筋肉モリモリマッチョマン×2と強者美女×2が終わって柱稽古後半戦。
とにかくフィジカルを鍛えていた前半と違い、後半の稽古は技巧を鍛えることに注力している。これまでのように根性論だけではついていけない、思考を止めていては積み上げられないものを積み上げていく鍛錬だ。
というわけで今回も柱稽古with泥管の様子をお届けする。
④霞柱と音柱による高速移動の伝授
霞の呼吸特有の弛緩と緊張を意識した独特かつ正確な足捌きと、忍の修行によって獲得した静謐で効率的な足運びを叩き込まれる。
無論ただ走ったり歩いたりするだけではない。各々が身につけている全集中の呼吸の型で柱二人と打ち合ったり、隊士達同士で無手の試合をしていたりもする。
「オラオラァ!常に良好な状態で戦わせてくれるほど鬼は甘かねぇぞ!!気合い入れて派手に食らいついてこい!」
「鈍い、拙い、なっちゃいない。休んでる暇があるなら打ち込み台が壊れるまで打ち込み稽古でもしてなよ」
「「「ひぃん……」」」
何より辛いのは容赦がない事。
忍としての鍛錬を積んできた宇髄は最悪に備えさせる為、竹刀を叩き落としても一切の躊躇なく鍛錬が続く。ボサっと突っ立っていれば乾いた打撃音が響くことになる。
本人の素養が高すぎる時透はその若さもあってか隊士達に酷く辛辣な言葉を放つ。日輪刀くらい切れ味抜群な言動を年下の上司からぶち込まれると勝手に涙が溢れてきたり。
肉体もだけどそれ以上に心が痛む稽古なので、ほとんどの隊士達は確実にここで一度心が折れる。が、折れたまま放っておいてくれるほど優しくないので嫌でも続いてしまう。
そうして並大抵のことでは動揺しない精神力も得られた……と勘違いして次の稽古で現実を見る。
⑤蛇柱による太刀筋の矯正訓練
もう俺達の心は折れたりなんかしない!と意気込んだ隊士達。しかし訓練場に入った途端見事な即落ち二コマを決めることになる。
「お前達にはこの障害物を避けつつ、太刀を振るってもらう」
「「「ええ……?」」」
中にあったのは無数の角材……に、縄で括り付けられた他の隊士達。パッと見処刑場かなんかにしか見えない恐ろしい光景だ。
ただ真っ直ぐに立てられている者もいれば、横向きに床や天井に拘束されている者もいる。オマケに騒ぐと喧しいからと口元を包帯で縛られており、ロクな言葉も喋れそうにない。
一応念の為、この縛られている隊士達は何かやらかしたのかと尋ねてみると。
「コイツらは特に覚えの悪い、俺を手間取らせてイラつかせた奴らだ」
「……ということは」
「そうだ。お前達はこうなりたくないよな?」
「はっ、はいぃぃ!!」
なんてこった。当たって欲しくない予想が当たってしまった。隊士達は泣いた。
しかもだ。これまでの柱は指導には竹刀を使ってくれていたのに、伊黒は竹刀よりも硬い木刀で容赦なくぶっ叩いてくる。下手な怪我よりもよっぽど痛い。
いざ稽古が始まるとやはり理不尽。こちらが仲間への罪悪感でとてもとてもやりにくい中、伊黒は平気で木刀を振るう。
仲間達の間の僅かな隙間目掛けて木刀を振るうと、その瞬間に仲間達は目をかっ開いて『頼むから当てないで!!』と目力だけで訴えてくるのだ。
何度か同胞に誤チェストを喰らわせた隊士も、数日も経つ頃には割と躊躇なくブンブンと振り回すようになる。同胞泣いてるわよ。
「に、二度とやりたくねぇ……」
「後で仕返しされたりしないよな……?」
「あの人本当に木刀?一人だけなんか挙動がおかしくなかった??」
この後の稽古も含め、隊士達から最も恐れられた鍛錬となった。風柱よりも泥管よりも、って言われるとか相当な事だからな。
⑥風柱と炎柱との無限打ち込み稽古
ここからは総仕上げ。これまでの稽古で培ってきたものを忘れていないか確かめつつ、とにかく柱に向かって斬りかかっていく単純な打ち込み稽古だ。
参加者全員が失神するまでを一区切りとし、その間の休憩はなし。失神した隊士全員が目を覚ましてから三分後には柱を切り替えてまた打ち込み稽古……これを延々と繰り返す。
一撃でも入れられた者から合格。そうでなければずっとここで打ち込み稽古という無慈悲過ぎる鍛錬だ。
──風の呼吸 参の型 晴嵐風樹
「「「ぎゃああああ!!?」」」
「舐めてんのかぁ!?この程度で一撃入れるなんざできるわきゃねぇだろうがァ!!」
ここを一発合格できたのは今のところ二人くらい。それ以外は全員一回ずつ失神させられている。
元々気性が荒い攻撃的な不死川との打ち込み稽古は凄まじい難易度で、一撃を入れるどころかまず攻撃を防いだり避けることさえままならない。
ならば煉獄の時は比較的難易度が低いのかというとそんなはずもない。だって柱だぜ?
──炎の呼吸 肆の型 盛炎のうねり
「全然ダメだな!俺が鬼だったら皆死んでいたぞ!」
「煉獄さんつっよ……!」
「柱だから当然だけどな!」
「比較対象が不死川さんだからおかしくなってんだ俺ら……煉獄さんも普通に厳しかったわ……」
こと鍛錬ともなれば一切の容赦はない。というか自分に厳しい鍛錬を課す人がどうして妥協してくれると思うのか。
なんなら攻撃に比重が傾いている不死川よりも崩しにくい。風の呼吸の猛攻を潜り抜けさえすればまだチャンスのある不死川と違い、煉獄は攻防のバランスが良いのでむしろ不死川よりも合格難易度が高かったりする。
ついでに言えば隊士達が全員失神した後、不死川と煉獄は組手をしていたりする。つまり隊士達よりもずっと長く激しい動きを繰り返しているのに、その上で彼らに一撃も入れられていない事になる。
最初の方に失神した隊士はその事実を理解した時、柱への尊敬と畏怖の念が同時に湧いたという。
⑦水柱や鬼達との一対一の手合わせ
これが最後。この稽古……というか手合わせには合格も不合格もなく、稽古の順番を無視して挑むこともできる。
何も彼らに打ち勝つ必要はなく、自分の現状を知る為に行うもの。これまで遥か遠くの存在だった柱にどれほど近づくことができたのかを確かめる為の手合わせなのだ。
また、鬼達と手合わせをする場合は少し意味合いが変わってくる。
鬼と人間では生物的な強度がまるで別物であり、人間最上位の柱と鬼最上位の上弦でも鬼に軍配が上がるのだ。
それ故、鬼達との手合わせにおいては自分達より圧倒的に格上の身体能力を持つ存在への対応力を身につける訓練となるのだ。
大抵の隊士は義勇への挑戦を選ぶのだが、時折興味本位や義勇がいない時に来た為に鬼達との手合わせを選ぶ者が現れる。
その結果はどうなったのかというと。
「アンタ、鬼のことなーんにもわかってないのね。人間と同じ感覚で考えてたら、こんな風に予想外のところから足元を掬われて終わりよ?」
「う、うっす……」
「鬼相手に力技で来ても勝てるわけねぇぇだろぉ……?力押しするくらいならちょっとくらい頭を使えよなぁぁ……」
「妓夫太郎さんつええ……!もう一本お願いします!」
「……で、こんなガキの鬼なら勝てると思っておきながら、地べたを転がされた感想は?給金欲しさでもここまで来たんならもうちょっと頑張りなさいよ」
「く、クソがっ……!俺は楽に出世できりゃあ良かったってのに……!」
「その精神でここまで来れたの……?アンタ普通に優秀だったりする?」
まあ、ご覧の通り。今のところ彼らに挑んで勝った者は一人もいない。雷の呼吸の二人は義勇と戦ったのでノーカン。
女だからと堕姫と零余子を舐めてかかった隊士は泥だらけになるまで地面を這い蹲ることになり、折角だからと妓夫太郎に挑んだ隊士は彼の指導を受けてちょっと強くなった。
義勇に挑んだ人達?彼らなら「水柱様つえー……」としか言わなくなっちゃってたよ。
「……何とも醜悪な姿だな産屋敷」
その夜は、唐突に訪れた。
「身の程も弁えず、千年にも亘り私の邪魔ばかりしてきた一族の長がこのようなザマとはな」
千年もの戦いに終止符を打つその時が来た。
「お前はこれから、私が殺す」
鬼舞辻無惨が、現れた。
【大正コソコソ話】
前回に引き続き同期組+獪岳について。
炭治郎
→概ね原作通り。不死川兄弟の喧嘩は煉獄さんもいたので比較的穏便に済んだが、和解させることはできなかった。
伊之助
→後半から善逸との実力差が顕著になり始めたのでよりストイックに。不死川と煉獄の二人に一本ずつ取るという偉業を成し遂げた。
善逸
→⑤だけ少し苦戦した。④と⑥は何故か自分だけ一対一になって死ぬかと思った。でも何とか合格できた。
玄弥
→柱達全員からやんわりと『剣士の才能ないよ』と伝えられたけどやれる事はやった。兄貴に再起不能にされかけた。
カナヲ
→④は皆と似たようなもの。伊黒と不死川は加減すべきか悩んだが、本人が同じようにやって欲しいと嘆願したので同じようにやった。死ぬかと思った。
獪岳
→大体善逸と同じだが、岩柱から他の柱達に『強めに鍛えてやって』的な伝言が来てたので一人だけ難易度がハードからナイトメアになった。過去にやった事がやった事なので死ぬ気で頑張った。死なずに済んだ。
ほぼ原作沿い部分は大幅カットしてもいい?
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ええんやで
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駄目、全部書け