ギャグっていいよね。俺もやる。
不死川実弥は困惑していた。
人を喰らう鬼という子供騙しにも聞こえる化生を殺す組織──鬼殺隊に所属してそれなりの時を過ごし、今や鬼殺隊の最高戦力である”柱“の位に到達した。
既に数え切れぬほどの鬼を斬り殺し、十二鬼月でもなければ苦戦する事は無いだろうと自負していた……のだけれども。
「……何なんだァ?テメェはよォ」
「…………」
「チッ、ダンマリかよ」
目の前の怪物は例外だったらしい。
十二鬼月であれば眼球に数字が刻まれている為、事前情報がなくとも対面すれば『おっ、こいつ十二鬼月やんけ』と即座に分かるようになっている。
しかし目の前の鬼にはそういった特徴はない。
いやむしろ特徴塗れなんだけども。
その鬼(仮定)は妙ちきりんな見た目をしていた。
首から上は落ちる水滴のように頭を尖らせつつも真ん丸な輪郭をしており、布でも貼り付けたような真ん丸な目とひん曲がったキュウリのような口を持っていた。
首から下は却って既視感しかないはずなのに、首から上があんまりにも異形過ぎて不気味にしか見えない筋骨隆々の肉体。
読者の方々に伝わりやすい表現を使うのならば、某ゲームに出てくるス〇イムにムキムキマッチョの人間ボディを生やしたような見た目なのだ。
いやまず首何処だよ……とか、幾ら鬼が異形にもなれるったって限度があるだろ……とか思うだろうけれど。一番困惑しているのはそれと対峙している不死川である。
というのもこの妙なナマモノ、日輪刀が一切効かないのだ。それも首を跳ねても死なないとかそんな生ぬるいものではなく、そもそも皮膚すら斬ることが出来ないのだ。
夜中にナマモノを見つけた不死川は『絶対こいつ鬼だろ』と確信を持って不意打ちを敢行。風の呼吸を全力で稼働させて首を跳ねてそれで終い……にするはずだったのだ。
返って来たのはこれまでのどの鬼とも違う硬質な手応え。肉の硬さを通り越して金属でも叩いたかと見まごうほどの、硬い硬い感触だった。
この時はまだ何とも思っていなかった。
仕留め損ねた事に舌打ちこそすれど、その硬さにさして疑問は持たなかった。何せ大量に鬼がいるのだから、一体や二体くらいは防御力に特化した血鬼術を持っていてもおかしくはないのだから。
──なら死ぬまで斬ってやる。
不死川の判断は早かった。一度で駄目なら二度、二度で駄目なら三度。三度でも足りなければ何度でも切り刻んでやるつもりだったから。
そして不意打ちをしてから六時間が経過した。
ええ、太陽もバッチリです。日陰なんてないし雲ひとつない晴れ間が覗いているのに、目の前のナマモノは二本の足で大地を踏み締めて仁王立ちをしております。なんだコイツ。
もうここまで来たらコイツ鬼とは違う何か別の種類のナマモノなのでは?と思いたくなるが、じゃあこれが鬼以外の何かであるならそれはそれで怖い。本当になんだコイツ。
「逃げるわけでもなけりゃ、無抵抗でもねェ……こいつは一体……?いやお前本当に何なんだ?」
「……」
「おいその『はー……やれやれ』みたいな態度やめろ」
とうとう闘志だの殺意だのを疑問と困惑が上回ったらしい不死川。思わず率直に疑問をぶつけてしまったが、その返答は肩を竦めて首を左右に振るだけだった。腹立つな。
一応不死川も攻撃しつつ話しかけてはみたのだけれど、会話の機能を持たないのか一言も発する事なく所作でしか返事をしない。
「…………もう一回聞くが、お前本当に鬼じゃないのか?」
「───?」
「『何言ってんだお前』みたいな仕草腹立つな……」
暫定鬼のナマモノは一応鬼ではあるらしい。嘘だろ?
じゃあ何で陽の下を歩けるんだよ、と尋ねてみても首を小さく左右に振るだけ。本人もよく分かっていないようだ。
人を食うのか?と尋ねてみても首を小さく左右に振る。ほな鬼とちゃうやないかい。
「───」
「……『夜に寝てたら腹も空かない』?どんな構造してんだお前」
「──」
「『さあ?』って……」
本当に何なんだコイツ、ともう何度目かも分からないため息。とにかく、人に対して無害であるのならばもうどうでもいいや……と疲れも相まって不死川はそれ以上の思考を放棄した。
その日、初めて疲れを滲ませた風柱を見た鬼殺隊は『どんな鬼と戦ったらあんなに疲れるんだ』と戦々恐々としていたとか。
【大正コソコソ話】
このナマモノは身長が230cm、体重は200kg。
大抵の敵はただ体当たりするだけで吹っ飛ばされるが、不死川は回避しつつカウンター気味に戦っていた模様。
尚、不死川の奮闘の結果首の皮膚がちょっと凹んだ。すぐ戻った。
ほぼ原作沿い部分は大幅カットしてもいい?
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ええんやで
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駄目、全部書け