ようこそ個人主義上等の教室へ   作:名無しの権左衛門

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10:暴露

 5月になるまで後一週間。中間テストは4週間後にある。

来月の給料が0pt(プライベートポイント)ということを、

今のうちに公開しショックを和らげる計画を実行する。

 

「皆、聞いてほしいことがあるんだ」

 

朝のホームルーム前。ほぼすべての生徒が集まっている中で、一ノ瀬が壇上に上がる。

それをオレは、経過を見守る。彼女は手を叩いて、皆の視線を恣にする。

全員の朝っぱらからなんだよ、という怪訝な表情をものともせず、立派に教卓へ両手をついて前のめりになる。

 

「来月、私たちのクラスのプライベートポイントは、0になります!」

「はあ!? なんでだよ!」

「ちょ、一ノ瀬さん! いくら冗談でもそれはないでしょ!!」

「嘘だ!」

「嘘乙」

「流石に帆波ちゃんでもアウトでしょ」

 

 非難轟々の嵐だが、一ノ瀬は続けて言う。

 

「驚かせてしまってごめん。でも、これは事実。 もちろん、誰か一人のせいじゃない。これは、私たち全員の選択と行動の積み重ねの結果だと思うの」

「つまり俺たちのせいっていうのかよ!」

「あたしたち、真面目に授業受けてるんだよ!? それってないでしょ!」

 

 好き勝手に騒ぐやつら。こいつらはいつも携帯を触っていたり、遅刻やゲームをしている不良だ。もちろん騒ぐ中には、山内や池も混じっている。

更に酷いのは真鍋と森下だ。定例会議から一週間が経過し、女子の方は坂柳と一ノ瀬にまかせている状況。

 だが、未だに制御下にないのは、単純なしっぱいというよりも協調性がないため、というものに終止すると考える。

 

「私はこの状況を、誰のせいだとは思ってないよ。 むしろ、私たちがどう立ち直るかで、このクラスの本当の価値が決まると思う。

来月は中間テストがあるんだ。そこで、たくさん得点を取ったら、ptがたくさん戻ってくるの。 私は、皆と一緒に0を越えたい。 だから……力を貸してほしいんだ」

「そもそも、どこで0だって証拠があんだよ。俺等を陥れようってのか!」

「あー、ごめんね。やっぱ無理だわ」

「真面目に聞いたのが悪かった」

 

 両手で数えられる生徒は、一ノ瀬の力強く見える目を無視して席につく。

ちょうど予鈴が鳴ったようだ。

自分の席へ、ぞろぞろ帰っていく立席組。

 オレも次の授業の用意をしながら観察するが、一ノ瀬は隣の生徒と小声で話し合っている。

あの生徒はだれだったか。

 

 

 この後平田や水戸が中心となって、中間テスト対策委員会を開くことを決定し、

プライベートポイントを稼ぎたい同志を集める動きを強めた。

だが、それは平田や水戸の息がかかった生徒だけで、もともと成績が悪い池や

他者を見下すだけの真鍋といったタイプは、集まることすらなかった。

 意外にも山内がいることに驚いた。

 

「俺はもともと東大に行けるほど実力をもった人間なんだぜ?

そんな俺がこいつらに教えてやるってんだ」

「まじ?」

「まじまじ、大マジ」

 

 山内のホラ吹きは馬鹿にならず、何故か社会だけできていた。

英語は王美雨が担当するらしい。

歪だが一ノ瀬が音頭を取ったということもあって、平田たちの頭として動き出す。

これにより、【さんぽ部】への出頭は流れることに。

 彼女自身も多くのクラスメイトが、一ノ瀬を求めたことでメンタルを持ち直したようだ。

いまではしきりに、できない生徒へ真摯に授業の復習を手伝っている。

 

 

 そうしてときが流れ、運命の日がやってくる。

 

 5月1日。登校するときの一ノ瀬の顔が少し暗い。

声をかけるべきか、しないべきか。いや、この程度でくじけられては困る。

少し声をかけておこう。

 

「一ノ瀬」

「あ、綾小路くん」

「ついに来たな」

「うん……でも、皆覚悟できてると思う。少なくとも、勉強会に参加してる皆は」

「ああ。それにこの一週間、坂柳や井村たちが話を聞かない女子を、

なるべくまとめようとしていた。きっと一ノ瀬の話も聞いてくれるようになる」

 

 気休めにもならないだろうが、一ノ瀬はやると決めたら最後までやる奴だと思っている。いまでも深呼吸をして顔を引き締め直している。

 

「よし、行こう!」

「ああ」

 

 登校途中、三階から雨樋を伝って降りてくるシェフ・木に落ちて地面に着地する安藤・階段の踊り場に足を引っ掛けて降りてくるオリジナルと合流し、先走っている龍園に追いついていった。

 

「ふむ、堀北。君はいつにもまして健康体だな!もっとDHAを取ろう! 

櫛田、君はすこし背筋を鍛えるべきだ! 葛城、君はビタミンB2を50mgとるんだ!」

 

 いつもの水戸の触診の声を聞きながら、教室へ入っていく。

っと、井上が坂柳をお姫様抱っこして登場する。その後ろを井村が、井上と坂柳の分の荷物を持って参上。

外村と山内が、池にテストで高得点を取ってポイントもらったら、何を買うか雑談しながら教室へ入ってくる。

 

「やっと来たか、水戸」

「おや、ワタシに何の用事かな?」

 

 いろんな生徒へ声をかけて予鈴5分前に入ってきた水戸は、

水筒を傾けてお茶を飲んでいる。何を飲んでいるんだ。

と思えば、梅の香りがする。梅昆布茶か。渋いな。

 

「この後、緋山先生からポイントの事を言われる。そのときに、質問をしてほしい」

「ふむ……質問内容は、クラスメイトが及ぼす連帯責任の範囲の確認でいいかな?」

「ああ、それで頼む」

 

 オレも気になっていたところだ。わざわざ探しに行く手間を考えても、坂柳と井上以上の情報を得られることはないと考えられる。

そこで、今回の件を使って、色んな角度で質問をしてもいいだろう。

 ちなみにシェフが担当した平田の方は、査定基準だ。

クラスポイントがどのようにして、プライベートポイントに変わるのか。

スマートカードの方も、確認しておくべきだろうがホームルームも、

授業態度の一環として見られるはずだ。

 そう、ホームルームは仕事でいうならば、朝礼や会議の時間帯。

決して私物に触って良い時間ではない。

 




9/2 11時~15時 匿名331(?)さん、質問をして頂きありがとうございます。
色々と返答致します。

Q1:何故、タグが英語?

A1:8年前から行っている私のやり方です。
  ウマ娘プリティーダービーだけは、運営が検索妨害として
  逐一修正される以外、我道を行っています。


Q2:視聴者厳選は2話からじゃない?

Q2:素人がプロと同じ思考とテンションで書き続けられると思ってます?
  

Q3:綾小路は自身のことを、完璧超人とは言わない。

A3:ライトノベルでは、だいぶ調子に乗ってます。
  他人を「物」と謗っても、初めての學校にわくわくしています。


Q4:これからおもしろくなる?

A4:知らんがな。そして、語るに落ちてる。

 毎日、UA落ちてるかな?評価0がついてるかな?、とわくわくして見ています。
おきにいり・ここすき・感想はいらない(評価は要る)ので、
今度はどこで失踪するか楽しんで見てやってください。

 あと、平日投稿は無理です。
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