散りゆく陰への鎮魂歌 陰の実力者の狂想曲   作:妄想の樹木

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 このシリーズ、ほぼ一年ぶり・・・
なんならカゲマスでの本編の方が終章を迎えそうなので、投稿することにしました。
 こんなに間を空けてしまっているのに全く話は進まないです、ごめんなさい。

ハーメルンはほとんど動かしていなかったので、この作品に評価、お気に入りをくださった方は本当にありがとうございます


陰に潜みて、陰を見るもの

散りゆく陰への鎮魂歌 陰の実力者の狂想曲

 

 血と惨劇の気配が染みついているような、重い雰囲気を感じられる戦場・・・

 

「ボス……?ボスはどこ?」

 

「(え……?)」

 

「う、嘘ですよね?

どこかに身を隠していらっしゃるんですよね!?」

 

「(これは、どういうこと……?)」

 

デルタとイプシロンの声を聴き、内心で困惑するアルファ。

この状況は先程までのアルファの記憶が正しければ、ありえないことだった。

 

「(何が起きて……?

私たちは負けて、全滅したはずじゃ……?)」

 

困惑しているアルファの耳に入ってくる七陰たちの言葉は、既視感を覚えるものであった。

彼女たちの言葉は一言一句、記憶にあるものと同じ言葉を言っている。

 

そこからアルファは一つの推論が頭に浮かんだ。

 

「(時間が戻った……?)」

 

その推論は到底理解しがたく、簡単には受け入れられない状況だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ……?タイムリープかぁ…!」

 

 そんな状況でもさらっと受け入れ、1人場違いなほどにワクワクした様子の少年がいた。

シド・カゲノーである。

 

 シドは魔力をわずかにオーラとして放出し、揺らめかせながら満面の笑みを浮かべていた。

その様子はまさしく、魔人と呼ばれるのにふさわしいものだった。

 

「これは、最ッ高の陰の実力者プレイができそうだ…!!」

 

 

 

 この魔人を止めることができるものなど

 

いない

 

 

 

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「さてと…まずはどう動くか…」

 

完璧な陰の実力者プレイ…いや、今は現実に起こっているこの事態(パーティー)に、介入する最高のタイミングをシドは見定める。

しかし脳内でシミュレーションを410個想定しているうちに、一つの問題に気付いた。

 

「…待てよ、このタイムリープに気づいているのって、果たして僕だけなのか?」

 

状況を読み間違えて登場する陰の実力者など笑止千万、あってはならないことである。

そう考えながらシドは、7陰たちのいる方を観察する。

 

「というか、タイムリープに気づいている主人公とか敵がいてくれる方が

『前回と、違う……!?俺以外にもこの運命から外れているだと、奴は何者なんだ…?』みたいなことができるんだけどな~…」

「………ん?」

 

そこまで考えながらようやく、他の7陰たちが動揺しているのをアルファが止めているところが見えた。

 

先ほどとは異なっている展開だ。

 

「…ふ~ん?」

 

そして魔力が時間が巻き戻る前と明らかに様子が違っているのを見れば、理解するのはそう難しいことではなかった。

それはつまり・・・

 

「…さっきとは魔力の巡りが違う、あれは意図的かな?

……てことはアルファはタイムリープに気づいてるっぽいね、これ。見た感じ記憶も持ち越してるっぽいし……!」

 

最高に面白くなっている展開に、口元の笑みを手で隠しながら考える素振りをする。

 

「なるほど、アルファが主人公ポジションか…!僕としたことがこれは完全に盲点だったなぁ!」

 

シドは楽しそうにそう呟いた。

 

「いや待てよ、アルファが主人公ポジションってことはシャドウとしての復活する演出って、かなり陰の実力者感が出る場面になるよなぁ…」

 

「これは最高だけど、難しくなるかもなぁ。こんな本当の舞台になんてもうこの先ないかもしれない…!

…アルファたちが合わせてくれてる陰の実力者プレイもいいけど、やっぱり本番できめられないと意味ないよね!」

 

シドは両腕を組みながら、深く考え込む様子を見せている。

 

「ここで最高の陰の実力者をできたのなら、僕の夢に一歩近づく!それにこれが終わったとしても、

アルファたちが感動してくれてまだまだ陰の実力者プレイに付き合ってくれる可能性も高い!」

 

「これは万が一にも失敗は許されないぞ…!シャドウの復活という大舞台は一度シミュレーションを考え直す必要があるな……

よし!!!」

 

 

 

 

 

―――シャドウの復活はもうちょい後にしよう、そうしよう!!!

 

 

 

 

 

誰にも聞こえない、見られない場所で一人…シドはそう決意したのだった。

 

ここから始まったのは

はるか未来まで語り継がれる英雄譚、あるいは彼女たちにとっての陰に捧げる鎮魂歌(物語)

・・・・・ではなく

 

 

 

そんな物語の陰に潜む陰の実力者の、歴史すら吹き飛ばすロールプレイ。そのオープニングである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、ここに来てからあのでかいの以外にも、面白い魔力反応がいくつもあったんだよね。

それに、久々に彼女の気配も感じるし」

 

「あっ、そうだ」

 

シドは思い出したように、アルファたちのいる方に視線を向ける。

 

「あの時アルファと同じ風に、魔力の巡りが違ってたあのひとも、どう動くつもりなのかな…?」

 

シドはそう言いながらまた、三日月のような笑みを浮かべたのだった。

 

 

続く




シドの察し力が、原作と比べると少し違うかもしれない・・・
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