体が生えたディ〇ダみたいな鬼   作:南亭骨帯

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そんなことしてたのかコイツ

 

 

 画面外で猗窩座一人だけシリアスに決着がついている頃、新たな上弦の肆……鳴女は必死に琵琶を掻き鳴らしていた。

 

 これまでのような単発の音ではなく、現代ロックでも中々見ないレベルで弦を弾き続けている。

 

 一体何故そんな事をしているのかというと。

 

 

 

「派手な血鬼術のクセに地味に面倒くせぇな!!」

「喋る余裕があるなら手を動かせ……!何度も同じやられ方をして恥ずかしくないのか!」

「ご、ごめんなさい……」

「いや違っ……!?甘露寺のことを言ったわけでは!?」

「お前らこそ手ェ動かせよ!?」

 

(どっか行ってくんないかな……)

 

 

 

 音と蛇と恋の柱から狙われているからなんですね。危ねぇ今ちょっと掠った。

 

 

 鳴女の血鬼術はこれまでも見せた通り空間に作用するもの。琵琶を鳴らして障子を開き、空間を捻じ曲げている。

 

 この無限城もその血鬼術によって作られ制御されており、無限城内は彼女の手のひらの上と言ってもいいほど。

 

 

 だからこそ、鳴女が今ここで死ぬのはマズイ。

 

 

 無限城を作り制御しているのは鳴女の血鬼術によるもの。その彼女を殺すということはこの無限城をぶっ壊すのと同じ意味を持つ。

 

 そんな事になれば鬼狩りも無惨もろくな事にならない。押しつぶされたり追い出されるだけならまだいいが、下手をするとこの空間内に閉じ込められて永遠に出られなくなる可能性すらある。

 

 

 これが決着がつく寸前ならば死んだとしても『ほなしゃーないかぁ……』で済ませられたかもしれないが、開戦数十分で土台からちゃぶ台返しは流石によろしくない。

 

 なのでこの柱達に『お願いしますからもう少しだけ見逃してください』と言っているのに、あの蛇柱がネチネチと反論して拒否してくるから困っているのだ。死にたいんかお前。

 

 

「……本当にろくな事にならないので、放っておいてくれませんか」

「それを信じろと?鬼殺隊の俺達に鬼の言うことを聞けと宣うのか?本気で言っているのなら随分とめでたい頭をしているな」

(そこまで言わなくてもええやん)

 

 

 なのでこうして反撃をせず、ひたすら防御に徹して柱達が根負けするのを待っている。どうしたって首を斬るには近づかなければならないので、近づかれる前に障子を開いていればそれで何とかなる。

 

 

 というか本当なら鳴女も泥管側についていくつもりだったのに、無惨の野郎が上弦の代理にと血を突っ込んできやがったせいで逃げられなくなっているのだ。クソわよ。

 

 泥管と遭遇すれば何とかできなくもないだろうが、無惨の血から『お前わかってるよな?な?』という圧力を感じるのでもう何か全部諦めた。お前死んだ後覚えとけよ。

 

 

 そうして今、半ばヤケクソのように琵琶を掻き鳴らして生き残ることに必死になっているのだ。

 

 

「さっさと死ね。手間をかけさせるな」

「……なあ伊黒、本当にマズイんじゃねえの?アレ今殺して大丈夫か?」

「大丈夫じゃないので……早急にどっか行ってください」

 

 

 あと何分保つか……お願いだから来てくれ泥管、と願わずにはいられない鳴女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、アチコチから『はよ来てくれ』と求められている泥管本人はどこにいるのかというと。

 

 

「し、死ぬかと思った……!マジで助かった……!」

「泥管さんほんっとうにありがとうございます……!さ、三途の川が見えたかと思った……」

「───!」

 

 

 無限城全域を駆け回っていた。足速いっすね。

 

 

 目的は鬼殺隊の救出。鳴女の血鬼術で無限城に落ちた鬼殺隊の中にはあの落下に対応できない者もいるのではと考えた。

 

 なので無惨よりも黒死牟よりも鬼殺隊の救出を優先。落下に対応できていない者を探し回りつつ抱き抱えて安全な所に着地。それをひたすらに繰り返している。

 

 

 無限城ご招待からそれなりに時間が経っていることだし、もう落ちそうな鬼殺隊はいないだろう。落ちてしまった鬼殺隊?そんなのいるわけないだろ泥管さんだぞ。

 

 鬼殺隊の救出が終わったならやることは一つ、サーチアンドデストロイ。無惨と黒死牟は見つけ次第たたっ斬ってくれる。

 

 

「あ……それ、泥管さんの日輪刀ですか?」

「──」

「間に合ったんスね!特注のヤツ!」

 

 

 彼が腰に差している日輪刀。通常の物より1.5倍ほど長く厚い、大太刀の如き様相のソレ。

 

 

 如何に泥管であっても素手で鬼を殺すことはできない。やろうと思えばできるかもしれないが少なくとも黒死牟と無惨相手には確実に不可能。

 

 そこで鬼殺隊の刀鍛冶に依頼し、泥管用に特注の日輪刀を作ってもらった。

 

 しかし一つ問題があり、生半可な物では日輪刀の方が泥管の力に耐えきれずに壊れてしまっていた。

 

 最終的に岩柱の物には少し劣るが、相当に質が高い素材を大量に使用した大太刀が出来上がった。岩柱と泥管以外は持つのもやっとな重量である。

 

 

 後はこの大太刀を振るう敵を見つけるだけなのだが、一体どこにいるのか。鳴女をこちらに引き込めれば探す苦労もしなくていいのだが、生憎鳴女と会えていない。どうしたものか。

 

 などと考えていると、下の方から明らかに戦闘によるものと思われる音が聞こえた。刃物がぶつかり合う音と何かが爆ぜるような音。刃物はともかく、爆発音を出すのは音柱か零余子のみ。

 

 

「え、泥管さん?」

「下をじっと見て何かありました?」

「───」

 

 

 間違いなく交戦中。それも何度も聞こえるあたり、大量の敵か上弦の鬼のどちらかと。どちらにせよ助けに行くべきだろう。

 

 というわけで泥管さんフライアウェイ。見えないくらい高いけどまあ何とかなるやろ。

 

 

「へ?泥管さん!?」

「ここ結構高いッスよー!?」

 

 

 承知の上です。今行くぞ愛弟子!

 

 

 

 ……音柱だったら、まあ、うん。はい。

 

 

 






【大正コソコソ話】
 原作との相違点として珠世と愈史郎が無限城の外にいるのだが、このせいで無惨の警戒対象が死ぬほど増えてる。

 泥管は勿論のこと、柱達も何を持たされているかわからないので要警戒。妓夫太郎と梅ちゃんと零余子もヤバいし産屋敷家も健在なので指揮系統が万全。人間側はイージーモードだが無惨視点だとルナティック難易度。

ほぼ原作沿い部分は大幅カットしてもいい?

  • ええんやで
  • 駄目、全部書け
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