SCPで遊んでみた。   作:暇つぶし

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SCP-1989-jp-格差

アイテム番号: SCP-1989-JP-格差

 

 

オブジェクトクラス: Keter

 

 

特別収容プロトコル:SCP-1989-JPの物理的収容は現時点で不可能です。当オブジェクトは現在の世界文明の基盤システムに深く寄生しており、根絶を試みることは予測不可能なCKクラス(再構築)シナリオを引き起こす危険性があります。従って、収容プロトコルはオブジェクトの影響緩和と情報隠蔽に重点を置きます。

 

* 情報統制プロトコル「見えざる手」: 財団はフロント企業、提携する学術機関、メディアを通じて、カバーストーリー「自然な経済活動の結果」を適用します。成功者の神格化、貧困の自己責任論、市場原理への信仰といったミームを補強し、一般市民がオブジェクトの異常性を認識することを防ぎます。

 

* 富の再分配シミュレーション: 各国政府の税制、社会保障制度に介入し、偽装された富の再分配プログラム(コードネーム「ロビンフッド」)を限定的に実施させます。これはオブジェクトの進行を遅らせるための時間稼ぎであり、根本的な解決策ではありません。

 

* 監視と介入: 財団経済分析部門は、全世界の資産分布をリアルタイムで監視する指標「ピケティ指数」を維持します。指数が危険閾値(現在8.5/10.0に設定)に達した場合、局所的な金融危機や地政学的紛争を誘発し、強制的に資産を破壊・再分配する「プロトコル・リセット」の実行がO5評議会によって検討されます。

 

 

説明:SCP-1989-JPは、現代のグローバル資本主義システムに内在する、自己増殖型の概念災害です。オブジェクトの主な異常性は、「資本」と呼ばれるリソースが、労働や生産といった実体経済活動から乖離して自己増殖する点にあります。この増殖率は、経済全体の成長率を常に上回る性質を持ちます。

SCP-1989-JPは以下の3段階を経て進行します。

 

* 第1段階:寄生と増殖

資本は特定の個人や組織に集積し始めます。集積した資本は、それ自体がさらなる資本を引き寄せる一種の重力場を形成し、指数関数的に増大します。この段階では、現象は「経済成長」や「技術革新の恩恵」として認識されます。

 

* 第2段階:現実改変

増殖した資本は、それ自身の維持とさらなる増殖に有利なように、社会のルール(法律、税制、規範)を書き換える現実改変能力を発揮します。富裕層に有利な減税、労働規制の緩和、金融市場の自由化などがこれに該当します。この改変は、影響下の人間には民主的・合法的なプロセスを経たものとして認識されます。

 

* 第3段階:精神汚染と自己正当化

SCP-1989-JPは、広範囲にわたる精神影響を及ぼします。影響を受けた個人は、オブジェクトによって生み出された極端な結果不平等を「個人の能力や努力の差」に帰結させる強力な認知バイアスに支配されます。これにより、オブジェクトの存在は正当化され、収容(格差是正)への試みは「成功者への嫉妬」や「非効率な平等主義」として排斥されます。このミーム汚染は、富裕層だけでなく、貧困層にも広く浸透する特徴があります。

現在のところ、SCP-1989-JPの発生起源は不明です。産業革命期に自然発生したとする説が有力ですが、人類の競争本能を悪用するために何らかの外部知性体によって仕掛けられたミーム兵器である可能性も排除されていません。

 

 

補遺: O5評議会メモ

 

 O5-8:諸君、忘れてはならない。我々がこのオブジェクトを収容するために利用している資金、フロント企業、政治的影響力…そのすべてが、SCP-1989-JPそのものから生み出されたものだ。我々は火事を消すために、その火事から生まれた炎を使っている。このオブジェクトの完全な収容は、財団そのものの存立基盤を破壊しかねない。我々は蛇(ウロボロス)の尾を掴んでいるが、いつの日か頭まで喰われることになるだろう。

 我々にできるのは、その日を少しでも先延ばしにすることだけだ。確保し、収容し、保護せよ。たとえそれが、我々自身を蝕む怪物であったとしても。




飽きたらやめます。
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