UNDERTALEと東方が全面戦争するそうです 作:ヘビーなしっぽ
戦場に二本の穴の空いた双剣を持ち、ショートカットで目まぐるしく移動する一骨がいた。
クロスだ。
闇auの骨達が大暴れする中、彼だけ獲物を見つけられずにいた。
「はぁ…まぁ俺は別に戦闘狂って訳でもないしな…」
光のない目をしたクロスがHAHAHA!っと笑う。逆に怖いくらいだ。
「上書きで援護すっかな…となると…」
クロスはショートカットで上空に移動した。
「ん〜…今は…ホラー先輩は決着。マーダー、キラー、インサニティは獲物捜索中。センパイは…何やってんだあの人…エラー先輩は…本陣で…。ジェノ、リーパーは妹紅と戦闘中。サドン死亡。ラストブレスが仇取った」
え〜…と愚痴を漏らす。
「どこも終わってんなぁ…前線でウルトラ系の援護でもすっかな…」
ん〜…と落下しながら考える。
「はぁ…前線維持でもしとこ」
クロスは地面にドゴンッ!と爆音を立てつつクレーターを建設し、着地すると、爆速で駆け出し、前線に飛び出して行った。
その頃前線ではウルトラ系サンズが暴れていた。口から閃光が飛び出し、地面を抉る。
その一角であるちょっとした森の中にショートカットしてきたクロスは前線を見渡した。
「うわぁ〜…ウルトラ系はやるな…殲滅力が大違いだ…」
半眼を作りながらも感嘆の声を上げるクロスの後ろから足音がした。
「…はぁ…魂魄妖夢、か…」
「!?」
言い当てられたことで、不意打ちを狙っていた妖夢は肩を揺らした。
「めんどくさい相手が来たな…はぁ…ダストトラストかカタナのとこ行ってくれよ…剣術ならアイツらじゃん」
若干のキャラ崩壊が目立つがクロスはどよぉぉん…とした空気を纏い始める。
クロスは後ろに向き直った。
「よう。嬉しくはないけど…会えて嬉しいぜ…」
クロスのはははっ…と乾いた笑い声があたりに虚しく響く。
「で…やることは…まぁそうだよな…殺し合いだよな……そうだよな…」
クロスの頭上に暗雲を幻視できそうだ…。
「はぁ…まぁいっか。俺も闇AUの一員だ。センパイ達に遅れをとる訳にはいかないな」
クロスは手に握った双剣を胸の前で構えた。
「キャラ。いいぞ」
『はぁ…またボクの出番?まぁいいけどさ〜』
何もない虚空から突如声が響いた。
すると、クロスの持つ武器が赫く光る双大剣へと変わる。
その動きを見て、妖夢も刀へと手を伸ばし、抜刀の姿勢を取った。
瞬間。クロスの姿が掻き消えた。
「…!?」
妖夢はビクッ!と震え、反撃など考えず前方に思い切り転がった。
ドッッッガァァン!!!
瞬間。つい先程まで妖夢の頭があった所から地面にかけて大剣が振るわれた。
「……」
クロスが無機質な目を向ける。
「次だ」
クロスは底冷えするほど冷たく、かつ明確な殺意の籠った声で発音した。
妖夢は自らの頬に冷や汗が伝うのを感じた。
本能がガンガンと警鐘をならし、今すぐ逃げろと叫んでいるが妖夢は姿勢を整え、クロスを睨んだ。
即座に抜刀の構えに移行し、一瞬にして間合いを詰めると、クロスを一刀両断に!とばかりに刀を振るった。
MISS!
クロスはトトッと足を動かし、半歩後ろに下がることで妖夢の攻撃を回避した。
直後にクロスはバックステップで木々の中に消えていった。
それを見た妖夢は刀を納刀し、とりあえずその場を離れた。
走り出した直後。
ドスっ!と背後から鈍い音がして妖夢は後ろを振り返る。
するとさっきまで自分がいた所に半径40センチ程のクレーターができていた。
妖夢は自らの背筋がゾワッと粟立つのを感じた。
視線を戻す……と、妖夢は自らの顔の真横に縮小された紅い瞳孔を見た……気がした。
目を見開き、横を見る。そこには誰もいなかった。
視線を前に戻す…と赫く光る大剣の刃が胸の辺りに迫っていた。
「!?」
妖夢は驚きつつも、腰の刀を抜き、両手で握り、大剣に打ち付けた。
「ぐうっ!」
そのまま刀を大剣の柄に刃を滑り込ませ、自らの体を浮かし、一回転し大剣を飛び越えた。
「!」
飛び越えた直後、妖夢は後ろを振り向き、大剣を確認しようとした…が
無かった。
飛び越えた筈の大剣が。そこには無かった。
妖夢は刀を持ち直し、バッ!と上を見た。
その瞬間。上から白と黒の衣服に身を包んだ骨が両大剣を上段に構え、落ちてきていた。
ホラーが斧を叩き落とす様に、上段に振りかぶられた両大剣が妖夢に振るわれる。
目を見開き、後方にバックステップを踏み、回避を試みる。
ドゴッ!
と鈍い音が響き、両大剣が地面に突き刺さる。
見たところ、かなり深く刺さっていた大剣をクロスはなんの苦でもないかのように即座に抜き、構え直した。
そのとき、妖夢が滑り込んでくるのがクロスはの目に映った。
大剣を抜いている隙に勝敗を決しようという判断なのだろう。
だが、クロスの判断は……一瞬だった。
体を横に少しずらし、妖夢の刀を半身になって回避すると勢いに乗った妖夢がバランスを崩し、前方に自由落下を始める。
同時にクロスは右手の大剣の柄で妖夢の背中に狙いを定め、大剣を振るう。
妖夢は腰の刀をもう一本抜き、大剣の柄を弾き飛ばす。
その勢いで、クロスの大剣は再び地面に突き刺さった。
妖夢は即座にクロスの背後に回ると、クロスに向けて、背後から真っ直ぐ突きを放った。
キィィン…
と無機質な衝突音が辺りを包んだ。
見ればクロスは左手の大剣を上段に振りかぶることで背中側に大剣の刃を回し、刃と刃を接触させ、妖夢の突きを防いだ。
刃と刃でだ。極小の面積の同士を打ち合わせることで、クロスは完全に妖夢の突きを相殺した。
そのままクロスは妖夢の視界から姿を眩ませた。
妖夢は体ごと視界を前に戻す…とそこには左手の大剣を上段に振りかぶったクロスがいた。
「ッ!」
妖夢は咄嗟に両刀を自らの前に十字に交差させ、防御の姿勢をとり、攻撃に備える。
ガァァァァァァン!!
そこにクロスの大剣は突っ込んできた。
左大剣と両刀が火花を散らし、衝突した。
クロスはそれを見ると、問答無用で右大剣も追加し、両刀に更なる負荷を掛けた。
しかし、流石は妖夢といったところか。クロスの両大剣を前にしても一歩も引かず耐え続けている。
それを見ていたクロスは、スッと右足を上げた。
そのまま、躊躇う様子もなく、妖夢の腹に蹴りを入れる。
「カフっ!?」
血を吐きながら、妖夢は後方に吹っ飛んだ。
そのまま妖夢を吹っ飛ぶ…20メートル程飛んだところで、大木にぶつかった。
直後。
背後からドゥンと音がし、体が力を失った様にガクガクと震えた。
刀を持つ手はカタカタと小刻みに震え、全身に悪寒が走る。
なぜ急にこんな症状に見舞われたかと言うと、クロスが木から骨を生やし、妖夢の背中から腹にかけて貫通した事が原因だった。
骨が木に引っ込み、妖夢は木の前に仰向けに倒れ…
そうになったところで地面と妖夢の間にクロスが割り込んだ。
「ふぅ…」
と息を吐く。
と同時に持っている武器が双大剣から双剣へと変化する。
クロスは肩口に妖夢の頭を乗せると、双剣を腰に仕舞った。
妖夢を地面に仰向けに寝かせ、傍に座った。
「…ナイトメア(ポジティブ)は…まぁ戦場回ってるからここにピンポイントでここに来るってのは…夢物語か」
クロスは立ち上がると、妖夢を肩に担いだ。
「…軽くね?」
クロスはそのままショートカットで本陣まで移動した
「よう。インク」
「あ、クロス…ってえ?なんでニンゲン?」
インクは戸惑った様に言った。
「うわぁ…貫通させたの?…えげつないね…ソレ、僕じゃどうにもできないよ。ドリームのとこで治してもらって」
クロスは頷き、ドリームの所に連れて行った。
今回、幸福の力を扱えるサンズはほぼ強制的に赤十字になっている。…あとトリエルも(←完全に戦わせる気無し)白メアは戦場を飛び回って、怪我をしているサンズや、ニンゲン。そして幻想郷メンバー達を癒して回っているのだ。
「よう、ドリーム……と…」
「スワドリとでも呼んでくれよクロス?」
羽の生えたドリームサンズが一人。
スワップドリームテールのスワップドリームサンズだ。
「はぁ…まぁいい。こいつ診てやってくれ」
クロスは妖夢をそばにあったベッドに乗せた。
「わぁ…すごい怪我……分かった。また行くの?」
「おう」
「行ってらっしゃいクロス」
「…おう」
クロスはそう返事をしてショートカットでその場を去るのだった。