あの見舞いと騒動からもう数週間となった。
休日の時には見舞いに行っている。
出禁にならずにすんでいるが相変わらず病院関係者の監視の目が鋭いが俺は何度も呼びかけてもフィンは目を覚まさない‥。
頭を撫でても目覚めない‥分かっていても辛い。
いやミラの方が一番辛いと俺は思う。
俺は一瞬スピカの再生魔法を使えば‥と考えたが。
あの魔法はうちの爺様が"残した書"には禁忌の魔法の一つ。
やたらめったら使っていい魔法ではない。
まだ見た感じここ数ヶ月まだまだ青二才になってもいない彼女が無理に使ったら彼女が魔力に身体に追いつけずどんな風になるのか想像しやすい‥。
ここにもう1人の俺の生意気そうで俺も人のことは言えなが世間知らずの再生魔法を使う妹分がいたら‥よそう突然居なくなったあの娘を考えるのは‥。
結局俺はただ今はフィンの回復を願うしかない‥諦めたくはないからな。
一方で教師(※見習い)生活も少しずつ慣れてきた。
そして不本意ながら騒動を起こす"パンドラの箱"と言われる我らのクロード・カヴンの生徒達も少しずつ分かってきた。
‥本当に退屈はしない。そろそろ謝るのが得意になってきているなぁ‥。
さてと本日午後の最後の授業は
「水よ結束しろ水瓶座魔法(※アクエリアス・マジック)。」
「出ておいで私のお友達♥ 魚座魔法(※パイシーズ・マジック)」
"水瓶座魔法×海洋魔法 アクアリウムスフィア"
アリアとメロウの二人のクロス・マジックが発動した。
その魔法は巨大な水の球体が現れてその中にあらゆる種類の魚や海月が気持ちよく泳いでいる‥ってかフカ(※鮫)もいるぞ!?
「おお〜。」
「キレー水族館見たい。」
「お魚食べたいですわ〜。」
周りから歓声の声が聞こえる。最後の声はレオだな‥今回ばかりは俺もその気持ちには同感だな。
寿司や焼き魚とかで食べたいなぁ‥。
ちなみにだか俺は実は水族館というのは施設には一度も行ったことがない‥どんな所だろうか?
「なるほど水瓶座魔法が空気から水を集め魚座魔法で海洋生物を召喚しアクアリウムを作ったのか。」
兄弟子が二人の魔法を感心しながら言う。
なるほどあの球体がアクアリウムっていうのか‥ただの生簀じゃないんだな。
しかし相変わらず水瓶座魔法と魚座魔法は本当に相性が抜群だなと感心してしまう。
「水辺じゃなくてもフレンズを呼べるなんてステキ♥」
メロウはこのクロス・マジックを気に入っているんだな‥っておいおい!
「フレンズに齧られるているけど。」
アクアリウムからフカが飛び出してメロウの頭部を齧っている。
これはいかん!
「甘噛みよ♥」
いや本当の甘噛みなら頭部が血だらけにならんぞ?
俺は少し心配になりながらもメロウに駆け寄る。
フカはアクアリウムに戻って優雅に泳いでいる。この野郎次やったらフカヒレにして喰ってやるからな?
「メロウ大丈夫か?頭を見せ…。」
「ダイスケ先生(※ティーチャー)♥大丈夫ですよ。」
先程から血が止まっていないぞ‥本当だったら止血して即保健室に行ったほうがいいレベルだぞ?
「いやいや血だらけだからなぁ‥とにかく治癒魔法するから動くなよ。」
俺の牡牛座魔法の治癒魔法で回復させるしかないか。
「はーい♥」
俺は腰に付いてある杖をメロウの怪我した頭に優しく触れる。
「牡牛座魔法 治癒(※ヒーリング)。」
俺は唱えるとメロウの頭部が光に包まれてると徐々に血が流れている傷が塞がっていく。
牡牛座魔法の初歩中の初歩の簡単な治癒魔法だ。
「これでよし。痛みはないか?メロウ?」
「はい。ありがとうございます♥ダイスケ先生。」
メロウはいい笑顔で俺を見てくる‥大丈夫そうだな。
「もぅいいかな?ダイスケ先生。」
「あっすいません。クロード先生授業を遮っちゃって続きをどうぞ。」
俺は状況を見て兄弟子にすぐに謝りながら兄弟子の後ろに下がった。
「このように今回の授業は違う種類の魔法を組み合わせで何が出来るのか実験をする。さっ皆ペアを作ってくれ。」
「ペア‥。」
生徒達が少しざわついている‥やっぱり最初はそんな感じだよな。俺の時もそんな感じだった。
先程見た水瓶座と魚座の魔法は相性抜群。
しかし他の魔法例えるなら牡牛座魔法の炎と乙女座魔法の草や樹木が主体な魔法。
一見すると相性最悪だと思うが実はそうでもない。
使い方次第‥使用者の斬新な発想により協力な魔法が生まれる事がある。
実際俺が学生時代の時も最初なんのこちゃと思っていたが徐々に目の鱗が取れるほど納得した事があった。
まぁこれは俺が一番苦手なあの"変人教師"の受け売りなんだかな‥。
俺がそう思っていると皆がペアを決めようとしているな。
「ええっ‥誰と組もう。」
お?スピカがペアを探している‥目の前に1人の黒髪の小柄な女子生徒俺と同じく国のハナ・サソリジョウを見つけて近くに寄ってきている。
サソリジョウってつい最近思い出したんだが俺がまだ故郷の国にいた時に江戸‥いや関東の有数の神社の一つに彼女と同じ姓の名前を模した神社があったなと思い出した。
おれんちの神社(※現在廃社)よりも家格がありそうだか‥一部あんまり良くない噂を人伝で聞いたことがある。
それは忌み子、呪いの女の子がいる。
生まれた時から呪いや災いを神社に流しているというのを聞いたことがある。
それも大の大人達が話していたな。
その呪い子の名前が‥"ハナ"というお嬢様って言っていたな。
まぁ"俺達"はそんな話を真に受けていなかったがな‥むしろ
『そんな話を信じているやつがいたら阿呆か馬鹿だぞ?』
と先輩方が言っていたが‥まさか呪いの子ってのが蠍座魔法を使う彼女のことだったのか?と思うようになっている。
確かにうちの国って魔法使いというのはほとんどいない。
なんなら俺も中学の時に夜中の山の夜道で牡牛座魔法で巨大化したら"銀鬼"が現れたと街で大騒ぎになったな‥警察と必死で武装して山狩りをする自警団を見て遠くから腹抱えて先輩たちと笑っていたな。
「サソリジョウちゃんよかったら組まない?」
俺が楽しい思い出を頭に浮かべているとスピカはハナに声をかけている。
「何で私の魔法を分かって言っているの?」
ハナは淡々とスピカに興味なく言う。
「もちろん!前に見た毒魔法面白いなってと思って。」
「面白い‥?」
ん?気のせいか雲行きが怪しくなっているぞ‥。
「ロップホーンを一気に痺れさせてたんでしょう?毒魔法ってそんな使い方もあるんだ〜ってだからどうかな?私達でペアを組むの。」
あっ‥これはまずいかも知れんな‥。
「あなたとは絶対嫌。」
ハナの痛烈な一言‥スピカは見事に固まったぞ。
「えっ‥ごめん私何かー。」
「悪いけど私は早退するから他あたって‥。」
スピカは謝罪をしようとするがハナは冷たくそう言うと近くで見ていた俺の方に近づき。
「ダイスケ先生すいません。気分が悪いので早退してもいいですか?」
ハナは俺をじっと見るようにそう告げる。
本来なら先程の光景を見たら彼女を早退させたくないが‥でも本当に体調や心理的に悪かったなら明日の"大事な日"に響いたら大変な事になると思う‥仕方ないか。
「分かった。俺がクロード先生に言っとくから寮に休んでいなさい。」
「はい。ありがとうございます。」
彼女は俺に礼を言うと‥踵を返してこの場から去ろうとする。
でもその前に‥。
「サソリジョウくん。」
「‥なんですか?」
彼女は表情を変えずこちらを見て言うがたぶん内心では嫌な気分になっていそう。
きっと先程のスピカとのやり取りを見ていたから何か言われるだろうと思っているだろう‥ふふっ残念ながら違うぞ。
「明日の試験頑張れよ。」
俺はそう言うと親指を立ててながら彼女に向ける。
しかし彼女表情を変えずに。
「‥はい。」
とただそれだけを言ってこの場を去って行った。
俺がこれ以上余計な事を言う気はないしする気もない。
先程のやり取りは別に喧嘩ではない‥仮に万が一喧嘩になったりスピカやハナからお互いのことで何かを相談してきたら俺は教師(※見習い)として介入はするけども‥。
俺は兄弟子にハナが早退したと報告した‥。
ん‥いや待てよ?1人減ったら11人だよな‥1人余るというかスピカが余るよな‥?他の皆はちゃんとペアを組んでいたしな‥。
しょうがないこうなったら彼女のペアを俺がやらねば‥と思いながら俺はスピカを見ると‥。
「ねぇスピカちゃん相手がいないならイオ達と組まない?二人とも肉体系魔法だから三人でやるのもいいんじゃないかな。」
イオがスピカに対して優しく言う。
彼女のペアの相手が獅子座魔法の使うレオだから本当に肉体を使う魔法同士‥これはこれで相性抜群だとおれは思っている。
「イオちゃんマジ天使‥。」
「どうしたの!?」
スピカは本当に感極まって泣いておりそれに驚くイオという光景が見れた‥というかペア決めで本当に泣くやつ初めて見たぞ‥。
でもまぁ心配はなそうだな‥。
「こんな授業をやってられねぇ。」
「とか言って組む人いないんでしょ?」
「お前がだろ。」
カストルとアストレアのペアがまるでお笑い芸人のコントのように語っている‥なんだかんだでお前ら仲がいいんだろう?
「オィ!寝るなユゥ!ペアの私も怒られる!」
「ZzZz〜。」
カペラとユゥのペアは‥相変わらずだなと思っていると。
誰かが大きく手を叩く音が聞こえた。
振り返るとそこには兄弟子が立っていた。
「皆気を引き締めてやれよ!分かっているだろうが明日は中間試験だ。」
兄弟子がそう告げる。
そう明日は彼らに取ってもディアナ校の最初の試練の一つ中間試験だ。
「試験は魔法による特殊ダンジョンの攻略、危険を伴うし不合格なら進級が厳しくなるぞ。各自この3カ月学んだ成果を発揮して学年上位を目指せ!」
高らかに生徒達に告げる兄弟子‥生徒達を見ると皆やる気‥いや一人立ったまま寝ている子がいるがやる気に満ちている‥。
皆頑張ってほしいと一人の教師(※見習い)として俺は心から願った。
夕暮れ時本日の授業が終わりを告げる鐘がなり
「終わったー!!」
「お腹空きましたわ〜。」
声を出す生徒がいる中で俺は職員室に戻り本日の日誌を書こうと歩みをかけた時に
「ダイスケ先生。」
「ん?どうしたイオ?」
イオに呼びかけられて歩みを止めて彼女を見る。なんか少し不安そうな表情を浮かべてこちらを見つめている。
「明日の中間試験‥イオは本当に大丈夫かなと思って‥。」
中間試験のことで悩んでいるのか‥。
しかしながら一人の教師としては明日の試験内容の特殊ダンジョンの事は言えないしどこのルートを行けば安全とかも言えない‥が。
「なに心配するなお前の能力は俺が保証しているから‥頑張ってこい。」
激励をするのは別に構わない。
「でも‥それでも合格が出来るのか不安で‥。」
まだ不安そうな表情を浮かべている‥仕方ねぇな。
「おーい。カストル、アストレアちょとこーい。」
俺は帰ろうとする二人を呼んだ。
「なんだいきなり。」
ぶっきらぼうに俺を睨見つけながら来たカストル。
「先生どうかしました?はっ!‥もしかして僕に何か用があるのは実はイオくんのことで‥!」
相変わらずなんでそうなるんだとアストレアにツッコミを入れたいが話が進まないので無視して俺は告げる‥。
「お前ら三人で手を組んで明日の中間試験を臨め。」
俺の発言にその場が静かになった。
「おい冗談言うなよ‥!なんでこいつと手を組むんだ!」
「なんで僕が彼と手を組むんですか‥!イオくんのペアなら喜んでやりますけども‥!」
カストルは豆鉄砲を喰らったような表情を浮かべて俺に抗議をしアストレアは同じだが一瞬イオの身の危険を感じてしまったが無視する。
俺はさらに3人に小声で言う。
「いいか今回の試験は別に単独でダンジョンとクリアをしろとは言ってはないつまりはチームプレイ‥他者との協力で魔法を効果的に使って制覇するのが今回の試験の本質だ。お前ら3人でやれば必ず受かると俺は信じている‥それに試験で落ちたくないだろ?お前ら。」
「それでも一人でも攻略出来るだろう?そのダンジョン。」
カストルはまだただを捏ねている。
「‥可能ではないがあんまりお勧めはしないぞ。」
俺は昔このダンジョンの試験を受けて1人で行けると思ったが最終的には最後らへんであの"ヤベー鳥"に襲われて危うく失格になりかけた事がある‥他のカヴンの生徒達を巻き込んで無理矢理協力させてなんとか倒したのを思い出す。その分他の多くの生徒達を落第させてしまったがな‥あとあれで結構疲れたなあの時は‥。
「それには‥二人ともそろそろイオを安心させないとぐずっちまうぞ‥。」
「ううっ‥。」
俺はイオが今にも泣きそうなうになりながら二人を見つめている‥。
「ちっ‥仕方ねぇな分かったやってやるよ。」
「本当に今回だけですからね!イオくんのために協力しましょう‥!」
「二人とも‥ありがとう!」
こうしてちょと今更ながらも不安があるが即席トリオが誕生した。
ちなみに彼女は先程と大違いの自身の満ちた顔で明日の中間試験を挑むようだ‥本人が自信を持てばなんとかなるだろう‥。
3人と別れて俺はさっさと日誌を書こうとするん‥?あれスピカがまだいる‥何をやって‥!
「おい!どうした顔が真っ赤だぞ!?熱でもあるのか!」
顔面が紅潮して目の焦点が合っていないスピカに俺は驚くが。
「ち、違います!そのもやもやがあって‥!失礼します!!」
と言いながら全力で疾走する彼女に。
「本当に大丈夫か‥おい?ってかもやもや‥?」
俺は不思議に思いながらも今度こそ職員室に向かい歩みだした。
本日の日誌やその他の作業を終え俺は寮に戻り夕食を取り風呂に入ってから‥兄弟子の部屋にとある物を持ち出向いた。
「クロード先生失礼しますよっと‥。」
俺は部屋の主の許可を得ずに合鍵を使って入る‥部屋の光は付いているがそこにいたのは黒猫‥正確には呪いによって夜は確実に黒猫になった兄弟子だ。
「‥‥。」
俺は兄弟子が黒猫になっているのを知っているので寮母さんに内緒で合鍵を作り出入りが可能だ。
まぁ本当は緊急の用件とかのためだか今回は私用のために使わせてもらっている。
もちろん本人に事前に許可を得ている。
何故なら兄弟子は俺の持ってきたものをとある物に興味を持っていた。
「にゃーにゃー。」
と騒ぐ兄弟子を見ながら。
「分かりましたから慌てなさんな。」
と言いながら部屋から持ってきたコップを二つ出しそしてこれが大本命‥うちの国から持ってきた一升瓶の清酒を出してコップに注ぐ‥うんいい香りだ。
最初は猫のように飲むのかと思いきやまさか器用にコップで持つとは‥驚きつつも俺はコップに清酒を並々と注いで側に置き
「明日のクロード・カヴンが中間試験を全員合格するように祈って乾杯」
「にゃにゃ。」
お互いのコップでコツンと合わせると俺は一気に飲んだ‥軽快ですっきりと飲みやすい味で例えるなら米の旨味が口のなかでふっくらと膨らんでいく‥この国で酒では味わえない旨さだ。
兄弟子を見る‥器用にコップを持ちながら清酒をグビグビと飲んでいく‥。
確かこの人聞いた話では結構酒好きらしいな‥。
「にゃにゃ‥!」
と何を言っているのが分からないが兄弟子がコップを差し出すまだ飲み足りないのか‥よかろう味わってくれ。
俺は一升瓶を持ち兄弟子のコップに注ぎながら俺も同様にコップに注いで飲む‥。
こうして兄弟子と飲むのも悪くはないな‥と感じる‥しかしこの小さい体でもよく飲めるなと感心してしまう‥。
というかその前に猫が酒を飲む姿はやばくねか?‥こんな光景を故郷の猫好きになった先輩とその嫁さんに見かけたら絶対に俺は半殺しにされるぞ‥マジで。
「にゃにゃ!」
はいはい注ぎますよ‥!
俺はまた清酒を兄弟子のコップに注いだ‥。
しかしなぁ‥清酒だけではつまらんな‥つまみがあるばいいがもちろんそんなものはない。
そしてしばらくして
持ってきた僅か1時間もかけずに一升瓶は空となった‥。
しかし俺は明日に備えてそんなに飲まなかったが兄弟子が結構飲んでいたな‥仮に二日酔いとかでも気分が悪くなっても俺は直さんぞマジで。
そんな兄弟子は飲み終わって満足したのかベットの上に乗っている。
俺は空になった一升瓶、使ったコップを持って部屋から出ようとすると背後から
「にゃにゃ‥。」
と呟く声が聞こえる‥。
何を言っているのが分からないが俺は‥。
「また暇な時に飲みましょうや‥そんじゃ兄貴お休み。」
と言うと部屋の光を消して俺は退出して部屋の鍵を閉めて自分の部屋(※地下室)に向かって歩んでいった‥。