライダーとして大活躍した。
普通ならば大半はサイドキックとして活躍後、独立してヒーロー事務所を立てるのが定石だが重夢はバグスターの発生に伴い、衛生省が創設した電脳救命センター、通称CRのひとりとして活動することになって今も変わらなかった。
ある意味、そこがヒーロー事務所と言ってもいい。
あくまで仮面ライダーとして活動するためのヒーロー免許であって、本業はドクターである。
といっても今の彼はまだ25歳。研修期間は終わっておらず、正式なドクターになったわけではない。
それに彼はドクターでありながら戦えるヒーローとして希少な存在として扱われ、その実力はある形態にならずともかのナンバーワンヒーローに匹敵するともされている。
それほどに高い戦闘力を持つが故にこうして度々他の地域に赴くことはあるが、それも医療の一環。
ヒーローとしては幾度も世界の危機を守っただけあり、功績だけならばトップレベルではあるが如何せん本業ではない上に表に出来ないほどの戦いばかりなのでヒーロービルボードチャート圏外。
そもそも”ムテキ“の力を表に出すのは難しいとも言えるものだ。なぜならあの力は、この世界のバランスそのものを変えるほどの力。
ゲムデウスのような力を持つ敵がまた現れないとも限らないため、出来る限り切り札として伏せておきたい力だ。
他にそれに近しい力を二つほど持っているが、そのうちの一つは限定的な空間のみでしか使えない。
何より重夢自身がヒーローは手段のひとつとしか見てないので発表しないで欲しいと頼んだのが大きいだろう。
特にゲムデウスとの二度目の戦いを公表なんてされてしまえば、下手をしたらNO.1の地位にまで持っていかれるかもしれない。
ただでさえエンデヴァーやオールマイトに目をかけられてるのである。前者は何故か敵意を物凄く向けてくるので、度々表情を無にすることが多かったが。
話はズレたが、オールマイトも人間であるため、正直年齢を考えるなら後進に譲るべきなのだ。
故に、功績を考えれば重夢はドクターと両立するのが難しくなってしまう。
お金が欲しいからやってるわけでもない。
あくまで彼がヒーロー免許を取ったのは誰かを救うためなのだ。
しかし実力はある。
そのため、回ってくる仕事はだいたい便利屋みたいな方面や偉い人からの依頼の場合が多い。
今回訪れた理由はヴィランが密かに暴れているための調査、捕縛だった。
なんでも最近、やたら非合法の薬が出回っているらしい。
医者が居ないので、指導医と共にその仕事をして欲しいという方面もあったがどちらかといえばヴィランの方が大きいだろう。
数日後にはここを立ち、安全性が確保されたため一般の誰かがやってくる予定だ。
その間重夢に任された仕事は引き続きドクターとして行動しつつ、他に問題ないかの調査。
といっても報告にあったのは昨日倒したヴィランだけで問題はないと思うが、念には念を、だ。
バイクを運転させながら重夢は景色を見ていた。
普段いる東京とは違い、のどかで空気も綺麗だ。
不便さはあるものの、それもまたひとつの醍醐味なのだろう。
バイクがあるため、移動にはさほど困らない。
何より東京と違って足止めを食らうことも全然ないため移動は楽だった。
真昼から暴れるヴィランなんてあまり多くなく、夜の方が多い。
朝や昼は明るいため、ヒーローが駆けつけやすいからだ。
逃げるにせよ暴れるにせよ夜のほうが色々と都合が良い。
それでも中には暴れるヴィランは存在しているため、ヒーローがパトロールするわけだ。
まぁ、ここでは正直必要なさそうではあるが。
バイクから降りて歩いていると、すっかりと顔見知りとなった人たちに挨拶しつつもうここともお別れかと思うとこの数日間が短く感じてしまう。
自分が居なくなったあとどうなるかは分からないが、ヴィランさえ居なければこのまま長閑な場所として残り続けるだろう。
そうこうしてるうちに、目の前からチャリに漕いで向かってくる男の子が居た。
その少年は自転車を降りると、自転車のハンドルを握って倒さないようにしながら走ってくる。
自分に用があるのかと、もしもの衝突する可能性を避けるために停止していたら自転車を止めて近づいてきた。
「こんばんは、翔太くん」
「にいちゃんにいちゃん!!」
昨日、仮面ライダーとして命を救った少年。
精神的な心配はしていたが、どうやらそれも必要なかったようで重夢は優しい笑顔を向けた。
昨日の夜、気絶した翔太を家に届けた重夢は彼の両親からそれはもう感謝されまくった。
重夢としてはヒーローとしてはもちろんのこと、ドクターとして人の命を救うのは当然のことなので気にしないように言うしかなかった。
命はコンティニューすることが出来ないのを、彼はよく知っていたから。
「昨日のあれ!変身してよ!すごかった!!」
「ありがとう。でもごめんね、僕の個性は見せびらかすためにあるものじゃなくて、プライベートじゃ使わないようにしてるんだ。訓練や仕事ならまだしも、僕の力は患者や誰かの命を守るために使うものだから」
「ええーっ!ちょっとだけでもいいじゃん、変身してよー!」
強請ってくる翔太に困ったような顔をすると、重夢は膝を曲げると目線を合わせて諭すように告げる。
「例えばの話なんだけどね。ヴィランや遭難者が居ない中で僕が個性を使ったとしようか」
「?うん」
「個性は身体機能のひとつ。僕自身の個性も疲労感は溜まっちゃうんだ。当然他の人もね。その状態でもし、昨日の翔太くんみたいな誰かが同じ目に遭ってて、疲れてたり限界だったら僕もその子も危ない目に遭うでしょ?」
「うん…」
「でもこうして体力を温存してたら僕は全力で戦うことができる。そうしたら守れる命ってひとつやふたつじゃなく、もっとたくさんの命を救えるかもしれない。気持ちは嬉しいし叶えてあげたいけど、そんな理由があって無理だから---」
あからさまに残念そうな表情を浮かべ、落ち込む翔太くんの肩に重夢はそっと手を置く。
「だからこれからは今の僕じゃなく、テレビの向こうにいる僕を見てくれるかな。君の応援は必ず僕の力に繋がる。僕も必ず君に姿を見せられるように頑張るって誓うから」
「本当?」
「約束するよ」
「じゃあ約束!絶対絶対だからな!」
「うん」
小指を絡めて小さな約束を交わすと、翔太は納得したのか笑顔になった。
去っていく姿を見送り、交わした約束を思い返すと改めてバイクに跨り、ヘルメットを被る。
そうして今日も彼は、パトロールに出た。
といっても、ヒーローというよりはドクターの仕事の方が多かったりしたが。