体が生えたディ〇ダみたいな鬼   作:南亭骨帯

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 こんなんでよければ最後までお付き合いください。





浸りすぎだろコイツ

 

 

 やあ。無限列車編が終わってしょんぼりしてる泥管だよ。

 

 

 別に下弦の解体やら何やらはどうでもいいけど、愛弟子が旅立って行ったのがちょっと寂しい。たまに顔を出そう。走って。

 

 

 下弦の壱の討伐及び上弦の参との戦闘を見届け、ついでに怪我人の治療もある程度終わったら泥管はそそくさと零余子と共にその場を離れた。

 

 それから人知れずこっそりと別れの挨拶をして零余子を見送り、これまで通りの日常に戻ってきた。

 

 

 べべんされたり何かしらの用事で離れることが多かった我が家。最近は来客が多かったから誰かしら待っていたりしないかと警戒したが、さすがに誰も来ていなかった。

 

 考えてみればここを尋ねるのは上弦の鬼か鬼殺隊のみ。今は日が昇っているから鬼が居ることは有り得ないし、鬼殺隊は鬼殺隊で無限列車の後処理で忙しいのだろう。

 

 そう思うと何だか急に暇になった気がする。元々生きる目的も死ぬ理由もない泥管だが、人に囲まれる日々を送って急に放り出されるとほんの少し寂しさを覚えてしまう。

 

 

 そういう時は無理やりやることを作る。そうだな、覚えたての炎の呼吸を練習して完成度を上げて次に煉獄と会った時に驚かせてやろう。そんな事を考えた。

 

 泥管以外誰もいない家の中でゴォオオ……と呼吸音が繰り返される。うーん、鬼殺隊が見たら卒倒する光景。

 

 

 何度か呼吸を繰り返しているうちに、ふとある事を思い出した。

 

 炭治郎が使っていたナントカ神楽?なる呼吸に似た音を聞いたことがある。炎の呼吸と音が似通っていたから分かりにくかったけど、あれは間違いなく自分が知る呼吸のそれだった。

 

 

 ゴオオオ……!

 

 

 そうそう、確かこんな感じ。ちょっと待てや。

 

 

 泥管は今でも鮮明に思い出すことができる。かつて彼の呼吸を再現しようと試みていた日々を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれは鬼になってから三、四百年ほど経った時のこと。

 

 

 無惨が無駄に鬼を増やすせいで人間に襲われるようになり、色んなことに嫌気が差していた。

 

 泥管とて好きでこうなったわけではない。無惨のやつに無理やり鬼にされ、気がついたらこの有様だったんだぞ。おい何で無惨が一番困惑してやがる。

 

 

 死にたくとも死ねず、かといって無惨に従うのも腹立たしい。一体どうしたものかと頭を悩ませていた時、山の中で名も無き鬼と出会った。

 

 曰く、この先に子を孕んだ女がいるから食いに行くのだと。なんか腹が立ったのでぶっ飛ばしておいた。

 

 

 何となく。何となく、あの鬼が言っていた妊婦のことが気になって山の中へと進んだ。食べるのかって?まさか。

 

 確かに鬼が言っていたとおり、山の中にひっそりと家があった。中に妊婦が一人でいるのがわかる。

 

 幸いあの鬼以外がここを目指している様子はなく、この場から離れたとしてもすぐに鬼が来ることはないだろう。

 

 ならば徒に驚かせてしまうのもよくないし、さっさとどこかへ行ってしまおう。そうしよう。

 

 

「……お前は、誰だ」

「───」

 

 

 やっべ。遅かった。

 

 ここで今の自分の状況を確認してみよう。右手には鬼を殴り飛ばしてついた血!頭は寺に吊ってありそうな鐘のよう!うーん、どう考えても化生の類いです。

 

 案の定目の前の痣の男はこちらを睨みつけている。家の中にいる人の旦那さんならそうだよね!ごめんね!でも無関係なの!

 

 

「なんじゃ?外で何をして──化け物ォ!?」

「うた!」

「───!?」

 

 

 失礼な。いや否定できないなこれ。客観的に見ても化け物だわこれ。

 

 このままだとあの女性を襲いに来た化け物と認識されてまた面倒なことになる。確かに自分は鬼だけども!人を喰おうと思ったことすらないんだって!

 

 でもそんなこと伝わるはずもない。だって泥管は喋れない。ほんの少し、とんでもなく微弱な思念を発せられるだけだもの。

 

 

「そう、だったのか……失礼しました」

「───?」

「?はい。貴方の声……声?らしきものは聞こえています」

 

 

 マジか。泥管さん大歓喜。ようやく鬼以外に会話ができる相手を発見できた。

 

 

 痣のある男の名は継国縁壱といい、妊婦の方はうたというそうだ。

 

 知らず知らずのうちに人喰い鬼から妻を守ってもらっていたと知った縁壱は深々と頭を下げ、感謝と同時に疑ったことを詫びてきた。

 

 泥管は慌てて頭を上げさせた。だって疑われるような見た目をしている自覚があるし。

 

 頑なに頭を下げていた縁壱だったが、ようやく頭を上げたかと思えば今度はピシリと固まった。

 

 

「……珍妙な身体だ」

「───!?」

「あ、いや罵倒したわけではなく。つい……」

 

 

 言うに事欠いてンだとテメェ。

 

 

 慌てて間に入ったうたが言うには、縁壱は生まれつき人の身体が透けて見えるのだとか。いやんえっち。

 

 それで泥管の身体の中身、要は腸だの筋肉だのを見て思わず感想が漏れてしまったのだ。

 

 

 ちなみにこの時、縁壱の目には鬼とは思えないほど健康的で実戦用に仕上がっている、人間として極まったような中身が見えていたとか。

 

 

 泥管はその透き通って見える景色に興味が湧いた。特に生きる目的もないし、退屈しのぎになればいいなあと思ってのことだった。

 

 ついでに縁壱の不思議な呼吸も教えてもらい、対価として縁壱がいない時のうたの護衛を請け負うことにした。

 

 

 二人の子供も生まれ、教えを乞うてからひと月が経った頃。

 

 

「………………」

 

 

 ──ゴオオオ……!

 

 

「おお……できているな」

「……それにしては、眉間にシワがよっておるのう」

 

 

 透き通る世界とやらにはちゃんと入れた。日の呼吸という呼吸法も身につけられた。

 

 

 何でこれをただの人間が使えるんですかね。

 

 

 透き通る世界も日の呼吸も、使うこと自体は割と早い段階で叶った。

 

 しかしそれを継続しようとすると途端に凄まじい負荷が襲ってくる。飛び抜けて頑強な肉体と精神があったからよかったものの、並大抵の人間なら肺が破裂して死んでるんじゃなかろうか。

 

 

 元々人間の頃からそれなりに強かった泥管。鬼としても極まった肉体を得たというのに、習得に結構苦労するくらいには苦しかった。自力で肺を強化するなんて初めてだよ。

 

 

「そこまでか……?」

「まあ縁壱は結構人とずれとるし」

「!?」

 

 

 嘘でしょ……という顔をしているところ悪いが、本当にお前人間かと疑いたくなる。透き通る世界でざっと見てみたけどお前の方がよっぽどおかしいからな?

 

 

 こんな風にうたと縁壱、そして二人の子供と過ごす日々はあっという間に過ぎ去った。

 

 ある日から縁壱は鬼殺隊という鬼を狩る危険な仕事に身を置くようになったが、傷一つつくことなく帰ってくるのでそのうち心配するのをやめた。

 

 

 もう何百年ぶりかの平穏な日常。泥管はこの日常が続いてくれることを願っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?貴様か。一体何しに──へぶっ!?」

 

 

 日の呼吸パンチ!日の呼吸キック!

 

 

「痛い!?いきなり何をすぶべっ!?」

 

 

 おまっ、お前お前お前!

 

 何でして欲しくないことばっかりするんだこの野郎!?

 

 このバカ!アホ!頭無惨!ワカメみてぇな髪の毛しやがって!

 

 

 





【戦国コソコソ話】
 一度だけ縁壱と泥管で手合わせをした事があり、その時の結果は『うたがストップをかけて引き分け』だった。止めなかったら十日間くらいぶっ通しでやり合ってたと思われる。

 うたは最初こそ腰を抜かしていたが、段々と慣れて普通に家族の一員扱いしていた。泥管に料理の腕を仕込まれ、縁壱の目を輝かせられるくらいには上達した。

ほぼ原作沿い部分は大幅カットしてもいい?

  • ええんやで
  • 駄目、全部書け
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