TS銀髪美少女に感情ぐちゃぐちゃにされる結束バンド   作:ガテル

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第9話

 

「目を覚ましてから演奏が耳に入ってきたんだけど……感動!後藤さんギター上手いのね!凄く惹きつけれるっていうか!」

 

「そのお気持ち分かりますね、後藤さんの演奏は本当に素晴らしいです」

 

「ふふ2人から褒められるなんて初めて、2人とかもう実質1万人と言っても過言じゃないよね。わっ、私は武道館を埋める女……」

 

「それは流石に過言じゃないかしら??」

 

 

キターンと倒れる喜多さん、そして「聞いてください、このままバンドの話を出来ず一生を終える事となるザコ陰キャの弾き語りです……」とギター演奏を始められてしまった後藤さん。もはや収拾がつかない状況、どうしてよいか分からず途方に暮れる私でしたが割とすぐに「強すぎる推しに思わず頭がキャパオーバーしちゃったの、でももう大丈夫よ!それにしても琴寄さんって本当に凄いわ!先輩の娘にもなりたいけど……私、琴寄さんの娘にもなりたい!」と喜多さんが元気に復活してくださって安心いたしました……娘になりたいとは一体どういう意味なのでしょう?

 

少しの疑問は残るものの、とりあえずこれでバンド勧誘についてのお話が出来ます。そう安心していたのですが。

 

 

「独学だなんて凄いわ……そうだ、後藤さん!ギター教えてくれない?私の先生になって!」

 

「えっ!?」

 

「こんな上手い後藤さんが教えてくれるなら頑張れる気がするかも!」

 

「なな何で、どどどうしよ花音ちゃん……!?」

 

 

焦りながら私に小声で耳打ちしてこられる後藤さん―――あの後、喜多さんが実はギターを全く弾けないという衝撃の事実が判明いたしました。前に少しいたバンドも先輩目当てで弾けると偽って入ったらしく、結果は何一つ分からない事から逃げてしまわれたそうです。中々にロックなお話でございますね?

 

 

「後藤さん、ここは私にお任せください」

 

「なっ、何か案があるの?」

 

「ございます、ですからどうか……私を信じてくださいませ」

 

「カッコいい花音ちゃんも好きウヘヘッ」

 

 

喜多さんを一度落ち着かせ、そこからやんわりとこの件はお断わりしましょう。絶対に大丈夫です、何故なら私はとある妙案を思い付いたのですから。後藤さん、ここはお友達として必ずやお助けしてみせます。

 

大きな覚悟を胸に抱き、私は喜多さんの目の前に立ちました。そして―――

 

 

「よしよし、でございます」

 

 

背伸びをして喜多さんの頭を撫でました、これは溶けそうな後藤さんを落ち着かせるためによくやっているものです。未だに何故かは分かりませんが、これを行うと効果抜群なのです。なので、喜多さんにも後藤さんほどではないにしろ効き目がある。そう思ったのですが……

 

 

「キャー!まるで本当に琴寄さんの娘になった気分だわ!!」キターン

 

「かか花音ちゃんが私以外の人の頭を撫でて!?のっ、脳が破壊されちゃう……」

 

 

どうやら完全に逆効果だったようです、またもや収拾がつかない状況に陥ってしまいました。私達は輝き200%となられた喜多さんのお願いを断れず、後藤さんは早速ライブスタジオでギターレッスンを行う事となりました……力不足で本当に申し訳ございません。

 

 

 

 

「2人のバイト先って下北沢だったのね」

 

「来た経験があるのですか?」

 

「私の前のバンドが下北系だったから、それにメンバーの先輩達がここに住んで……えっとごめんなさい。さっきから後藤さんが琴寄さんの背中に顔を埋めてるみたいだけど、それは一体何をしているのかしら?」

 

「こっこの町は未だに怖くて、後は壊れた脳を治してるんです……」

 

「……聞いたら余計に分からなくなったわ」

 

 

私にもよく分からないのですが、現在修理中の後藤さんに代わり私が道案内役となっています。距離的にもそろそろSTARRYに着く頃なので、喜多さんに伝えると何やらライブハウス名に引っかかるものがあるらしく途端にその顔を真っ青にされてしまいました。

 

 

「琴寄さん!後藤さんが入ってるバンドのメンバーって他には誰がいるの!?」

 

「それは伊地知さ「ぼっちちゃーん!花音ちゃーん!脳破壊に効く薬ってのがよく分からなくて、とりあえず頭痛薬買ってきたよ―――って逃げたギター!!」

 

 

……何となく察しは付きました、突然辞めてしまったギターの方というのは喜多さんの事だったのですね?伊地知さんがやってこられると、続いて山田さんも現れました。

 

 

「虹夏、今調べた有識者の情報によると脳破壊にはBSSが効くらしい……あれ」

 

「リョウ先輩!?」

 

 

山田さんを見た瞬間、喜多さんは目にも止まらぬ速さで土下座のフォームへと変身いたしました。

 

 

「何でもしますからあの日をお許しください!どうぞ私をめちゃくちゃにしてください!出来れば琴寄さんも一緒に混ぜてください!」

 

「欲望隠しきれてないよ!?」

 

 

「後藤さん、めちゃくちゃとは具体的にどうなるのですか?」

 

「か、花音ちゃんは知らなくていい未知の世界の話だよ」

 

 

未知の世界……私は映画が好きなのですが、その中でもSFはかなり好みのジャンルでございます。なのでそういったワードは中々に心躍りますね、是非知りたいです。ここは後藤さんに頼んでみましょうか。

 

 

「後藤さん、未知の世界というのを良ければ私に教えてくださいますか」

 

「……そそそれなら夜に教えます!?」

 

「?」

 

 

 

 

 

「―――へぇ~!喜多ちゃんギター弾けなかったの?だから合わせの練習を頑なに避けてたんだね」

 

「はい……」

 

 

怒る……なんてのは伊地知さんと山田さんは全くしません、私もそれを知っていました。ふふ、お2人は優しいですからね。そこから喜多さん自身が「何か罪滅ぼしをさせてください!」と希望された結果、今日1日ライブハウスのお手伝いをする事に決まりました。

 

何とか問題が解決して一安心でございます。

 

 

「それじゃあちょっとこっちで着替えて、かっ……花音ちゃんも一緒に来な?」

 

 

何故か顔を赤くされながら手招きしている店長さん、どうして私もと思ったものの店長さんなら何か意図があるのでしょう。そう思い、とりあえず行こうと決めた私でしたが……そのとき伊地知さんのストップからかかりました。

 

彼女は訝し気に姉である店長さんを見つめており。

 

 

「お姉ちゃん?どうして花音ちゃんもなの「店長権限は絶対だ」いやひっど!?」

 

「伊地知さん、別にそこまで心配される必要はないと思うのですが」

 

「うーん、何か怪しいんだよねぇ……それに何故かお姉ちゃんから危なさを感じるし」

 

 

こうして、喜多さんと私は店長さんの用意した服とやらに着替える事となったのです。

 

 

 

 

 

「虹夏、今すぐSTARRY内でメイドカフェを初めよう。そして稼ぎの30%は私がもらうから」

 

「おいふざけんな??まぁ……でも確かにあれは凄いね、すっごく可愛いよ」

 

「だろ?」

 

「お姉ちゃんは何で誇らしげなの」

 

 

 

―――用意されていた服、それはまさかのメイド服でございました。この格好で1日バイトしなければならないのですね、こういった可愛らしい服を着るというのはかなり複雑ですが……私はバイトを精一杯頑張ると決めたのです。絶対にやり遂げましょう。

 

 

「琴寄さん可愛すぎー!!写真撮らせてくれない!?」

 

「い、いいですよ」

 

「50枚、いえ100枚は撮らせてもらうわね!」

 

 

喜多さんだけでなく、後藤さんも無言でスマホを構えておられて……誰もバイトをしていませんね。これは撮影会か何かですか?私を撮って何が楽しいのか分かりませんが、店長さんはこれはどう思っているのでしょう。

 

 

「花音ちゃん、ちょっとポーズ撮ってくれない?」

 

 

誰よりもウキウキでございました、STARRYが少し不安になります。

 

 

「店長、ポーズだけじゃなくて花音に何か喋らせたら?」

 

「ナイスだリョウ、時給上げてやるよ」

 

「ありがたき幸せ」

 

「……ホント2人共さぁ」

 

 

 

ポーズに加えて台詞付きでございますか?私はこういう系に詳しくないので、前に偶然テレビで見たものになってしまいますが……それでも良いのなら。本当に恥ずかしいですが、メイドもバイトの業務の一つ(??)だと思って頑張りましょう。

 

私は息を整え、両手でハートの形を作り。

 

 

「も、萌え萌えキュン……だよっ?」

 

 

 

―――場に沈黙が走ります、思えばこのネタを見たのは幼い頃。つまり古かったのですかね、完全に失敗してしまったと後悔する私でしたが。

 

 

「花音ちゃん……」

 

「こっ、これはビジネス、ビジネスの香り」

 

「お姉ちゃんは何乙女チックにときめいちゃってるの、それにリョウも顔赤いよ……まぁ私もだけど

 

 

 

「琴寄さんに貢ぎたい……!」

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

 

……失敗、なのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 






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