体が生えたディ〇ダみたいな鬼   作:南亭骨帯

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お労しいなコイツ

 

 

 ソレの乱入は必然だった。

 

 鬼によって生み出される悲劇を許せず、我が身を削ってでも抗ってきた者。一人でも多くの人間を守りたいと願った者。

 

 血と月の刃が飛び交う戦場に落ちる重量級の一撃。マトモに受けていれば黒死牟でさえ致命傷になりかねない破壊力。

 

 咄嗟に飛び退いて避けると、一瞬前まで黒死牟がいた場所がバキバキと盛大な音を立てて砕かれていた。ただ投げつけただけではこうはならないだろう。

 

 

「来たか……鬼狩り……」

「当然。我ら鬼殺隊は鬼をこの世から屠り去る為にある……!」

 

「や、やっと鬼狩りキター!とどめを刺す手段キター!!」

「……お兄ちゃん。あれ、刀って呼んでいいのかな?」

「…………まあ、斧もあるし日輪刀でいいだろぉぉ……」

 

 

 泥管……ではなく岩柱。悲鳴嶼行冥だ。やっぱそれどう見てもガ〇ダムハンマーだよね?

 

 

 ちなみに岩柱には霞柱が同行していたはずなのだが、今この場に霞柱の姿はない。何故岩柱だけがいるのかというと、岩柱は上からそのまま飛び降りたのに対して霞柱は『さすがに着地が危ないので少しずつ降りてきます』との事。それはそう。

 

 岩柱は鎖を器用に操作し、鉄球と斧を振り回して落下の衝撃を上手いこと相殺。そうはならんやろといいたいが相殺できてるから何も言えねえ。

 

 

 鬼と鬼の戦いに致命傷という概念はなく、何度傷つこうが毒を受けようが死ぬことは決してない。

 

 ここに鬼を殺す手段となる日輪刀を持った存在が現れたことで、ただでさえ人数差で不利であった黒死牟は更に追い込まれたことになる。

 

 

「素晴らしい……極限まで練り上げられた肉体の完成系……!これほどの剣士を拝むのは……それこそ三百年振りか……!」

 

 

 しかし黒死牟、臆するどころか笑ってさえみせる。長い年月を経て錆び付いていた感覚が一斉に目を覚まし、背筋をゾクゾクとかけ上る喜びが口角を吊り上げさせる。

 

 

 戦いは仕切り直し。打ち合っていた妓夫太郎達も一歩引いた間合いから油断なく黒死牟を見据える。梅は帯を展開し、零余子は勝ち確キター!と要らん死亡フラグを立てている。やめろ馬鹿。

 

 そうしてゴウンゴウンと音が響き始める。長い鎖に繋がれた超質量の鉄球が高速で振り回され、また本人の威圧感もあって空気ごと引き込まれるようだ。

 

 

 一秒か二秒か。ほんの少しの睨み合いの直後、全員が動き出す。悲鳴嶼と黒死牟は呼吸の型を構え、妓夫太郎達は血鬼術を発動しようとして。

 

 

 

 ──蛇の呼吸 弐の型 狭頭の毒牙

 

 ──音の呼吸 壱の型 轟

 

 ──恋の呼吸 壱の型 初恋のわななき

 

 ──霞の呼吸 陸の型 月の霞消

 

 

 

「───は?」

「おお……哀れな……」

 

 

 上から降ってきた四人の柱に四肢を全て切り落とされた。

 

 

 上弦の壱で再生力は無惨に次ぐとしてもだ。不意をつかれて四肢を切られては流石に再生も遅れるというもの。ましてや全員の日輪刀が赫く(・・)なっていれば尚更。

 

 同時に動き出していても四肢がなければ攻撃も防御も叶うはずもない。哀れみつつも放たれたガ〇ダムハンマー……じゃなかった、日輪鉄球が黒死牟の頭を叩き潰した。

 

 

「お前達……一体どうして……?」

「あー……それは、ほら……」

「む?」

 

 

「────!!!」

「泥管さん!?それもう死んでる!死んでるから!」

「わー……日輪刀ってあんなにピカピカになるのね。私知らなかった」

「……アレを基準に考えねぇ方がいいぞぉぉ」

 

 

 共に行動していた時透はさておき、何故宇髄や伊黒に甘露寺まで上から降ってきたのか。それを尋ねると宇髄がとある方向を指した。

 

 その先にいたのは怒り心頭と言わんばかりの泥管。彼の手には虹色──約1680万色──に輝く大太刀の如き日輪刀が。既に絶命している黒死牟の身体をズンバラリンと滅多斬りにしてしまっていた。

 

 

 

 

 

 少し時を遡り泥管が飛び降りた直後のこと。

 

 

 下から聞こえた戦闘音を零余子と断定して飛び降りたのだが、結論から言うと泥管の耳は正しかった。

 

 

 零余子達がいた場所の上でも丁度鳴女がスタンバっていたのだ。

 

 

 柱三人に殺されかけている同胞。それもこの無限城の制御を一手に担う、今死なれると非常に困る存在。

 

 やべえ、と判断した泥管は零余子の元へ向かう前に三人の前に割って入り、鳴女を殺すのはマズイことを何とか伝えられた。ついでに泥管ミートも突っ込んだ。判断が早い。

 

 

「じゃあ、お前も人間側に着くってことか?」

「……つきたいのは山々ですが、人間の頃にそれなりに人殺しをしましたがそれでもよろしければ……」

「よくねェなぁ!?」

「……やはり殺すべきじゃないか?」

「初めてなので痛くしないでくださいね……♡」

「語弊をうむ言い方はやめろ殺すぞ」

「あっ、洒落にならなそう……」

 

 

 後で処罰を受けることになろうが、とにかく無惨討伐戦に巻き込まれるのは御免被る。鳴女はそう言うと何度か瞬きをして琵琶を軽く鳴らした。

 

 無限城内部を改めて確認すると、既に猗窩座が討伐されて童磨も寝返り済。残っているのは理性も救いようもない鬼と黒死牟、そして無惨のみ。

 

 ギリギリの所で寝返りに成功したらしいことを悟った鳴女は思わずガッツポーズ。柱達は色々とドン引きである。

 

 

「……それはともかく、この下に黒死牟……上弦の壱がいます」

「何だと?」

「下からも派手に音がしてんなとは思ったが、やっぱそうか!誰が戦ってんだ?」

「妓夫太郎と梅ちゃんと零余子ちゃん……あ、鉄球と手斧を持った人が割って入りました」

「悲鳴嶼さん!?は、早く行かなきゃ!!」

 

 

 ついでに鳴女から上弦の壱の居場所をゲット。幸い今いる場所の真下で戦っているようなので、ここから飛び降りればそのまま不意打ちが決まるかもしれない。

 

 時透は躊躇っていたが彼らは違った。最悪泥管が何とかしてくれるやろの精神でアイキャンフライ。何の躊躇もなく飛び降りて行った。鳴女ドン引き。

 

 

 

 

「……で、落下してったらたまたま時透と攻撃が被ったってわけだ」

「なるほど……それで時透もあのような反応をしたわけか」

「本当にびっくりした……ギリギリで攻撃の軌道を逸らしたんだからね?」

「……すまん」

 

 

 綺麗過ぎるくらい鮮やかに決まった不意打ちは、時透以外の三人はある程度示し合わせて行われた。

 

 だが時透は上から来る三人なんて知る由もないので、土壇場で慌てて攻撃の矛先を切り替えたのだ。天才だからできたことである。

 

 

 こうして話し合っているうちに黒死牟の肉片も朽ちた。これにて上弦の鬼が全て(?)討伐……というか無惨の支配下から逃れきった。

 

 残るは無惨一人。というか独り。味方が理性のない鬼くらいしかいない哀れなラスボスの討伐だけが残った。

 

 

 

 

 

 

 

 あ、無惨探さなくていいですよ。鳴女さんが味方になったので自動的に無惨の位置も動きも丸裸になったので。

 

 

 





【大正コソコソ話】
 原作だとそれなりにあった黒死牟の回想は死後の世界で行われた。そしたら目の前に縁壱が立ってて死ぬほどビビった。いやもう死んでるから。

 縁壱に全ての心情を吐露し、ついでに「泥管とお前はどういう関係だったんだよ、何で日の呼吸教えてんだよ」と問うと「私の良き友人ですし、知りたいと請われたから教えただけですが?」と返されて脳内をはてなマークで埋め尽くされた。もう脳消えてるんだけどな。

ほぼ原作沿い部分は大幅カットしてもいい?

  • ええんやで
  • 駄目、全部書け
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