体が生えたディ〇ダみたいな鬼   作:南亭骨帯

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何連れて来てんだコイツ

 

 

 上弦の鬼が初めて討伐された。それも二体も同時に。

 

 竈門禰豆子も泥管に頼ることなく太陽を克服し、鬼殺隊にとって良い事が連続する今日この頃。

 

 鬼の出現もピタリと止み、忙殺されていた柱達の手が空いたこともあって鬼殺隊の戦力を底上げするにはちょうどいい準備期間だ。

 

 

 しかし手放しで喜ぶことはできない。何せ鬼舞辻無惨の願いは太陽の克服であり、あのナマモノによる影響以外で太陽を克服した禰豆子がいる。

 

 無惨は間違いなく禰豆子を狙う。千年近く生きた無惨にとって、次があるかどうかも分からない千載一遇にして唯一無二の機会。何がなんでも禰豆子を奪おうとするだろう。

 

 

 そこで先の泥管の提案も含め、可決されたのが柱稽古with泥管。異物の主張が激しい。

 

 柱稽古の名の通り、柱より下の階級……つまり鬼殺隊全員が柱を順番に巡って稽古をつけてもらうというもの。

 

 

 少しメタい話をすると、原作ではこの時点で八名しか柱がいなかった。しかもそのうち一人は片腕を失い引退している状態。

 

 それがこの世界線では柱九人現役、を通り越して泥管という超ド級のバタフライエフェクトのお陰で花柱の胡蝶カナエが生き残っているし、その妹の蟲柱に至っては破壊殺の空式みたいな突きを繰り出すようになっている。お前は上弦の参か。

 

 

 その上で泥管が参戦。隊士達を死なない程度にしぬ寸前まで追い詰める優しいような優しくないような、まあ命の担保はされてるだけマシな稽古が始まった。

 

 稽古の順番は以下の通りだ。

 

 

 ①泥管:基礎体力向上

 ②岩柱:筋肉及び精神力強化

 ③恋柱&花柱:柔軟

 ④霞柱&音柱:機動力

 ⑤蛇柱:太刀筋矯正

 ⑥風柱&炎柱:無限打ち込み

 

 

 あれ?原作から行程増えてなくね?と思っただろう。その通りである。

 

 蟲柱は隊士の稽古より重要な役目があった。逃れ者の珠世と共に無惨に使う毒の、禰豆子に使う薬の研究という替えのきかない役目が。

 

 では残る水柱……冨岡義勇は何をするのかというと。

 

 

 

「お前よぉ……柱だってんなら、やるべき事はちゃんとやれよなあぁ……」

「私あんまり頭良くないけどわかるわ。アンタ、人と全然喋らないでしょ」

「…………俺は、嫌われていない」

「いやそんな事聞いてませんから。というか鬼に説教されて何も思わないんです?私に至っては元下弦ですからね?」

(義勇さんから物凄く悲しそうな匂いがする……!あと助けを求める匂いも!)

 

 

 なんか上弦の陸と零余子に説教されていた。侵入者いるんですけど。炭治郎も助けてやれよ。

 

 

 まずコイツらがどこから来たのかというと、当然泥管が遊郭に行って引っ張り出してきた。あんなんでも恩がある二人は普通についてきてくれた。

 

 大阪から零余子も連れ戻し、鬼の身体能力への対応力を高める稽古を手伝ってもらうつもりだったのだが。

 

 原作と違って泥管の美味しいご飯で健康的に育ったシンプルにフィジカルエリートと化していた三人。全ての柱を回った後でなければ難易度が高すぎたせいで、しばらくの間暇になる事が確定していた。

 

 

 その間、手の空いた柱と模擬戦でもしようかという話になり、暇そうにしていた水柱が最初のターゲットに。ついでに一緒にいた炭治郎も。

 

 すると義勇は『俺は水柱じゃない』などと言い出す。お館様や他の柱に確認を取っても彼以外の水柱はいないというのに、何故か頑なにそう言い張るのだ。

 

 何かを察したらしい妓夫太郎。長くかかることを承知の上で質問攻めを始めた。じゃあ本当の水柱は誰だだの、皆お前が水柱と言っているんだが?だの……堕姫もちょっと引くくらい質問責めを続けた。

 

 

 その過程でようやく義勇の過去について知ることができ、同時に自己嫌悪の理由も判明。錆兎という将来有望な少年が死に、その時何もできなかった自分が生き延びたことを後悔しているのだと。

 

 ちょっと予想外に重たい話が出てきたものだから鬼達も困惑。あまりに後ろ向きな思考は今の堕姫には無縁過ぎたし、妓夫太郎と零余子はどう声をかけたらいいかわからない様子。

 

 

 そこで何を思ったのか、炭治郎がとあることを尋ねた。

 

 

「義勇さんは、錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」

「ぇ……」

 

 

 鬼になって寿命という概念を失った三人からは出てこない質問。誰かに託され、また自分も誰かに託すことで繋がっていく人の意思。義勇はそうしないのか、と。

 

 何か思うところがあったのか、それとも忘れていた過去のことを思い出したのか。しばし押し黙った後にようやく柱として稽古に参加することを表明してくれた。

 

 

 

 

「……ならよぉぉ、すぐにでも産屋敷に言った方がいいんじゃねえのかぁ?」

「え」

「柱稽古ってのは順番があるんだろぉぉ……?お前がどの辺りに組み込まれるのか知らねぇがぁ、早い奴はあっという間に終わっちまうからなぁぁ……」

「い、急ぎましょう!」

 

 

 

 それはそれとして報告、連絡、相談は欠かすな。慌てた義勇達は鎹鴉を呼ぶのも忘れ、上弦の陸と元下弦の肆を引き連れて全力ダッシュ。謀反かな?

 

 それなりに健康なお館様にちゃんと話を通して柱稽古の最後に加わることになった。内容は一任すると言われ、器用なことができない義勇は一対一の実戦稽古を行うことに。

 

 尚、後ろにいた鬼達にも丁寧な対応をしたものだから鬼達は困惑。そんなあっさりと受け入れられるとは思ってなかったらしい。そりゃそうか。

 

 謙ることに慣れている零余子はすぐにいつもの調子に戻ったが、上弦の陸という鬼としては最上位クラスの二人は慣れない敬語で喋ることに必死。鬼の意外な一面を見たお館様はニコニコと見守っていた。

 

 

 

「……それより、よく私達についてくれたね」

「だってよぉぉ……泥管さんと童磨さんから『お前達は向こうについた方がいい』って言われちまったしなぁぁ……」

「そんな事ある?」

「……無惨はなんつぅかよぉ……ずっとイライラしてて、癇癪を起こしたり八つ当たりが酷くてよぉぉ…………」

「…………鬼の始祖の態度か?それが……」

 

 

 産屋敷耀哉、宿敵が意外と小物臭いことを知る。大半の原因はアレ(泥管)なんですけどね。

 

 

 





【大正コソコソ話】
 鬼達の稽古は義勇の更に後。彼らの稽古については参加が任意。
 隊士が来るまで暇だった三人は柱と組手をしたり禰豆子を構い倒したりしていた。時々隊士からビビられていたものの、世話焼き鬼いちゃんと甘えたがり妹にすぐ絆された模様。

 サンプルが増えた珠世としのぶは喜びつつも増えた仕事に半ギレで対応していた。泥管と無惨で手一杯だって言ってんだろ。

ほぼ原作沿い部分は大幅カットしてもいい?

  • ええんやで
  • 駄目、全部書け
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